「この基地が自爆しただと!?」
薄暗い基地司令部に、先程の隊長の声が響く。
「そうだ」
司令室には先程の5人と途中で合流した兵士の計23人の兵士達が集まっており、その内の一人(隊長とは養成所時代の同期で別の隊の隊長)が淡々と言う。
「なんで基地は、自爆したんだ?」
「分からない。突然警報が鳴ったからな」
「お前は脱出しなかったのか?」
「・・・色々あって脱出できなかった」
「色々?」
「・・まぁ、気にするな。それよりこれからどうするんだ?」
その言葉に隊長は少し考える。
「そうだな・・まずは此処が何処か知る必要がある」
「確かにそうだな。自爆した筈の基地が森の中にある事といい、巨人の事といい分からない事が多すぎる」
「あの巨人達は一体何なんでしょうか?」
「分からんが、少なくとも我々の敵という事で間違いないだろう」
予備電力で動かせるモニターに映し出された、巨人とゾアノイドとの戦闘映像を見ながら男が言う。
「強さ自体はたいした事は無いですが、あの再生能力は脅威ですね」
「確かにな、まさか頭部を破壊されても活動できるとはな」
「何か弱点でも在ればいいんですが・・」
「その事も踏まえて、調査した方がいいな」
「じゃあ、二手に分かれたほうがいいな。一つは基地の主電力の復旧と他に人員がいないかを調べるチーム、もう一つは外に出て此処が何処か調べるチームだ」
「人数分けはどうしますか?」
「基地の探索は10人、外の調査は13人でいいだろう」
「分かった、それで決まりだな。確か第一格納庫にゾアノイド用のトレーラが在ったはずだな」
「はい、此処に来る前に見ましたが・・何とか使えるのが一台在りました」
「そうか・・では出発するぞ!」
『了解!』
部下達の返事を聞き、隊長が司令室を出て行こうとする。
「無理はするなよ?」
「?・・別に無理をするつもりは無いさ」
友人の問いに答え、今度こそ隊長は部下を連れ司令室を出て行った。
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「では、我々も行くとしようか?」
『ハッ!』
男の声に部下達が答えると、男が指示を出す。
「お前達2人は引き続き、司令室で基地の状態を確認していろ」
「「了解!」」
「お前達5人は人員の探索を」
「「「「「ハッ!」」」」」
「残りは俺と一緒に主電力の復旧に行くぞ」
「「「分かりました!」」」
指示を聞いた部下達が動き出す。
(さて・・どのルートから行くかな。此処に来るまでに見た限りは、結構瓦礫で通路が塞がれていたからな)
男がどういう道順で行くかを考えていると、ある事が頭に浮かんでくる。
(自爆した筈の基地が健在な事といい、その基地が森の中にある事といい、普通ではありえない事が起こっているな・・・・極めつけは)
男の脳裏に先程の友人の顔が浮かぶ。
(・・・・アイツが「生きている」という事だ。アイツの部隊はリベルタスとの戦闘で全滅した筈だ。それなのにアイツは生きていた・・・一体どうなっているんだか。まぁ、それを言うなら俺もか・・・)
男は自分の体を見下ろす。
(俺もあの時・・・「死んだ」筈だ)
男はリベルタスとの戦闘を思い出す。
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アリゾナ遺跡基地ではクロノスのゾアノイド達とゼウスの雷の調整体・リベルタスとグリセルダによる激闘が繰り広げらていた。
数で勝っているにもかかわらず、4体のリベルタスの高い戦闘能力と獣化兵を自らの精神支配下に置いての戦線撹乱とリベルタスの負傷を治癒する能力を持つグリセルダの後方支援によってクロノス側のゾアノイドは次々と倒されていった。
「死ねえぇぇ!!!」
そんな戦場の中で男の獣化した姿・ブレネルがリベルタスに襲い掛かるが、高い敏捷性によって難なくかわされる。
「くそっ!!速い!!」
ブレネルは攻撃を続けようとするが、その前にリベルタスに懐に入り込まれ、両腕をへし折られる。
「グワーーー!?」
「お前に構っている暇は無い!!」
リベルタスはそう言うとブレネルを蹴り飛ばす。
そしてブレネルは凄い勢いで壁に激突する。
「ガハッ!?」
ブレネルは口から血を吐き出しながら崩れ落ちていった。
朦朧とする意識の中でブレネルが覚えているのは警報が鳴り、暫くしてから激しい振動と共に目の前が爆炎で包まれた光景だった。
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(気がついたら、基地の通路に倒れていた・・・あの状況からいって、俺は基地の自爆に巻き込まれた筈だ。なのに生きている・・・・本当に訳の分からない事ばかりだな)
男は頭を少し振ると。
(深く考えるのは、後回しだ。今は主電力の復旧が先決だな)
男はそう考えると、歩く速度を速めるのだった。
それでは次回も見て貰えたら幸いです。