カゲミ・ミツツキの島巡り冒険記   作:ルヴァンシュ

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 あくまでも息抜き代わりの作品なので、ふわーっと。

○注意事項○
・何かあれば書きます。


リーリエとほしぐもちゃん

【第2話】

 

 

リリィタウン ▼ ポケモンに感謝するところ

 

 

「来たぜ!着いたぜ!!リリィタウン!!」

 

「わぁー!」

 

 ……と、感嘆したけれど――この反応から連想されるような大きい町ではなく、どちらかといえば、村と言った方が正しいようなところだった。

 お家の数は少なく、ところどころに木が生えている。ここまで結構歩いて、まるでなだらかな山みたいなところだと思ったけれど、ここもまた、自然のままと思わせるような雰囲気があった。

 岩を削ったような階段を上ると、そこにあったのは、結構大きなお家と、中心に大きな土俵のようなものが。何に使うのだろう? それこそ、相撲とか?

 

「ここではね、カゲミ。メレメレ島の守り神であるポケモン……カプ・コケコを祭っているんだ!」

 

 ククイ博士が言った。

 

「カプ・コケコ……守り神ってことは、伝説のポケモンなんですか? カントーで言う、サンダー、ファイヤー、フリーザー、のような」

 

 サンダー、ファイヤー、フリーザーというのは、カントー地方に伝わる伝説のポケモン。伝説と呼ばれるだけあってか、おとぎ話とかにも引っ張りだこ。だから知っている人は多いのだ。会ったことのある人は……居るのかどうか。

 

「そうだね。けれど、彼らほど姿を見せないって訳ではないんだ。特にカプ・コケコは気紛れだけれど、それ故に、割と現れるよ」

 

「へ〜。特に、ってことは、他にも守り神ポケモンは居るんですか?」

 

「4体だ!!」

 

「うぇっ!?」

 

 ククイ博士は語調を強めて、指を四本突き出した。突然だったので変な声が出てしまった。

 

「4つの島に、それぞれ守り神が居る――このメレメレ島に居るのはカプ・コケコ。アーカラ島にはカプ・テテフ。ウラウラ島にはカプ・ブルル。そしてポニ島にはカプ・レヒレ――といったようにね」

 

「成る程〜。……守り神、かぁ」

 

 会えるものなら、会ってみたいと思うけれど――まあまず、無理だよね。なんてったって神と呼ばれしポケモンだもの。会いたいと思って会える訳ないか……ああ、また分不相応なことを考えちゃって私ったら……。

 

「あれ? うーん」

 

 ククイ博士は周りを見回した。どうしたのだろう? 私も真似してみる。

 

「おかしいな……みんなここで待ち合わせなのに」

 

「待ち合わせ? あぁ、えっと、しまキングさんとですか」

 

「うん。その筈なんだけど――もしかしたら町の奥……マハロ山道にいるのかも。守り神カプ・コケコの遺跡があるからね」

 

「マハロ山道……」

 

 ククイ博士は土俵を挟んだ向こう側を指差した。

 

「カゲミ!しまキングを探してくれないか? 僕は行き違いにならないようこの辺りを探すからさ!」

 

「え!? いやそんな……いきなりそんなこと言われても!?」

 

 私、まだポケモンを貰ってないし! 私、ここに来たばっかりで何にも知らないし!?

 

「心配無用だぜ! 山道とは言ってもそんな急じゃあないし、ポケモンが飛び出てくるような草むらもないからね。入り組んだところでもないし」

 

「そ、そうですか……? 信じますよ」

 

「僕は嘘なんてついたことはない! カプ・コケコに誓ってね」

 

「は、はあ」

 

 神様に誓って、のアローラバージョン(というかメレメレ島バージョン?)。まあでも、嘘をつく理由もないし、博士だからその辺ちゃんとしてると思うし、うん。多分、大丈夫だよね! そうだよね!

 

「分かりました――あ、でも、私しまキングさんがどんな姿なのか知りませんけど」

 

「しまキングはね、見るからにしまキング!って感じだからね!」

 

「なんて曖昧な!」

 

「ま、この先は遺跡だし、殆ど誰も滅多なことでは近付かないからさ。誰か人が居たら、それは十中八九しまキングだ」

 

「うぅ……分かりました」

 

 曖昧すぎて何にも分からないけど……。

 まあ、なんとかなるよね! を合言葉として胸に刻み、ククイ博士と別れたのだった。

 

 

マハロ山道入り口付近 ▼

 

 

「……ん?」

 

 マハロ山道の入り口と思われるところ(不思議な置き物が両脇に置かれていたのですぐ分かった。こういうの、トーテムポールって言うんだっけ? 違うかな)近くで、私は足を止めた。誰か、知らない人がいる――山に登ろうとしてるのかな?

