バルバトスさんはバルバトスルプスになって復活してどうぞ
「んぅ…」
また、気絶しちゃったのか。そう思って私は身体を起こす。えっと、確かキャスターの異界の中で息が出来なくなって…
「ふぇ…? 何処ここ」
「原作キャスターの居城だよ、マスター」
「ふぁっ!?」
それを聞いた途端なにか恐ろしくなって、動こうと手をついた瞬間全身に炎が這ったような痛みが走って倒れ込んでしまう。え、ちょっ、ナニコレ。ほんとナニコレ。
そんな疑問ばかりが頭をよぎり、ジタバタと暴れ…るのは痛いからグッタリとしている中、私の視界に目を逸らして口笛を吹けてないキャスターの姿が入る。よし、分かった。
「キャスター、今すぐ私に何をしたのか吐いて。ハリー」
「分かった。けど、先ずは倉庫街の顛末から話してもいい?」
「いいよ、それじゃあライダーと戦い始めた辺りからお願い。勿論、私をこんな状態にした理由もあるんだよね?」
金属的な感じのする場所に倒れたままという情けない格好だけど、笑顔を作って私はそう言った。大丈夫、今は冷静だから令呪の存在も忘れてない。そう覚悟して、私はキャスターの話を書き始めるのだった。
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「つまり、イスカンダルと戦うのが楽しくて、私の事を忘れて魔力を生成していた。それで私が死にかけてるのに気がついて、大ダメージを負って、不完全だけど再現宝具を放ってここに逃げてきた…って事でOK?」
「うん、簡単にまとめるとそんな感じだね」
私はどうにか座った状態で話を聞き終わった。映像付きで見せてもらった戦いは、本当に凄かった。キャスターが紅魔族してたり、ライダーもそれに乗っかりそうだったり。極め付けはニコラ・テスラさんの宝具の再現とかいう尋常じゃない真似。
「でも、それがどうなったら今の私の状況に繋がるの?」
「いやー、その、ね? マスターが倒れた私の異界の中って、大体神代と同じくらいの魔力濃度だったんだ。それで、マスターは人理焼却の時に生き残れる力が欲しいって言ってたでしょ?」
「うん」
私は素直に頷く。だって私のいるココがどの次元かは分からないけど、ありすぎる厄ネタに対して対応できるように力をつけるのは何にもおかしな事じゃない。
「それでね? 魔術回路を私が弄ったせいで、ちょっと前までのマスターは、一般人がいきなりエレファント・ガンを持たされたみたいな自爆寸前の状態だったんだよね…」
「おいキャスター」
「だから、神代の空気に耐えられる様に魔術回路だけじゃなくって魔術刻印も作って色々刻み込んだんだけど…ちょっとやり過ぎちゃったみたい」
てへぺろ☆という文字が見えそうな笑顔でキャスターは言った。よし、マテ落ち着こう私。私は幼女、相手も英霊だけど幼女。おててつないでなかよくしましょが普通の筈だ。やり過ぎちゃったのは子供の悪ふざけ、ならそれを許せるようになるのがオトナのれでぃへの第一歩。
「ふぅ…よし。キャスター、私はまだ人間?」
「ま、まだ人間で魔術使いだよ。私の事、自害させたり…しない?」
「うん。別に令呪使って、自害させて霊基修復して最後にもう一回自害させるなんて事はしないよー」
私は、どっかのもっ先さんレベルの極冷気スマイルに乗せてそう言いきる。キャスターが顔を青くしてるけど知ったことか。遺伝子改造とか人体実験は七つの大罪なんだぞ。
「まあ、私の知らないうちに改造されてたけど過去は過去だもん。覆せない以上、まだ人間らしいし、重大な欠陥でもない限り受け止めるよ」
「…」
ちゃんと私はそういった筈なのに、キャスターは冷や汗をかきながらブツブツ何かを呟き始めた。うん、絶対何かしてるね。
「令呪を以て命ずる、キャスターよ」
「わー!ちょっと待った! カルデア式じゃないんだから令呪はもっと大切にして! 話すから、ちゃんと話すから!」
パタパタと駆け寄ってきたキャスターに口を塞がれる。くっ、キャスターでも英霊なだけあって手を退かせない。どうにか手を退かせなかもがいてる私の前で、キャスターがゆっくりと話し始めた。
「えっと、さっきのマスターを改造しちゃえって話の続きなんだけど、回路だけは用意したけどどう足掻いてもマスターの魔術の才能が足りなかったんだ」
「?…!」
なるほど。まあ私は知識があるだけの一般人だし、いくら外付け・後付けの物が優秀でも本体のスペック不足と。例えるなら、超高性能コンピューターがあっても、部屋の主が幼女じゃ意味が……あれ? 的確すぎない?
