Fate/stay night 槍の騎士王と幼い正義の味方   作:ウェズン

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ども、お久しぶりでもそうでなくとも久しぶりに投稿出来ましたウェズンです。
いやーついに第二部始動し、そしてFate/Apocryphaコラボと…忙しいです、はい。
では始まります。


第三十四夜-再起-

「―――『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』」

 

「―――『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』!!!」

 

 魔力の波動同士がぶつかり合う。それによる余波は凄まじく凛は立っていられない。

 二つの宝具のぶつかり合いは、一見拮抗しているようには見えた。だが、よく見れば徐々に魔術王の宝具が競り勝っていっている。

 このままではまずい。これでは待っているのは死だけだ。凛はなんとかしたいが、とても何かできるような状態ではない。

 

「――ッ! この、ままでは…!」

 

 何か、何か一つでいい。魔術王の気をそらせれば、まだ勝機はあるかもしれない。魔術王も押し込むので精一杯だからだ。

 だがこの状況下ではアルトリアも凛もそんなことができるわけもない。それ故に、アルトリアは願わずにはいられない。

 

「…ッ! シ…ロォォォーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、お前は…!」

 

「フフ、お困りのようだからまた現れたよ」

 

 士郎の前に現れた人、それはあの花の妖精と名乗っていた男だった。

 

「お、お前、なんでこんなところにまで…」

 

「なんでって、そりゃあ君を助けるために決まっているじゃないか」

 

 士郎はなぜこんなところに花の魔術師がいるのか判らず困惑する。

 気づけば周囲もあの理想郷のような場所に移り変わっていた。

 

「…あんた、一体何者なんだ」

 

「私が何者かなんてどうでもいいって、もう何回言えばいいのさ」

 

 そうは言っても仕方ないだろう。なぜこうも士郎の目の前に現れるのか。そもそもどうやって現れているのかさっぱり不明なのだから気になっても仕方ない。

 

「まあ、それは置いといて、だ。

 いや〜ついに死んじゃったねえ、シロウ君。はっはっは」

 

 そこら辺の座るにはほどよい岩に腰を掛けて、さらっと笑いながら言ってのける。笑い事じゃなねえだろ、と怒りが湧く士郎は突っ込む。

 

「…やっぱり死んでいたのかおれ」

 

 自分の胸に手を当てる。心臓の鼓動はしない。

 

「うん。君は聖杯と一緒に魂を抜き取られた。そして今はソロモンの体に取り込まれている状態だね。だからソロモンの魂に眠る記憶が垣間見えた」

 

「…!」

 

 士郎は目を見開いた。それと同時になぜソロモンの過去が見えたのかを理解した。今この世界はソロモンの世界なのだ。

 

「それにしてもどうしよっかシロウ君。私としてはどうにかしてあげたいところだけど、正直なところもうこれ以上は難しいんだけどね〜」

 

 へらへらと真剣なのかふざけているのか判らないその態度に苛つく。しかし、彼が言ったようにここが魔術王の世界であれば抜け出すことはほぼ不可能に近い。

 だが、

 

「……どうするもなにもねえよ。おれはここから出てアルトリア達を助けに行く」

 

 どんな状況だろうと士郎はアルトリアに呼ばれたのだから何がなんでも脱出しなくてはならない。

 

「…彼女達を助けようというのかい。負けた君が行ったところで無駄かもしれないのに?」

 

「…っ! 無駄かどうかなんてやってみなきゃわかんない」

 

 士郎と花の魔術師の視線が交差する。士郎はじっと臆することなく見続ける。

 

「…フフ。君なら言うと思ったよ。けどね、本当にそれでいいのかい?」

 

「…なんだよ、しつけえな」

 

 花の魔術師は折れてくれたのかと思えば立ち上がりつつまだ忠告してくる。どうも花の魔術師は煮え切らない態度をとっている。一体なんの意図があるというのか。

 

「…前回私と会ったときの話を覚えているかい」

 

「急になんだよ」

 

「いや、少し昔でもないけど話がしたくてね」

 

