ミッドチルダ市内 夕刻
(さすがに少し遅くなりすぎたか?こうゆう時にデバイスがないと不便だな、まぁ持っていても魔法を殆ど使えない俺じゃ意味ないか、あんまり遅いとお隣がうるさいし)
辺りは既に暗く街灯が灯り始めていた。
そんな中誰かが少年の方を見ている。
少年は足を止め。
(さっきから誰かに見られている?)
少年がそう感じた瞬間仮面を付けた女性が目の前に降りて来た。
「トウヤ ユウキさんですね、あなたに確かめたい事があります」
「で?アンタは誰だ?」
少年の問いに仮面の女は答える。
「私はカイザーアーツ正統ハイディ・E・S・イングヴァルと『覇王』と名乗らせて頂いています」
「(カイザーアーツって昔文献で読んだことがあるな、確かベルカ時代の王様が使っていたとされている武術だ)で?その自称覇王様はこんなガキに何を確かめるって?」
「あなたの技と私の拳いったいどちらが強いのかです、防護服と武装をお願いします」
そう言うと仮面の女は構えた。
「(バトルジャンキーか厄介な相手に目付けられたな)あいにく俺はデバイス持ってないんでこのまま行かせてもらうよ」
「そうですか!!」
お互いに言い終わるとお互いに動き出した。
(っぐ早い、受け流すのがやっとで反撃の隙がない!!)
(攻撃が巧く受け流されている!このままでは決定打が入らない!なら、一撃大きいのを放つ!!)
その瞬間、仮面の女の踏み込みが大きくなる。
(踏み込みが更に深くなった大技が来るか、さすがに受け流すのは厳しいか?なら!カウンターを打ち込むだけだ!!)
少年もそれに気づき構えた瞬間二人の攻撃がぶつかった。
『覇王断空拳』
『灼岩拳』
お互いの攻撃がぶつかり合い二人とも後方に飛ばされている。
煙で見えにくいが少年の方のダメージが大きいようだ。
(がぁ、やべぇ意識が飛びかけた…だけど確実にコッチの攻撃も入ったはず)
(くっ、カウンターで貰った一撃のダメージが大きいです、ですがさすがにむこうもダメージが大きいはず)
二人が次の攻撃に備えようとした瞬間、別の人影が現れた。
「そこまでです!管理局員ですここで誰かが暴れていると通報がありました、二人とも武装解除しておとなしくしてください!」
局員がそう言い終わる前に既に二人はその場から離れていた。
少年は入り組んだ路地の中に仮面の女性は夜の暗闇に消えていった。
「あ!ちょっと待ちなさい!!せめて子供の方だけでも捕まえて事情を聞かないと!って、こんな狭い路地通れないし、もう暗くて見失っちゃったし」
「これって報告しないとやっぱりダメだよね。はぁ」
局員の言葉は暗い夜の町にむなしく吸い込まれた。