なんとなくFate   作:銀鈴

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ギル様が書けずに第七特異点で遊ぶ日々。
ごめんなさい遅れました。特異点修復してきたので初投稿です。


フェイトの針は回る

 冬木市の一角に広がる倉庫街。普段ならなんの変哲も無いその場所が、今日に限り常人にとっては死地となっていた。無論そんな事が起きている原因はただ1つ、私も参加している聖杯戦争だ。

 

『マスター、一応飛ばしたけどちゃんと見えてる?』

「うん。見えないけど見えてるよ、キャスター」

 

 雁夜おじさんがとってくれたありふれたホテルから、私達は夜を待って出発していた。街中を自害さんが気配剥き出しで動いてたから、多分今日だろうと予想してたけどそれが見事に的中したらしい。

 

 そして私は例によってキャスターの異界の中、原作の第一戦となる戦いを見物している。音の無い映像の発信元兼今映像を私の前に映し出しているのは、どこからか現れてキャスターが使役し始めた金属製の蜂。それ自体はありがたいし原作を垣間見れた感動もあるんだけど……

 

「やっぱり、何も見えないや」

 

 昨日のバーサーカー戦の時みたく認識まで同調してないから、今の私にはセイバーとランサーがどう戦っているのかが全く見えてなかったりする。加速度的に増え続ける破壊の跡を追うのが精々だ。

 

『よし! マスター音声も入るよ』

「ありがとー」

 

 そう呑気に私たちが話している場所は、倉庫街にほど近い市街地の道。私もキャスターも一騎打ちに水を差すつもりはないし、イスカンダルの呼びかけで登場しようって事になった。

 そんな私の思考に冷や水をかける様な言葉が、映し出された映像から響いた。

 

『戯れ合いはそこまでだ。ランサー』

『ランサーの…マスター!?』

 

 奇妙に響くケイネス先生の声と、立ちながら周囲を見渡すアイリスフィールの声。私が見えていない間に思った以上に話が進んでいた。これならそろそろイスカンダルさん登場かもしれない。

 

『ねぇねぇマスター』

「ん? どうかしたの?」

 

 『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』で『風王結界(インヴィジブル・エア)』が解除されたりなんだりする自害さんが1番輝いてた映像を見てる私に、キャスターが質問を投げて来た。何かあったのかな?

 

『今更だけど、マスターも愛鈴(アイリ)でアイリスフィールもアイリだから凄くめんどくさいね』

「キャスター、折角人が目を逸らしてたっていうのに…」

 

 アサシンを発見とかそういう報告かと思ったら、本当にしょうもない質問だった。いや、私だって自分の名前を知った時に思ったよ? だからってやってみたしゅ、しゅとるナンタラっていう針金の鳥の再現はできなかったけど。大人しく針金工作にしました。

 

『今のマスターなら、修行すればできると思うよ?』

「改造されちゃったもんね…」

 

 それこそ、この型月の世界じゃありえないレベルで。魔術回路や属性やらをグチャグチャの混ぜこぜにされたらしいしね。やったね愛鈴、捕まったらホルマリン漬けコース確定だよ!(白目)

 そう私が1人絶望スパイラルに入る直前、映像から猛々しい雷鳴が轟いた。それは物語が進む証。なら未来の悲観はやめるべきだね、最悪人理焼却なんて事が起こるかもなんだし、目先の事は後回し後回しっと。

 

「よし。キャスター、昨日は私の我が儘に付き合ってくれてありがとう。だから、今日は目一杯暴れていいよ!」

『合点しょーち!』

 

 昨日と違い(マスター)の出番はない。それなら、1視聴者・読者として見てきた光景を全力で楽しもう! 私は密かにそんな決意をするのだった。

 

 

「双方、武器を収めよ。王の御前である!」

 

 話のわかるマスターとの会話を打ち切り、私は現実世界に意識を戻す。ついでにもう必要もないから霊体化を解除し、肉眼で状況を確認する。

 私のセンスにびしびしくるカッコいい戦車(チャリオット)と、それに乗る筋骨隆々な大男とウェイバーくん(メインヒロイン)。今の所私達しかイレギュラーはなさそうだし、遠慮なく楽しめそう。

