ゲート・忍者来れり   作:体は大人!心は中二!

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9話

イタリカにてフォルマル伯爵から勧誘を受けるイタチとカブト。

彼らがどうしてこうなったのかは、再不斬…主に白が悪所の地域活性化を行っていた時の事である。

 

☆☆☆

 

イタチとカブトが潜入してしばらく経った頃。

二人は、商品を入荷すると共にアカデミーの卒業生を連れて来て、拠点となるそこそこ大きな店を開店。

 

二人は日の国にとって品質の低い日用品を手頃な値段で販売する事で、人気の雑貨屋として地域に溶け込んでいた。

まあ、客たちの目当ては雑貨品である事はもちろんだが、一番の目的はイケメン店長のイタチとカブトである。

 

この二人を見て目の保養をするもの、受けか攻めかを妄想して喜ぶ腐ったマダム達、彼らを見て顔を赤くする男たちと。

そんな腐った客や濃ゆい客も居るが、幅広い年齢層に愛されているこの店はとても繁盛しており大量入荷しても一週間ほどで品薄になってしまうのだ。

 

「イタチ、僕は本国への報告と新しい商品を受け取りに帰るけど、君はどうする?

サスケ君に会う為に一緒に帰るかい?」

 

「いや、俺は部下達とここに残る。気になる情報を得たからな」

 

「……そうかい。まあ、君ほどの忍が失敗するとは思えないけどね。

事を起こすなら、上手くやってくれよ」

 

「分かっている」

 

仕入れと報告の為に日の国へ帰る事になったカブトを見送ったイタチは、大衆酒場で手に入れた情報が書かれた紙に目を通す。

 

内容は、フォルマル家の娘の誘拐だった。

この情報は偶然、大衆酒場で見た事のない種族の男を見つけた部下が追跡して得た情報だ。

 

イタチは、部下の詳細なデータから間違いなく誘拐は起こると判断した。

故にイタチは日の国には戻らず、商人のイタチとしてフォルマル家とのパイプを繋ぐ為、フォルマル家の娘を誘拐する計画を利用することにしたのだ。

 

「イタチ様。我々はどのように?」

 

「俺一人で十分だが……念のために三人ほどついて来い」

 

「はっ」

 

バサラとサムイによって貸し与えられた部下から優秀な三人を厳選した後、イタチは誘拐犯との戦闘に備えるのであった。

 

 

―――――。

 

 

誘拐が決行される深夜。

イタチが戦いに備え終わった頃……黒ずくめの男たち3人が、フォルマル家伯爵領へと侵入した。

 

「まったく、危険の高い仕事を受けたもんだぜ」

 

「仕方がないだろ。全ては俺たちの仕事を邪魔する鬼人が悪い」

 

「あの野郎のせいで、俺達が売ってる薬の収入が減ったからな。

ここで一発、ドカンと稼がねぇと……」

 

彼らは悪所に住む闇の組織の構成員で、麻薬や毒を貴族や住民達に販売して組織の活動資金を稼いでいた。

 

しかし、彼らの担当していた地域のボスが突如、変わってしまったのだ。

ただ、変わっただけならよかったのだが、鬼人と呼ばれた男のルールによって麻薬や毒物の販売は禁止されたのだ。

 

始めは無視して、通常通り薬を売り歩いていた彼らだったが、仲間が次々と死体で発見され、商売が出来なくなったのだ。

 

故に、資金を調達出来なくなった彼らは、組織の命令でフォルマル家の娘の誘拐を行うことになったのだ。

なったのだが……。

 

「なんかおかしくねぇか?」

 

フォルマル家の屋敷に侵入した彼らの一人が違和感に気が付いた。

 

「まぁ……すんなり行き過ぎてる気もするが」

 

「…貴族の屋敷なんてこんなもんだろ?俺は何回か潜入して盗みをやった事があるが、こんな感じだったぞ」

 

違和感を感じながらも、二人の調子に合わせる事にした男。

彼の感は正しかった。

 

現在この屋敷の人間は、ターゲットとなる娘は部屋で眠らされ、それ以外の住人はイタチによる幻術を掛けられており、侵入者である彼らを認識できないでいるのだ。

もし、違和感を感じた男の言葉に耳を傾け、撤退していたのなら彼らの運命は変わっていただろう。

 

「おい、運がいいことに娘は眠っているぜ」

 

「おお、ようやく俺達に運が向いてきたな」

 

眠っている幼女を縄で拘束し、猿轡を噛ませる二人の男たち。

もう一人は周囲を警戒しながら逃走ルートの確認を行っていた。

 

「!!?」

 

そして、猿轡をされた事で息苦しくなったフォルマル家の娘が目を覚まし、拘束を抜けようと、もがき出す。

 

「はっ、抜け出そうとしても、無駄だぜお嬢ちゃん」

 

「恨むんなら、仕事をサボっている家臣たちを恨むんだな」

 

男たちのゲスイ笑顔に恐怖で涙を流す娘を肩に担いだ男達は娘の部屋に手紙を残し逃走を開始した。

 

