大友先生特製の呪具により、春虎と冬児が女の子に!
効果は一週間、何とか乗り切れ!
翌朝、布団から起きて鏡で自分の容姿を確認すればそこには見慣れた男の自分がこちらを見ていた。
なんてことはなく、鏡の中の自分は昨日と同様に女の姿をしていた。
「はぁ。夢オチ、なんて都合のいいことにはならねぇよな…」
「あら?起きたのね春虎」
「京子か。早いな、もう起きてたのか?」
「あんたが遅いの。冬児だってとっくに起きてるわよ」
京子にそう言われて時計を確認すれば、遅刻はしないがいつもの起床時間より幾分遅い時間になっていた。
いつもはこんなことないんだが、やはり疲れていたのか。
「ほら、ちゃっちゃと顔でも洗ってきなさい」
京子に急かされ顔を洗って部屋に戻ると、冬児が長くなった髪を後ろで纏めエプロンを着けて朝食の準備をしていた。
「これで冬児じゃなかったら完璧なんだがなぁ」
「ようやく起きたかと思えば、ずいぶんな挨拶だな」
だってなぁ、キレイ系の美少女が家庭的な格好で朝食の準備だぞ?
そんなアニメみたいな美味しいシチュエーションなのに、相手が冬児じゃなぁ…。
「人がせっかく朝飯を用意してやったっていうのによ。お前には食わせねぇぞ?」
「わ、悪かったよ」
テーブルの上にはホカホカと湯気を上げるオムレツと焼いた厚切りベーコンにトーストとサラダと言う、朝食が配膳されている。
育ちざかりにそのおいしそうな香りは抗い難く、俺は冬児に素直に謝った。
「たっく、ほら冷める前にさっさと食っちまおうぜ」
「おう―――って京子?」
冬児に促されて席に座ると、何とも言えない表情でテーブル上の朝食を睨む京子が目に入った。
「…これ本当に冬児が作ったの?」
「ああ?そうだが、何か嫌いなものでもあったか?」
「男子高校生が作る朝ごはんのクオリティじゃないでしょ…」
「今は女子だけどな。まあ、俺の場合は一人暮らししてたから最低限の料理は作れるようになったのさ」
「これで最低限…」
食卓を見つめながら苦虫を噛み潰したような表情をする京子。
「…まさか、春虎も作れるの?」
「馬鹿言うな。そりゃ全く作れないわけじゃないが、ここまでの料理は無理だ」
冬児が料理上手なのは一人暮らしだったからと本人は言っているが、実際は手先が器用なのと凝り性のせいという部分が大きいだろう。親父やお袋が用事で家に居ない日などは、よく冬児に飯をせびっていたものだ。
「そ、そうよね。それが普通よね」
俺の言葉を聞いて何やらほっとした面持ちで胸をなでおろす京子。
「もういいか?さっきも言ったが飯が冷めちまうぜ」
「ご、ごめんなさい」
冬児に言われ、京子も慌てて席に着く。
「それじゃ…」
「「「いただきます」」」
食前のあいさつを唱和し、みんな一斉に朝食に手を伸ばし始めた。
トーストにバターを塗り、ベーコンと一緒にまとめて頬張る。
「うん。相変わらず美味いな」
「トーストと焼いただけのベーコンで褒められてもな」
「…お、美味しい」
オムレツを一口食べた京子がガックリと項垂れながら愕然とつぶやく。
「…オムレツもすごく美味しいわ。ふわふわで中はトロトロ、洋食店のシェフが作ったと言っても全く違和感がない出来よ」
オムレツの出来を悔しそうな表情で京子が絶賛する。
「倉橋家の令嬢に褒めてもらえるなんて光栄だ」
「…見てなさいよ。今日の夕飯はあんたが絶句するほどおいしいの作ってやるんだから」
「…見てなさいって、夕飯を京子が作るのか?」
朝ごはんに舌鼓を打ちながら京子と冬児の会話を聞いていたが、京子の言葉に食事の手を止め、つい質問してしまった。
「なによ?あたしが作ったらマズい事でもあるの?」
「い、いや、そういうわけじゃないが…」
別の意味でマズい事にはなりそうとは言えないしな…。
