Final Fantasy XV, Return of the King(旧題 ファイナルファンタジー15 新世の王) 作:レレレのレイド
大変長らくお待たせしましたorz
色々とありましてようやく投稿にまで漕ぎつけました。(後述)
誤字脱字、この表現なんか変というのは大歓迎です。
では7章をどうぞ
レギスがノクトの胸に剣を突き立てて間もなく変化は起きた。
右手の光耀の指輪が一際強く輝き閃光を放ちだす。
それは王の間だけでなくインソムニア、イオス全土を包み込んだ。
時は少し遡り
クリスタルを奪取して帝都に帰還している最中の大型魔導船団
それは突然突如として起きた。
レーダー状に映っていたインソムニアへ向かっていた味方の魔導船のアイコンが次々と消滅しまた別のモニターでとあるエネルギー波が検出され機器を操作していたオペレーターは目を見開く
「!? こ、これは!?」
「なーに。どうしたの?何かあった?」
魔導船のオペレーターの焦りを含んだ大声を聞きつけたアーデンが近寄る。
アーデンが来たのを確認したオペレーターはレーダーに映った事象を報告する。
「インソムニアの侵攻に当たっていた大型魔導船25隻並びに・・・・ダイヤウエポン13体の反応が消滅致しました!!インソムニア城塞周辺に氷神シヴァと同様のエネルギー波を観測!!宰相閣下これは!?」
「どーも、今回は予定通りには進まないなあ。やっぱり選ばれし王様ってやつは何しでかすかわからないんだから怖いねえ。それにしても、六神の一柱を召喚するとは。あの時、挑発に乗らず実力を確認しとくべきだった・・・・かな。」
肩をすくませつつノクトの存在について考えていたところに背後からニフルハイム帝国皇帝イドラの声が聞こえてきた。
「アーデン。何が起きた?」
「どーやら何者かの妨害により、インソムニア侵攻に想定外の損害が発生した模様ですね。先程のグラウカ将軍の敗走といいその想定外を起こしてる人物はこちらの予定を悉く潰してくる。厄介極まりないですよ本当。」
あえてノクトのことを伏せて答えるアーデン。
そんな彼らを他所にさらなる異変が訪れる。
「なんだ?あの光は!?」
「こっちに来るぞ!!」
艦橋が一気に騒がしくなる。
「今度は何?何なのさ一体?」
オペレータたちの叫び声にブリッジ中央のモニターをのぞき込むアーデン。
そこにはインソムニアの方角から押し寄せてくる強烈な閃光が映し出されていた。
「何・・・・・・ッ!?」
時間にして十数秒、光はアーデンら大型魔導船を包み込み、そして何事もなかったかのように元に戻った。
「いったい何が起こった!?」
「ふ、不明です。ですが艦の機能には問題ありません・・・・・!?」
機器を操作し艦の状態を確認していたオペレーター達はレーダーや無線から次々と飛び込んでくる情報に驚愕する。
「ほ、報告いたします!!各艦に搭載していた大多数の旧型魔導兵が突如、機能を停止いたしました!!新型魔導兵の大半は無事との報告がありますが残った旧型魔導兵、新型魔導兵共に何かしらの異常が発生しているのか動作が緩慢な模様!!こ、これは一体!?」
「魔導兵の機能が停止しただと?アーデン、何が起きているかわかるか?・・・・・アーデン?」
返答がないことに気になったイドラがアーデンの方を向くとそこには額を押さえるアーデンの姿があった。
「アーデンどうした?」
「いえ・・・・先ほどの光に少しやられたようです。あー時間が経てば治りますでしょう。・・・・あの光と魔導兵の機能停止との因果関係は現段階ではさっぱりわかりません。ですのでホルヘクス研究所にいるヴァーサタイルに解析をさせましょう。先程の光を直視してしまい少々気分がすぐれないので私は一旦部屋に戻ることにします。陛下、何かあったらお呼びください。」
「・・・・そうか。お前の立案した此度の作戦、グラウカらの失敗もあり完璧とは言い難いがクリスタルの奪取とあの小賢しい魔法防壁の除去には成功した。ご苦労であったなアーデン。」
「お褒めいただき至極恐悦の極みでございます。陛下。」
帽子を取り優雅な一礼をするとともにデッキから退出するアーデン。
艦橋を離れ一人になったアーデンの顔にはすました顔はそこになく苦悶と憎悪に溢れた笑みを浮かべていた。
