ラブライブ!+フォース ~病める時も側に~   作:愚民グミ

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この物語は以下のことに注意してください。
※ラブライブ!二次創作です。しかもヤンデレ百合小説です。カップリングはこと→ほの←うみです。アンチ・ヘイトはキャラ崩壊の可能性があるため一応付けました。苦手な方は注意してください。
※オリキャラが多数出てきます。オリ主はただの被害担当です。
※作者は百合小説は不慣れなので、演出などが出来てないかもしれません。ご指摘ありましたら、お願いします
なお、この物語に出てくるキャラは作者の他作品「ラブライブ!+フォース」のキャラです。読んでなくても原作沿いなので、問題ありません。


第1話「序章~Prologue~」

「……むー……」

「……どうした穂乃果?珍しく浮かない顔して」

 

時刻は12時半を少し過ぎた辺り。昼休みも半ばに入って、校内で生徒達が思い思いの過ごし方をしていた。

ここ生徒会室で、机に突っ伏して唸っているのは現・生徒会長にして我らがスクールアイドル・μ´sのリーダーの穂乃果だった。

俺こと、μ'sのマネージャーの剣持 真琴は、用務員さんと手分けして冬に備えてストーブの点検のために生徒会室に立ち寄ると、穂乃果がずっとそんな感じでいたのでつい声をかけた。

 

「……あ、まこくん。どうしたの?また頼まれ事?」

「ああ、用務員さんに頼まれてさ、ストーブの点検手伝ってるんだ」

「あはは、相変わらずだねー」

「お前は珍しいな、一人で生徒会室にいるなんて」

「さっきまで海未ちゃんとことりちゃんもいたんだよ。私だけちょっと書類の確認とかしてたんだ」

 

そんな風に笑っているが、やはりどこかいつもの溌剌とした元気がなかった。

 

「……本当に何かあったか?海未達みたいにはいかないかもしれないけど、何かあるなら言ってみろよ」

「うーん……」

 

 そう言うと、穂乃果にしては珍しく悩んだ表情をみせる。言いにくいことなのか?

 

「……えっとね?大したことじゃないんだけど、何て言うか、最近海未ちゃんに避けられてるっていうか……」

「お前……また怒られるようなことを……」

「ち、違うよ!今回はそうじゃないもん!……多分、きっと……」

 

 若干自信無さげなのは普段が普段だからか。心当たりが多いって顔をしているな。

 けど、海未は確かによく穂乃果を叱っていることが多いから勘違いされやすいが、海未は何だかんだ言ってことりと同じくらい穂乃果に甘い。叱ったり怒ったりすることはあるが、大体二言目には「仕方ありませんね」とか言って許してしまう。

 最もそれはμ's全体に言えることで、何かと厳しい元・風紀委員長の歩さんですら、 最近は大体のことを許容している。

 

「それに、何だか変なんだ、海未ちゃん。よそよそしいっていうか、いっつも予定があるんだって」

「予定?……具体的にどんな感じで避けられてるんだ?」

「えっと……」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 

「海未ちゃん、今日練習終わったら一緒に帰ろー!」

「!す、すすすすみません穂乃果!わ、私、家の用事があるので!」(ピュー!)

 

「海未ちゃーん!駅前に新しいクレープ屋さんが出来たんだって!一緒に行こう!」

「すいません!き、弓道の練習があるので!ごめんなさい!」(ピュー!)

 

「うーみーちゃーん!ねぇねぇ、一緒にカラオケ行こう!ライブ前に二人で練習しようよ」

「ご、ごめんなさい!今日は、日舞の稽古があるんですー!」(ダダダダダ!)

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 

「……あからさまに変だな」

「ね!やっぱり変だよね!」

 

 ガタッ!と身を乗り出す穂乃果。どうやらかなり鬱憤が溜まっているらしい。まあ、親友からそんな態度とられたら、そりゃ凹むよな。……まあ、俺の悪友達の場合は微塵もそんなこと感じないけど。

 

 正直、海未の反応はおかしすぎる。確かにあいつは弓道部に日舞の稽古にとスクールアイドル以外にも色々掛け持ちなのは分かるが、それにしたってあいつが穂乃果の誘いを断るなんて、これは明日は矢でも降るんじゃないか?

