FAIRY TAIL 〜Dの意志を継ぐ者〜   作:fortissimo 01

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戦争

 

 

ここはフェアリーテイルの地下一階。そこにはいつものギルドメンバー達がいた。

 

「お、エルザ達が帰ってきた!」

 

「ルフィ達も一緒だぞ!」

 

帰ってきたエルザ達の存在に気づくといつも通りの歓迎をする者達。その光景になんともいえない気持ちになりながらも、奥で酒を飲んでいるマスターの前に立つ。

 

「よ、おかえり」

 

「じっちゃん! 呑気に酒なんか飲んでる場合じゃねぇだろ! 俺たちのギルドが……!」

 

「おーそうじゃった! お前達、勝手にS級クエストなんか行きよって!」

 

「え!?」

 

「はぁ!?」

 

ギルドが半壊してるにもかかわらず、ルフィ達がS級クエストに行った事を叱るマスターに驚きを隠せない一同。

 

「罰じゃ! 覚悟せい!」

 

マスターマカロフは魔法で手を伸ばし、ルフィ達の頭を軽く叩いていく。

 

「めっ!」

 

「何でお尻……?」

 

「マスター、ダメでしょ?」

 

そうじゃったとマカロフは豪快に笑う。それを見たエルザは我慢出来ず机を叩く。

 

「マスター! 今がどんな事態がわかっているんですか!」

 

「ギルドが壊されたんだぞ!」

 

「まぁまぁ落ち着きなさいよ……。騒ぐ事でもなかろうに」

 

マカロフの言葉に困惑するエルザ達。

 

「バカタレ共は誰もいないギルドを襲ったからの」

 

「誰もいない?」

 

「深夜に襲撃されたの、だから誰もケガ人はいないわ」

 

「……そうか」

 

怪我人が一人もいない事に安堵するルフィだが、自分達の居場所を半壊された事に複雑な表情を浮かべる。

 

「不意打ちしか出来ねぇ奴らに目くじら立てることはねぇ、放っておけ」

 

「俺は納得できねぇ! あいつらを潰さなきゃ気がすまねぇ!」

 

「この話は終わりじゃ、上が直るまで仕事の発注はここでやるぞい」

 

「仕事なんかしてられねぇよ! ファントムを潰すんだ!」

 

「ナツ! ええ加減にせんかっ!」

 

「だから何故お尻……?」

 

「あ、ちょっと待って……トイレ!」

 

マスターは立ち上がり、そそくさとその場を後にした。納得できないナツは拳を震わせていた。

 

「じっちゃん……なんでだよ」

 

「……悔しいのはマスターも一緒なの。けどギルド間の武力抗戦は評議会で禁止されてるの」

 

「先に手を出したのはあっちじゃねぇーか!」

 

「そういう問題じゃないのよ」

 

そう言うミラの表情を見て何も言えなくなるナツ。

 

「……これはマスターのお考えだ。仕方がない」

 

険しい表情を浮かべながらエルザがそう言うと皆は何も言わずただ無言で立ち尽くすのだった。

 

 

 

 

夜になり、皆と別れたルーシィは星霊のプルーと一緒に家に帰るのだった。

 

「なーんか大変な事になっちゃったなぁ……」

 

「プーン」

 

「ファントムって言えば妖精の尻尾と仲が悪いって有名だもんね。私、本当はどっちに入ろうか迷ってたんだ」

 

「プーン?」

 

「だってこっちと同じぐらいぶっとんでいると思うし……。けど、今はこっちに入れて良かったよ?」

 

プルーに笑顔を向け、家の扉に手をかける。

 

「だって、妖精の尻尾は……!」

 

扉を開け、中に入るとーー。

 

「よう」

 

「おう、おかえり」

 

「おかー」

 

「いい部屋だな」

 

「ルーシィ、肉ねぇか肉」

 

「サイコーー!?」

 

部屋の中ではエルザをはじめとするいつものメンバーが各々くつろいでいた。

 

「あんたは何勝手に食ってんのよ!」

 

「すみませんっ!」

 

冷蔵庫を漁るルフィの頭を殴った後、冷蔵庫から引き離す。すると紅茶を飲んでいたエルザが口を開く。

 

「ファントムの件だが、奴らがこの町まで来たという事は我々の住所まで調べているかもしれん」

 