「おい、おれは急いで――」

 

「安心しなよ。今私が来た瞬間から時間は止まっている。ここで何時間過ごそうと向こうに影響はない」

 

「…そんなこともできるのかよ。本当にお前何者だ?」

 

 そんな士郎の言葉は無視して花の魔術師は話始める。それは、昨日の夜士郎が見た夢の話だ。

 あのとき、夢の中で出てきたのはこの花の魔術師だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はね、ハッピーエンドが好きなんだ」

 

 花の魔術師は突然そのようなことを言ってきた。士郎の夢の中で士郎と同じ格好で出てきた彼はアルトリアに交際を断られたことを慰めに来たようだ。余計な世話だと思う反面、一応感謝もしておいた。

 そのときにこのようなことを言ってきた。急になんの話だと思いつつ耳を傾けている。

 

「私は君に少し期待しているんだ。君は本当にアルトリア含めハッピーエンドにできるのではないかとね」

 

 士郎は黙ったまま何となく聞き流す。

 

「だから、君には是非とももう一度立ち上がってほしい。そうでなきゃハッピーエンドになる以前の問題だろうしね。

 そこでだ。今度は私が君を鍛えてあげようかと思ってね」

 

「……! お前が…?」

 

 まさかの発言に驚く。だが、今さら彼は士郎に何をしようかというのか。

 

「無論、君には彼のアーサー王と同じように鍛えてあげよう。もともと彼女に剣術を施したのは私だしね」

 

「…えっ!? マジで!?」

 

 あまりにも意外なことで驚く。まさかあのアーサー王に剣術を教えていたのが目の前にいる魔術師だとは思いもしなかった。

 

「マジマジ。私はこう見えて肉体派でね。もちろん魔術もできるけど―――殴った方が速いだろう?」

 

 まるで名言のように魔術師とは思えない発言をする。

 

「……お前、それでいいのかよ」

 

 士郎も魔術師とは言い切れない存在とはいえ、その初歩は身につけた手前それでいいのかと疑問をぶつける。

 花の魔術師はそんなことは露知らず、気軽にそれで良いと返す。

 

「さて、それじゃこの私の道場に入る気はあるかい?」

 

「……………」

 

 士郎は少し悩む。というより、そもそもこんなことをしている場合なのか。今鍛えたところで間に合うのかと。

 

「心配する必要はない。君はもう既に強い。私がすることは君の手解き、それから『全て遠き理想郷(アヴァロン)』の使い方さ。

 君のそれはいずれ重要になるだろうからね。そのためにも私が今できること全てやって魔術王ソロモンを倒す術を与えよう」

 

 その話は願ったり叶ったりだ。士郎は首を縦に振る。

 

「よろしい。では―――早速始めようか」

 

 そうして士郎は花の魔術師から手解きを受けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~。それにしても強くなったもんだね~。あのシロウ君が」

 

 久しぶりに親戚の子供にあったかのような反応をする。

 

「…じじくせえな」

 

「うっ…そういうことをズバリと言わないでくれ。正直これでも地味に傷ついているんだからね」

 

 意外にも歳を気にする姿は地味に人間臭く、少し気が抜ける。

 

「…それで、おまえはこんなこと思い出してなんだっていうんだよ」

 

「うん…それなんだけどね、正直に言うよ。シロウ君、―――もう諦めないかい?」

 

「――!」

 

 予想外の言葉に士郎は目を見開く。

 

「…私は君の体にいながらずっと動向を伺っていたんだ。魔術王のマスターをね。それで一つ私は思った。何も彼は聖杯を悪用しようなどとは考えていない。彼はただ一つの研究を完成させようと思っているだけ。つまり――」

 

 花の魔術師は士郎の目を見る。

 

「――彼でもハッピーエンドを迎えられるんじゃないかなとね」

 

「…!!」

 

 士郎の顔が急に強張る。なんとなく言いたいことがわかってしまったからだ。

 

