FAIRY TAIL 〜Dの意志を継ぐ者〜 作:fortissimo 01
私、ルーシィ! 今私が住んでいるここはマグノリア。古くから魔法が盛んな商業都市。街の中心にそびえ立つ『カルディア大聖堂』抜けるとそこにはこの街唯一の魔導士ギルド『妖精の尻尾』が見えて来ます。そしてここがわたしの今の家!
「七万にしては間取りも広いし、収納スペースも多いし! ちょっとレトロな暖炉まで付いてる!」
風呂から上がり、上機嫌に鼻歌を歌いながら自分の身体をタオルで拭く。そしてタオルを纏いながら家の中を移動する。
「そして何より一番素敵なのが〜!」
そう言いながらドアを開ける。
「邪魔してんぞ〜!」
「よう!」
「私の部屋ー!?」
そこにはソファに腰を下ろし、大量の菓子を頬張るルフィとナツと魚を咥えたハッピーの姿があった。
「なんであんた達がいるのよ!!」
「「「ごふっ!?」」」
ルーシィは見事な回し蹴りで三人まとめて壁叩きつける。
「だ、だってミラから部屋が決まったって聞いたから……」
「あい……」
「聞いたから何!? 親しき中にも礼儀ありって言葉知ってる!? あんた達のした事は不法侵入、犯罪なのよ!」
「おい、それは傷つくぞ……」
「傷ついてるのは私の方よ……」
「まぁそんな怒んなよ、煎餅食うか?」
傷ついてるルーシィにルフィは煎餅を差し出す。
「それ私のよ!!」
「す、すびません……」
ルーシィの逆鱗に触れ、ルフィはルーシィに顔面をグーで殴られる。
「いいとこだね、ルーシィ」
「爪研ぐな! 猫!」
「ん? なんだこれ?」
ナツはルーシィの机の上にあった大量の紙の束を拾い上げる。それに気づいたルーシィはすぐさまナツに近づく。
「ダメー!!」
「のわっ!?」
ナツを突き飛ばし、紙の束を奪う。
「気になるな、んだよそれ?」
「なんでもいいでしょ! というか帰ってー!!」
「せっかく遊びに来たんだから帰るのやだー!」
「超勝手……」
その後、落ち着きを取り戻し、私服に着替えたルーシィはルフィ達に紅茶を出し、テーブルの椅子に腰掛ける。
「引っ越したばっかだから家具も揃ってないのよ。遊ぶものなんてないからこれ飲んだら帰ってよね!」
「残忍な奴だなぁ……」
「全くだ!」
「あい」
「残忍っ……」
するとルフィが何か思いついた顔を浮かべる。
「あ、そうだ。ルーシィの持ってる鍵の奴ら、全部出してくれよ!」
「鍵の奴らじゃなくて星霊よ、星霊」
「ルーシィは今何人の星霊と契約してるの?」
「六体! 星霊っていうのは一体、二体って数えてね……」
ハッピーの質問に答えながら、ルーシィは六本の鍵を取り出し、それぞれテーブルに銀の鍵三本と金の鍵三本に分けて置いた。
「こっちの銀の鍵がお店で売っている奴。時計座のホロロギウム、南十字星のクルックス、琴座のリラ。 そしてこっちの黄金色の鍵が『黄道十二門』の超レアな鍵。 金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」
「か、蟹かー!?」
「蟹ー!」
「また訳のわからない変なところに食いついたわね……」
「な、なぁルーシィちょっとキャンサー出してくれよ……ジュル」
「あんた食べる気満々じゃないの!」
「へぶっ!」
涎を拭きながら頼むルフィの顔面に拳を叩き込む。するとルーシィは何か思い出したようにぽんっと手を叩く。
「そういえばまだハルジオンで買った鍵の契約をしてなかったわ。特別に星霊魔導士と星霊との契約の流れを見せてあげる!」
「「「おおー!」」」
ルーシィの言葉に三人は興味津々だったが、三人は突如顔を青くする。
「血判とか押すのかな?」
「グロいな、それ……」