「そもそも京子が料理作れるってのが意外だぜ。家柄的にも、
と、俺がためらっていると冬児が歯に衣着せぬ物言いでズバッと言い切った。
さすが冬児!俺達に出来ないことを平然とやってのけるッそこにシビれるあこがれるゥ。
「ちょ、ちょっと!?勝手なイメージで決めつけないでよね!家事に炊事なら一通り御祖母様に仕込まれてるんだから!」
冬児の言葉が京子の
そしてそのまま俺の方にも視線を向けた。
「…春虎もそう思ってるわけ?」
「滅相もございません。
「あんたたちの考えは十分に分かったわ」
なぜバレた。
「もういいわ!絶対にあんたたちにぎゃふんと言わせるような美味しい料理作ってやるんだから!」
そう言うと京子は残りの朝食をさっさと食べ終え、手早く身支度を済ますと荒い足取りのまま出て行ってしまった。
残された俺と冬児は呆然としながらも一つの決意を固めていた。
「「胃薬を用意しておこう」」
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登塾後、俺と冬児は教室に向かわずに職員室に来て大友先生に会っていた。
目的は性転換した体の経過確認と、ほかの塾生への説明のためだ。
いきなり男から女になったクラスメイトが教室に居たら、軽いパニック状態になるのが目に見えてるからな。
朝のホームルーム時に大友先生からほかのクラスメイトたちに説明してもらう予定だ。
「ふむ。特に異常は見当たらんね。春虎クンらは何か自分で異変を感じたりしてへんかな?」
「異常って程じゃないですけど、なんとなく体が動かしづらいんですよね」
「あぁ、それは俺も感じてたな。朝飯作ってるときとかも違和感あったぜ」
俺と冬児の言葉に大友先生は考え込むように顎に手を当てる。
「おそらく体の記憶と実際の体の間にある差異が原因やろうね」
「…体の記憶ってなんですか?」
聞きなれない言葉に首をかしげながら訊ねる。
「そんな難しいものやあらへんよ。要は体が覚えてる経験のことや。例えば自転車の乗り方や歩き方がそうやね。まぁ、身長、体重、手足の長さはもちろんやけども、体の重心、全身の筋肉量まで一日でガラッと変わってしもたんやから当然と言えば当然やな」
「…なるほど」
確かに離れからここまで歩いてくるだけでも、意識と体に妙なズレみたいのがあったな。
「まぁ、全力で体を動かさん限り若干の違和感を感じる程度で済むやろ。実技講義の方も担当の先生方には説明しておくから、その辺は安心してええよ。ただし、全力の運動は極力控えなあかんで。二人ともなまじ元の運動能力が高いんやから大けがに繋がりかねへんからね」
「体の方は分かったんですけど、呪術の方は使っても問題ないんですか?」
「ん?ああ、そっちのほうは大丈夫やろ。呪術なら特に影響もあらへんと思うで。あくまで影響を与えるのは肉体のみやからね」
そう言い切る大友先生。
改めて思うがどういう呪術なんだよこれ…。
「そう言えば、式神は大丈夫なのか?」
「……あ」
冬児の言った言葉に今更ながら俺は思い出した。
昨日は性別が変わるという大事態のせいで失念していたが、昨日あの光を浴びた者がもう一人いたことを。
「そうだった!昨日あの場にはコンも居たんだ!」
「…護法式か。京子クンのような市販されている夜叉とかなら大丈夫やと思うんやけど、コン君は土御門のオリジナルやし変な影響がないとも言い切れへんな…。ちょいと視してもらえへん?」
「は、はい。コン、居るよな?ちょっと出てきてくれ」
俺の呼び出しに少しの間が空いて何もない空間から返事が返ってくる。
『…は、はい。その…春虎様のめめ、命ならばすぐにでも参上するのですが…』
だが、いつもなら呼んだらすぐに出てくるのに、今日に限っては姿を現すのを渋っているようだった。
