とある雨が降る森。
背中に盾に重ね翼の紋章を付けたマントを羽織った一団が馬に乗り隊列を組んで走っていた。
「総員戦闘用意!」
先頭を走る隊長、調査兵団団長キース・シャーディスが部下に指示を出す。
「目標は一体だ!必ず仕留め!此処を我々人類の最初の壁外拠点とする!」
キースが作戦目的を言うのと同時に。
「目標接近!!」
部下の一人が叫ぶ。
その視線先には15メートルの「巨人」がゆっくり歩いていた。
それを見たキースは腕を勢いよく伸ばすと。
「訓練どうり、五つに分かれろ!囮は我々が引き受ける!全攻撃班立体機動に移れ!!」
キースの声と同時に攻撃班は、次々とアンカーを射出し立体機動に移っていく。
「全方向から同時に叩くぞ!!」
調査兵団所属の兵士モーゼスが叫ぶ。
モーゼスは巨木の向こう側に居る巨人に接近し、剣を抜き去ると。
「人類の力を・・思い知れ!!!」
そう言い、体を回転させながら巨人の弱点であるうなじ目掛けて向かっていく。
そして。
ザシュ!!
モーゼスの剣が巨人のうなじを捉え、V字型に削ぎ落とす。
弱点をやられた巨人は膝を着き朽ちるように消えていった。
(やった!)
モーゼスがそう思った瞬間・・別の巨人が現れた。
「一体だけではなかったというのか!?」
キースが叫ぶ。当然だろう事前の調査ではあの一体だけしか確認出来なかったのだから。
「だ、団長!!他にも巨人が!!」
部下の声にキースや他の兵士が声のした方向を見ると、木々の向こうから3メートル級や15メートル級の巨人達が次々と姿を現していた。
「各自!!応戦しながら撤退する!!!」
キースが咄嗟に指示をだすが。
「うわーー!?!?」
兵士の一人が15メート級の巨人に捕まる。
「コブ!!」
モーゼスは仲間を助けるために、仲間を捕まえた巨人に斬りかかるが。四つんばいの巨人がモーゼスに襲い掛かる。
「奇行種!?」
モーゼスは避けようとするが・・間に合わず右腕を食い千切れれてしまう。
「うああああああああ!?!?」
モーゼスは絶叫を上げながら地面に落ちていくが、その前にコブを捕らえた巨人の空いている手に捕まってしまう。
「モーゼス!!コブ!!」
「駄目だ!もう間に合わん!!」
二人を助けに行こうとしている兵士をキースが止める。このまま助けに行かせても食われる奴が一人増えるだけだ。
(許せ!モーゼス!コブ!)
キースが心の中で二人の部下に詫びたその時。
バシュ!!
木々の間から光が伸び、二人を食おうとしていた巨人の首をうなじごと貫いた。
巨人はそのまま倒れこみ、捕まっていた二人が地面に落ちる。
動かないところ見ると気絶しているのか、あるいは死んでいるのかもしれない。
特にモーゼスは後者の可能性が高かった。
「モーゼス!コブ!今行くぞ!!」
先ほど静止させていた部下ベッシが二人のもとに向かう。
「やめろ!ベッシ!まだ巨人は居るんだぞ!!」
キースの言うとおり、巨人は少なくともまだ14体も残っており、まだまだ居る可能性があった。
それでもベッシは馬を飛ばし二人のもとに向かう。
当然他の巨人達が三人を食べようと向かっていくが、木々の間から次々と放たれる光によって三人に近づけないでいた。
「なんだ、あの光は?」
キースがついそんな言葉を漏らすがすぐに頭を切り替えると。
「何だか分からんが!チャンスだ!総員撤退!!」
キース指示に兵士達は馬を全速力で走らせ撤退していく。
キースが横を見ると、ベッシが無事二人を救助出来たようだ(モーゼスは食い千切られた部分をマントで止血させられていた)。
(ベッシの奴め・・後で説教だな)
キースはそんな事を考えながら馬を走らせる。
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調査兵団の姿が見えなくなるのと同時に、巨人達を襲っていた光が止まる。
巨人達はまだ8体ほど残っており、そのすべてが先ほど自分達を襲っていた光が飛んできた方向を見ている。
すると、森の奥から「怪物達」が姿を現す。
その姿は様々で、筋肉の塊の様な姿、両肩の部分が膨れた様な姿、全身が体毛で覆われ様な姿と色々な姿の怪物達が確かな「敵意」を持って巨人達を睨んでいた。
やがて。
「総員!奴らを殲滅するぞ!!」
怪物の1体が「言葉」を発する。
それが合図となり十数体の怪物達が、雄たけびを上げ、一斉に巨人達に襲い掛かったのだった。
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調査兵団はこの遠征で壁外拠点を築けなかったが、死者を出すことなく(重傷者は出たが)帰還することが出来た。
しかし「馬で走る」自分達から距離をとって後をつけているカメレオンの様な怪物の存在に誰もが気付くことはなかった。
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