「やってくれたじゃないかぁ。まさか、六神の召喚のみならず、一部のプラモディウス変異体の浄化までやってのけるとは・・・・ね。どうやら舐めて相手してたのは王子でなく俺だったというわけか。ハハハ・・・・面白くなってきたじゃないかぁ。この借りは高くつくぞぉ。なあノクティス?」
王城 王の間
指輪から光が収まる。
玉座には閃光が発せられる前は剣や槍や槌などで串刺しにされ血まみれだったノクトがいたはずなのだがそこに力なく座るのは傷一つない、いつものノクトがいた。
「ノクティス!!」
レギスはノクトの下に駆け寄り脈を確認する。
首元の血管に触れると規則正しい脈動の感覚が手に伝わってくる。
生きていることにレギスは一先ずは安堵した。
そこにイグニスたちが駆け寄る。
「ノクティス、しっかりしろ!!ノクティス!!」
「陛下!!ノクトは無事なのですか!?」
「意識がないこと以外はわからぬ。あれだけの傷を負っていたのだ。何があってもおかしくはない。」
とりあえずは無事であるということに喜ぶ一同ではあったがノクトの状態が分からないという状況に不安を隠せない。
そこにルナフレーナがノクトの許に近づき治癒を始める。
「ノクティス様なら必ず目を覚まします。それを待ちましょう。」
その時、背後からこの場にいなかった友の叫び声が響き渡る。
「陛下!!ご無事で!?」
「コルか!?」
王都で市民の避難誘導や魔導兵らとの戦闘を行っていたコルだがある状況の変化で部下に任せれるほどの余裕が出来たため一体の掃討と市民の避難誘導を部下に任せレギスの無事を確認しに駆け付けたのであった。
「陛下!!ご無事でしたか。先程の光で魔導兵が次々と機能を停止していったのでこちらで何かあったのかと思い。」
「それは恐らく陛下でなくノクティス王子の・・・執り行ったことによるものだ。」
「クレイラス!!その傷は!?それにノクティス王子が執り行ったとは?」
「詳しくはわからん。ノクティス王子ならば何か知っていてもおかしくはないが・・・・あの状態ではな。」
ルナフレーナに介抱されるノクトを横目にクレイラスはため息をつく。
和平調印式から怒涛の展開でありクレイラス自身も含めたこの場にいるほぼ全員が全ての状況を把握しきれていない。
ましてやたった今駆け付けたコルには全く状況が掴めていないだろう。
「ノクティス王子のことはルナフレーナ様に一任しよう。コル、我々は今できることをするぞ。」
「ええわかっています。今為すべきことはインソムニアにいる帝国軍の排除と市民の安全の確保です。クレイラス。陛下のことは任せるぞ。」
「言われるまでもない。」
短い言葉を交わしコルは来た道を引き返す。己が為すべきことをするために。
対するクレイラスも王の間にいる王兵や政府高官らに城内の事態把握のための指示を飛ばす。
ニフルハイム帝国による調印式襲撃事件の幕引きを図るため、王都インソムニアは終夜、人が行き交っていた。
* * *
撃事件の翌朝にはルシス王国国王レギス並びに神凪ルナフレーナの両名が会見を開きこと事の顛末の発表をするとともに和平調印と偽り王都奇襲作戦を計画・実行したニフルハイム帝国を非難。と同時にニフルハイム帝国との和平の破棄を宣言。
和平で執り行うはずだったルシス王国第一王子のノクティス・ルシス・チェラムと神凪ルナフレーナ・ノックス・フルーレの婚約はフィアンセであるルナフレーナ本人たっての願いにより和平調印の破棄に伴う婚約の破棄をすることはなかった。
また、今回の襲撃事件で六神の一柱である剣神を召喚し帝国によるインソムニアの被害拡大を防ぐとともに、事態の解決に尽力した立役者であるノクティスは深い傷を負い昏睡状態にあり、いつ目が覚めるのかは不明であるという発表もされ今回の事態を招いたレギスに対し多くの批判が集まった。
ニフルハイム帝国はルシス王国の会見に対し依然として沈黙を貫いておりルシス王国側の非難が半ば事実であることを印象付けたのだった。
会見の翌日
ニフルハイム帝国 帝都グラレア 軍施設とある会議室
円卓のテーブルに初老の将校を起点として約十名前後の将校が囲むように座していた。
「皆忙しい中、集まってくれて感謝する。私を含め参加者は十名足らず・・・か。・・・わかってはいるがやはり人が少ないのは悲しいものだな。ではこれより緊急会合を行う。オーラン准将、議題を。」
初老の将校の言葉を皮切りに会合が開始される。
