ギルティクラウン~優しさという残酷な感情   作:弐ノ月

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深夜テンションで書いたため、おかしなところもあるかと思いますがどうぞ。


日常の崩壊

全ての敵機を殲滅した僕は集に告げた。日常の終わりを。

 

「集、君はもう日常に戻れない。・・・ようこそ非日常へ」

 

この言葉は集だけに向けた物じゃない。自分自身にも仮初めの日常の終わりを告げた。

 

「・・・ッ!」

 

僕の言葉で認識しただろう。二度と今まで通りには戻れないと。

しばらく沈黙の時が流れるがそれも束の間で、小さめの機械のモーター音が聞こえてきた。

・・・どうやらフューネルのようだ。壊れていた片足もいつの間にか修復されているようだ。

 

「桜満集、神谷凛音・・・15秒やる。いのりを回収して離脱しろ」

 

「え、えぇ!?」

 

「・・・はいはい、わかりましたよっと・・・いくよ、集」

 

僕はいのりさんを抱えて集にも離脱を促す。

集はいまだに驚いているのか、呆然としつつ僕の後ろをついてきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時は同じ頃、先の味方のエンドレイヴのパイロット綾瀬は・・・敵の迎撃にあたっていた。

 

「ツグミ!次のターゲットは!?」

 

「10時の方向に、距離400!」

 

「遠すぎ!もっと近いのは!?」

 

「なら退いてよ!、綾ねえがんばりすぎ!、その子ももう限界だよ!?」

 

「でもできるだけ・・・はっ!?」

 

その先の言葉は続かなかった、なぜならエンドレイヴによって底上げされた五感からこちらに向かってくる敵機と思われる移動音が聞こえてきたからだ。

しかも、急速にその音が近づいているのを感じる。

そして、目の前の交差点の奥から白いエンドレイヴが高速で移動しているにも関わらず、その速度を一切弱めず曲がってきたところから察するに

新型のエンドレイヴでパイロットもかなりの熟練者だと窺える。

 

「ふっふーん♪・・・なんかずんぐりした奴がいる、急いで来てよかった♪」

 

「・・・なっ!?速い!!」

 

綾瀬も相手の機体の速度に驚いているが、今は戦闘中だ。

相手の白い機体ーーシュタイナーもそのままの速度を維持してこちらに銃を向けて発砲してきている。

綾瀬はその新型のスピードに圧倒され、相手の攻撃を食らってしまう。

 

「っく、はぁ、っああ!!」

 

エンドレイヴは痛覚がフィードバックされるため綾瀬は苦痛に悶える。

そんなこともお構いなしに相手の機体は撃ち尽くした銃を投げ捨て、武器をトンファーに切り替える。

それを綾瀬のエンドレイヴ越しから確認したツグミはすぐに緊急ベールアウトを実行する。

 

「・・・ッ!ベールアウト!!」

 

その動作によって綾瀬はエンドレイヴの接続を切られ、エンドレイヴ接続コクーンの中で目覚める。

切断されたと同時に、接続を切られ操縦者を失くしたエンドレイヴはシュタイナーの近接攻撃によってトドメを刺される。

 

「・・・あれ?悲鳴は?・・・なんだ、つまんないの」

 

まるで物への興味が失せた小さな子供のように吐き捨てる。

 

「・・・っはあ、はあ、はあ」

 

自分の意識が安全な所へ戻ってきたことで息を荒げて生きてることを実感する綾瀬であった。

一方そのころ・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・っはあ、はあ、はあ、はあ、はあ」

 

「だらしないなぁ、集は。もう少し運動した方がいいと思うな」

 

僕と集は涯のいるところまで離脱したが、集は体力が無くて、途中からぜえぜえ言いながら走っていた。僕は全く問題はないが。

 

「・・・あの」

 

息を整えて涯に声をかけようとすると涯の携帯端末から通知音が聞こえて

涯が端末を開いてスクリーンを出すと、パイロットスーツを着た車いすの女の子が映し出された。

 

「すみません、涯・・・」

 

「綾瀬か、状況を」

 

「機体を失いました・・・申し訳ありません、私の責任です」

 

「そうか・・・確かに残念だな・・・俺は君に、あの旧型で18分間持ちこたえるという過酷な命令をし、君はそれに応えた・・・だというのに、君は自分の責任だという。つまり、俺は指揮官失格ということか・・・」

 

「っち、違います!それは私が失敗したからであって、その・・・」

 

「冗談だ、君が無事でよかった、綾瀬」

 

涯は微笑んで車いすの子を労って通話を切って端末を仕舞った。

 

「・・・涯、君はいじわるだね」

 

「ふっ、言うな神谷」

 