 それは女の子だった――私より、ちょっと年上っぽい子。金髪で、大きくて白いツバ付き帽子を被り、同じく真っ白いワンピースを着ている。肌も凄く白くて、綺麗だな〜って思った。

 

「……遺跡になにがあるというのです?」

 

 女の子の独り言。肩から下げたバッグに向かって話しかけている……何か入っているのかな? 何だろう。

 

「あっ」

 

 女の子はそのまま、マハロ山道へと歩いて行った。私も、ちょっとぽかんとしたけれど、あの子を追うように山道へと入って行った。

 

 

マハロ山道 ▼

 

 

「バッグから出ないで……誰かに見られたら、困ります」

 

「…………」

 

 やっぱり一人で何か言いながら登る女の子。……というか、本当に一人なのかな? バッグから出ないで、ってことは、あのバッグの中には小さいポケモンが居るのかな?

 

 マハロ山道は、博士の言う通り(別に疑っていた訳じゃないけれど)決して急ではなかった。心配はやはり杞憂に終わった。

 ところどころ道の端には、入り口にあったような不思議な置き物が置かれてある。なんだか見られているようで、ちょっと落ち着かない。だからなのか、雰囲気が独特で――或いは神聖とでもいうのか――どことなくプレッシャーめいたものを感じた。

 

「こんな感覚、さっきもあったような……いや、気の所為か」

 

 そんな独り言を言いながら歩いていると、同じく独り言(かどうかはちょっと怪しい)を呟く女の子をまた見つけた訳である。

 誰かに見られたら困る? いったい何を入れているのだろう? 気になるなあ……いやいや、人の秘密を詮索しようとするとか、悪い子すぎる……。

 

 ……もしかして、もしかすると、あの子がしまキングさんなのかなぁ?

 

 ふと、そんなことを考えた。だって、誰か人が居たら十中八九そうだって博士が言っていたし――でも、見るからにしまキング! ってえ雰囲気でもないんだよね。

 なんて考えつつ、だから確信も持てず只管気付かれずに付いていくと、吊り橋にまで辿り着いた。すると――

 

「ぴゅいっ!」

 

 ――と、女の子のバッグから、鳴き声と共に何かが飛び出した。

 それは、ポケモン……だと思った。けれど、見たこともない。本でも見ない(そもそもあんまり本読まないんだって)。まるでその小さな体は雲のようで、その夜色の体に煌めく光は星空を連想させた。だから雲というか――そう。宇宙だ。雲は雲でも星雲のようだった。

 

「ああっ……!」

 

「ぴゅぴゅう!」

 

「ダ、ダメ、です! そっちは危ないです……!」

 

「ぴゅ〜!」

 

 女の子は、星雲のようなポケモン? を再びバッグの中に戻そうと手を伸ばしたが、小さな星雲は言うことを聞かずに吊り橋の真ん中まで飛んで行ってしまった。

 

「も、戻って……戻ってきてください……!」

 

「ぴゅぴゅう!」

 

「もう……っ!」

 

 女の子とは反対に、楽しそうに鳴く謎のポケモン。なんだか見ていていたたまれなくなってきたんだけど……どうしよう?

 と、出て行くか出て行くまいか迷っていた、その時である。

 

「「「ピィィーーーッ!!」」」

 

「!?」

 

「ぴゅ!?」

 

「この鳴き声……っ!!」

 

 鳥ポケモンのような鳴き声が、突如響き渡る。なんとなくだけど、三匹分のような気がする!

 

「バ、バッグに戻って……早く、戻ってくださいっ!!」

 

「ぴゅ、ぴゅ――」

 

「ピィィッ!!」

 

「ぴゅぅ!?」

 

「ピピィィッ!!」

 

「ぴゅぴゅう!?」

 

「ピピィィーッ!!」

 

「ぴゅぴゅぅーっ!!?」

 

 な、なんてこった! 吊り橋の上の子が、鳥ポケモンに囲まれちゃった!?

 ポケモンの種類に疎い私でも、あのポケモンは知っている――あれは、オニスズメ! ことりポケモンのオニスズメだ!

 

「ピピッ!!「ピィィー!!「ピピピッ!!」

 

「ぴゅ……」

 

 翼をばたつかせながら取り囲む三匹のオニスズメ……ちょっ、これピンチだよ!? なんてこった、なんて状況に出くわしちゃったんだ私ー!?

