ソードアート・オンライン 崩壊幻想(Broken Phantasm) 作:黒木龍牙
頑張ります
眠い………。
昼がすぐに過ぎて夜。
俺は今でも、フィールドで夜戦していた。
目の前にいるのは、ガルーダ。
森の奥だからか、何故か敵のレベルが高い。
この“浮遊城”の第一層。
南フィールドでよく出る緑のハチ、ポイズンビーを倒すために来たのだが……?
ガルーダが飛んできて、爪で攻撃してくるが、避けつつ直剣「クロウブレード」で斬りつける。
ん、いまいちダメージ入んなかったか。
俺が切った部分が赤くエフェクトが出て、それが元の緋色に戻る。
残りHPは………、7か。
目の端にあるゲージが緑から黄色になる。
HPが半分を切ったということだ。
よし、SPもあるし、ソードスキル決めるか。
右肩に担いで集中する。
すると、直剣に青いオーラが溜まりだす。
ガルーダが攻撃を入れようとした瞬間に俺の剣撃が奴を襲った。
ぴぎゅっ!
パリーンッ!
青いエフェクトとなってガルーダが消える。
初期ソードスキル、“スラント”。
さてと、目の前にある中立区域に入るか。
ここが確か最南端の街“ラゴロイト”。
ここで受けることができるクエスト、“真の剣は心にある”を受けると、剣の柄による不意打ちスキルが使えるようになる。
これは結構レアな上に一人で受けないといけない。
さらに条件として、短剣で敵を100体倒さねばならん。
だが、その短剣は自分の持っている物でいい。
なので俺は、少し無茶をして一週間前、西エリアの中ボス“オセロクロウ”を一人でぶち倒し、ドロップでこの今使っている“クロウブレード”と短剣“クロウエッジ”を手に入れた。
クロウブレードは柄が黒く、羽のような物が生えた刃部分が白い直剣だ。
クロウエッジは柄が白く、
ちなみにそれが一週間前。
いやー、まさか、16時間ぶっ通しで戦うことになるとは思ってなかった。
一週間かけてレベルは現在15。
今の経験値で、半分を少し上回った。
レベリングがはかどるぜい。
とりあえず、宿屋に入る。
俺以外はノンプレイヤーキャラクター、通称NPCしかいない。
まあ、始まりの街から皆は、アニールブレードを手に入れるために、ホルンカに向かうだろう。
だが、俺は真反対に向かって、クロウブレード、並びに、クロウエッジを手に入れた。
これは俺がβテストの時にたまたま見つけたドロップ武器だ。
もう少しすれば、その情報も、βテスターが作った攻略ガイドブックに載ることだろう。
風呂に入り、ベッドに潜り込む。
おやすみなさい。
2022年、日本で世界初の本格的VRMMORPGである“ソードアート・オンライン”の正式サービスが開始された。
約一万人のプレイヤーが世界初の本格的VRMMORPGを満喫していた。
だが、ゲームマスターであり、製作者である茅場晶彦が、その約一万人のプレイヤーをこのソードアート・オンラインに閉じ込めた。
皆はフィールドに出たり、街にいたり、だったが、突然始まりの街の中央広場に強制転移させられる。
茅場晶彦が頭上に現れ、無慈悲な事実を告げた。
自発的なログアウトは不可能、唯一の出口、この浮遊城アインクラッドから出る方法は100層まで到達し、この浮遊城のボスを倒し切ること、アバターは、リアルの自分の姿となった。
理由は知らんが……。
そして、この世界でのgameoverは
現実の死を意味する。
このゲームのハードであるナーヴギアは頭をすっぽりと覆う形になっており、脳を電子レンジに入れて、温めたように、脳を焼き切ることができる。
gameoverになった瞬間、脳を焼き切られる。
それは外で強制的にナーヴギアを外した際も同様だ。
SAOはまさに「現実ではない現実」という、地獄と化したのだ。
次の日、短剣クロウエッジを持ってそのクエストを受けた。
闘技場に強制転移させられ、そこで試合開始。
闘技場はだいたい半径15メートルくらいの円柱の大きさ。
10体づつ出てきて、一体倒せば一体出てくる、みたいな感じで常に10体づついるといった感じだ。
出てくるモンスターは“レイジボア”・“ヴェノムボア”の二体。
5体づつ出てきて、襲ってくる。
スタートまでのカウントが始まる。
5…………4…………3…………2…………1…………スタート!!