「痛そうだな……ケツ」
「何故お尻? それと全部聞こえてますが……?」
ビビる三人を放置し、ルーシィは契約の準備に入る。
「ゴホンッ! まぁ見てて。我、星霊界との道を繋ぐ者! 汝、その呼びかけに応え、
詠唱すると鍵から光が溢れる。
「「「おおー!」」」
三人はどんなやつが出るんだと期待に胸を膨らませる。光はどんどん形になっていく。そして光が収まるとそこには真っ白な小さな体に、角のような鼻、二足歩行でプルプル震える小人? が現れた。
「プーン」
「「「ニコラーー!!?」」」
想像と全く違うニコラの姿に三人は叫ばずにはいられなかった。
「「「ど、ドンマイ……」」」
「失敗してないわよっ!」
「プン、プーン」
「あぁん、可愛い〜!」
ルーシィはニコラを我が子のように抱きしめる。
「そ、そうか?」
「ニコラは魔力消費が少ないから愛玩星霊として人気なのよ」
ルーシィの言葉に反応し、三人はまたコソコソ話を始めた。
「ナツ、ルフィ、人間のエゴが見えるよ〜!」
「ああ」
「全くだ、ヤベェ奴だなルイージは!」
「……ルーシィよ。それと全部筒抜けですけど? まぁいいわ、契約に移りましょう」
「プーン!」
ルーシィは近くに置いてあったメモ帳とペンを取るとニコラの前にしゃがみこむ。
「月曜は?」
「プン、プーン」
首を横に振るニコラ。すぐさまメモを取るルーシィ。
「じゃあ火曜?」
「プン」
今度は首を縦に振るニコラ。すぐさまメモを取るルーシィ。
「オッケー、オッケー、じゃあ……」
そんな契約をしている様子をルフィ達はテーブルの紅茶を飲みながら見ていた。
「なんか、地味だな」
「あい」
少し時間が経過し……。
「はい! 契約完了!」
「プン、プーーン!」
契約が終わった事に喜んでいるのかわからないがニコラが飛び跳ねる。
「案外、契約簡単なんだね」
「だな」
「そう見えるけど、結構重要な事なのよ? 星霊魔導士は契約……つまり約束ごとに重要視するの。だから私は約束は絶対破らない……てね!」
「へぇー」
「あ、そういえば名前決めなきゃ!」
「ニコラじゃないの?」
「それは総称でしょ? そうねぇ……」
うーんと顎に手を当てながら名前を考えるルーシィ。やがて思いついたようにぽんっと手を叩く。
「おいで、プルー!」
「プーン!」
「「「プルー?」」」
「なんか語感が可愛いでしょ? ねぇ、プルー?」
「プルー?」
ルーシィはプルーを抱きしめる。
「プルーって仔犬座なのにワンワン鳴かないんだね」
「あんただってニャーニャー鳴かないじゃない」
するとルーシィの腕の中を離れると、ルフィ達の前で踊りだす。
「何かしら?」
「プン、プーン!」
「おお! お前、良い事言うな〜!」
「俺お前大好きだ!」
「プーン!」
「伝わったの!?」
ルフィとナツはプルーのメッセージが伝わり、感動する。
「うーん……」
「な、何よ……」
するとルフィはルーシィの前に立ち、ルーシィの顔をじっと見つめる。すると何か思いついたかのようにルフィは笑みを浮かべる。
「よし! ここにいる俺たちでチームを組もう!」
「おおー! 名案だな、それ!」
「なるほどー!」
「チーム?」
ルーシィはそれがなんなのか詳しくわからずきょとんとしていた。
「あい! ギルドのメンバーはみんな仲間だけど、特に仲の良い人同士が集まってチームを組むんだよ。一人じゃ難しい依頼もチームでこなせば楽になるんだよ」
「いいわね! それ、賛成!」
「にっししし! これでチーム結成だな!」
ルフィは右手の拳を前に突き出す。
「契約成立ね!」
「おう!」
ルーシィとナツはルフィの拳に拳を当てる。
「よし! そんじゃあ早速仕事に行くぞー! もう依頼書持ってきたんだ〜!」
