白髪剣士の気ままなぶらり旅   作:Takari

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どうも、Takariです!

今回からONE PIECEの世界を書いていきたいと思います!

至らない所も多々あると思いますが、目を通してもらえたら嬉しいです!

時系列としては、ルフィが三千万ベリーの懸賞金を掛けられた辺りです。麦わらの一味と接触するのは後の方になってしまうと思います。


では、どうぞ!



第一章 仲間を探してぶらり旅
1話 白髪剣士、現る


この世には、世界を縦断する赤い土の大陸(レッドライン)と、それに垂直に交わる偉大なる航路(グランドライン)によって四つに分けられている海がある。

 

 

それぞれは東の海(イーストブルー)西の海(ウエストブルー)南の海(サウスブルー)北の海(ノースブルー)と呼ばれている。

 

その4つの海の中でも最弱と言われる東の海(イーストブルー)だが、それ故に他の海に比べて平和だ。

 

 

そんな東の海(イーストブルー)にある小さな町に、一人の男が現れる。

 

 

雪のように白い髪、海のように透き通る蒼い眼。

 

歳は20代前半で、道端にいる人に訊けば10人中10人が首を激しく縦に振るほどの整った顔立ち。

 

所々に桜の花びらが描かれている黒い着物を身に纏い、腰には白い鞘に納められている一本の刀。

 

その容姿を見ればワノ国の者かと思うが、彼は違う。

 

ただ単に着物が好きな剣士なだけだ。

 

 

白髪の男はゆっくりとした足取りで町並みを見て回っている。

 

新鮮な野菜を道行く人に薦めていく八百屋の店主。

釣りたての魚を値引こうと交渉する主婦。

楽しそうに追いかけっこをしている少年少女たち。

 

その一つ一つが平和な日常を表しているのがよく伝わってくる。

 

その様子を微笑ましく眺めながら、先ほどの八百屋で購入した真っ赤に熟した林檎を一口かじる。

 

「うん、おいしい」

 

白髪の男はそう言ってパクパクと食べていき、あっという間に完食してしまう。

 

 

その後も町をぐるりと見て回り、そろそろ日が暮れてきそうになったので、男は空いている宿を探しに行こうとする。

 

しかし、この時間帯ではさすがに空いているところも無く、頭をポリポリかきながら焦ったように呟く。

 

「まいったなぁ・・・・。このままじゃ野宿に・・・・・・いや、もう一回頼んでみよう!」

 

男は再び来た道を戻って宿の店主に頼み込もうとした

 

 

 

その時━━━

 

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

「っ!?」

 

遠くから響いてくる女性の悲鳴に、男は咄嗟にその方向に振り向く。

 

ただ事ではないと思った男は、目にも止まらぬ速さで悲鳴のした場所へと向かった。

 

その速さは、人体の限界を超える超人的体技【六式】の(ソル)にも匹敵するほどだった。

 

 

 

 

 

 

先ほど悲鳴が響いてきたのは、白髪の男が断られた宿の近くだった。

 

「おらおら! このガキが殺されたくなかったら、てめぇらの有り金全部寄越しやがれ!」

 

「船長の言うとおりにしろ!この方はなぁ、七百万ベリーの賞金がかけられている第一級のおたずね者、ダム様だぞ!!」

 

十人のがたいのいい海賊たちが剣を抜き、宿の店主だけでなく騒ぎに集まった町人にも怒鳴り散らしている。

 

東の海(イーストブルー)は確かに平和だが、それでも海賊たちがまったく暴れないというわけではなく、現在のように時々襲ってくるのだ。

 

海賊の船長━━━━ダムが、一人の少女の首筋に剣の刃を向けて何時でも首を飛ばせるようにしている。

 

「ど、どうかうちの娘を解放してください!! 人質なら私がなりますから!!」

 

「だめだ! 離してほしけりゃ一千万ベリー持ってこい!」

 

「そ、そんな・・・・!?」

 

一千万ベリー━━━それはこの小さな町では直ぐに集められるような金額ではなく、聞いた店主は絶望的な顔色になる。

 

回りにいる町人たちも、自分達に被害が来ないように悔しそうに歯を噛みしめながら大人しくしている他なかった。

 

 

━━━━ただ一人を除いては

 

 

「ねえ、その娘離してあげたら?」

 

 

白髪の男だけは無表情で海賊たちに近づいていく。

 

その無謀とも言える行動に町人たちは動揺する。

 

「お、おい! 何やってんだ!」

 

「白髪の兄ちゃん、早く戻ってこい!」

 

しかし、白髪の男は声をかけられた方に向かって小さく微笑み、腰に差してある刀に手を掛けながら歩み続ける。

 

「誰だてめえ!こいつらの代わりにお前が払って━━━」

 

 

キンッ!