10体全部が、俺に向かってきた!!
ひえええ!!??
俺はクロウエッジを構えて少し逃げ腰になる。
ちょ、あの、βテストの時よりでかいんですけど?
怖いんですけど?
俺は左にかけるが、追ってくる。
「んじゃ、このままやるかね」
踏み込むと同時にトップスピードに達する!
ボアたちは構わず追ってくる!
「よっ!」
壁を蹴ってボアの最後尾まで飛ぶ!
一番後ろにいたボアをアーマーピアーズで上から脳天を刺し殺す。
そいつは一瞬で青い結晶の破片を散らしつつ消えた。
そして、未だにどこに行ったか分かっていないボアたち。
これでソードスキルでの硬直時間が稼げる。
動けるようになっても、気がつかない。
そして一匹追加されたが、そいつを“モノスラッシング”という単発ソードスキルでぶち殺す。
こいつらはソードスキル一撃で殺せる代わりに、プレイヤーをわずか3撃のみでぶち殺してくる鬼畜仕様。
もしかしたらパワーアップで二撃でに、なってるかもだが、試す勇気はない。
“モノスラッシング”の硬直が解けたと同時に、次のソードスキルを放つ準備に入る。
さて、これの繰り返しだ……。
2時間後。
99体倒しきり、ようやく最後、と思った瞬間、超でかいのが現れた。
なんだあれ?
でかいイノシシかな?
うーん、こいつ短剣一本だけだときついかな……。
よし、ソードスキル使えないけど、短剣二本でぶち倒す!
左手にもう1つの短剣、“ライトエッジ”を出して、突っ込む!
こっからはソードスキル無しの実力戦だ!!
すると、ボアが俺に突っ込んでくる!
ボアには牙があり、それが前に飛び出ている!
それで突き刺そうとしてくる!
足に力を入れて、上に飛ぶ!
壁すれすれに立っていたため、ボアが壁に突っ込む!
自由落下に入った瞬間、クロウエッジとライトエッジを同時にボアの背中に突き刺す!
だが、俺はそのあとの行動を考えていなかった。
暴れたボアに振り飛ばされる!
あーれー!
ぶべら!
壁にぶつかって地面に落ちる。
いっててて……、HP6割吹っ飛んだぞ!?
「ヤベェな……」
俺は横に転がる。
それと同時に、壁にぶつかる音と、俺の目の端にメーターが生成される。
BigBore Level 20
HPメーターは先ほどの攻撃で半分を切る大ダメージ。
うわー、ヤベェ、死ぬんじゃね?
俺のHPバーは黄色になり、さすがに冷や汗が走る。
満タンのバラメーターが一本とコンマ数ミリ減ったほぼ満タンのバラメーターが一本。
だが、今ので分かった。
こいつ、壁にぶつからないと止まらない!
その時にスキができる!
その瞬間に斬りつければいいのか……。
ニヤリ
俺のニヒルとした笑みは、勝利を確信したものだった。
はずだったのになぁ…………。
3時間後。
まさか……………、壁に当たるごとに…………、回復するとは………。
俺は壁に追突するたびに、攻撃を行なっていたのだが、壁に当たるごとに回復していることに気がつき、俺は思いっきり転かして、一気に切りつけ続ける、というのをあの後繰り返したのだ。
そしてやっと倒し、不意打ちスキル“夜刀神”を習得。
俺はこの後すぐに飯を食べ、すぐに反対側であるトールバーナに向かう。
もちろん、ボス討伐作戦会議に参加するためだ。
道中、ボアやポイズンビーの横をかすめて通り、クロウブレードで斬りつけ、俺の経験値へと換算させる。
そして、ここで説明して置いたほうがいいであろうこと。
それはこのクロウブレードについてだ。
これは直剣というジャンルに入りつつ、“少し違う”らしい。
直剣を1、短剣を0.5とした時、クロウブレードは0.75なのだ。
直剣としては少し短く、軽い。
だが、短剣としては長く、重い。
このゲーム、ソードアート・オンラインには二刀流が存在しない。
もちろん、双剣も。
だが、“恐らく存在するのだろう”。
茅場晶彦という人間を知っていれば、分かる。
ボアをクロウブレードでブチのめし、経験値へと換算する。
茅場晶彦は面白ければ取り入れる。
自分の考えた物語が変わろうと、悪くないと考える。
俺はもともと、茅場晶彦と知り合いで、色々案を出したわけだが、かなりの難易度高騰化を招いてしまったらしい。
そして俺が言った言葉
『隠しスキルとかで二刀流とか双剣とか考えて見たら?』
これが一番、影響を与えてしまったのではないか?