「もう、気が速いわねぇ〜」
ルフィが依頼書を取り出すと、ルーシィは早速依頼内容を見る為に依頼書を受け取る。その時、ルフィとナツの顔が不気味に笑っていた事にルーシィは気づかなかった。
「シロツメの街ねぇ……うそ! エバルー公爵って人の屋敷から本一冊取りに行くだけで20万J!?」
「な? すげぇだろ!」
「いいわねー! これ……ん? 注意、スケベで女好きで変態……ただいま金髪のメイド募集中……って!?」
ルーシィはゆっくり首をルフィ達に向ける。ルフィ達はニヤニヤした顔でルーシィを見つめていた。
「ルーシィって金髪だもんな!」
「メイドの服着せてルーシィに潜入してもらおうよ」
「あ、あんた達最初から……は、はめられたぁ!!」
ルーシィは頭を抱えながら床に伏せる。
「星霊魔導士は契約を大切にするのかぁ。いやぁ偉いなぁ」
「騙したなぁーー!!」
「じゃあとりあえずハッピーの事、ご主人様って言ってみろよ」
「ネコには嫌ー!」
一方その頃、魔導士ギルド『妖精の尻尾』ではーー。
「あれ〜? 一冊20万Jの仕事……誰かに取られちゃったのかな?」
クエストボードの前でチーム『シャドウ・ギア』のレビィ、ジェット、ドロイの三人がボードを眺めていた。
「えぇ……その仕事ならルフィとナツがルーシィ誘って行くって」
「あ〜あ、迷ってたのになぁ……」
レビィは思わずため息をこぼす。するとカウンターに座っていたマスターマカロフが口を開く。
「いや、レビィ……行かなくてよかったかもしれんぞい」
「マスター?」
「その仕事の依頼主からたった今連絡があってな」
「キャンセルですか?」
ミラがマカロフにそう聞くとマカロフはニヤッと笑みを浮かべる。
「いや……報酬を
マカロフの言葉を聞いた者は驚きを隠せなかった。
「10倍!?」
「本一冊で200万だと!?」
「討伐系並みの報酬じゃねぇか……」
喧騒が増す中、カウンターに座っていたグレイがニヤリと笑う。
「へっ……面白そうな事になったじゃねぇか」
「グレイ、下」
「ん? あぁ!? いつの間に!?」
ミラの指摘にグレイが下を向くと又もやパンツ一丁になっていた。
そんな騒ぎがギルドで起こっているとも知らずにルフィ達は馬車で移動していた。
「乗り心地はいかがですか、ご主人様?」
「め、冥土が見える」
「ご主人様役はオイラだよー!」
「うっさい、猫!」
「腹減った〜。ルーシィ、飯」
「あんたさっき私の部屋で散々食ってたでしょ!」
ルーシィは三人の様子を見て思わず溜息をこぼす。するとルーシィは気になっていた事をルフィに聞いた。
「ねぇ、ルフィ? ナツはともかく、なんで私とチーム組もうと思ったの?」
「なんでって……お前いい奴だから誘ったに決まってんだろ」
「え?(なんだかんだで私の事認めているんだ……)」
「まぁ変な奴だけどな」
「(一番変な奴に変な奴って言われた!) んんっ! 私の最初の仕事だからしっかり行くわよ!」
ルーシィは気を取り直し、三人に喝を入れる。
「あれ? 最初は嫌がってたのに元気だね」
「相手はスケベ親父。私、こう見えても結構色気には自信があるのよ?」
ルーシィは頬に手を当て三人に向けて笑みを浮かべる。
「ふーん、そうか」
「猫には判断出来ません」
「こいつらぁ……」
ルフィは興味なさそうに鼻をほじくりながらルーシィを見る。ハッピーもまるで興味がなさそうな視線をルーシィにぶつける。ルーシィはこみ上げそうな怒りを何とか静める。
「言っとくけど! 今回の報酬の取り分、7ー1ー1ー1だからね!」
「ルーシィ、1でいいの?」
「私が7よ!」
そんな様子で馬車はシロツメの町に向かうのだった。