「えっ?」

 

「一人の時に襲われるかもしれねぇだろ? だからしばらくは固まった方が安全……ってミラちゃんのアイデア」

 

「今日は皆お泊まり会をしてるんだよ」

 

「そ、そうなんだ……」

 

そう言う事ならと渋々納得するルーシィ。

 

「よしっ! お前ら遊ぶぞー!」

 

「遊ぶぞー!」

 

ルフィとハッピーはトランプを持ってはしゃぎ始める。するとグレイは静かにベッドの方に移動する。

 

「俺はパス。疲れたからもう寝るぞ……」

 

「それ私のベッドなんですけど!?」

 

ルーシィのベッドでもお構いなく寝ようとするグレイにルフィとハッピーはノリが悪いとブーイングする。何か閃いたのかハッピーはルフィの耳元で何か言うとルフィは笑顔で頷く。

 

「あー情けない奴だなー」

 

「ルフィ、グレイは負けるのが怖いんだよ」

 

「……」

 

「だな、ほーんと情けねぇ奴だ」

 

「…………」

 

「ハッピー、情けないグレイはほっといて俺たちだけでやろうぜー」

 

「あい」

 

「上等だっ! 覚悟しろよお前らっ!」

 

ベッドにある枕をルフィに投げつけるグレイ。ルフィは枕をキャッチしてグレイに投げ返すと二人はヒートアップして枕投げを始めた。

 

「ちょっと、暴れないでよ! エルザ何とか……」

 

「枕投げか……ふふん、燃えるな!」

 

「エルザまでっ!?」

 

いつの間にか鎧から可愛らしいパジャマに着替えていたエルザはそのままルフィとグレイの枕投げに参加し、更にヒートアップするのだった。

 

 

 

「ねぇ……何でファントムは急に襲って来たんだろ?」

 

一通り遊び終えた一同は落ち着きを取り戻し、ファントムの話になった。

 

「さぁな、今まで小競り合いはあったがこんな直接的な攻撃は初めての事だ」

 

「じっちゃんもビビってねぇでガツンとやっちまえばいいんだ」

 

「じーさんはビビってる訳じゃねぇだろ。一応、()()()()()の一人なんだぞ」

 

「聖十大魔道?」

 

聴き慣れない単語にルーシィは?を頭に浮かべる。

 

「魔法評議会議長が定めた大陸で最も優れた魔導士10名に付けられた称号だ」

 

「へぇー! すごい!」

 

「ファントムのマスター・ジョゼも聖十大魔道の一人なんだよ」

 

「ビビってんだよ、ファントムは数多いし!」

 

「だから違ぇだろ。マスターは二つのギルドが争ったらどうなるかわかっているからこそ避けているんだ……魔法界全体の秩序のためにな」

 

「……そんなにすごいの? ファントムって」

 

「大したことねーよ」

 

「いや、実際に争えば潰し合いは必然……戦力も均衡している」

 

エルザは真剣な表情を浮かべ、ファントムの戦力について話し始めた。

 

「マスターと互角の魔力を持つと言われているマスタージョゼ。そして向こうでのS級魔導士に当たる魔導士四人……通称エレメント4。そして最も厄介なのが二人。一人は鉄竜(くろがね)のガジル。今回のギルド強襲の犯人と思われる男……鉄の滅竜魔導士」

 

「滅竜魔導士!? ナツ以外にもいたんだ……」

 

「ふんっ……」

 

「炎の滅竜魔導士は炎を食べるから……鉄の滅竜魔導士は鉄を食べるって事かぁ……」

 

うわぁと鉄を食べるのを想像して顔を青くするルーシィ。

 

「……そしてハイエナのベラミー。実力はガジルと同格かそれ以上……。そして悪魔の実であるバネバネの実を食べたバネ人間だ」

 

「悪魔の実って……ルフィと同じ能力者!?」

 

「バネ人間?」

 

ルフィは身体中がバネになって飛びまわってる姿を想像する。

 

「バネとか面白い身体してんなぁ、そいつ」

 

「あんたがそれを言うんかい」

 

ゴムも十分面白い身体でしょとツッコむルーシィ。一通り説明をしたエルザは紅茶を飲み干す。

 