 

 

船員の一人ががいい終える前に辺りに甲高い金属音が響き渡る。

 

そして、時間差で海賊達の持っていた剣が全て真っ二つに折れていった。

 

 

「「「へ?」」」

 

 

海賊たちだけでなく、町人までもが突然の出来事で気の抜けた声を漏らす。

 

丸腰となったダムが後退りしながら叫ぶ。

 

「お、おまえ何しやがった! まさか、悪魔の実の能力者か!?」

 

「いんや。斬っただけだよ、すぱーんとね。俺は能力者なんかじゃない」

 

白髪の男は軽く言うが、その所業は困難を極める。

ましてや抜刀の瞬間が見えず、いつの間にか斬られていたのだ。嫌でも動揺してしまう。

 

「人質の娘、返してもらうからね」

 

「え、あっ!?」

 

海賊たちが呆然としている間に白髪の男は捕らえられていた少女を助け出していた。

 

「大丈夫?ケガはない?」

 

「う、うん・・・・」

 

「そっか、ならよかった。ほら、お父さんのところに戻りな」

 

白髪の男に怯える少女だが、優しく声を掛けてあげて店主の方に促す。

 

少女は目に涙を溜めながら父親である店主の元に走っていき、ギュッと抱きつく。

 

「せ、船長!」

 

「なんだ、つまんねえことだったら承知しねえぞ!」

 

慌てて何かを報告しようとする船員の一人に、ダムがイライラを募らせる。

 

「お、俺・・・・思い出したんです! あの白髪野郎、どうも見覚えがあるなーって」

 

「だから何なんだよ! さっさと言え!」

 

「は、はい・・・・。あの白髪、蒼い眼、そして腰にある白い鞘・・・・」

 

船員がポツリポツリと白髪の男の特徴を口にしていく。

 

そして、そのキーワードを訊いて正体に気づいたのか、ダムの顔からどんどん血の気が引いていく。

 

「お、おい・・・・まさか・・・」

 

「間違いありません、こいつは海軍中将の『白夜(びゃくや)』ですよ!━━━偉大なる航路(グランドライン)にいるはずじゃないのか!?」

 

その言葉を聞いた白髪の男━━━━『白夜』は呆れたように溜め息をつく。

 

「今は旅の途中でね、一度此方に戻ってきたんだよ。・・・・あー、それと()海軍中将な。━━━まったく、あんな海軍(連中)と一緒にしないでよ。それに、『白夜』は俺じゃなくてこの刀の名前だからね?」

 

そう言ってポンポンと自分の刀を軽く叩いて示す。

 

中将とは、海軍のなかでも上から三番目に地位が高い階級で、その戦闘能力も並外れたものだ。

その上の大将と元帥はもっとえげつない強さを持っているが・・・・・・。

 

「俺はクロロ・シェード、今はしがない旅人だよ。どうする?武器が折れちゃったけどまだやる?」

 

元海軍中将改めて、しがない旅人のシェードは笑みを浮かべて愛刀『白夜』に手を掛ける。

 

「ま、まて! 俺たちはなにもしない!! 今すぐ出ていくから勘弁してくれ!!」

 

「あっそ。じゃあ、五秒以内にこの町から出ていってね?━━━いーち」

 

シェードがカウントダウンを始めると、海賊達がドタドタと自分達の船がある港まで躓きながら駆けて行く。

 

「にー」

 

「や、やべぇ!? 野郎共、さっさとずらかるぞ!!」

 

「「「うわぁぁぁ!!」」」

 

船員たちは自分の頭を見捨てて全力ダッシュで逃げていく。

 

「あ、てめえら!先に逃げてんじゃねえよ!?」

 

「さーん」

 

「やばい、後二秒!?」

 

残り二秒で町のほぼ中心から端にある港まで移動するのはもはや不可能である。

 

ダムはそれでもシェードに背を向けて大急ぎでこの町から出ようとする。

 

「よーん」

 

「ひぃぃぃぃ!?」

 

残り一秒になると、シェードは道端に落ちているやや大きめの石を拾い上げる。

 

町人たちは『え?石?』と頭を傾げて疑問に思うが、シェードは気にせず大きく振りかぶる。

 

 

「ごー。━━━━残念、時間切れだね」

 

 

まだこの町から出ていない船長に向かって小さく舌なめずりをして、拾った石を思い切り投げる!

 

 

ヒュォンッ!!