 

「我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争ではライダーのクラスを得て限界した」

 

 ライダーが続けて言ったその言葉に誰しもが絶句する中、私のマスターが門の中で笑うのを感じた。普通英霊が真名を明かす事は〜って言うのも重要だけど、私にとってはマスターが楽しそうに笑ってくれた方が重要だったりする。だって、召喚されてから一度もマスターは本音で笑っていなかったから。流石の私も、マスターの目が死んでいて様子もそんなじゃ心配になる。

 

「ま、杞憂だったみたいだけどね」

 

 コンテナの陰から現場を覗き見る私の前で、会話は原作通りに進んでいく。ライダーが戦う前にセイバーとランサーに恭順を要求して、どちらからも断られた。デコピンされるウェイバーくん。食い下がるライダー、けど「「くどい!」」で一蹴されて、ウェイバーくんが文句を言う。

 やっぱりここまで原作どおりだなんて、フェイトって題名だけあって運命の力って凄いみたい。いや、生前から女神様のせいで運命力については認めてるけども。

 

『そうか、よりにもよって貴様か。ウェイバー・ベルベット君』

「逆探知開始」

 

 今すぐにでもあの場に乱入したい欲を抑えて、暇潰しにケイネス先生の居場所を探る。某ゲームの☆5礼装には助けられたけど、今は現実だから容赦は無しだ。

 生前作るだけ作って滅多に使わなかった機械蜂を展開、同時に次元魔法をそれらに伝播させて探索の精度を上げて……たったそれだけで見つけてしまった。ついでにケリィと舞弥さんの居場所も。悲しいけど、暇潰しにはなったしいっか。

 

「おいこら! 他にもおるだろうが。闇に紛れて覗き見をしておる連中は!」

「どう言う事だ? ライダー」

 

 ついに、ついにマスターと約束した出撃の時間が来た。座にいては味わえない懐かしい戦場の空気。隣にロイドがいないのだけはほんっとうに残念だけど、昨日のバサスロットさんとの戦いからバチバチの興奮が消えてないのだ。残念なら再召喚すればいいって?ロイドは多分、セイバーか大穴でライダーでしか召喚出来ないからパスに決まってる。

 とまあ、そんな事は置いておいて。マスターから許しも貰ったし、盛大に暴れますか!

 

「それはね、セイバー。あなた達の一騎打ちに惹かれて出て来たサーヴァントはライダーだけじゃないって事だよ。例えば、私みたいにね!」

 

 そんな戦場には余りにも不釣り合いな、高く幼く舌足らず気味な声が響いた瞬間、どこからか出現した黒い靄が一点に凝縮しとても小柄なヒトガタを形成した。

 夜の闇の中輝く束ねられた銀の長髪、紅と蒼の色彩の異なる瞳、少々特殊な形状ではあるがシンプルな意匠しか施されていない黒く長いコート、その下に見える銀灰色は鎧だろうか?だが、何よりも目を引くのはその背に負った7つの巨大な棺桶と、手に携えた巨大なヒビ割れた大鎌。

 

「死、神?」

「全く、女の子を見て一言目が死神とか酷いよ。ウェイバーくん」

 

 頭の中で説明口調を展開している間に、

我らがヒロイン(カルデアの過労死担当)ウェイバーくん(孔明さん)からそんな評価を受けてしまった。まあ、生前散々言われてるから気にしない。

 

「さて。クラスも真名もマスターの方針で言えないけど、これでもれっきとしたサーヴァント。子供だからって甘く見てると、その首刈り取っちゃうぞ」

 

 ペロリと唇を舐めて、私はそう宣言する。

 そしてそれとほぼ同時に、視界の端にあった街灯の上に黄金の光が現れた。

 




設定してなかったこっちが悪いけれど、突然の☆0評価にはたまげたなぁ…理由をメッセージで聞いても返信ないし。既読ついてるのにーブーブー。

書かなければ延期すればいいじゃない! と言う事で、ライダーって枠がガバガバですよね(唐突)
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