「…アルトリアはサーヴァント。すでにこの世の者でない以上今消えたとしてもあるべき場所に戻るだけ。君たちの想いが叶わなくなってしまうが、それでも、少なくとも生きている人は救われると思うよ。

 魔術王だって大量殺戮がしたいわけでもなければ、お気に入りである君を完璧に殺すつもりはないだろう。聖杯戦争が終わって消える際に戻してくれるだろうさ。

 そう、結果的に言えば君たちは敗北ではあるが生き残れる。生き残れたならいいじゃないか。君はまだ幼い。次の聖杯戦争でまた彼女を呼べばいいさ。何も今回限りではないだろう。…まあ、こればっかりはなんとも言えないけどね」

 

「…………」

 

 士郎は何も言い返せない。そうだ、彼の言う通りこのまま今回の聖杯戦争は魔術王の勝利で終わらせればいい。

 もし本当に彼の言う通りなら聖杯は悪用されることはない。士郎が一番懸念していたことも何も心配はいらないということだ。

 だが、それだと一つ叶えられないことがある。

 

「……けど、それじゃ、またこの戦いが始まらないといけないじゃないか」

 

 それはなによりも嫌っていたこと、すなわち戦いが繰り返されるということ。

 

「おれは、こうして戦ってきて思ったよ。これ以上この戦争はくり返してはいけないって。

 …だって、おれは見たんだ。全く関係のない人が倒れるところを、せっかく仲良くなれるかもと思った奴が死んじゃうところを…!」

 

 花の魔術師はただじっと士郎を見つめながら無表情のまま聞く。

 

「もう…もうこんなの嫌だ。こんなことやめさせるべきなんだ。今回で終わらせないといけないんだ!

 だから! 次は無い。こんなこともうさせない!」

 

「………なんとも愚かしい発言だ」

 

 花の魔術師はやるせないと言ったような顔になる。

 

「君は自分の幸せを手放して平和を掴み取ろうというのかい。そんなの人間がすることじゃないね。

 …なるほど、君もある意味人でなしということか」

 

 何かに納得したかのような表情を浮かべると、改めて士郎の顔を見る。

 

「…わかった。ではここから脱出する方法を教えよう」

 

「! 本当か! なら早く教えてくれ!」

 

 士郎は急かすが、花の魔術師は順序だてて行わないといけないという。

 

「おっ、おい! おれは急いでいるんだよ! なんだよてじゅんって!」

 

「まあまあ、今ここでの時間は動いていないんだから安心してって。

 えー、で、ここからの出方だけどね。まず君は聖杯を魂ごと抜き取られて今ここにいることは判ってるよね?」

 

「え? う、うん」

 

 急かしている士郎をなだめた花の魔術師はそのようなことを聞いてくる。

 

「――――それでは、今の君に聖杯はあるかい?」

 

「…!」

 

 言われて初めて気づいた。確かに、今士郎には聖杯はない。いや、正確にはまだ聖杯の気配は感じるが、それはどこか別のところへと繋がっているようだ。

 

「聖杯との接続は感じられるが、本体は無いだろう? それじゃ今出たところで意味がないよ。今や聖杯は君の魂と一心同体なんだから。文字通りね」

 

 そうだった。士郎はすっかり失念していた。もう聖杯と切って離せない存在になっているのだ、聖杯だけをここに置いて出るということは不可能なのだ。

 

「だから、まず君がすべきことはこのソロモンの世界のどこかにある聖杯を探すこと。それをしなければならない」

 

「…次に何をすればいいんだ?」

 

「ぶっちゃけやることはこれだけでいいよ。あとは私のところまで戻ってくれば、この世界から今も君の体にある鞘を通じて戻してあげよう。

 だけど、忘れちゃいけないよ。私は先程ここから出るのは難しいと言っただろう。その難しいというのは、この世界にはソロモンが仕掛けた罠、もっと言えばセキュリティのようなものが存在するだろうことさ。私の存在は既に知られているだろうしね」

 

 いつになく真剣な顔で言う。それほどまでにその罠は強力なのだろう。

 

「…! マジかよ。というか、よくお前を見つけられたな」

 

