これでも人間だけど文句ある!? あるなら掛かってこいやぁ! 作:血塗ろ/(・x・)\
「.........景色が変わらない」
あ、どうも、小野寺 馨です。24歳サラリーマンです。絶賛、大混乱中でございます。
........誰に説明してんだ俺。
一旦、深呼吸をして辺りを見渡す。
今度は瞬きをして、見渡す。
.............うん、見事な森林。無意識に森林浴でもしに来てしまったんだろうか。
「よいせ.......ん?」
立ち上がろうとして、自分の服装が変わっているのに気付いた。
あれ、あのモコモコクマさんパジャマじゃない.........てか、逆にあんなファンシーな姿で外になんか出たくはないけど見たこともない服を着るのもなんだか...........って、あれ?
「........見たこと、あるぞこれ」
赤い服を引っ張る。思ったよりも伸びやすい素材で出来ているらしい。
王国騎士のような、装飾の施された服。
これ、見間違いじゃなければ昨日ログレスで変えた俺のアバターの装備じゃ........
ズボンも、白いものだ。今気付いたが靴も金色だし、少し派手な腕輪もしている。
「........もしかしなくても、これってログレスの装備じゃ....................」
どこか、池か何かで確認したほうが早いかもしれない。
そう思い、立ち上がった瞬間、体がよろめいた。感じるのは謎の浮遊感。
「嘘だろおいおい、そんなまさか」
足元を見ると、俺の体は浮いていた。
足を踏み出しても、前に進まない。
当たってほしいような、ほしくないようなそんな気持ちで背に腕を回す。
然程腕は回していないはずなのに、右手に感じたのは柔らかなーーー例えるなら、鳥の羽を触っているような感覚。
首を回らせると、そこには金の装飾が施された赤い羽が俺の背から生えていた。
............
「おやすみなさい」
「な"おんっ!」
「のわっ!?」
<得意技、面倒なことになると寝る>を発動しようとした俺の上に、巨大な影が乗っかった。
って、この声この毛ざわり.......
「フィーアっっっちゅわああああああんっ!!!!!! どこ行ってたの俺心細かったんだよおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
「なぁん.......」
泣き叫びながら抱き着き、ひたすらに毛を撫でる主人に愛猫フィーアはスリスリと擦り寄る。
「うっうっ........怖かったんだよフィーア........起きたら見知らぬ場所だし何かログレスの装備してるし.............」
「そっかぁ........ご主人様には聖杯からのバックアップがないのかにゃあ。大丈夫にゃ、フィーアがついてるにゃ!」
「ありがとうフィーアちゃん......................................
ん? フィーアちゃん喋った!!!!!?」
驚きのあまり、フィーアちゃんから飛び退るとフィーアちゃんは某恩返しに出てくる猫のように、後ろ足だけで立ち上がり、顔を舐めた。
「喋るにゃあー。ご主人様可愛いにゃあ」
「いや寧ろフィーアちゃんの可愛さがカンストから上限レベル突破するぐらいに可愛くなっちゃってんだけど........何なの? これ夢だよね、ねぇそう言ってよフィーアちゃあん!!!」
「夢じゃぁないにゃあ。とか今更かにゃ? ご主人様が夢と現実のフィーアの毛並みを間違えると思いにくいけどにゃあ」
「うん、あの毛並みは絶対にフィーアちゃんだってわかったけど..............てか、さっき聖杯からのバックアップって言ってたよね。夢じゃないってんなら、何でこんなことに?」
「ご主人様って順能力しゅごいよにぇ。そうにゃ。聖杯にゃ」
フィーアちゃんと向かい合うように、前に座る。
するとフィーアちゃんはペロペロと手を舐め始めた。めっちゃ可愛い。
「にゃあ。聖杯は聖杯にゃ。Fate/シリーズって知ってるにゃ?」
「も、勿論。ふぁてごに関しては寧ろ弱小カルデアのマスターだけど」
「その聖杯にゃ」
フィーアちゃんの言葉に、はてなマークが大量に頭に浮かぶが、首を振って追い出す。
一々気にしてたら話が進まない。
「にゃんでフィーアとご主人様がこうして召喚されたのかはわからないにゃ。フィーアにわかるのは、フィーアはデミサーヴァントと化したこと、ご主人様がアンノウンだということ。それと、ここが第一特異点、邪龍百年戦争オルレアンの舞台、中世フランスだということにゃ」
「........ろ、ログレスにふぁてごにって色々と混ざってるな、おい。クロスオーバーかよ........ってか俺アンノウンなの!? 人間じゃないの酷くない!!?」
「しょうがにゃいにゃあ........フィーアのクラスはルーラーらしいから、何度も解析したんだけど.......サーヴァントじゃないっぽいにゃ」
ペロリ、と俺の手を舐めて頭を擦り付けてくるフィーアの喉を搔く。気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らしながら、フィーアは説明を続けた。
「ただ、一つわかることがわるにゃ」
「わかること?」
「ご主人様には神性の特性がついてるっぽいにゃ。その上、バーサーカーの特性もあるにゃ............何か、心当たりはないかにゃ?」
綺麗なペリドットの瞳で俺を見上げるフィーア。神性とバーサーカーって、心当たりありありなんだが......
「神性ってなると、ログレスの主人公がゼクティスの力を一部、受け渡されてるし.......バーサーカーは、多分、ウォリアーとかリーフ、魔導剣士とかかなぁ」
「多分、それだと思うにゃ」
一通りの説明が終わり、フィーアちゃんは立ち上がる。
「兎も角、ここにいても何も始まらないにゃ。誰か人と会うといいにゃ」
「そだな。本当にFate/GOの世界だったらぐだ男ぐだ子もいるだろうし、どっちかはわからんが主人公と合流したほうが、もしかすると元の世界に戻れる手掛かりも見つかるかもしれないし」
「それなら早速、レッツゴーにゃ!」
尻尾を振りながら歩くフィーアちゃん。あぁ、滅茶苦茶可愛い............でもフィーアちゃん、多分、そっちは森の奥の方行くと思うんだけど?