会合の議題は必然的に決まっているためか参加者の一部には不快な表情が伺える。
「わかりました。此度の会合は先日の和平調印式奇襲作戦で生じた影響についての会合です。皆さんも知っていますでしょうが奇襲作戦が終了間際に発生した謎の閃光、そのあとに起きた魔導兵の停止についての報告です。配布した資料をご確認ください。」
司会進行役を務めるオーランは参加者に手元の資料を見るよう促し、内容を読み上げていく。
王都奇襲作戦、ニフルハイムによる世界征服を企むグラウカを筆頭とした軍主流派とニフルハイム帝国皇帝イドラやアーデンら政府首脳陣によって計画実行された作戦である。
「お手元の資料にもあるように先日のインソムニア襲撃、占領に派遣された大型魔導船27隻、移動基地14隻、小型魔導船40隻以上が六神の一柱である剣神バハムート並びに第一王子ノクティスらの反撃を受け大破・撃墜。並びにあの忌々しい大型戦術生物兵器であるダイヤウエポンも13体全て撃破されました。また、そのあとに発生した閃光により原因不明ですがホルヘクス魔導研究所の発表によると、現在わが帝国の保有する魔導兵の三割が機能を停止、残った七割の魔導兵のうちの一割には機能不全を疑わせる症状が発生しており戦闘に出せる状態ではないという発表がされております。」
資料には投入された戦力、被害損失の総数、損失の内訳や魔導研究所の発表や国内外の反応などなど細かく記載されていた。
「こちらの戦果は?」
「はい。帝国の戦果と言えるものですがこちらが入手した情報によるとルシス王国が所持・管理していたクリスタルの奪取並びにルシス王国王都インソムニアを覆っていた魔法防壁の消失のみということだそうです。これが事実ならば損害に対して得られたものが極めて少ないと言える結果であると言えます。」
オーランの報告で静まり返る会議室に若き青年将校の一人が机を叩き参加者の視線が彼に集まる。
彼は参加者の中では一際若く、だが実力でのし上がってきた有力な佐官である。
「戦果以前にそもそも和平を隠れ蓑にした奇襲はデメリットが大きすぎたんだ!!アコルドやテネブラエなどの自治区が和平調印式奇襲作戦を見て黙っているはずがない!!」
「・・・・・この作戦で生じたこちらの損害としては魔導兵の約四割が無力されたに等しい状態。近年増加傾向にあるシガイの討伐や治安維持に大きな影響を及ぼし帝国臣民の身をより危険にさらす羽目になっているではないか。これはグラウカ将軍をはじめとした進軍派や政府中枢の怠慢ではないのか?」
若い佐官の一人が忌々し気に吐き捨てもう一人の眼帯をした将校が上層部を静かに非難する。
「マキナ大佐、それにカトル准将。それは奇襲作戦の強行を止められなかった我々も同罪だ。もはや過ぎたことを気にしていても先には進まない。帝国臣民の為にも今後の起こり得る事態を予測し今、我々が打てる対策練るべきだ。」
「「・・・・・・・」」
閣下と呼ばれる将校の言葉にマキナとカトルが押し黙り、頃合いを見計らったかのようにオーランが続ける。
「今回のような魔導兵の機能停止が今後も拡大し続けた場合、帝国は致命的な損害を被ることとなるでしょう。最悪、魔導兵全てが停止した時のことも想定して関係各機関と協議し対策の構築を図るべきです。」
「我々の取るべきスタンスはただ一つ。帝国臣民の安全ただそれのみ。臣民あっての帝国、臣民あっての我々なのだ。今は小さなことでも臣民の為に出来ることから進めるべきだろう。そのための我らだ。」
オーランに続いてそう初老の将校が締めくくると議題は今後の対策へと移っていき議論はその日の夜遅くまで続いた。
* * *
アコルド オルティシエ
首相官邸
「・・・・いいんですかい?ニフルハイム帝国は今、弱っている。動くには絶好のチャンスじゃないですかねえ。」
「面白いわね。いったい何の冗談かしら?」
執務室の窓際に立っていたカメリアは振り返る事無く返答する。
背後から響く声の主は自身がよく足を運ぶマーゴの店主、ウィスカルム・アルマのものだ。
「帝国が弱っている・・・・今の状況だけを見れば確かにそうね。十数年前の私なら今の状況を見たらそう考えてアコルド独立の為の活動を表面化させたでしょうね。」
「では?」
過去を振り返りつつ返答しカメリアはウィスカルム・アルマに向かって自身の考えを面と向かって述べ始めた。