 

「海未ちゃん、何か悩み事でもあるのかなぁ。困ったこととかあるんなら言ってくれれば良いのに……そんなに頼りないかなぁ」

 

 ぶぅ、と頬を可愛らしく膨らませる穂乃果。どうやら相談されないことがかなり気に入らないらしい。確かに、ことりの留学事件みたいなこともある。悩みを一人で抱え込んだところで、解決策は見つからないだろう。なのにこいつらはそういった悩みをお互いに打ち明けられないらしい。悩みを一人で抱え込むのは、この3人の共通の悪い癖らしい。

 

「……よし、分かった。なら俺が海未に話聞いてみるよ」

「え?いいの?」

「ああ、お前らには相談しにくいことでも、第三者になら話やすいだろ?それに、俺はお前らのマネージャーだからな。相談に乗るのも、マネージャーの仕事だ」

 

 ライブ前に少しでも懸念事項を減らすのはマネージャーとしては当然のことだ。

 今日は確か弓道部の練習に行くって言ってたな。放課後、会いに行ってみるか。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 

【side:海未】

 

 ふぅ、と一つ、息を吐きだし、酸素を再度吸い込むのと同時に、矢を番えて弓の弦を引き絞る。視界が一点、的の中央へと集中し、狭まっていくのを感じる。周囲の音は完全に自分の中から消え去り、集中はただ一点へ、弦とともにキリキリと張り詰めていく。限界まで引き絞られた弦と集中力。脳裏に必中の未来が思い浮かぶ。

 確実に当たる。その確信を持って、弦を……。

 

『海未ちゃん!』

 

「ッ!!!!」

 

 ダンッ!

 

 必中の意思を持って放たれた筈の矢は、しかし予想とはまったく異なり、的から大きく外れて壁に突き刺さる。

 

「…………うううううう!!」

 

 未熟!ああ、なんてことでしょう!これでもう今日10回目です!思わず崩れ落ちる私を、他の部員が心配して声を掛けてきてくれますが、まったく耳に入らない。

 ここ最近、ずっとこの調子。何かに集中しようとするたびに、なぜかあの笑顔が思い浮かぶ。私の名前を呼ぶ声が頭の中で木霊する。そうなると、一瞬で私の頭は真っ白になり、心臓が早鐘を打つ。

 私は、どうしてしまったのでしょう。……原因については心当たりがあります。全てはあの日から。あれから何をするにも集中できない。作詩にしても部活にしても稽古にしても、それは同じでした。

 

「……穂乃果」

 

 穂乃果は今どうしているでしょうか?恐らく、次のライブに向けてダンスの練習中でしょうけど。

 

A-RIZEとの合同ライブのあと、ツバサさんからこんな提案がありました。

「今度は、音ノ木坂学園で一緒にライブしない?ラブライブのことは抜きで、私達の週末合同ライブを」

当然、私達μ'sはこれを承諾しました。理事長にも話を通して、二週間後の日曜日に、ライブを行うことになりました。……何故かツバサさんのことが苦手な真琴くんとあんじゅさんと何か因縁があるらしい歩さんは、最初嫌そうな顔をしていましたが。

 

「あれ?便利屋くんだ。いやー、この間は弓の手入れ手伝ってくれてありがとー。今日はどうしたの?また掃除の手伝いしてくれんの?」

「いや、今日は海未に用事があって。あ、でも掃除の手伝いやらせてもらいますよ?」

「いやいや、君がうちの道場に来るたんびにピカピカにしてもらってるから、今日はいいよ。丁度休憩にするところだったし、連れてって良いよ。なんか集中できないみたいだし」

 

ふと、部長と聞きなれた声が聞こえてきた。道場の入り口を見れば、手を上げている真琴くんの姿がありました。

 