「だからそれをどうにかする為に、私の宝具を一個マスターに埋め込んじゃいました。それのせいで起源とか魔術の属性とか変わるかも知れないけど、多分死にはしないから大丈夫!」
「ぷはぁっ、なにそれ…」
「名付けるなら
そうあっけからんと言ったキャスターの言葉を理解して、私は言葉を失い呆然としてしまう。桜ファイブとか複合神性とか気になる言葉はあったけど、マスターの人間の為に宝具を作った? つくづくおかしいって思ってたけど、作家系鯖だったり皇帝特権を持ってる訳でもないのに…って、今更気にする方が無意味か。
「それで? 聞く限り致命的な欠陥があるようには思えないんだけど」
そう首を私は傾げる。聞く限り十二分な性能だし、宝具が埋め込まれてる(未来)のは士郎もだし無視してもいい。でもそんな私に、申し訳なさそうな顔をしてキャスターが言い始める。
「うぅ…鍛治師として恥ずかしい事だけど説明するね。欠陥その1、マスター専用なのに宝具展開はできるけど真名解放はまだまだ出来ない。その2、色々な燃費が凄く悪い。その3、真名解放しても多分高位の英霊とじゃ戦いにならない」
ダメダメだよ…キャスターでこんなレベルだから、他のクラスじゃお察しかなぁ。そうキャスターは続けたけど、それは全部問題点って言えないような気がする。
「ダメダメって言うけど原因は殆ど私にあるみたいだし、キャスターとしては最高の仕事を出来たんだじゃないの? 唯の人間にそんなのを使える様になるするだけで、尋常じゃない成果だと思うんだけど」
「ううん。鍛治師なら相手に見合った、相手が使いこなせる物を渡すべきだもん。私はその点じゃ失格だよ」
そう言ってキャスターはしゅんとしてしまった。むぅ…なんか私が虐めてるみたいで嫌だ。というか、この子鍛治師だったんだ。鍛治師なのに魔術師で、しかも大鎌を使う
「ああもう! それなら私が使いこなせる位まで成長すればいいんでしょ!! キャスターなんだから教えてくれない?」
「言質取った」
私が迂闊にそんな事を言った瞬間、キャスターの紅眼がピキュイーンと十字に光った様に見えた。あ、これマズイ。選択間違えた。dead or hellな感じになる予想しかできない。
「それじゃあ、イオリちゃんのスーパーまじゅつ教室始めよっかー! 私みたいにキャスターの英霊目指して頑張ってね!」
「宝具展開!」
私は自分のサーヴァントから逃げるために、埋め込まれたという宝具を展開する。瞬間私を雷の走る炎が舐め回し、瞬きが終わる頃には例の巫女服を形成していた。
一応宝具という神秘の塊を纏ったお陰か、多少身体の痛みも引いてくれた。これならいける!(錯乱)
「必殺、鮭飛びの術!」
「はい、捕まえた」
全力での飛び上がりに魔力の制御をわざとミスって足元を爆発、痛みを感じない事を不思議に思いながら、それを含めても異常に吹き飛んだ私だったけど一瞬で捕まえられてしまった。キャスターだろうと英霊は英霊、逃げられるわけがなかった。というか、そもそも魔力放出で近接戦するキャスターでしたねウチの鯖。
「大丈夫だよマスター、難易度くらい選択させてあげるから」
「えっ!」
「ケルト式とスパルタ式、ハートマン風と異世界式、どれがいい?」
上げて落とすとはこの事か(絶望)
ケルトは却下で、スパルタも地雷臭がするから無しでハートマンは私の精神が死ぬ。とすると、最後の異世界式しか選べるのはないじゃないですかやだー。
「い、異世界式で」
「はいはーい! 一名様ごあんなーい」
後に私は語った『ハートマン風が1番優しかったなんて、詐欺だよ…あんまりだよ…』けれど、今の私はそんな事を知る由もないのだった。
『
ランク : 不明 種別 : 対人(自身)宝具
レンジ : 0 最大捕捉 :1人
キャスターがノリで製作したマスター専用の宝具。自身の保有する様々な神性より引き出した防具の逸話を少しづつ抽出し、自身の作り出した無名の宝具の因子もパッチワークした規格外の防御性能を持つ雷炎で形作られた巫女服。
所持しているだけでCランク相当の対魔力性能を発揮する。展開すればランクがBに上昇、相応の物理防御力も得ることができる。
真名解放はまだ出来ない。