今さっき俺はこのクロウブレード、クロウエッジを手に入れた場所に行ったが、ヴェノムクロウがいたであろう場所は“普通の平原へと化していた”。
つまりだ。
この間まで考えていた、“この武器は誰でも手に入る”という考えは無くなってしまったようだ。
その人にしか見えない、もしくは到達できない、だとしたら、ドロップ武器が複数必要なはず……。
だが、この二つだけ、というのはやはり一人で受けなければならないのだろう。
その場合、何か提示があるはずだ。
少し大きめの黒いハチ、ブラウンビーをクロウブレードの二撃で叩き斬り、経験値へと換算。
だが、二人で行った場合などの霧や、分かれ道が一切ないとなると………。
これは…………、やはりこの二つはかなりのレア装備ということになる。
よくよく考えてみれば分かる。
先ほどから普通ならば、今のレベルなら“5撃以上加えなければならない敵を一撃または二撃で倒している”ではないか!!
「ヤベェ………、一回ステータス確認するか……」
俺は一度止まり、あたりにモブがいないか確認し、ステータスを開く。
そして、確認して驚くこととなる。
“クロウブレード”
攻撃力 27
防御力 19
俊敏値 50
特殊 斬鴉(キリガラス)
駆け足以上の足の速さで攻撃力が上昇
駆け足 二倍、本走り 五倍、トップスピード 十倍
「なんだこの特殊能力!?トップスピードで270かよ!?なんだこのチート武器は!?」
そして嫌な予感しかしないが、クロウエッジも見てみる。
“クロウエッジ”
攻撃力 20
防御力 20
俊敏値 62
特殊 廻鳩(マガリバト)
突き刺す以外の攻撃力が上昇
横斬り 四倍、縦斬り 二倍、回転斬り 十倍、斜め切り 三倍
精錬レベル11以上で形状解放
待て、回転斬りで十倍っておかしくねぇか?
まあ確かに、回転斬りは背中がスキだらけになるからどうしても倍率が上がるのだろう。
だが、俺が気になったのは最後の文、形状解放だ。
更にもう一つだけ、気になることがある。
クロウブレードの背の部分に明らかにずらすことのできるレバーがある……。
まあ………、なんとかなるでしょ……。
専属のマスターメイサーが欲しい所である。
まあ、そんなことは置いといて、始まりの街に帰ってきた。
まだ多くの人が、この街にいる。
すると、
俺としてはこの世界に来ていて欲しくない女の子を見た。
短髪で、背は女子としては平均くらいで、頰にそばかすがある子。
目が合う。
やばい。
何となく、逃げたい。
その子は俺に寄って来た。
俺はセミロングの髪で顔半分が隠れている。
ばれ………た?
その子は俺の横を通り過ぎる。
ふう、と一息ついた瞬間、トントンと肩を叩かれる。
その方向を向かずに俺は反対から後ろを見るが、頰がムニッと圧縮される。
小指だ。
先ほどの子が悪い笑顔で、俺にいたずらしたのだ。
「何よ、ごまかせると思ってんの?」
「あー、うん、いや………、来てるとは思ってなくて見間違いかと…………」
はは……、と笑いつつぽりぽりと頰をかく俺。
少女は「はぁ、まあ良いわ」と言い話を進める。
「全く、あんたが居るんだったら、最初っから一緒にいれば良かったわ。久しぶりね、リュウガ」
「今は顔無し(Face Less)だ。そっちは名前は何なんだよ?リカ」
「今はリズベット、リズで良いわ。で、カオナシ(勘違い)はどこへ行くの?今まで見なかったってことは端っこの方に住んでたの?」
こいつは俺の妹みたいなもん。
幼馴染のリカだ。
家が近くで、良く小さい頃は遊んだもんだ。
「基本はモンスター討伐。街にはクエストの受諾と完了にしか来てなかったからな」
「あら?あんたってガチ勢だったの?」
結構真面目な顔で聞かれたため、俺はコケかける。
俺は小さい時に大阪に住んでいたことがあったため結構こういったノリには、乗る習性がある。