彼らは予定していたルートを走り抜け、無事にフォルマル伯爵の家を抜け出し、安堵の表情を浮かべる。

 

「やったぜ、これで大金は俺達のもんだ」

 

「思った以上に楽な仕事だったな。もう薬じゃなくて誘拐で稼げるんじゃねぇか?」

 

「バカ、油断してると足元をすくわれるぞ」

 

男たちは静かに伯爵領を抜け出ようとしていたその時。

男たちの前に一人の男が現れた。

 

「この世界の忍…いや、盗賊がどれほどの物か計らせてもらったが……時間の無駄だったな」

 

黒い髪と紅の瞳を持つ男…うちはイタチである。

 

「あれは…確か雑貨屋の若造か?」

 

「なるほど……全てはお前さんの罠だったのか。通りですんなりと成功したわけだ。

で?俺達の首をフォルマル家に届けて恩賞でも貰う腹だったのかい?

それとも…俺達から分け前を貰うつもりだったか?」

 

「ククク、残念だったな。分け前はやらねぇし、お前みたいな若造に俺達三人を相手に出来るわけねぇだろ」

 

イタチの行いに賞賛しつつも、詰めが甘いと笑う男たち。

闇をしらないモヤシ小僧が、俺達選ばれし者に敵うわけがない。

 

イタチの体格から、自分たちよりも弱いと判断した男たちは、娘を置いてイタチに襲い掛かり激しい戦闘を繰り広げる。

 

「ヒャハ!さっきの余裕はどうした小僧!!」

 

「顔がいいからって調子に乗った罰だぜ!!」

 

「運が悪かったな…小僧!!俺達ハリョを敵にした事を後悔して逝け!!」

 

男たちの激しい攻めに傷つき、苦悶の表情を見せるイタチに愉悦の表情を見せる男たち。

 

「ハリョ?だと…!?」

 

片膝をついて驚愕の表情を見せるイタチを見た男は自分の優位性に心地よくなり、イタチの質問に笑顔で答える。

 

「そうだな…仕事を手伝ってくれた褒美に教えてやるぜ。俺達は選ばれた存在で構成された組織『ハリョ』だ」

 

「そのハリョはどうしてフォルマル家の娘を誘拐する?」

 

「組織の為の資金集めよ……元々稼いでいた場所に鬼人とか言う男が現れて商売が出来なくなっちまった。

だから、組織の命令で俺達は誘拐をする事にしたのさ……」

 

「なるほど…ハリョと言う組織には興味がある」

 

「ん?なんだお前、俺達の組織に入りたいのか?だったら詳しく教えてやるぜ」

 

組織について洗いざらい喋る男。

しかし、彼は気づいていなかった。

 

今、自身の近くに仲間が喋らない事……そして自分が組織の重要な情報や、次に組織で行われる大きな計画の存在をペラペラしゃべっている事に……。

 

 

 

「こうも簡単に引っかかるとは……準備が無駄に終わったな」

 

 

 

イタチに抱きかかえられたフォルマル家の娘に聞こえない、イタチの小さな呟きと共に地面に崩れ落ちる男たち。

そう、男たちはイタチに出会った瞬間にそれぞれが写輪眼によって、情報を引き出されていたのだ。

 

その時間は数秒。

待機していた忍達が見た光景では、イタチと遭遇した男たちが一瞬だけその場で動かなくなり、娘を奪われて倒された。

まさにその姿は、忍として完璧な仕事ぶりであった。

 

 

「もう、大丈夫だ。君は助かった」

 

 

猿轡と縄を解き、泣きじゃくる幼いフォルマル家の娘を抱きしめるイタチ。

こうして、フォルマル伯爵家の誘拐事件は幕を閉じた。

 

ただ、イタチはこの対応は間違いだったと後悔することになる。

彼は幼い少女の感情を読みきれていなかったのだ。

 

伯爵家への貸し、もしくは縛られない程度の繋がりを期待していたイタチだったのだが……誤算が生じてしまった。

商会で見た事のない商品を取り寄せる将来有望な商人として噂をされていたイタチとカブト。

 

噂を聞き、商品見た伯爵はイタチとカブトはイタリカを潤す事になるだろう将来有望な若者であると期待して免税特権を与えようとしていたのだ。

 

だが、疑惑もないと言ったら嘘になる。

見た事のない商品の仕入れ先に、高い戦闘能力。

正直かなり怪しい。

だから、自分の手元に縛り付けイタチを探ろうとしているのだ。

 

敵国の人間だったのなら集団で殺すか、毒殺をすればいい。

そうでなかったら、商品の出どころをフォルマル家が独占して抑える事が出来る。

フォルマル家に損はない。

故に当主は暇さえ見つければ、イタチを直接勧誘するのだった。

 

「イタチ……君がロリコンだと知ったら、サスケ君に殺されるよ?」

 

「俺はロリコンじゃない」

 

 




三人の部下「「「イタチ様がロリコンだったなんて……」」」

イタチ「ファ!?」


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