「動かないわよ。このルシスの一件で帝国にダメージが入ったとしてもそれは一時的なもの。時間が経ち帝国が元に戻れば全てに劣るこちらが押しつぶされるだけ。仮にルシスと同盟を組んだとしても帝国が元に戻れば150年前の二の舞になるのは明白。だから現状は私たちが表立って動くことはないわね。」
「現状は・・・・ですか。アコルドが動くとすればルシス王国の動き次第ってことですかねえ。」
カメリアの返答は現状は動かない。ならばレギス率いるルシス王国の行動次第だとアルマは考え発言したが・・・・・
「違うわね。」
「はい?」
全てはルシス次第と思っていたアルマは即座に自身の考えを否定され困惑する。
カメリアはアルマの困惑を他所に自身のデスクへと戻り腕を組み毅然とアルマに告げる。
「ルシスの動きでなく、全ては第一王子の動きで決まるわ。」
* * *
それから2日 ノクトが昏睡になって4日
ルシス王国 王都インソムニア
王城 大会議場
そこでは連日王都襲撃事件に関連した会議が連日行われていた。
「昨日も王都に近づく大型魔導船数隻が空から降り注ぐ巨大な剣に貫かれ撃墜されていくのを兵が視認した模様です。恐らく襲撃事件にノクティス王子が召喚した剣神バハムートの剣だと思われますが望遠鏡ではその姿を確認できなかったようです。」
「ノクティス王子がこの場にいれば剣神による攻撃なのかと確認できるのですが・・・・目を覚まさないとなると・・・・・」
調印式襲撃事件から今日まで体制を何とか整えたニフルハイム帝国は数度にわたり帝国軍を派遣しインソムニアの占領を試みていた。
だが、インソムニアが視認できる距離になると空から巨大な剣が降り注ぎ魔導船が次々と叩き落されていきニフルハイム帝国はインソムニアへの侵攻を未だできずにいたのだ。
「だがノクティス王子があのような力を有していたとは驚きですな。魔防障壁無き今、ノクティス王子の力は王都防衛には必須。都合よくフィアンセのルナフレーナ様もおられることです。壁の外のオルティシエで挙式を上げる必要はありませんなあ。」
「左様、ノクティス王子にはインソムニアを出ていかれては困る。軍事の要ならば必要時以外は王都から離れないようにしていただかなくては。」
ノクトのことを以前から陰で金の無駄、親の七光り、無能呼ばわりをしていた一部の年老いた文官達が襲撃事件を機に手のひらを返したようにノクトのことを称賛し、そして自身の身の安全のためにインソムニアに縛り付けようとする様にグラディオラスは黙っていられなかった。
「おい、ノクトをご都合の良い駒扱いにしてんじゃ・・・・・・」
先の発言をした文官に文句を言おうとした矢先、レギスが右手を挙げグラディオラスを黙させ文官たちを諫める。
「ノクティスのことはノクティス自身が決めることだ。我々がノクティスの処遇を決めることではない。それにノクティスにはクリスタルより与えられた使命がある。その使命その使命を果たすためいずれはこのインソムニアを出ていくだろう。」
「レギス陛下。お言葉ですが、ノクティス王子がいなければインソムニア防衛は成り立ちません。どうかノクティス王子を王都から出立させないよう申し上げます!!」
レギスの意見に納得できない文官が声高々と宣言したその時。
「なんか面白い話してんじゃねーの。俺がなんだって?」
大会議場に響き渡った声にレギスやグラディオラス、王の剣の隊員含め全員が驚愕する。
「この声は・・・まさか!?」
その声の主は数日前、歴代の王に串刺しにされ婚約者であるルナフレーナにつきっきりの看病を受けていたはずである。
その第一王子、ノクティス・ルシス・チェラムの姿が大会議場入り口にルナフレーナを伴ってあった。
「よう。ワリい待たせたな。」
前回の投稿から3か月経ってました。汗
言い訳しますと、この章の時間経過の表現で詰まってから全てで詰まったに尽きます。(真顔)
理由としてはノクトの昏睡期間をどうしようかあれこれ悩みまして。
期間が決まったら今度は帝国内部の反応はどうだ、アコルドは、と増えていきちょこちょこ書いていたということも災いして次をどうすればいいのかわからなくなり内容が迷子になってました。
決して放置していたわけではありません。途中で投げ出すぐらいなら作品を削除する所存です。
定期更新とはいきませんがゆっくり進めていきたいと思います。
王都編は次で終わりの予定です。