「練習中に悪いな海未。ちょっと用事があったから寄らせてもらったんだ」

「真琴くん、どうかしたんですか?練習は?」

「練習は先生と歩さんに任せて、俺と麗で次のライブのステージの飾りとか、衣装の材料の買い出ししてきたところだよ。屋上に戻る前にお前に確認したいことがあってさ、麗に荷物預けてこっちによったんだ。別のとこで話せるか?」

「分かりました。ちょっと待っててください」

「よーし、15分休憩!」

『『『はい!』』』

 

 

「……そうですか。真姫のほうは順調なのですね」

「ああ、凛と麗が五月蝿いみたいだけど、一年生で意見出し合いながら進めてるみたいだぜ」

「…………」

 

私と真琴くんは場所を移して、中庭のベンチに腰かけている。昼休みなら生徒の憩いの場になってるここも、部活で忙しい今の時間は誰もいません。遠くから部活の掛け声が響いて、より閑散とした雰囲気を感じます。

私は真琴くんが差し入れに持ってきたタッパーに入ったレモンの蜂蜜漬けを一切れ食べた。

レモンの爽やかな酸味と蜂蜜の柔らかい甘味が疲れた身体に染みます。

彼の作る差し入れはいつも手が込んでいて、弓道部の皆にも好評です。しかも、こだわりの一品なのか、この蜂蜜漬け一つとってもいつも味が違います。

 

「……その様子だと、まだまだ浮かばないって感じだな」

「うう、すみません……」

 

私は思わず俯いてしまう。本当に申し訳ない。真姫にもことりにも、μ'sの皆にも。皆待っているのに。

……これでは合宿の時と同じです!ですが!うう、こんな悩み、誰に打ち明ければ!?

 

「……なんか悩み事か?難しい顔してるぞ。はい、お茶」

「あ、どうも。……そんなに分かりやすいですか?」

「鈍感な穂乃果まで心配するほどだぞ?そりゃ気づくって」

「穂乃果が?」

 

お茶を受け取りながら、つい、穂乃果の名前に反応してしまった。真琴くんは、やっぱり、という感じの顔をしていた。……どうやら真琴くんにはお見通しのようですね。それどころか穂乃果にまで心配をさせてしまってるらしい……。

 

「穂乃果とかに言いにくい悩みなら、俺が代わりに聞くぞ?言うだけなら、大したことないだろ?」

「……ですが……」

「ずっと黙ってちゃ駄目だってこと、お前ならよく分かってるだろ?抱え込んだままってのも、良くないことだぞ。黙ってて欲しいなら、黙っててやるし」

 

……確かに、彼は時々イタズラをする事は有りますが、口が固いところがあります。彼のそういったところは信頼に足ると感じます。

 

「……他の方に、言わないでくださいね?」

「ああ、勿論」

 

深く頷く彼を見て、私は、ここ最近感じていたこと、そして、その発端を話すことにした。

 

「……きっかけは、数日ほど前からです……」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 

その日は、偶々私と穂乃果以外の皆に用事があったらしく、練習が終わると皆早々に帰ってしまった。

私と穂乃果は新しい詩の構想について、幾らか話した後、二人だけで帰ることにしました。

 

「海未ちゃんと二人っきりで帰るなんてすっごく珍しいよねー」

「そうですね。最近は特にそうかもしれません」

 

実際、μ'sを結成してからは9人で、それに加えて麗くんやヒデコさん達が付いてくることがありました。

そうでなくても、私と穂乃果とことりの3人で帰るのが基本になっていました。だから、穂乃果と一緒に、二人きりで帰るのは本当に珍しいことでした。

最初は、世間話をしながら普通に歩いていました。けど、何故でしょう。普段なら他の人も交じる会話が二人だけだからか、次第に私は、本当に二人だけの世界にいるような、そんな不思議な感覚に陥っていました。

 

「海未ちゃん見てみて!もう葉っぱが黄色くなってきてる!秋だねー」

「最近、寒くなってきましたしね。そろそろ紅葉の時期ですね」

 

ふと、並木道を歩いているとき、穂乃果がそう言いながら立ち並ぶ木々を見上げて呟きました。私も見上げると、ついこの間まで青々とした葉を繁らせた木々は、少しずつ秋の色をその葉に混ぜ始めていました。