「コン?まさか調子が悪いのか!?」
『い、いえ!体調の方は万全なのですが…そそ、その…』
「どうしたんだ?無事なら姿を見してくれ」
『……はい、ただいま』
苦渋の末といった風な返事の後、ドロンと姿を現した。
その姿からは特に異変は見受けられないが、コン自身はどこかそわそわとしている。
「コン?本当にどうしたんだ?」
「あ、あの、その…」
「…へ?」
様子がおかしいことを質問していると、コンを視ていた大友先生が間の抜けた声を上げた。
「ま、まさか…いやでも…」
「せ、先生?どうしたんですか?まさかコンに悪いところでも…」
「…僕もこんな事例は初めてやから信じられへんけど―――」
そう前置きをした大友先生は珍しく、混乱したような表情で言葉をつづけた。
「コン君も性別が変わっとるみたいや」
「……ええええええぇぇぇ!?」
「……マジか」
大友先生の発言を受けて俺は大声をあげ、冬児は信じられないといった風に絶句している。
「ほほほほ、本当なのかコン!?」
いかん。動揺のせいかコン並みにどもってしまった。
「ははは、はい。じじ、実はそのようでして…」
弱々しくも自身の変化、性別が変わってしまたことをコンは肯定した。
元々の姿が幼い子供のため性別が変わってもほとんど見た目に変化は出ていないが、確かに言われてみればいつもより顔つきが若干だが男っぽくなっているような気もする。
「大友先生、これはいったい…」
「うぅむ、僕にも何が何だか…。元々春虎クンたちがかかった呪術は実体のある機甲式ならともかく、霊的な存在である式神なんかには作用せえへんものなんやけど、実際にコン君にも効果が出とるしなぁ。しかも、その影響なのかコン君の存在自体が霊的に不安定になっとるようや」
「不安定って、コンは大丈夫なんですか!?」
いつも笑みを浮かべている大友先生が、いつになく真面目な顔でコンを視ている様子に不安を掻き立てられる。
「…不幸中の幸いと言うべきか、術の効力が一週間やからその間だけ対処しておけば自然と安定していくはずや。早めに発見できたのも幸運やったね」
俺の不安を見抜いたのか、大友先生は安心させるように笑顔を作る。
「その対処の方法っていうのは?」
「何も難しい事やあらへんよ。安定化、というより存在を固定化させる術をかけてやるだけやから」
そう言うと大友先生は懐から一枚の呪符を取り出した。
よく見ると市販されているものとは違い、先生のオリジナルということが分かる。
「
大友先生が術を発動させるとコンの周りが一瞬だけ淡く光る。
「…今のでコンはもう大丈夫なんですか?」
「せやで。後はこれをなるべく離さずに持っておけば大丈夫や」
大友先生は呪符を小さく折りたたみ、小さな巾着袋に入れてコンに手渡した。
「ただし、固定化の影響で隠形や霊体化、浮遊もできなくなっとるからその辺は気をつけてな」
「は、はい。ありがとうございます」
つまり、今コンは普通の子供と同じようになってるって訳か。
まぁ、こればっかりはしょうがないな。
コンの安全に比べれば大したデメリットって訳でもないし。
「じゃあ、コンは寮の俺の部屋にでも留守番させ―――」
「おお、お待ちください春虎様!」
「な、なんだよコン。いきなり大声上げて」
「お、恐れ多くも、このコンは春虎様の護法でございます。そそ、その護法が主の傍から離れるなど!」
俺の側から置いて行かれると分かった途端に猛抗議をするコン。
不安からか涙ぐんだ瞳で俺のことを見上げる様はかなり庇護欲を刺激される。
それに加えて、甘えさせてあげたくなるような、願いをすべてかなえてあげたくなるような、そんな感情まで沸々と湧いて―――
まさか、これは母性!?
