モンスターストライク・コンバット   作:織戸

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彼女にとっての未知の味

「あそこは何?」

 

「服屋」

 

「あそこは?」

 

「カフェ」

 

「これは?」

 

「アイスクリーム屋。冬は焼き芋を売ってる」

 

「ここは?」

 

「スーパー」

 

「じゃあここ」

 

「ショッピングモール」

 

 学校が終わった放課後。

 通は自分の町を(半ば強制的に)ルシファーに案内させるべく、街中に来ていた。

 

 街中に来るなりルシファーは目をキラキラさせて通に質問攻めをくらわし続けていた。

 

 そんな中、ルシファーの目がある物にとまる。

 

「ねえトーリ。あれは何をしてるの?」

 

 ルシファーが指差した先には一台のワゴンに列が並んでいる場所。

 列が並んでいるところは他にもあったが、車に並んでいるということに疑問を感じたのだろう。

 

「ん?ああ、クレープ売ってるんだなきっと」

 

「くれえぷ?買った商品が使えないとかいって売り手に苦情を言うあの?」

 

「それはクレーム。クレープっていうのは・・・まあ実際に見た方が早いか」

 

 そう言うと通はルシファーにここで待ってるように言って自分も列に並びに行った。

 

(実際に見る?なんのことかしら)

 

 ルシファーの頭上には?マークが浮かんでいた。

 

 

 5分後

 

 

「おまたせ」

 

 ようやく帰ってきた通。

 両手にクレープを持って帰ってきて、片方をルシファーに差し出す。

 

「これがクレーター?」

 

「クレープな。なんで俺が隕石の落下跡を持ってこなきゃいけないんだよ」

 

「これ、食べ物なの?」

 

「そうだよ。食べてみ?ちなみに味は俺のおすすめのバナナクリーム味」

 

 今までみたことのない食べ物の形にルシファーの眉間にしわが寄る。

 上、下、右、左と様々な角度から眺めた後、不信に思いつつもかじりつく。

 

「・・・味が無いわね」

 

「生地の部分だからでしょ。その先だよ、本命は」

 

 通の言ってることがイマイチ理解できないと思いつつもルシファーは本命と呼ばれるところを食べる。すると、

 

「――――――!!」

 

 目を大きく開き、口元を手で押さえる。

 

(え!?え!?ええええええ!?超美味しい!何これ!)

 

 あまりの美味しさに内心すごい事になる。

 今まで食べたことのない味に驚愕しつつ、同時に途轍もなく美味しい。彼女の頭の中はこの未知の味に占領されていた。

 

 もっと食べたい。

 もっと味わいたい。

 

 そんな思いが彼女の口を無意識に突き動かす。

 

「・・・・」

 

 夢中でクレープを食べまくるルシファーを見て言葉を失う通。

 

(すごい勢いだな)

 

 そんな通の視線に気づかず食べ続けていたルシファーはあっという間に完食してしまった。

 

「ふう~。美味しかっ――――ハッ!」

 

 幸せな表情で感想を述べようとしたルシファーはここでようやく通の視線に気づく。

 ギギギ、と機械的な動きで自分に突き刺さっていた視線の主を見る。

 

 視線の主、通は暖かい目でルシファーを見ていた。

 

「どう、美味しいでしょ?」

 

「・・・・・ノーコメント。さ、次に行くわよ」

 

(素直じゃないな~)

 

 




 ルシファー可愛い
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