「えと、あの・・・」

 

「・・・目が覚めたか?」

 

僕と涯が軽く会話を交わすのを見て、その関係を聞こうとしたのか、それともこの状況を聞こうとしたのか。

どちらでもいいが、その言葉は涯の発言によって遮られた。いのりさんが起きたことによって。

 

「・・・いのりさん」

 

集はいのりさんに心配の視線を向ける。

そして、いのりさんは不安げに目を伏せながら涯に問うた。

 

「・・・涯・・・わたし、ちゃんとできた?」

 

「いや、お前には失望した、いのり」

 

「ッ!・・・・・・」

 

その言葉を聞き、落ち込むようにうなだれるいのりさん。

僕は励ましの言葉をかけようか迷ったが、やめた。

なぜなら、失望した理由を察してしまったからだ。おそらくーー

 

「あの!・・・ちょっとひどいんじゃないんですか?口をはさむのもなんですけど・・・彼女、すごく頑張ってた!ひどい怪我までして・・・」

 

「知っている」

 

涯は集の弁護の言葉を一刀両断した。きついねぇ、こういうことには。昔は違ったけど。

 

「結果がすべてだ。あいつは最後に大きなヘマをした」

 

「大きなヘマ・・・?」

 

「お前にヴォイドゲノムを使わせたことだ」

 

「あのシリンダー・・・?」

 

「あれは・・・俺が使うはずだった・・・」

 

「・・・・・・」

 

「あのシリンダーはセフィラゲノミクスが三基のみ培養に成功した強化ゲノムだ。使用者に付与される能力は・・・王の能力」

 

「王の能力・・・」

 

「ヒトゲノムのイントロンコードを解析し、その内に隠された力をヴォイドにした扱うことができる」

 

「ヴォイドって?」

 

「僕がつかった剣のことだよ、集」

 

僕が補足をいれる。

 

「あれはいのりのヴォイド。ほかの人物からは別のヴォイドを取り出せる。神の領域を暴き出すヴォイドテクノロジーの頂点・・・それがお前の手にしたものだ」

 

「集、もう昨日までの君のように自由気ままに生きることはできなくなった」

 

「ちょっとまってよ、そんないきなり・・・」

 

その言葉を聞いて涯は集の胸倉を掴んで集を睨む

 

「覚えておけ桜満集。この先お前が選べる道は二つしかない。黙って世界に淘汰されるか、適応して自分が変わるかだ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「まあまあ、涯。あんまりかっかしないで。僕がいるんだからいのりさんのミスも実質プラマイゼロじゃないか」

 

「何を呑気なことを!今ここで予測外のことが起きてしまっては、例の計画に響くぞ!?」

 

「気にしすぎだよ、涯。その作戦は僕が存在していれば実行可能なんだ」

 

「そうかもしれないがいらない犠牲を招くぞ!?お前もそれは看過できないだろう!?」

 

「確かにそうだけど・・・でも」

 

僕と涯が軽い口論になっているところに涯の端末から通知音が鳴り響く。

 

「・・・でなよ、きっとメンバーからだ」

 

「この端末にはメンバーにしか接続できない・・・どうした」

 

『まずいことになった涯!・・・第14区画の地下駐車場に白服どもが突入しやがった』

 

「地下駐車場?」

 

『ああ、誰かが安全だって言いだして避難してた100人近くが一気に捕まっちまった・・・それに、綾瀬を食った新型は皆殺しのダリルだ。ちょっと面倒くせえぞ』

 

「ダリル・・・あの万華鏡か」

 

メンバーの報告を聞いた涯がなにか考えがありそうな含みを持った笑みでこちら見た。

 

「神谷、桜満集。ついてこい。特に神谷にはな」

 

「久しぶりに再会して口論したあとの第一声がそれかい?まあ、ついていくけどさ」

 

僕もその笑みにつられてふっと苦笑した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

場所は変わり、葬儀社本部の作戦会議室のような場所に連れてこられた僕達。

意外と広いな。

 

「涯、不測の事態です。現時点の戦力を鑑みるに撤退を進言します」

 

「いいや、見過ごせないな。これは不測じゃない・・・天佑さ・・・全メンバーに告げる。我々は、これよりアンチボディズを殲滅。捕らえられている住民を救出する!」

 

「・・・え!?」

 

集は驚いているだろう。無理もない。テロリストだと思っていたのが外れたのだから。

 

「尚、本作戦はこれまでのように隠密作戦ではない!現時刻をもち、我々葬儀社はその存在を世界に公表する!存分に働け!!」

 

ついに公表か・・・僕は隠密の方が好きだったんだけどなー。

そんなことを思っているのもつゆ知らず、葬儀社メンバーは猫耳少女を皮切りに歓声をあげた。

皆はやっぱり大々的に動ける方がいいのかなー?