「いや、本当にね~。こっそり移動するのは得意な筈だったんだけどな~。流石は魔術王だよ。

 恐らく、彼は君と出会った瞬間から私が関わってくるのはお見通しだったのだろう。そうそう容易く突破はさせてくれない。

 けど、それならなおさら、こっちもやられてばかりいないで反撃を開始しないと。というわけで――」

 

 そこで区切った花の魔術師は懐を漁りだして取り出したものを士郎に投げ渡す。

 

「うわっ、とと」

 

「君にはこれをあげるよ。それは彼の王が一人の騎士に頼み、湖の精霊に返還した剣を私が拾ったものさ。よかったら使ってくれ」

 

「…いや、使ってくれって、これエクスカリバーじゃねえか!! なんでこんなもんもってんだよ!?」

 

 士郎は驚きを隠せない。解析してはみたが、これは間違いなくアーサー、アルトリアが持っていた星の聖剣だ。

 

「そんなことはどうでもいいだろう。さあ、ここから出たらまた時間は進む。今アルトリア達もヤバい状況だからなるべく早く行動を開始した方がいいよ」

 

「…っ、あーもう! 判ったよ!!」

 

 士郎はもっと色々と聞きたいことがあったが、それはもう後回しにしようといわれた通り聖杯を探し出す。

 

「シロウ君!! 聖杯はソロモンなんかより君とずっと密接に繋がっていた! 君ならすぐに見つけられる筈さ!」

 

 遠くなっていく花の魔術師から聞こえた声に判ったとだけ伝えると、剣を握って探し始める。

 

(待っててくれよ…! 今度はおれがアルトリアを助ける番だ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふむ。もうこれは我々の勝ちと見て良さそうだね。今はまだ堪えているが、それも時期に終る。

 …どうしたんだい、アトラム」

 

 ソロモンとアルトリア達が戦っているのを見ていたマリスビリーはアトラムに向けて言ったつもりが返事がないので振り向くと、彼はこの世の終わりだというような青ざめた顔になっていた。

 

「どうしたもこうしたもないっ!!! 私の…! 今私の工房が燃えていると連絡がきたんだ!!」

 

「そうか。まあ今更どうでもいいことだろう。少しは落ち着いたらどうだい」

 

「これが落ち着いていられるかっ!! ああ! 早く、早く戻らねば…!」

 

 アトラムはあのバカサーヴァントが、と悪態をつきながら慌てて自分の工房に戻ろうとする。しかし、

 

「…!? おい! これはどういうことだ!! なぜここから出られん!!」

 

 アトラムが戸に手をかけたが戸は全く開かない。

 

「…ふう。そうか。では、君とはここでお別れか」

 

 マリスビリーが突然そのようなことを事を言って立ち上がる。

 

「!? な、何を言っている…! いいからここから私を出すんだ!」

 

「―――それはできないよ、アトラム・ガリアスタ」

 

 アトラムの願いを却下する。

 

「…アトラム、君が私たちを利用しようとしていたことなどお見通しだ」

 

「…っ! な、何を…!」

 

 アトラムは動揺を見せる。

 

「君が勝ち残り聖杯を手に入れたら私をセイバーで殺害しようと思っていたのだろう。

 …聖杯戦争の結果は勝者しか知らされない。誰がどこでどのようにして死んだのかは誰にも知られることはない。だから、君は私を…いや、キャスターを利用して邪魔な敵を排除、その後セイバーを使って私を殺害することで実質キャスターも倒したことになる。…君は本当は聖杯を独り占めしたかったのだろう」

 

「なっ!? そ、そんなわけがない、だろう…わ、私がそんなことを――」

 

「言い訳は無用だ。それでは頼んだよ、――言峰神父」

 

「――!?」

 

 マリスビリーがそう言い放つと、屋敷の奥から厭らしい笑みを浮かべた神父が現れる。

 

「なっ!? お、お前は! ――」

 

 神父、言峰 綺礼は容赦なくアトラムの胸を貫く。

 

「…! がはぁ!!」

 