「あのなぁ………。俺はclosedβの時からやってるんだぜ?ガチ勢じゃないわけないじゃねぇか」
「ああ……、それもそうね。あれのせいで出席日数足りなくなりかけたんじゃなかったっけ?」
「おう、余計なことばかり覚えてるな」
そう、俺はclosedβの時に思いっきり学校を休んでゲームをしていたため、出席日数が足りなくなりかけたことがあったのだ。
正確にはβテストのときに風邪をひいて、家で療養しつつ、ゲームしてたって言った方が正しいんだけど。
「まあ良いが………、リズのレベルは?」
「4よ。あんたは?」
「驚け、16になった所だ」
「うっそ!?」
マジで驚かれた。
まあ良いか。
リズの腰にぶら下がっている初期のメイスを見て、そういえば、こんなものをBossからドロップしていたなと、思い出す。
もちろん、今朝受けた夜刀神を受け取るクエストのBossだ。
「お前、メイス使いか?」
「え?あー、うん。まあ腰にぶら下げてりゃ分かるか」
「これやるよ」
俺はコンソールをいじってメイスを取り出す。
一般的にはモーニングスターと呼ばれるメイス“ボルヴァー”だ。
それをリズに渡す。
「何これ、特殊効果 閉廷 女性が持ち、振るうと攻撃力が三倍……。どっから持って来たの。返して来なさい」
「いや、ドロップ品だから問題ないんだが……」
即返された。
いや、俺持ってても意味ないし…。
「何でこんな女性限定クエストで出て来そうなメイス持ってんのよ」
「たまたま報酬だったんだよ……」
肩を落として言う俺は正直少ししょんぼりしていた。
リズはそれを受け取り、ストレージに入れると、何かに気がついた。
リズが目をつけたのは俺の腰にぶら下げている剣、白い羽毛のようなものが生えた直剣“クロウブレード”だ。
「あんた…………、その剣何?」
「………、クロウブレードだけど?」
「鳥の羽みたいなのが生えた剣………、見た目かなり柔らかそうだけど……」
「触ってみるか?」
俺は引っ掛けていたのを外し、リズに渡す。
手に取ると、リズは驚いた。
「軽っ!何これ!?でも硬い………、これどこで手に入れたのよ?」
「先ほども言った通り、ドロップだよ」
そう言うが、なかなか信じてもらえない。
うーむ、と考えていると、βテストの時からの知り合いを見つけた。
手を振ると、こちらに歩いてくる。
金髪にフード、頰にヒゲのペイントを入れている女の子。
俺と並ぶと親子と勘違いされそうな身長差だ。
「おや、フェイ坊じゃないカ。何ダ?オレっちの情報が欲しくなったのカ?」
「フェイ坊言うな。いんや、たまたまだよ」
「そうカ。まあ、そんなことは置いといて、フェイ坊、彼女さん居たのカ?」
「冗談はよせよ。こいつはリアルでも知り合いのリズベットだ」
俺が紹介すると、リズが手を差し出す。
そのフードの少女は手を取って
「よろしくね〜、あなたは?」
「オレっちはアルゴ、フェイ坊とは友好関係にある情報屋ダ。リズベット…………、リーちゃんでいいカナ?」
「え?あ、ええ……………、え?」
あ、アルゴのそれはどうなんだあだ名がリズベットにも決まったらしい。
リーちゃん………、ブルース・リーかな?
リズは未だに困惑している。
「あー……、こいつのあだ名はかなり特殊だから、あんまり気にすんな」
「にゃはははは!そういえば、二日後に、トールバーナで第一層ボス討伐会議があるらしいから、行ってみると良いヨ?」
「おう、サンキュ」
俺はコンソールを動かし、10000コル渡す。
「おや?こんなに良いのカ?」
「まあ、一応知ってた情報だけど、気軽に話してくれるのは結構嬉しいしな」
「そうカ………、じゃあ、ありがたく受け取っておくヨ」
すると、リズが何かを言いたそうにこちらを見ている。
何だ?
