広大な世界と高い自由度を誇るDMMO-RPG《ユグドラシル》。文字通りゲームの中に入って遊ぶことができ、何よりも「できないこと」が逆に少ないくらいの自由度、自分自身でプログラミングやデザイン出来るマニアックなところも、職人気質な日本人を唸らせた。
そんな神ゲームも、時の流れには勝てなかったようだ・・・
「お前たちが戦う意思を見せなければ、俺はこのワールドを破壊しつくすだけだぁ!」
この俺、青木 隆は、ユグドラシルでは珍しいソロプレイヤーで、「ワールドチャンピオン」だった。その独特の容姿と「大昔の名作アニメコラボ」にて手に入れた種族レベルで、チートまがいの強さを手に入れたのだ。
「103人抜き・・・だと?」「も、もうダメだ・・・あしまいだぁ・・・」「化け物め・・・好きにしろ!」
ユグドラシルは、12年の時を経てサービス終了を迎えることとなった。そして今日が最終日。人口も全盛期と比べると悲しいほどに少ない物だ。
「オレが化け物・・?違うな。オレは悪魔だぁ・・・」
そんな中、ある一つのワールドの中心街では、チャンピオンの首を狙った大乱闘が起こっていた。あるものは歓声を上げ、またある者はあまりの力量差に絶望し、挙句の果てには課金アイテムの力でねじ伏せようとする者もいた。
「ブロリー!最後は俺が相手だ!」
あいつは確か、ワールドチャンピオンの一人…もう時間もないことだし、ここいらで悪役らしく、負けるとするか・・・
「ハッ、ワールドアイテムをいくら使用したとて、このオレを超えることはできぬぅ!」「やってみなきゃわかんねぇぇぇ!!」
勝負は10分間続いた。パワーは全くの互角だったが、もともと疲弊していた「ブロリー」は、だんだん押されていき・・・
相手のボディーブローにて、決着はついた。
「これで最後だ!おつかれえええええええええ!」「バカァなああああああああああああああ!!」
悪名高いチャンピオンはもう一人のチャンピオンの手によって屠られ、全てが終了する・・・そう思えた。
(今だっ!)
俺は唯一身につけていたワールドアイテム「ワンモア ミー」を使用する。これは自分のレベルを50下げ、ワールドを丸ごと破壊するというキチ〇イアイテムだ。使用後はスキンが変化し、2度とレベルが上がらなくなるため、使うことは躊躇っていたのだが、最後くらいよかろう。
「とっておきだぁ・・・」
首のアクセサリーが輝く。と共にあたり一面が緑色に輝く。運営がワールドを削除しているのか、それともこのアイテムの仕様なのか・・・考えるのも億劫だ。明日に備えてもう寝るとする。
(さよなら、我が好敵手、さよなら、ユグドラシル・・・)
…朝目が覚めると、森の中にいた。何を言ってるのか分からないかもしれないが、自分でも何を言ってるのかわからない。
「どこだぁ?ここは・・・ !?話し方が・・変になってるだとぉ?」
ユグドラシルが終わってないのか。それとも寝ぼけてほかのゲームにでも入ってしまったのか?
「コンソール・・・出た。ログアウト・・できぬぅ。」
ログアウトボタンがない。GMコールも効かない。アイテムは・・・出ることは出るが、いつものようにカーソルが出ない。それに森をよく見ると
「木のにおい・・・あじは、にがい。こんな機能、ゆぐどらしるにはなかった。」
もしかして…まさか、絶対にありえないことだが。
「オレ、ブロリーになったのか・・・?」
ご覧いただき、ありがとうございました。初の投稿で、四苦八苦しましたが、楽しんでいただければ光栄です。
ちなみにブロリーのキャラクターは「伝説の超サイヤ人」の種族をとっており、「破壊者」のクラスや劇場版での技がスキルとして多々出てきます。・・・終わったな。