「は、春虎様?」
「はっ!?」
「どど、どうかなさいましたか?ままま、まさかお体の具合でも!?」
「…いや、大丈夫だ。ちょっと衝撃を受けてて」
「で、結局コンの事はどうするんだ?」
俺の内心に気づいていたのか、冬児が呆れた顔でこちらを見ながら話を促す。
「どうするって言ってもなぁ、姿を消せないのについてくるって言われても…」
「は、春虎様ぁ…」
懇願するように瞳を向けてくるコンに再びさっきと同じ感情が胸の内に湧き上がる。
いつからそんなあざとい仕草ができるようになったんだよ…。
「話しの最中で悪いんやけど、コン君はそのまま春虎クンについて行ってええで。というか、ついて行ってもらわんと困るっちゅうのが本音やね」
「困る?」
「そもそも、さっき言った通り式神にこの術の効力が作用するっていうのがイレギュラーやねん。応急処置はしたけど、万が一があるかもわからへん。せやから、小さい異変でも気づけるようにコン君の近くに誰かいないと困るんや」
「…先生がそういうなら」
正直コンの姿をさらしたまま連れ歩くのにはかなりの不安があるが、陰陽塾の中だけなら大丈夫か。
俺もこの姿で街中を歩く気はないし。
「ほな、話も纏まったところで教室に向かおか。そろそろいい時間やしね」
「コン、授業中は大人しくしといてくれよ?」
「もも、勿論です!あ、主に迷惑をかけるなど護法の風上にも置けぬ行為です故!」
その風上にも置けぬ行為の被害を過去に数回受けているんですけど。
「なんか不安になってきたぜ…」
「いいじゃねぇか。その方が面白い事になりそうだしよ」
「…勘弁してくれ」
こんな状況でもトラブルを望む悪友の態度にうんざりしつつ、職員室を先に出た大友先生の後に続く。
教室へ向かうまでの足取りをここまで重く感じるとは…。
転入初日でももう少し楽だったぞ。
陰鬱とした気分で廊下を歩き、ようやく教室の前まで着いた。
当然ながら、もうすぐ授業が始まるということで教室の中からはクラスメイト達の声が聞こえてくる。
「入りたくねぇ…」
「ここまで来て何を言っとんねん。腹くくりや」
そう言うと大友先生は教室のドアを開け、中に入っていった。
「はい、みんなお待たせ~。朝のホームルーム始めるで~」
大友先生が教室に入ると先ほどまでの喧騒が収束していく。
だが、その後に続く俺たちの姿が見えると再び教室に喧騒が広がり始めた。
ちなみにコンは教室の外に待機させている。
「だれだ?」「転入生か?」「二人とも美少女じゃん」「…誰かに似ているような?」「チッ、女子か」「男子だったら良いネタになったのに」「まあ、私たちの同志にすれば…」
転入初日も思ったが、このクラス明らかにヤバい奴らがいるだろ…。
「え~、みんな気になっとると思うから初めに二人の自己紹介からしとこか」
「土御門春虎。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、俺のところに来い。以上。」
『…………』
騒がしくなりかけていた教室内が水を打ったように静まり返る。
「…転入初日と同じセリフかよ」
天丼は基本だろ?