 

 

風を切って一瞬で視界から消えていく石。

 

「ぎゃぁぁぁぁ!?」

 

「船長ぉぉぉ!?」

 

音速で飛んでいく石に当てられたダムは、そのまま勢い止まらず船員を巻き込んで船まで飛ばされていく。

 

ドゴォォォンッ!!という音が響き渡り、恐らく船の甲板まで飛ばされたであろう海賊たちは、そのまま海に出航という形になった。

 

 

「ガープさん直伝【拳骨流星群(単発ミニバージョン)】!・・・・・・・なんつってね」

 

 

剣士が剣を使わずに投擲で戦うのはおかしいかな?と苦笑をするシェード。

 

そんな彼のあり得ない強さに、町人たちは眼を丸くさせて唖然としている。

 

「・・・・・・・す」

 

「ん?」

 

誰かが後ろで呟き、気になったシェードは首をかしげて振り向く。

 

 

「すげぇぇぇ!!なんだ今の!?」

 

「白髪の兄ちゃん、めっちゃ強いじゃんか!!」

 

「海賊達が逃げていくぞ!!」

 

 

ドッとシェードに群がる町人たち。

 

揉みくちゃにされるシェードは何が何だかわからないようで、パニックに陥っている。

 

「ちょ、ちょっとタンマ! 近い、近いよ!」

 

シェードの言葉で少し冷静さを取り戻した町人たちは、慌てて彼から離れていく。

 

すると、人混みの中から初老の男性が前に出てくる。

 

「どうもすみません。何分、凄かったものですから」

 

「ええっと、あなたは?」

 

「私はこの町の長を務めている者です。先ほどは彼の娘さんを助けていただき、ありがとうございました!」

 

「本当にありがとうございます!このご恩は、一生忘れません!!」

 

町長と宿の店主がシェードに深々と頭を下げる。

人質だった少女も二人を見て同じように頭を下げた。

 

しかし、シェードは両手と首を横にを振る。

 

「いえいえ、大したことじゃないですよ。頭をあげて上げてください。これでも・・・・・・海兵の端くれ・・・・だったんですから、助けるのは当たり前です」

 

シェードは自分の口から「海兵」という言葉を出すのに、一瞬抵抗があったが直ぐに笑顔になる。

 

「(こんな時だけ嫌いな海軍の名前を借りるなんてね・・・・・。自分に嫌気が差すよ・・・・)」

 

シェードはなるべく負の感情を外面に出さないように明るく振る舞うように気を付けた。

 

「お礼と言っては何ですが、どうぞこれを」

 

少しの間どこかに行っていた町長は、何かが詰まった少し大きめの袋をシェードに渡す。

 

「何ですか、これ?」

 

シェードは試しに軽く振ってみると、ジャラジャラと金属の音がする。

 

気になって袋を広げて中身を確認すると、入っていたのはかなりの額のお金だった。

 

「足りないかもしれませんが、我々からの気持ちです」

 

「う、受け取れませんって!大事なお金なんでしょう?」

 

「いえ、受け取ってください!」

 

シェードと町長は互いにお金を押し付け合いが始まるが、そこでシェードが何かを閃く。

 

「な、なら! 俺を泊めてくれる宿はありませんか?俺のお礼はそれで十分ですから!」

 

それ以外は受け付けません!といった様子で一点張りをするシェードに、町長も渋々了承した。

 

 

 

 

 

 

今日一日泊めさせて貰えるのは、人質にされていた少女の父親が経営している宿だった。

 

丁度もう一度頼み込もうとした宿でもあったので俺もすんなり頷いた。

 

 

「では、ごゆっくりどうぞ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

食事と入浴を済ませ、部屋へと案内された俺は入室早々ベットにダイブした。

 

そのまま目を瞑って夢の世界に入ってしまおうかと思ったが、俺は一番の目的を今更思い出した。

 

「・・・・・あいつらのこと、訊くの忘れちゃったな。・・・・・・まあいいか、あいつらだし」

 

俺が言う『あいつら』とは、中将時代に同じ部隊で部下だった者のことだ。

 

俺が海軍を抜けるって言い出した時に、即答で『着いていく』て言い出したんだよね。

 

でも流石に連れていけないと思って断ったら、ならここで自害しますよ? なんて、恐ろしいことを言うんだよ?こんなの断れるわけないじゃん。

 

で、結局一緒に来ることになったのは三人ってこと。

 

俺は懐から一枚の写真を取り出して懐かしむように見る。

 

「皆・・・・・」

 

写真の中央に写っているのは、着物ではなく海軍のコートを袖を通さずに羽織っている俺。

 

その右横にいるのは青髪を肩まで伸ばした活発そうな少女。

 

更に横にいるのは黒髪を腰まで伸ばした清楚な少女。

 

戻って俺の左隣にいるのが少し長めの金髪の真面目そうな少年。

 

他にも写真にはたくさん部下が写っており、皆が皆、花が咲いたような満面の笑みを浮かべている。

 

 

━━━しかし、今の三人以外はもうこの世にいない。

 

 

 

俺たちにあの任務が来なければ・・・・。

 

 

あのとき、俺が上手く指示を出していたら・・・・。

 

 

もっともっと強くなっていれば・・・・。

 

 

 

・・・・・・・あいつが、いなければ・・・・!

 

 

俺の中で後悔と憎悪が入り交じり、吐きそうなくらい気持ち悪くなってくる。

 

 

「くそっ・・・・・・ごめん、皆・・・・!」

 

 

普段は涙を見せない俺でも、今だけは溢れでてくる涙を止めることは出来なかった・・・・。

 

 

 

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