 

「あぁ……っ!」

 

 呻き声をあげる女の子。怖いのか、足が震えている――ああ、絶対しまキングじゃないや――けど、このままじゃあ、あのポケモンがやられちゃう!

 

「ええい、ままよーっ!!」

 

「!?」

 

 もう自分でも何やってるんだとツッコミをいれたいのだけれど――思わず飛び出してしまった。びくりとしてこっちを見た女の子。

 

「あ、あなたは!? い……いつから……?」

 

「ごめんなさい! あなたのこと、ずっと尾けてました!」

 

「尾け……!?」

 

「ああいや、別に悪意も悪気もなくて、つい偶然そうなっちゃっただけで、とにかく敵じゃないからごめんなさいっ!!」

 

「っ〜〜!? っ……!?」

 

「え、えっと、そんなことより、今大変なんじゃないの!?」

 

「! そ、そうです……あのコが……ほしぐもちゃんが!」

 

「ほしぐもちゃん……」

 

「ぴゅ……」

 

 怖そうに震えながら、力なく"ほしぐもちゃん"が鳴いた。

 

「オニスズメさんに襲われ……でも……私、怖くて……足が、竦んじゃって……」

 

「ぴゅ……」

 

「ど……どうしたら……」

 

「っ……そ、そんなの、どうしたらって程の事じゃあないよね!?」

 

「え……?」

 

 全く、なんて頼りないのだろう。そんなことでポケモントレーナーが務まるとでも思っているのだろうか。

 トレーナーっていうのは、ポケモンの為ならどんな怖いことだって乗り越えられる人のことを言うのだ――私のお父さんは、そうだった!

 

「あ……ちょっと!?」

 

「わ、私が助けに行くから! そ、そこ動かないでよ〜! あなたも、ほしぐもちゃんも!」

 

 私は吊り橋に足を掛けた。ギィ、と音がなり、ぐらぐらと揺れた。

 か、風もないのにこんな揺れるって、大丈夫なのかな!? いや大丈夫な筈、大丈夫じゃなくてもまあ、なんとかなるよね!?

 

「ぴゅ……」

 

「うぅ〜……」

 

 どうしてこんなことに……ポケモンが貰えると思って舞い上がっていたのかな? どう考えても偽善過ぎるよ! バカ! 私のバカ!

 ぐらぐら揺れる度に、後ろの女の子が息を呑む声が聞こえる――元はと言えば、元はと言えば〜っ! いやでも出しゃばったのは結局自分だし、何より人を悪く思うとか屑の所業だよもう〜!!

 

 どんどん暗い気持ちになりながらも、なんとかほしぐもちゃんの所まで辿り着いた。羽を撒き散らしながらオニスズメたちはほしぐもちゃんの周りをぐるぐる回っている。

 

「ぴゅ……っ」

 

「ピ「ピピ「ピピィ「ピピピィッ「ピピィーッ!「ピピィィーーーッ!!」

 

「ほ、ほしぐもちゃん〜っ!」

 

 私はオニスズメの攻撃が当たらないように、ほしぐもちゃんに覆い被さった。自己犠牲精神とかなんかもう……ほんと……。

 

「ピィッ!」

 

「つっ!?」

 

 自己嫌悪から私の思考を逸らすかのように、オニスズメの爪が私の頰を掠めた。痛い、けれど、多分血が出るほどじゃあない。跡は付いたかも?

 

「ぴゅ……ぴゅう……」

 

「だ、大丈夫……多分」

 

 心配そうに私の顔を見るほしぐもちゃん。

 しつこいなオニスズメ――ああ、ポケモンが居ればいいのに! そしたら、少なくともこっちから反撃出来るのに〜っ! 歯痒いったらないよっ!

 

「ぴゅう……ぴゅう……!」

 

「! ほしぐもちゃん?」

 

 その時。なんとほしぐもちゃんが光りだしたではないか。なんだなんだ、何が始まったの?

 

「ぴゅ……ぴゅう……!!」

 

「これ、いったい――」

 

「ぴゅう――ぴゅうっ!!」

 

 ほしぐもちゃんの光はどんどん増幅し、目も開けていられないほどにまで――と思った瞬間! 謎の浮遊感が私を襲った!

 

「え?」

 

 眩しくなくなって、目を開けた――すると、さっきまで目の前にあった橋がなく、代わりにその下を流れていたはずの川が見えた。そして、再び眼を閉じたくなるほどの風圧が襲い来る!

