なんとなくFate   作:銀鈴

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私この特異点終わったら、頭を空っぽにしてVRMMOモノ書くんだ…リアフレがいつまで経っても書かないから。


第10節

「ふんふんふ〜ん♪」

 

 どったんばったん大騒ぎはあったけれど、晩御飯も終わりマスターが眠りについた頃、私は異界の中に置いてある台所で洗い物をしていた。多分、明日こそがこの特異点の分水嶺だから。そして、明日こそがーー

 

「手伝うか?」

「ううん、大丈夫だよロイド」

 

 話しかけてくれたロイド(最愛の人)の言葉で、ぐるぐると回っていた考えを断ち切ることに成功した。そうだよね、そうなると決まってても今から考える必要はないか。

 

「分かった。でもあんまり無理はするなよ? 何せイオリは受肉してるんだからな」

「ん、分かってるよ。もうちょっとで終わるし、大丈夫大丈夫」

 

 睡眠こそしなくても良いけれど、今の私はこの異界に抱えてる物のせいで強制的に受肉させられている。まあ、無理に無理を乗算した現界だから文句は言わないけど、不便なものは不便なのだ。

 何てことを考えている間に、手元にあった洗い物は全て無くなっていた。ならばもうやる事はない。濡れた手をエプロンで拭き、それを遠くに見える洗濯カゴに投げ入れる。

 一息ついた事だし、久しぶりにロイドとお酒でも。そう思った私の前に、ダ・ヴィンチちゃんのホログラムが立ちあがった。どこから出てきたし。

 

『落ち着いた様だし、ちょっといいかなアーチャー?』

「ん、別に構わないよ」

 

 何を聞かれるかは知っている。わざとマスターの前では話さずボカした所があるし。ロイドを手招きしつつ、私は地面に座る。

 

「あ、でも1つこっちも聴きたいんだけどさ、隣にマシュが居たりはしないよね?」

『いないけど、それがどうかしたのかい?』

「多分ダ・ヴィンチちゃんの聴きたい事は、ダ・ヴィンチちゃんしか知らない方がいい事だから」

 

 ロイドが座布団を持ってきてくれたので、その上に座りなおす。

 

『今こちらにいるのは、私と一般職員だけだよ。マシュは少し前に交代したばかりだから、暫くは戻ってこない』

「ん、それならいいや。ドンと聞くがいいさ」

 

 マスターにもマシュにも余計な知識を与えずに済むなら、少しは原作知識を喋ってもいいだろう。ダ・ヴィンチちゃんなら言いふらしたりはしないだろうし。

 

『なら聞かせて貰うけど、 昼間冬木のキャスター…愛鈴だったっけ? あの子が言ってた『バアルの技術もないのに自分に幻霊を混ぜる』ってどういう事なんだい?』

「どっちを先に聞きたい? バアルか、幻霊を混ぜるか」

 

 一度に説明するのは面倒なので、ダ・ヴィンチちゃんに私はそう聞き返す。

 

『まずはバアルの話だ。バアルとは、()()()()7()2()()()()()の序列1位の悪魔の名前だ。何故、今そんな名前が出てくる?』

「それは簡単だよ。魔神柱は、まだ生き残りがいる。冠位時間神殿で、全てが終わった訳じゃない。これからカルデアは、それに纏わる問題に巻き込まれる。私から伝えられるのはそれだけだよ」

 

 要点は説明して、数とかはボカして伝える。私は新宿で起こる出来事も知っているけれど、それは説明する様な物じゃないしね。

 ロイドに寄りかかり、安心する暖かさを感じながら私は息を吐く。

 

『何故、キミにそんな事が分かるんだい?』

「EXまではいかないけど、千里眼を持ってるからね。未来予知くらいは…ね」

 

 実際は原作知識という産物のお陰でもあるけれど、言う必要は皆無だ。千里眼で見てるのも嘘じゃないし。

 

