ガンダムアーキテクトレイヴンズ 自堕落な一個人   作:人類種の天敵

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どーも、天敵です。
今回は新キャラとのバトルです、短いけど勘弁して下さい。



禁断の首長竜

 

 

ガッシャン! ガガガガ

明るい市街地の真ん中、ビルとビルの間を黒い鴉のような機体が疾駆する。

右手には“刀身”の無いGNソードを、左手には乗客の居ない乗用車を握るその機体は、まるでスケートのようにスイスイと駆け抜けていく。

 

「………何処だ?」

 

さらにビルの境目を抜けて姿を晒す際には独特な複眼が右へ左へ敵の姿を探すように動く。

 

「………んっ?」

 

ピタリ、と03-AALIYAHの動きが止まった。

サッとビルの影に隠れて頭をちょいと出し、独特な複眼と頭部右側面のセンサーで敵の観測を始める。

 

「……………あの、向かいのビルの曲がり角。なんか変なのがキョロキョロしてるな」

 

呟く視線の先には何か細長い物体がキョロキョロと辺りを見回している。

色は水色、つるっつるの頭部にバイザー型のメインカメラ、そして、細長い……首?

 

「狙撃するか、静かに近付いて叩っ斬るか」

 

グッと右腕を出してGNソード ライフルモードを構える。

すると、細長い龍の首から後ろがゆっくりと姿を表す。

 

「……やっぱジッとしてようか」

 

視界の先にはバックパックを被った状態のフォビドゥンマリンプレシオが現れた。

 

「なるほど、バックパックを被った強襲状態時に限って先端部を伸縮出来る仕組みか……それでプレシオの名前ね」

 

細長い龍の首はキョロキョロと辺りを見回して、用が済んだのか元の部位に戻った。

それと同時にバックパックがフォビドゥンマリンプレシオの背中に戻り、機体の本当の頭部がようやく姿を表す。

 

「突っ込むか」

 

フォビドゥンまでの距離は約300mくらい、今こそが強襲のチャンスだろう。

03-AALIYAHは物陰からバッと飛び出し、フォビドゥンマリンプレシオ目掛けて一気に襲い掛かる。

 

「はぁぁぁ!」

 

『みつけたぁー♪てりゃー!』

 

GNソード ライフルモードを撃ちまくりながら前進する。

対してフォビドゥンマリンプレシオは不意の射撃に肩を撃ち抜かれて以降は全てのビームの軌跡をバックパックの“ゲシュマイディッヒ・パンツァー”で自機に当たらない方向へズラす。

更にバックパック先端部を伸ばして此方へ向け、大口径のビームを速射していく。

 

ドヒャアッッッ ドヒャアッッッ

 

『ありっ!?当たらない!なにその変態機動!』

 

ビームが迫ると同時に刹那に超高速の加速でもって避けて行く。

トランザムのように機動中の動きが速くなるわけではない、言うなれば、“刹那時間のトランザム”だろうか?一瞬だけ姿が消えたように加速し、何mも離れた場所に出現するその機動に、さしものフォビドゥンマリンプレシオも動揺している。

 

『ぬ〜、単射で当たらないなら連射だよねっ♪』

 

フォビドゥンマリンプレシオは両手に持ったオリジナルの突撃砲2門とバックパック両側のレールガンを速射して黒い鴉を近付けまいとする。

 

「これ位ならまだ避けれるな」

 

黒い鴉は此方へ向かってくる幾多の射線を難なく避けて着実にフォビドゥンへ迫る。

更にはフォビドゥン目掛けてブン投げた車をGNソード ライフルモードで撃ち抜き、爆発させて目隠しとした。

 

『っ、そこ!』

 

視界が潰されたフォビドゥンが取った行動は、近接武器による白兵戦。

バックパックに取り付けていた長刀のグリップを掴んで思い切り横薙ぎに振るう。

するとシールドによって弾かれる衝撃がフォビドゥンの腕に伝い、そのまま二撃、三撃とコンボを繋げていく。

 

「ぐっ、くっ!こいつ……一撃一撃が重い!今回初めてこいつに近接戦を挑んだが、何か剣道でもやってるのか!」

 

『んっふっふー!これは示現流っていう剣術でね!私“たち”はそれを更に先鋭化させて、機体を刀の一部に見立てているのだよ♪』

 

ブン、とフォビドゥンが長刀を上段に構えた。

 

……………あ、これはヤバイ。

 

『うん、しょっ!』

 

ドヒャアッッッ!!!

 

ズゴッッッッ!!