 

 つまり……私たち、落ちてる!?

 

「えぇぇーーーっ!!?」

 

 うわっ、うわうわうわうわぁーっ!! なんで!? なんで私落ちてるの!? もしかして、橋が壊れたの!? さっきの光の所為――っていうか私死ぬの!? ここで死ぬの!? 助からないよねこれ!?

 

「ぴゅ、ぴゅぴゅぴゅっ〜!」

 

 私の腕の中でほしぐもちゃんが声を上げた――いつの間に私、抱いてたの!? いやそれよりも、どんどん川が近くなっている! つまりどんどん落ちてるってこと! ああ、もうこれは諦めるしかないのか……?

 

 あー、なんか昔の記憶が蘇ってきた。駄目だこれ走馬灯だ、これ駄目なやつだ……。これから、ようやくポケモンを貰えると思ったのに――ほら、なんか光が見えてきたよ……星なんかとは比べ物にならないほどの光が――?

 

 んん?

 

「――なにあれ」

 

「ぴゅっ……?」

 

 天地が幾度も回転し逆転する中、遠ざかっていく筈の星の中にどんどん近付いてくる光があった。光はオニスズメたちを弾き飛ばし、猛スピードで私たちに向かってくる――えぇ……?

 追い討ち……? 叩きつけられるだけでもういいでしょ、それだけで十分死んじゃうだろうしさ、これ以上はやめてほしいな……。

 光――いや、なんかバチバチいってるし、もしかすると電撃かも――が、すぐそこにまで迫ってくる。どうぞどうぞ、もう諦めました〜。焼くなり潰すなり好きにして〜。

 

「カプゥゥーーーッ!!」

 

「!!」

 

 電撃の中から甲高い鳴き声が聞こえた。電撃が先に到達し、私たちを包み込んだところで、その電撃の中に何かが居たことが分かった。ポケモン? 見たことがない姿をしている。鶏をどことなく連想させるフォルム、両手には大きな殻のようなものが付いている――。

 

 電撃の中の存在が私たちを捕えた、と思うと、今度はさっきとは逆の方向から風圧が襲いかかってきた。高速で上昇している――ま、まさか! このポケモンは私に完全なトドメを刺しにきたのではなく!

 

「た、た、助けに――!!」

 

「カプゥーコッコ!!」

 

「きてくrrぇぇっ!!?」

 

「ぴゅぅーーーっ!!?」

 

 結論から言うと、川への落下は回避できたのだけれど――このポケモン割と下ろし方が乱暴で、そこそこ激しくマハロ山道にぶつかった。ほしぐもちゃん共々。

 

「だ……大丈夫、ですか……!?」

 

 金髪の女の子が駆け寄ってきた。別に立てないほどの衝撃ではなかったので、ふらふらと立ち上がる。ただ動悸が凄い……どっくんどっくん言ってる。もっと言えば吐きそう。吐いた瞬間に心臓も一緒に出て来ちゃいそう。想像するととんだスプラッタだけども。

 

「大丈夫〜……あ、あのポケモンは?」

 

「ぴゅ……」

 

「あのポケモン……? あっ」

 

「!」

 

 助けてくれたポケモンは女の子の後ろにいた。電撃を纏う黄色い体。やはり鶏っぽい。

 

「あ、あの、えっと……助けてくれてあ「コケッコーーーーーッ!!!」!?」

 

 私の言葉を遮るように鳴くと、眩いほどの電撃を放出、そしてそのまま鶏めいたポケモンはまるで打ち上げ花火の如きスピードで浮上、そして空全体を覆いつくすほどの電撃を放ち――フッと消えた。

 

「……な、なんなの……?」

 

「……あの……ポケモンは?」

 

「ぴゅい……」

 

「! ほ、ほしぐもちゃん! 無事ですか?」

 

「ぴゅい……!」

 

「良かった……です……」

 

 女の子は安心したように胸をなでおろした。因みに私も無事だよ〜。

 

「あなた……また力を使おうとして――あのあと、動けなくなったでしょ……もうあんな姿、見たくないのです」

 

「ぴゅい……」

 

「……ううん、ごめんなさい……あの時あなたは私を助けてくれた……なのにあなたを守れなくて……」

 

 なんだか二人の世界に入り込んでいるね。私、ほっぽかれてるね。別にいいけどさ……。

 

「ぴゅう!」

 

「どう……したのですか!?」

 

「ぴゅぴゅう!!」

 

「光り輝く石……なんだか暖かい感じです」

 