「とにかく考えても仕方がない……。今回は皆無事だっただけ良しとしよう。それでいいか? ナツ」

 

「ぐぬぬ……納得いかねぇ」

 

もやもやするナツを見てため息をこぼすエルザ。考えても仕方がないのでその後エルザ達はファントムロードの襲撃の防ぐ為、同じ部屋で寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

ここはファントムロードのギルド。

ファントムのギルドメンバー達が酒を飲んでる中、部屋の片隅で頑丈そうな鉄を()()()男がいた。一人で食べていると酔っ払ったメンバーの一人が近づく。

 

「ガジル聞いたぜ、フェアリーテイルに攻撃仕掛けたんだって? かぁ〜すげぇな!」

 

「…………」

 

「今頃あいつらすげぇブルーな気分だろうぜ、ざまぁみろ! お前もそう思うよな? ベラーー」

 

次の瞬間、男の顔面にバネのように伸びる腕から繰り出される拳が刺さる。男の身体は壁にめり込み、意識を失った。その様子を見たメンバー達はくすくすと笑い出す。すると金髪の男が酔っ払い男の前に立つと男の頭を足で踏みつける。

 

「うるせぇんだよお前、酒が不味くなるだろうが」

 

金髪の男ーーベラミーは酒を飲みながらそう呟く。

 

「おいガジル! そんな端っこで食ってねぇでお前もこっち来い。楽しく飲もうぜ?」

 

ベラミーは端っこで鉄を食べている男ーーガジルに話しかける。ガジルはそんなベラミーをギロっと睨みつける。

 

「飯食ってる時話しかけんなって言わなかったか? ベラミー」

 

「あぁ? そんな事忘れちまったよ」

 

「……けっ」

 

ギャハハと笑うベラミーと少し不機嫌そうにするガジル。そんな二人の元に謎の威圧感のある男性が手を叩きながら現れる。

 

「火種は撒かれた……見事ですよガジルさん」

 

「マスターか」

 

男ーーファントムロードのギルドマスタージョゼが笑顔でガジルに話しかける。

 

「あめぇよマスター。クズギルドを壊しただけじゃクズ共は動かねぇよ」

 

マスターの命令でギルドを半壊させたガジルはあれだけじゃ足りないと悪態をつく。それを見たジョゼはくすくすと笑う。

 

「大丈夫ですよ、ガジルさん。妖精の尻尾にはもう一つのプレゼントを用意してますから……ねぇベラミーさん?」

 

「ああ心配すんなマスター。とびっきりのプレゼントを妖精共に送っといたからよ」

 

「……ギヒッ」

 

この後の展開を想像したガジルは静かに笑みをこぼす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マグノリア南口公園。

普段は人が集まらない朝にやけに人が集まっていた。

 

「通してくれ、ギルドの者だ」

 

エルザ達は人をかき分け公園の真ん中にある木に向かう。そこにはーー。

 

「!!」

 

「れ、レビィちゃん!」

 

「ジェット! ドロイ!」

 

シャドウギアのレビィ、ジェット、ドロイがボロボロの姿で巨木に磔にされていた。

 

「ファントムか……!」

 

「…………」

 

ナツは怒りで肩を震わせる。ルフィは無言で巨木に近づくと、腕を伸ばして磔になった三人を下ろす。

 

「レビィちゃん! しっかりして!」

 

ルーシィはギルドメンバーの中で特に仲が良かったレビィのボロボロの姿を見て涙を浮かべる。次の瞬間、巨木から巨大な轟音が響く。

 

「る、ルフィ……?」

 

巨木に視線を向けるとルフィの拳が木にめり込んでいる。ルフィの表情は怒りで溢れていた。

 

「ボロ酒場までなら我慢できたんだがな……」

 

「マスター!」

 

その場にマスターマカロフが顔を俯かせながら現れた。ルフィはマカロフの前に立つ。

 

「じいちゃん、ファントムのギルドってどこだ?」

 

「慌てるな、ルフィ。ワシも同じ気持ちじゃよ……。ガキの血を見て黙ってる親はいねぇんだよっ!」

 

そう言うとマカロフは手に持っていた杖を握りつぶす。マカロフは顔をあげーー。

 

「戦争じゃ」

 

ファントムへの全面戦争を宣言した。

 

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