 

『あー、外したぁー』

 

「………………」

 

長刀が振り下ろされる前にその場から逃げ出したわけだが、フォビドゥンの長刀は勢いそのままにフィールドのコンクリートを砕き、ジゲンリュウとやらの破壊力を遺憾なく見せつけてくれた。

 

「ヤバイな、ジゲンリュウ……ん?」

 

『んっ!んしょ、んしょ!………と、取れないぃぃ!?んしょ、んしょー!!』

 

フォビドゥンマリンプレシオがコンクリートにめり込んだ長刀を引き抜こうと必死になっている。

どうやらその破壊力が災いして突き刺した本人が長刀を抜けなくなってしまったようだ。

 

「さぁて、お得意のゲシュマイディッヒは、こいつを避けきれるかな?」

 

『ふぇ?え、えええええええー!?は!?な、なな、なにそれっ!?なにそれっ!?』

 

水龍寺 真凛は驚愕する。

なぜなら、“刀身”が無いと油断していたGNソードに、紫色の“刀身”が勢いよく飛び出したのだ。

 

『え、えええ!?も、もしかして………………切れちゃう?』

 

「うんうん、切れちゃう切れちゃう」

 

『びゃーーーー!!』

 

抜けないままの長刀から手を離し、レールガンを射撃するーーーその時にはもう03-AALIYAHは目の前から消えていた。

 

『わっ………』

 

背中から振るわれたビームサーベル……いや、紫色の“レーザーブレード”は、その勢いを一切弱めることなく易々とフォビドゥンマリンプレシオの胴体を切断した。

 

 

『バトル エンディッド』

 

 

「ぬわーー!!負けたー。近接戦なら負けないと思ってたのに〜!」

 

「悪い、俺も近接戦闘なら負けることはないって思ってるから」

 

「そ、そうですかぁ!ふふん、その余裕…次までに残しきれるかな……んふふ、んっふふ、んっふっふー!」

 

このガンプラ学園で唯一、価値のある時間はこいつと絡んでる間だけだろうか。

何故かこいつは、この世界の住人とは違うというか、何処か俺と同じ雰囲気を醸し出しているような気がする。

 

「ぐぬぬ……“不知火”と“武御雷”さえ完成すれば……絶対勝つのにぃ……」

 

頭を掻き毟る真凛は俺から離れて他の生徒にガンプラバトルを申し込む。

多分は海中戦フィールドで戦ってボコボコにする気だろう、相手は死ぬ、ちーん。

 

(さて、今回の戦いで課題になるのが“粒子”と“プライマルアーマー”か)

 

真っさらなページを開き“コジマ粒子”と書く。

その後の続きを書こうとして、ピタッとシャーペンの先が止まる。

 

書かないのではなく、書けない。

 

チート兵器の外見や構造ならある程度模倣出来るものの、この摩訶不思議な粒子だけは再現することが出来ない。

 

再現しないのではなく、出来ない。

 

“クイックブースト”なら瞬間的な加速を行うよう細工したブースターを取り付けて一応の機能はしているが、所詮紛い物、本物には遠く及ばない。

 

もし、アレが本物であれば、消えたような加速ではなく、F91のMEPEのような質量を伴った残像を発現できるはずだ。

 

それに、“クイックブースト”なら紛い物でやっていけるが、“オーバードブースト”は流石に俺じゃ再現出来ない。

“VOB”ならサイコザクのロケットブースターを2個くっつけて殺人的な使い捨て装備が完成しているが、正直アレは本家より恐ろしい。

 

「………ちっ、こんな事なら変態企業に社会見学でも行けば良かったか」

 

まあ、顔も朧げな相方にブン殴られて阻止されるか見事に汚染されて帰ってくるかの二択しかないように思えるが、今は知識の無さが恨めしかった。

今は何よりも無敵の矛にも無敵の盾にもなるあの粒子の鎧が欲しかったのだ。

 

「何処かにいないか………俺と同じ、あの世界の記憶を持った……“リンクス”か誰かが…………さ」

 

 

その呟きをノートを閉じる音と一緒に閉じ込めると、1時間目終了のチャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

「アナ、ご飯出来たよ」

 

「フィオナ」

 

のどかな山奥の別荘、そこに住む2人の女性は、ガンプラでごちゃっとした部屋の、唯一片付いているダイニングテーブルとソファーに座り、遅めの朝ごはんと洒落込んでいた。

 

「やっぱりガンプラって難しいね。私は粒子は作れたけど、アーキテクトじゃないから“ホワイト・グリント”は作れないな」

 

「……………うん」

 

「でも大丈夫よ。きっと、貴女の機体は作れるから」

 

黙々とご飯を食べる白髪の少女と聖母のような笑みを向ける金髪の少女。

ダイイングテーブルの上に置かれた数々の料理の品の他、高性能の薄型PCの画面には、ひっそりとしたシンプルな壁紙と簡素なタイトルの付いた活動記録が写っている。

 

“ガンプラAC”

 

其処には、一羽の黒い鴉のような外見をした、一機のプラモデルが下手くそな撮影技術の下、ネットの海に晒されていた。

 






……フィオナとアナか……一体誰なんでしry。
とりあえず次も新キャラが出るかもしれない。
謎の2人組とガンプラファイター候補〜かな?
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