『それじゃあ、幻霊との融合についてだけど…そもそも、幻霊ってなんなんだい?』

「んー…簡単に言うと、都市伝説とか民間伝承、創作書物とかが原典の、極めて架空に近い英霊に届かない存在かな。もし呼び出しても、作家系キャスター以下の戦闘力しか持ってない霊体。普通なら、だけど」

 

 確か、幻霊はそんな感じだった気がする。私が頼み込んで手を貸してもらった幻霊(ヒト)は、時代的に神秘が足りてなくて英霊に届いてない感じだったけど。

 

『普通ならって事は、融合がその特例なんだね』

「そ。特異点みたいなグチャグチャな状況じゃないと出来ないけど、英霊に幻霊を融合させる事で霊基の強化ができる。代わりに、原点とはかけ離れた存在になっちゃうけどね」

 

 グリフィン博士…だったっけ?その幻霊を融合すれば透明になるし、ドッペルゲンガーを融合すれば化けられる。スレンダーマンを融合すれば、ワープが出来るかもね。

 つまりどこぞの神星をその身に取り込めば、その意思が確立しないまま聖杯の泥で汚染してしまえば、その力を思うがままに操れるという事だ。愛鈴はマジキチだね、絶対。

 

「その融合には、本来特別な手段が必要なんだが……反対を押し切って、イオリが消えかけだったキャスターとしての力で無理矢理に合成してな…」

『ふむ…』

 

 ロイドが優しく私の頭を撫でてくれるのを、目を閉じて堪能する。

 実を言うと、私が正気を保っていられるのはロイドが居てくれるからだったりする。無茶な融合で意識がぐっちゃぐちゃになって、けれど抱き締めてくれたロイドのお陰で私が主導権を握ることが出来た。

 

「ま、観察してくれれば分かるけど、私の霊基は混沌と滅茶苦茶の愚呪愚呪になってるんだよね。そうでもしなきゃ現界出来なかったんだけど、凄い無茶だったよ」

 

 そして、一息ついて私は目を開く。そして、ダ・ヴィンチちゃんをしっかりと見つめ問い掛ける。

 

「そうやって、私の混ぜ込んだ幻霊は1人。

 これまで散々ヒントは出してるんだし、もう分かってるんでしょ? 万能の天才さん」

 

 熱圏付近からの魔力砲撃。望遠鏡を使っての攻撃。千里先まで…いいや、万里先まで観測できる眼。近接戦闘。射撃と経験からくる心眼。そして、天賦の叡智。ここまで出しているんだから、分かる人には分かるだろう。

 

『勿論、とは言えないけれどね。キミが融合した幻霊はーーエドウィン・ハッブル博士……で、あってるかい?』

「正解」

 

 その咒を呼ばれた事で、分離しそうになった意識を無理矢理に抑え込む。私はキリノ・イオリだ。それ以外の何者でもない。

 

「それで、後は何か聞きたいことはある?」

『それじゃあ、キミがわざわざ現界している理由だ。なんでキミは、この特異点に現界しているんだい?』

 

 成る程そうきたか。まあ確かに、自分の力を託した人間を倒す為に現界するなんて、馬鹿げてるか。

 

「まあ、これは私があの子をデミ・サーヴァントにする原因になった、前回の聖杯戦争にも関係してるんだ。軽く説明すると、私を偶然召喚したあの子は、その時既に家族を殺人鬼に皆殺しにされてたんだよ。あっ、その時のあの子の年齢は9歳ね」

『なっ…』

「それでまあ、流れで少しお母さんをやってたんだ、私。ちゃんとそう接したのは1日だけだけど、これでも一児の母だしね」

『嘘だろうっ!?』

 

 それはお母さんとして接した事なのか、それとも私が一児の母という事なのか。まあ、あまり重要じゃないので軽く流す。

 

「だからまあ、橋で言った通りかな、私があの子とは別の存在として無理に現界してるのは。つまり……私は、子供の間違いを正しにきたんだよ。仮にも親だったんだしね」

『……成る程ね。人理焼却中でもないのに記憶を持ち越してるとは驚いたけど、そういう事ならば納得だ』

 