ま、僕の存在は皆にはまだ知られてないから、ここでなにか話しても変な目を向けられるだけなので黙っておく。

僕はめんどくさげな表情をしているのに気付いたのか、涯はこちらを見て顔に呆れの色を向けるが、集をみてその顔をリーダーとしての表情に戻して

 

「返事はどうした?」

 

と集に問いかけた。

集は返事をしないけど。

 

「さてと、これから仕事かな?リーダー?」

 

「ああ、今回はお前が主役だ」

 

「じゃあ、ちょっと仕事服に着替えてくるね。すこし遅れるけど、任務には間に合わす」

 

「そうか、なら先にこれを渡しておこう」

 

そういって涯は僕に通信用の機器を渡してくる。

 

「必要最低限の相手にしか聞こえていないから、お前が喋っても混乱は避けられるはずだ」

 

「ありがとう、じゃあまた現地で」

 

「ああ、またあとでな」

 

「集、君もまたあとで」

 

「え、ちょっとどこに行くの!?」

 

「君は涯の指示に従うといい。僕は少し取りに行かなきゃいけないものがあるから」

 

「ちょっと待ってよ!僕は凛音みたいに行動できるわけじゃないんだ。どうしたらいいんだよ!」

 

「・・・。ちょっとだけ安心した」

 

「え?」

 

「集はあまり自分の考えを表にださないから。今回の作戦もいまの集みたいに自分の考えで動けばいいとおもうよ?いいかい、集。従わなくちゃいけない命令でも自分の考えより優先順位を上にしたらだめだよ」

 

そういって僕は葬儀社本部から急いで自分がいくつも用意してある、セーフハウスの一つに向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

少しの時間が過ぎ、僕、桜満集はいまだに理解できない状況に流されるまま

今は、通期用のダクトをいのりさんを先頭に進んでいた。

正直、目のやり場に困る。

目の前には、あの金魚服を着ているのだがかなり際どい。

見ないように下を向きながら進んでいると、ダクトにある鉄格子のところから音がきこえてきたので見てみれば

アンチボディズが、住民を銃のグリップで殴って尋問をしているところだった。

 

「抵抗は無駄だ!吐け!リーダーは誰だ!」

 

銃を突き付けて男を脅して葬儀社のリーダーを吐かせようとしているところだろうか?

呆然とした。日常の中ではある意味救世主として言われていたGHQであったが、ひっくり返せばどうだろうか?

無抵抗の住民を一方的に虐げているようにしかみえない。

 

『従わなくちゃいけない命令でも自分の考えより優先順位を上にしたらだめだよ』

 

先の凛音の言葉が僕の頭から離れない。

もしも、僕が僕自身の選択を迫られた時、僕は一体どうすればいいだろうか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

セーフハウスに到着した僕は、最近あまり来ていなかったためほこりを被っている部屋の片隅にある

指紋認証式のロッカーに自分の手を当てて指紋を認証させる。

認証の終了を告げる電子音と同時に扉が開かれ、中にある仕事用の武器や服を取り出し

 

「久しぶりに着たなこれ・・・。」

 

と呟きながら、仕事用の服に袖を通す。

一通り仕事服や武器一式などを取り付け、自分の服装が乱れていないか近くにある大きな鏡で確認する。

 

膝のあたりまである白いロングコートの下には黒いシャツに黒いズボンをベルトが巻かれ

ブーツが脛の辺りまである。

 

そして極め付けは僕のこの情報屋のトレードマークそして僕の罪を思い出させるマークがロングコートの左胸に描かれている。

その見た目は、十字架に真っ黒な蛇が巻き付いていた。

 

・・・あの出来事から情報屋としてただひたすらに情報と強さを求めているときからお世話になっている。

あの出来事・・・ロストクリスマスの時のあの出来事を忘れないように、僕がアダムだと再認識するために

このマークを情報屋として、僕自身のマークにした。

 

服装の確認が済んだので、武装の確認に移る。

 

右太腿にホルスターを取り付け、中にFN57を差し込んでしまう。

次に主武装の刀を腰に差す。

 

ちなみに、この服装や武装はすべてオーダーメイドなため、そこらにあるやつとは耐久性が違うため

刀なんかは横からハンマーでおもいっきり叩いても壊れない。

FN57も自分の手に馴染むように調整してある。

 

一通りの確認を済ませた僕は救出作戦の現場にコートの光学迷彩機能を使って全速力で向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




コートはいろいろな機能が備わっていますが、すべて一回ずつしかしようできません。
安全なところで補給する必要があります。
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