 口から血が大量に流れ出て綺礼を一瞬だけ睨み付けたら、そのまま倒れる。

 

「…心臓を一突きとは、恐ろしいね」

 

 マリスビリーは動かなくなったアトラムの傷を見ながらそう言う。

 

「貴方がしろと言ったことでしょう、ロード」

 

「それもそうか。さて、死体の片付けも頼みたいのだが、よろしいかな?」

 

 いいだろうと綺礼はまだ血が流れている死体を担ぐ。

 

「君がいてくれて助かったよ。自らの手で人殺しは行いたくなかったからね」

 

「ええ。私も右腕を失いましたが、どうにか生き残りましたよ」

 

「ふむ。それは少々残念だな。どうせなら今までの令呪も欲しかったところだったなんだが」

 

「それには応えられなくて申し訳ない。…代わりといってはなんですが、一つ貴方にはお教えしましょう」

 

 死体を担いだ綺礼がマリスビリーに振り向く。

 マリスビリーは綺礼の表情から嫌な予感を感じつつ耳を傾けると、

 

「―――此度の聖杯戦争に意味などありませんでした」

 

「…なんだと」

 

 そう言ってきた。それはどういうことなのかと驚愕を隠せないマリスビリーが問い、言峰は話す。

 マリスビリーは話を聞く度、徐々に表情が曇る。

 

「―――まさか、本当に今回の戦争が全て無駄だったとは」

 

「さぞかし驚かれたでしょう。まさか、一人の少年を聖杯に捧げるだけで聖杯は起動するなどと」

 

「……一つ聞きたい。お前はいつからこの事を知っていた」

 

 頭を押さえているマリスビリーがそう聞く。

 

「私が気づいたのはあの少年に会ったとき、からですね」

 

「…つまりは始めからか。はぁ、なるほど通りでキャスターが気にかけるわけだ。彼も気づいているだろう」

 

「ええ。あの魔術王ともなればとっくに気づいておいででしょう。クックック」

 

 嫌味な笑みを浮かべる彼に辟易としたような様子を見せる。

 

「ましてや、聖杯も穢れているとはな。とんだ無駄骨だったわけだ。

 全く、これでも下調べは万全にこなしたはずなんだがな。君達の機密性には感心するよ」

 

「誉めていただきありがとうございます。

 …ですがロード、聖杯は穢れ、本来の願いと裏のことをおこすとはいえ、貴方はまだ幸運だ」

 

「…どういう意味だ」

 

 マリスビリーは訝しげに言峰を見る。

 

「なに、そのままの意味ですよ。聖杯は穢れていますが、聖杯の中身は浄められました」

 

 言峰は魔術王と戦っていた士郎を見て気づいたことを話し出す。

 

「――…ほう、なるほどあの少年にある聖杯は汚れが無くなったと。よくそんなことがわかったな」

 

「はい。私は少々特殊なことがありましたので。

 それはそうと、聖杯を求めると言うのであればあの少年を狙うとよいでしょう。

 …どういうわけか、少年衛宮 士郎は聖杯の中身だけではなく、肉体も聖杯の器そのもの(・・・・・・・・・・・)になっていっているようですから」

 

 驚愕の事実、というわけでもないのかマリスビリーはさしも当然だろうというような顔でいる。

 

「いかがなされますか? ロード」

 

 言峰が続けるか否かを問う。それに丸数分かけて悩んだマリスビリーは、

 

「…いいだろう。聖杯戦争を続けよう」

 

 そう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジャガー「ふんふんふーん…第二部、初っぱなから絶望過ぎね? …ニャッ!? また始まったか! とうっ!」

ヒュウウウゥゥゥゥ、ドズン‼︎ グギッ!!

ジャガー「やあやあみんな元気かー!! ジャガーは元気ニャー!! …足くじけました、とてもいたいです…

 というわけで! お約束のセリフと、なぜかまた始まったよ! ジャガー道場~! イェーイ!!
 …え? なんで前回これきりにするとかいっときながらまた始まったかって? それはね…作者の気分ニャッ!