 

「ふふ、なんかこうして二人で眺めるのも風流だよね」

 

そう言った穂乃果を盗み見たとき、私は、ドキリと、胸が高鳴るのを感じました。

木々を見つめる彼女は、どこか大人っぽくって、でも私が知ってる穂乃果らしいあどけなさを残した微笑みを浮かべていました。秋の優しい木漏れ日を受けて輝くその横顔は、息を飲むほど、美しい、と感じました。

 

「?どうしたの海未ちゃん?顔、赤いよ?」

「ふぇっ!?い、いえ、そんなこと……」

「うーん?どれどれ?」

そう言いながら、穂乃果は私の額に手を当てました。

「……うん。熱はないみたいだよ。でも無理しないでね?海未ちゃんが風邪引いたら悲しいもん」

 

そう言う穂乃果はいつもの優しい太陽みたいな笑顔を向けてきました。その瞬間、触れられた額が熱くなり、一気に熱が身体全体へと広がっていきました。

 

……それからのことはあまり覚えてません……。なんだかかなり生返事になっていた気がします。

そして、それからまったく穂乃果の顔を見ることができませんでした。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 

そして、現在何をしても集中出来ないことを真琴くんに告げました。何をしても、何故か穂乃果の顔がチラついて頭から離れなくなりました。

 

「私は、一体どうしてしまったのでしょうか……どうしたらいいのでしょうか……?」

「…………あー、うん」

 

一通り話終えると、真琴くんは、とてもばつの悪そうな顔をしていました。重大な秘密を知ってしまったかのような、そんな表情でした。

 

「……あの、さ、海未。お前は、自分でどうしてそんな感じになったか心当たりはあるか?」

「いえ、分からないから困ってるんです」

「ああ、うん。だよなー。うーん……」

 

珍しく、彼は困り果てたように頭を抱えている。……一体、どうしたのでしょうか?

 

「………………海未。多分だけど、お前のその変化の原因、分かったんだけどさ、知りたいか?」

 

……何故そんな不穏な言い方をするのですか?何か不味いことでもあるのでしょうか……。でも、正直、この感覚の正体を知りたい。でなければ、まともな作詞活動なんてできません。

 

「お願いします。教えてください真琴くん。私は、一体どうしてしまったのですか?はっきりと、男子なのですからビシッと言ってください」

 

そう言うと、真琴くんは物凄く言いづらそうな表情をしましたが、少しして、溜め息をついて、重い口を開きました。

 

「これは俺の主観でしかないんだけど、な?あー、海未。多分、お前……」

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果に恋、したんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

「……鯉?」

「ああ、うん、典型的なボケありがとう。でも違う。恋だよ。恋愛的な奴。LOVEってやつ」

「れんあい?」

「そう」

「らぶ?」

「そう」

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………わたしが、ほのかに?

 

「おーい、休憩時間終わるぞ海未。もういい?」

 

その時、部長が私を呼びに来ました。その声に反応した私はスクッ!と立ち上がると、

 

「そ、そろそろ、いいいいかないと!まことくん、ああああありがとう、ございまし、た!」

「あ!おい、海未!?」

 

私は彼にタッパーを突き返し、そのまま脱兎の如く走り出しました。呼び止められましたが、もう、そんなことに構っていられません。私は、一秒でもその場に居られなくなっていました。

 

「あー、参ったなぁ。これ穂乃果になんて言えば。ってか、もう少しオブラートに包むべきだったか……あいつ大丈夫か?」

 

……その後、練習に戻りましたが、結果は散々なものだったのは、言うまでもありません……。

 

 




読んでいただきありがとうございました。
下の方に今回出てきたオリキャラのプロフィールを簡単にまとめました。

オリキャラプロフィール

名前:剣持 真琴(けんもち まこと)
年齢・学年:16歳・2年生
所属:スクールアイドル研究部マネージャー
イメージカラー:黒
身長:172cm(成長中)
服装:ブレザーに赤と青のネクタイ
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