「いや……、あんた、相変わらずだなって。じゃあ、フレ登録でもしましょうか」
「相変わらずって………、まあ良いけどさ……。分かった。アルゴ、お前もしとくか?」
「ああ、しておこうカ」
俺らはフレンド登録し、アルゴと俺らは別れた。
俺とリズで街を歩く。
比較的、あの時の混乱は収まっており、だいぶ平穏が保たれているように見える。
すると、リズが聞いてくる。
「そういえば、一つ聞いて良い?」
「何だ?茅場晶彦のことと、名前のこと以外なら良いぞ?」
「それだと聞いた意味ないじゃない!」
「はは……、冗談だよ。で、その二つか?」
「うん。茅場晶彦は何でこのデスゲームを始めたのか。それとあんたの名前が何故、フェイスレスなのか」
まあ、俺と茅場が知り合いということを知っていたから、それを聞いていたという可能性はゼロじゃない。
俺と茅場は同じ高校の先輩後輩(俺が後輩)で、同じコンピュータデザイン研究同好会(コンピ研)に属していた。
俺と茅場はもともとネットの友達だったこともあり、呼び捨てで呼び合う仲だった。
俺の提案したものを、茅場が研究、そして二人で研究するということで、基本的に二人で色々なゲームプログラムを作って来た。
まあ、そんなことは置いといて、
「ん〜………、あいつは簡単にいうと、『自分が作り上げた世界に、住んでもらいたい。ゲームの感覚でなく、完全な新世界として』って言ってたのを未だに覚えている」
「世界の神になりたかったのかな?」
「そればっかりはどうだろうな?他人がやっているゲームを外から眺めるほど、面白くないことはないからな。もしかしたら、“この世界の誰かに扮して、ゲームを案外楽しんでいる”んじゃないか?」
「まさか〜、ディレクターなら普通そんなことしないでしょ〜」
そんなことあったりするから困るんですよ、リズベットさん。
で?名前は?的な視線を向けられたので、俺は答える。
「名前は………、そうだな………。リズベット、俺の左半分の顔、隠れてるよな?」
「え?ああ、うん。そうね。でも、髪で隠れているだけで……」
「じゃあ、気絶すんなよ?」
「え?」
俺はそう言うと、髪を寄せあげる。
そこには………………、眼帯があった。
「眼帯………?」
「ああ………、この下は、まあ、どうにもなってないんだが少し変だ」
「変?」
俺は外して、左右をみる。
だが、“左だけ動かない”。
「見えてない………の?」
「いや?視界は動いてちゃんと立体的に見える。だが、バグだとは思うが…………、左目のテクスチャがちゃんと機能してないんだ。キモいから眼帯してる」
「そう……、でも、何でそれがフェイスレスにつながるの?」
「正確に作動しないってテストで分かってさ。でキモいから顔無し、フェイスレス、って感じでトントンと決まった感じかな」
「ふーん?」
説明終わり、とパンッと手を叩いた。
「ひとついいか?俺と、パーティを組まないか?」
「え?いや、いやいやいや。何で私があんたとなんか」
「レベル上がるし、それに金も溜まる。二人なら楽なことも多いし、それに、リズといたら飽きないし」
そう言いつつ、俺はリズのそばかすのあるほおをムニムニと遊ぶ。
すると、ため息をついて、分かったと言った。
「でもさ、あんたは明後日のボス攻略会議に出るんでしょ?」
「うん?ああ、もちろんその後さ。俺は最前線から引いて、戻ってくる。そんときに一緒に二層に行ってレベリングする。まあ多分、リズが二発くらい入れたやつを俺がトドメ刺す感じで互いに経験値稼ぎすればいいさ」
「そっか……………、じゃあ、一回お別れだね」
「ああ、メッセージは飛ばしてくれて構わないからさ。まあ、数日後に会おう」
「うん、バイバイ」
だが、なんか納得いってなさそうな、不満げな感じで見られたので、俺はリズの頭をガシガシと強く撫でた。
「な、何よ!?」
「安心しろ。俺は“死ねない”から」
「え?………う、うん」
「あ、違う、死なない。今のは言い間違えだ。気にすんな。んじゃ、また」
もう一回、リズの頭を撫でて、別れる。
さてトールバーナに向かうか。
数分後、俺は全力疾走でその場に向かうことになる。
それはある後からのメールだ。
『ごめん、今日だったみたいだ』
レベルは途中で現れるモブをぶっ殺し、ワンパンボーナスも入るので、レベルは18。
そしてトールバーナについた。
俺は攻略組の奴らを見つけ出し、事情を説明。
とりあえず、誰かとパーティを組んでほしいと言われたが、誰もいない。
泣けるぜい。
俺はストレージから、毛布を取り出し、それを体に巻きつけて、端っこで寝る。
お休みなさい。
アラームがびっくりするぐらいでかくて、耳が死にそうになりました。
頑張りました。
お休みなさい。