 ほしぐもちゃんが光る石を見つけた様子。へぇ〜。

 と、ぼやっとしていると、

 

「あの……」

 

「…………あっ、私? ごめん」

 

 我関せずの態度を取っていたら急に振られたのでびっくりした。

 

「申し訳ありません……危ないところを助けてくださり、心より感謝しております」

 

「ああ、いやあ……ぶっちゃけ大したこと、してないし。寧ろ生意気な事言ってごめんなさいっていうか」

 

「これ……あなたの石ですよね」

 

「はい?」

 

 女の子は輝く石をくれた。いや別に私のじゃあないけれど……。

 

「……あの、これ」

 

「このコのこと……誰にも言わないで……ください」

 

「えっ? あぁ、そりゃあ、うん」

 

 誰かに見られたら困るらしいものね――ああ、つまりこの石って口止め料代わり? そんなのいらないのに。

 

「あの、こr」

 

「秘密で……秘密でお願いします」

 

「……うん。分かった」

 

 ……受け取っておこう。貰ったものを返すのも、あまりよろしくない行為だ。それにこの子の物でもないっぽいし。

 

「バッグに入ってください」

 

「ぴゅう……」

 

 ほしぐもちゃんは素直に――いや渋々だこれ――バッグの中に入って行った。モンスターボールの中には入れないのかな? ジョウト地方では親愛の証としてポケモンをボールから出して連れ歩くらしいけど、それみたいなものなのかな?

 

「……あのう」

 

「なぁに?」

 

「このコ……もしかしたら、また襲われるかもしれません。身勝手で申し訳ありませんが……広場までご一緒して下さい」

 

「あ、えっと……うん。分かった――私でよければ……何にもできないけど」

 

「……ありがとうございます。助かります」

 

 しまキングさんを探さなきゃだけど……吊り橋、壊れちゃったし、向こう側に渡れないのでどっち道打つ手なしだし、ここは帰るのが得策だよね。

 

「では、参りましょう」

 

 女の子は歩き出した。それを見て、私はふとあることを思い出したので、彼女を止めた。

 

「あ、待って!」

 

「はい? ……なんでしょう」

 

「な、名前――私、カゲミって言うの! あなた、なんてお名前?」

 

「私……ですか?」

 

 女の子はこっちを見て言った。

 

「リーリエです。……よろしくお願いします、カゲミさん」

 

「リーリエ……うん。よろしくね、リーリエ!」

 

 

「因みにこの子はほしぐもちゃんです」

 

「ぴゅい!」

 

「あっ、バッグから出ちゃ駄目……」

 

「いやそんな無茶な」




カゲミのポケモン紹介 ▼


「カゲミです! 流石に一人では無理と判断されたのか、今回からゲストが来てくれることになりました〜!」

「あっ、はい……リーリエと申します。ほしぐもちゃんも居ます」

「ぴゅう!」

「今回紹介するポケモンは、ことりポケモンのオニスズメ! カントー地方でもお馴染み、よく見かけるポケモンの一匹だね〜!」

「私は……少し苦手ですね。オニスズメさん」

「ぴゅい……」

「だよねー、襲われちゃってたもんね」

「本で読んだことがありますけれど、オニスズメさんは、同じくことりポケモンのポッポさんよりも気性が荒いとか……納得ですよね」

「ぴゅぴゅう!」

「しかもそれゆえか、ポッポさんよりも攻撃力が高い場合が多いそうです。速さも、オニスズメさんのほうが速いらしいですね」

「へ〜! 物知りだなあ、リーリエは」

「本を読むのが好きなだけです――どうやら、翼が小さめな所為か飛ぶのが苦手なようですね。飛ぶときは常に翼をバタバタさせていないとダメなんです」

「あー、だからあんなにバタついてたんだね。服に羽毛がいっぱい付いて……新品だったはずなのに〜!」

「す、すみません」

「ぴゅ……」

「いいよいいよ、私は悪いんだから……やっぱり、あれ? オニスズメも虫ポケモンとか食べるの?」

「えっと、はい。よく啄んでいますね。因みに、虫ポケモンさんに悩む農家の方達にとってオニスズメさんは益鳥らしく、大切にされているそうです」

「そうなんだ! 厄介ものってだけじゃあないんだね〜」

「ぴゅうぴゅう!」


「次回、『しまキングからの贈り物』。どんなポケモンが貰えるのかなあ! 楽しみ!」

「ですね。私も、楽しみです」

「ぴゅう! ぴゅう!」


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