 それなら良かった。まあ、この私の気持ちはきっと凄く特殊なんだろう。英霊なんて死者の夢みたいなものが、現実の、自分の子供じゃない子に親として接しようとするなんてね。

 改めて説明すると、何か凄く恥ずかしいな…これ。

 

「それじゃあ、他に聞きたい事は?」

『『冬木のキャスター』について、知ってる事を話してもらいたいけど…』

「それは本人から聞かなきゃ。どうせ明日、この特異点は決着がつくんだし。私達が勝つか、それとも負けるかは知らないけど」

 

 あの子…愛鈴の事は、自分の事と同じくらいには理解している。けれど、ここで私が全てを話すのは最低最悪の手段だ。理不尽にキレられて、全てを灰にされかねない。

 

『まあ、そうだよね。

 けれど、明日にはってずっと言っているけれど、それはどこまで正確な予知なんだい?』

「それに関しては、100%だな」

 

 ロイドが自信満々にそう答える。えっと、そんなにはっきりと断言させると照れる…えへへ。

 

「何回視ても、見えるのは焔に沈んだこの特異点。そして、私達とマスターだけが生き残ってる映像。どうなるかは知らないけれど、明日でけりがつくのは間違いないね」

 

 ほっぺが熱いまま、私はそう言い切る。

 何度魔眼単体で予知しても、水晶玉占いだべ!しても、それ以上の未来は観測出来なかった。きっとそれが、キャスターじゃない私の限界なんだろう。

 

「ふわぁう…後、これ以上聞きたいことが無いなら、私は明日に備えて寝たいな…」

『分かった。それじゃあ、残りの詳しく部分はセイバー君に聞くとするよ。キミもゆっくり休んでくれ』

「はいはーい。ろいど、膝枕…」

「はぁ…仕方ないな」

 

 適当な毛布を引き寄せ、胡座をかくロイドの太腿に頭を乗せる。うん、やっぱりこれが1番安心する。この特異点最後の、幸せな思い出としては至上の部類に入るだろう。

 

「おやすみ、ロイド。愛してるよ」

「応。おやすみ、イオリ。俺も愛してるぞ」

 

 最愛の人に愛を告げて、私は最後の眠りについたのだった。

 

『うわ、深夜になんて物を見せるんだい。口の中がじゃりじゃりしてくるじゃないか』

 

 そんな言葉は聞こえてない。聞こえてないったら聞こえてない。きっと眠りかけの意識が見せた幻だろう。




ー真名判明ー
変貌冬木のアーチャー
真名:キリノ・イオリ
   エドウィン・ハッブル

【ステータス】
 筋力 : D 耐久 : C 敏捷 : C 魔力 : A++
 幸運 : D 宝具 : EX

【クラス別スキル】
 対魔力 : B
 自身の弱体耐性を少しアップ

 単独行動 : EX
 自身のクリティカル威力をアップ

 無限の魔力供給 : B
 自身に毎ターンNP獲得状態を付与

 神性 : C
 道具作成(偽): A

【保有スキル】
 万里の魔眼 : A
 自身のスター発生率をアップ(3T)
 自身のArts性能をアップ(1T)

 天賦の叡智 : B
 自身に様々な効果をランダムで付与
 ガッツ(3T)
 自身の防御力をアップ(3T)70%
 自身の宝具威力をアップ(1T)70%

 大望遠鏡 : A
 熱圏付近に存在し、宇宙を観測する《ハッブル宇宙望遠鏡》に由来するスキル。
 星属性サーヴァントに特効状態を付与(1T)
 自身のスター集中度をアップ(1T)
 無敵貫通を付与(1T)

 心眼(真): C

【カード】
 B A A Q Q

【宝具】
 ー世界の果ての観測者(スターゲイザー・コスモロジー)
 Arts
 自身に必中状態を付与&敵全体に強力な攻撃
 +敵全体の防御力ダウン(3T)
 〈オーバーチャージで効果アップ〉

 もう1つの世界(アナザーワールド)
 第2宝具。ある意味万能だが、宝具カードはこちらではない。

 ☆4のスペックじゃねえよこれ…
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