進撃の獣化兵~獣の咆哮~   作:たぬえもんⅡ

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今回の話は時系列的にプロローグより前の話です。

それでは少しでも楽しんで貰えたら幸いです。


第1話 転移

ウォールマリアから数百キロ離れた森を中心に、巨大な地震が起こる。

地震は数分程で収まったが、その場に先程までなかった物が存在していた。

 

それは「巨大な岩山」だった。

所々欠損している箇所はあるが、その姿はあまり失われていなかった。

 

 

 

 

 

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クロノス・アリゾナ本部基地内部

 

岩山の内部は地中深くまで大規模な基地施設が何層にもわたり、建造されていているという、凄まじい広さだった。

しかしその施設はまるで戦争でもしたのかという程酷く荒れていた。

そんな施設の通路でボディースーツ姿にヘルメットを被った5人程のに男達が倒れていた。

 

 

「う、うぅ~・・一体何が起きたんだ?」

 

 

起き上がる男達の一人が頭を振りながら言う。

 

 

「分からん・・確か俺達は基地を攻めてきた、ゼウスの雷のゾアノイドと戦っていた筈だが・・駄目だ思い出せん」

 

 

男の声に別の男が答える。

 

 

「そもそも、何故基地がこんなにボロボロになっているんでしょう?」

「分からんが、とりあえず司令室に連絡を取ろう」

 

 

男達の隊長格が状況を聞く為に基地の司令部に連絡を取ろうとするが、帰ってくるのはノイズだけだった。

 

 

「おかしい、司令室と繋がらん」

「何ですって?そういえば基地の電力も落ちていますね」

 

 

男の言うとおり通路の電灯は全て消えており。代わりに非常灯が点き、通路を薄く照らしている事から予備電力は動いているようだ。

 

 

「とりあえず、司令室に行きたいところだが・・・俺達の居るエリアからは専用エレベーターに乗って行くしかないが、そのエレベーターに続く道がこれではな」

 

 

隊長の男が瓦礫で塞がれた通路を見ながら言う。

 

 

「どうしますか「獣化」して瓦礫を退かしますか?」

「いや、この感じだと瓦礫を退かすのはかなり時間がかかる。それよりも非常通路で外に出てから司令室に向かった方がいいだろう」

 

 

隊長の声に他の部下が頷く。それを確認すると隊長が歩き出し、それに部下が続いて行った。

 

 

 

 

 

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「何だ?この光景は?」

 

 

非常通路を抜け、外に出た隊長の口からそんな声が漏れる。

 

 

「何処だ此処は?」

「隊長・・あれは何でしょう?」

 

 

部下の声に隊長が指を指された場所を見ると、何かが近づいて来ていた。

 

 

「何だあれは?巨人?」

 

 

そう、それは4体の巨人だった。その外見は正に巨大な人だが大きさ、顔、体型がバラバラで顔はどれも険悪感を抱く顔をしていた。

 

 

「隊長・・どうしますか?」

「・・・曲がりなりにも人間と同じ姿をしているんだ。もしかしたら言葉が通じるかもしれない」

「しかし衣服を身に着けていない所を見ると知性があるようには見えませんが?」

「まあ、話してみれば分かるさ」

 

 

隊長はそう言うと、近づいて来る巨人達に歩み寄る。

そして。

 

 

「お前達は──っ!?」

 

 

隊長の言葉を遮り、巨人の一体が腕を伸ばし隊長を捕らえようとするが、隊長は咄嗟に後ろにジャンプする事で避ける。

 

 

「どうやら・・・敵という事で良さそうだな」

「まぁ、なんか腹の立つ顔をしていますしね」

「確かに、どれも不愉快な顔をしているな。さて・・応戦するぞ!!」

 

 

隊長はそう言うとヘルメットを外し、部下達もヘルメットを外す。

そして。

 

 

「獣化!!」

 

 

隊長が声を発すると同時に、男達の姿が異形の怪物へと変わっていく。

男達が姿を変えた怪物は彼らの世界で獣化兵(ゾアノイド)と呼ばれる存在で、隊長の男が変身した筋肉の塊の様な怪物はグレゴールという名前で呼ばれ。

部下の男達が変身した全身を体毛で覆われた怪物はラモチスという名で呼ばれていた。

 

 

「俺は一番デカイ奴を殺る。お前達は残りを片付けろ」

「「「「了解!!」」」」

 

 

グレゴールの命令にラモチス達が返事を返し、巨人達に向かっていく。

 

グレゴールは10メートル級の巨人に接近すると、巨人の左足を力を込めてぶん殴る。

 

 

バッキ!!

 

 

グレゴールに殴られた巨人の左足は、中の肉や骨を飛び散らしながら潰れ。

支えを失った巨人はグレゴールに向かって倒れていく。

 

 

「これで終わりだ」

 

 

グレゴールはそう言うと倒れこんで来る巨人の頭を、思いっきり殴る。

 

 

グシャ!!

 

 

巨人は頭に詰まった物を撒き散らしながら倒れていった。

 

 

「以外に脆いな」

 

 

グレゴールは体に付いた返り血を払いながら言う。

そして部下達の方を見ると、其方の方もけりが付きかけていた。

 

まず7メートル級を相手にしていたラモチス2体は連携攻撃で巨人を転倒させ頭と心臓を破壊する。

そして、3メートル級2体をそれぞれ相手にしていたラモチス達も巨人の頭部を破壊していた。

 

 

「終わったようだな」

 

 

グレゴールはそう言うと部下達を呼び集めようとするが。

 

 

「ん?」

 

 

背後から物音がし、グレゴールが後ろを振り向く。

 

 

「バカな・・・」

 

 

其処には頭部を潰された巨人が腕をついて立とうとしていた。

よく見ると潰れていた左足が何事も無かったかの様に再生しており、頭部も徐々に再生していた。

 

 

「何故頭部を破壊されて活動出来る・・それにこの驚異的な再生能力は」

「隊長!!」

 

 

グレゴールが声のした方を見ると、他の巨人も同じように立ち上がり始めていた。

 

 

「確かに!頭部を潰した筈なのに、どうなってるんだ!!」

「俺に聞くな!!」

「隊長!どうしますか!!」

 

 

部下のラモチスの1体がどうする尋ねてくる。

 

 

「・・・簡単だ」

 

 

グレゴールの声にラモチス達の視線がグレゴールに集まる。

 

 

「再生するなら、再生できない程に破壊すればいいだけだの話だ」

 

 

 

 

 

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ゾアノイドと巨人との遭遇戦から十数分後。

 

グレゴール率いるゾアノイド達は予定どうり別の非常通路から基地内部に入っていった。

 

そして、先程まで戦闘が行われていた場所では。

原型が判りにくい程まで破壊された「巨人だった」物が地面に散らばっていた。




それでは次回も見て貰えたら幸いです。
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