 いやだってね? ここだけの話、この作者さ結構気まぐれなもんで、一応この小説は完結させるけど、次回作な~んて無茶なこと言ってものすご~く苦戦しているんだニャ。全くバカだよね、ね?

 まあ、そんなバカな作者も現在初めての一人暮らしに悪戦苦闘中なんだって! 是非もないニャ。

 さてさて、そんなジャガーの愚痴はどうでもいいとしまして。今回何をするのかといいますと…! なんと!? この度ジャガーは次回作のヒロインにばって…「そこまでよ、ジャガー!!」ニャニャ!? なにごとニャ!?」

???「ワタシは貴女のような人の作品に容赦なく現れては平気で嘘をつく人を制裁する者、すなわち貴女と敵対する女神…!!」

ジャガー「ニャ、ニャッ! 無駄に華麗に降りてきたなんか色々と意味不明なほど輝いているお、お前は…!」

ケツァル・コアトル「そう、ワタシデース!!」

ジャガー「ク、ククルン~!?!?!? ナンデ!? ククルンがここにいるんだニャ! というかどうやってきたニャ!!??」

ケツ姉「ワタシがどうやってここに来たかなんて細かいことはナンセンス! 強いていうなら女神だからよ!」

ジャガー「女神万能!」

ケツ姉「とにかく! ジャガー、貴女の思い通りにはさせないわよ! 嘘広告なんてしようとした貴女には罰を下します! つまり、神の権能でもって貴女の道場は没収します!

 というわけで、早速始めましょう! 第一回ルチャ道場〜! さあ! トレーニング開始よ、弟子3号!」

ジャガー「ニャニャッ!? なんかサラッと私の道場盗られた上に弟子3号!?
 弟子0号が美人で将来有望な麗しのゼッちゃんで、弟子1号が生意気なロリブルマ、だとしたら弟子2号は誰なんだニャ!?」

ケツ姉「フッフッフ、ちゃんとここにいるわ。カモン! 弟子2号!!」













ゴルゴーン「…………」





ジャガー「ゴ、ゴルゴーンだコレ〜!!」

ケツ姉「そう! ワタシの親友ゴルゴーンよ!」

ジャガー「な、な、ななななななんで7章で大暴れして最後はやたら白く散ったゴルゴーンがここにいるニャ!?」

ケツ姉「無理矢理引っ張ってきたのデス!

 …作者が二十連してワタシと彼女が当たったから是非とも出したいとかそんなことを言っていたような気がしマスが、マア、それはそれ!

 さあ! 画面の前にいるそこのあなたも! 一緒にルチャを覚えましょう! 心配はいらないわ。死んだら生き返らせちゃえばいいんだから!」

ジャガー「ニャー! それって死ぬようなことがあるってことかーー!

 ってそうはさせないニャ!! いくらククルンでもこの道場を渡すわけにはいくかーーーー!!!」

ケツ姉「ho! いいでしょう。貴女がやる気ならワタシも応えるまでデース!」

ジャガー「やってみろやオラー!!」ヤクザモード

ゴルゴーン「……」

<シネニャー!

<トウッ! ハアーイ

ゴルゴーン「………」

<グレート デス クロー!!

<アマイワ! ヒョイ

<ナヌ!? ガシッ! エッ

ゴルゴーン「…………」

<ワタシハヘビ ワタシハホノウ!

<エッ、ウソマッテソレシンジャウヤツ…ニャー!!!

<シウ コアトル ツァレアーダ!!

<ギニャー!!!

ゴルゴーン「…………」

ケツ姉「ン~! いいトレーニングになったわ」

ゴルゴーン「…そうですか。それは良かったですね」←あまりにも状況についていけず以前の口調に戻ってる

ケツ姉「ええ。それでは皆、今回はうるさいジャガーもいなくなったことだし、次回でまたお会いしましょう! バイバーイ☆」

ゴルゴーン「できれば次は無いことを願います。仮にあっても私を呼ばないでください。もうこういうのはこりごりなんです」
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