「…え?」「今、春虎って言ったか?」「あの女子が?」「そ、そんなわけ…」「でもあの可笑しな発言は」「まさか、隣は冬児君?」「確かに面影はあるけど」「性転換ネタキターー!」「好みのジャンルとは違うけど、これはこれで」
静まり返っていた状況から一転、教室に入った時以上の喧騒が広がっていく。
「はいはい!みんな静かに!」
「あ、あの、大友先生?」
騒がしくなった生徒たちを落ち着かせようとして大友先生が声を上げると、一人の女子生徒がおずおずと手を挙げた。
「ん?なにかな?」
「そこの二人は土御門 春虎君と阿刀 冬児君…なのでしょうか?」
「せやで。この二人は正真正銘、土御門 春虎クンと阿刀 冬児クンや」
「な、なんで女の子の姿に?」
「それが、僕が昔作った呪具がうっかり発動したらしくてなぁ。それで女の子になってしまったんや」
全員が思っている当然の疑問に大友先生が事実を偽りなく答える。
が、
「「「「そんなわけあるかあああああ!!!」」」」
まぁ、そうなるよな。
事情を知っている夏目と京子以外の全員が同じ叫びをあげた。
「性別が変わるってどういうことだよ!?」
「幻術とかじゃなくて本当に女の子になってるの!?」
「性別が変わる呪具を作れるなんて先生何者だよ!?」
さすが陰陽塾の生徒たちと言うべきか、大友先生の作った呪具の非常識さに続々と驚きの声が上がる。
俺なんかそういう呪具もあるのか程度にしか思わなかったんだがな。
「一般常識的に考えても性別が変わるなんて非常識極まりないだろ」
「一般人からしたら呪術なんて魔法と大差ねぇよ」
てか、久しぶりに内心を読んできたな。
「みんなの信じられへん気持ちも理解できるけど、春虎クンと冬児クンが女の子になったんは紛れもない事実や。呪術の効力は残りおよそ六日間。その間、大変かもしれへんけど同じクラスメイトなんやから色々とみんなでフォローしてやってな」
騒がしくなった教室内を諫めるように、大友先生がぴしゃりと言い放つ。
「ほな、このまま一時限目の講義始めるで。春虎クンと冬児クンも席に着いてや」
そういわれて、俺も冬児も教壇から降りて自分の席に向かう。
ちなみに俺たちの席だが、先生の配慮により呪術の効果が切れるまで隣同士になっている。
「…は、春虎様?」
教室内の騒ぎが静まったのを察知したのか、教室の扉を少し開けてコンが中を窺ってきた。
「ああ、コン。もう終わったから入ってきていいぞ」
「は、はい!」
俺が許可を出すと、コンがテテテテと効果音が付きそうな小走りで俺のもとに駆け寄ってくる。
体が女性になって感性も多少変わったのか、コンのこういう何気ない動作に心を揺り動かされるな。
…これが萌えか。
「…あれ、コンちゃん?なんで霊体化してないの?」
俺が変な思考にハマっていると、姿を現したままのコンに京子が疑問を抱く。
「あぁ、実はな―――」
さっき職員室で分かったコンの状態について話すと
「「「「なんじゃそりゃあああああ!!!」」」」
本日二度目の大絶叫が教室に響いた。
「いやいやいや!人間相手の性転換もあり得ないけど、式神のしかも高等式を性転換させる呪術なんてありえないでしょ!?」
「ってことは、今はコンちゃんじゃなくてコン君?」
「見た目はほとんど変わってないね」
「フヒヒ、これが男の娘っ」
「ひぃっ!?」
あっという間に女子生徒たちに囲まれかけるコンだが、あるセリフを聞いて何か悟ったのか涙目で俺の後ろにすぐさま隠れた。
だが、その様子も女生徒達には可愛らしく映るようで
「「「「かわいいいいいい!!」」」」
余計にヒートアップしていく。
それに比例するようにコンの俺の服を掴む力も強くなった。
てか、護法が俺を盾にするんじゃないよ…。
しかし、やっぱりコンにも性転換のせいで精神面に影響がでてるのか?
前に女生徒に囲まれた時はこんな反応してなかったはずだ…。
まぁ、同性ならともかく異性の集団に囲まれるって結構な恐怖をだろうし、ましてや今コンは霊体化もできないもんな。
「…一時限目の講義は自習にした方がええかな?」
「まずは助けてくださいよ…」
コンに掴まれてるおかげで、コンもろとも女生徒に囲まれてる俺の大友先生に対する返答は喧騒にかき消されていった。
長らくお待たせしました。
前回の更新からかなりの期間が経ってしまい申し訳ございません。
6月までには本編の方も更新したいと思っていますので、読んでくれたら幸いです。
ネタ案・ダメだし・誤字脱字修正・常時募集中です。