世界巡りをする少年の話   作:春月 望

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遅れました……書き直しがとても多かったんですよね



二話 『外の世界』と紫の家

僕は今、外の世界を歩いていた。

理由は簡単、霊夢のリクエストである美味しいカステラを買いに来たのである。

 

基本的に幻想郷生まれの僕は時間をあまり気にしない。

ってことで、もう夕方だけどとりあえずカステラ買うのには間に合う時間にお店に入った。

 

「カステラ一つください。大きいのを」

 

ちなみにお金はいつだったか適当にアルバイトして稼いだ。

別に僕はここに住んでいるわけでもなければ、そこまで贅沢をするつもりもない。よって、随分前に稼いだ10万を今でも使っているのだった。

 

 

「あ、そうだ」

 

僕はあることを思いついて、駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あら」

 

そこに入ると、何かを書いていた紫が驚いたように目を丸くした。

ここは、八雲紫の邸宅。

幻想郷のすぐ近くの山の中、幻想郷でいえば、妖怪の山の反対側の麓にあたる場所にそれはあった。

つまりは外の世界である。

そこまで広くはないが、結構趣のある和風の家だった。

 

「遊びにきたんだけど、ダメだった?」

「いいわよ。藍ももうちょっとで帰ってくると思うけど……夕飯食べてく?」

「あ、うん。ところで何を書いてるんだ?」

「大したものじゃないわ。ちょっと手紙よ」

 

紫は楽しそうに笑って、筆を引き出しにしまい始める。

どうやら今日は、紫もあそんでくれるらしい。

とはいえ僕はスペルカードルールをよく知らないし、護身に術はやってるけど三面ボスを倒せるぐらいの実力しかない。

そんな僕が、八雲紫に勝とうなんて不可能にもほどがあるのであった。

ってことで、僕らの遊びといえば普通にカードゲームだ。僕が勝ったことなんてないけどね。別にいいんだけどさ、なんかかけてるわけじゃないし。

 

「ところで……それは?」

 

トランプを切っていた僕に、紫が問いかける。

 

「ああ、これ?これは霊夢に頼まれたやつ。博麗神社(ここ)使わせてやってるんだから買って来てくれってさ」

「ふぅん……世界を架けるあなたがパパッと届けてくればいいのに」

「なにその皮肉めいた言い方。そーだなぁー……」

 

ふむ、と考えて僕はささっと博麗神社まで帰って、霊夢にカステラを届けることにした。

 

「わっ!?」

 

博麗神社の、普段霊夢が食事をしている部屋を想像して飛んだら、目の前で霊夢が酒を呑んでいた。

 

「何霊夢一人で酒飲んでんの。混ぜろ」

「嫌」

「なんっ……ふんだ、カステラなんてあげないからな」

「それは無理。忘れたの?カステラはここの使用料金なのよ」

「ぐぬぬ。まあいいや」

「妙に諦めがいいわね」

「今日はこれから紫の家で藍の作った夕飯だ」

「なにそれずるい」

 

はい、とカステラを手渡すと、日本酒をテーブルに置いて立ち上がった。どうやら、カステラを切りに行くつもりらしい。

 

「ラッキー」

 

ま、こうなったら僕の選択肢は一つである。

日本酒、ちょっといただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

「ただいま帰りました」

 

帰ったら同時に襖が開いて、出て来たのは藍だった。

藍はあの帽子をかぶっていることによって、この外の世界にある八雲家に立ち入ることができるのだ。

 

「樹か。紫様、少々お待ちください。夕食の準備をして参ります」

「ええ、頼んだわよ。________それから、樹には仕事が出来たから」

「うえ?今から?」

「食事の後で構わないわ。私だってそこまで鬼じゃないもの」

 

紫はクスリと微笑んで、僕を手招きする。大方今回の仕事についての説明でもするつもりなのだろう。

 

「で、どこにいくの?」

「ふふっ。それはついてからのお楽しみ。って言うのも、ここの世界がどのようなストーリーで進んでいくのかが気になるだけで、どこをみてきて欲しいとか、運命を変えて欲しいとか、そういうのは一切ないのよ」

「へぇ。ってことは、ストーリーには関わらない方がいい?」

「それは自由にしてくれて構わないわ。あちらの運命がどうなろうと、こちらの世界には関係ないんだから」

「ま、それもそうだね」

 

幻想郷は残酷で、同じく僕らも残酷だ。

まあ、だからどうなるという話でもないんだけど。

 

 

 

 

ちなみに、藍のご飯はおでんだった。

紫が好きなんだよね、おでん。




密かに紫ルート辿ってるぞこれ。そんな気はないんだけど。
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