「すぅ…すぅ…すぅ…」
「あ、寝ちゃったか」
泣き疲れて寝ちゃったようだ。
あれだけ怯えていた事だから相当嫌なことがあったんだろう。
首ポキ、腹貫通、首飛び、握りつぶし…全部私じゃないか。
「今から戻るからベッドとかの準備お願いできる?」
『わかりました!2だいよういしときますね!』
妖精さんが2台と言ったのはちゃんと理由がある。
それは私が寝ているところなんだけど…。椅子に座って寝ています。はい、椅子に座って寝ています。
妖精さんに全部任せるのもなんか悪いと思って椅子に座って寝てた。おかげで首や肩が凝ったけど。やっぱこう言うのは任せる方が良いのかもね。
「それじゃあ戻りますか。出発しんこー!」
ボクっ娘ちゃんをおんぶした後、拳を築き上げて、気合いを入れた。
もしこれが住宅路だったら苦情レベルかもしれない。だって今夜だもん
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「はい妖精さん。こっちが燃料で、こっちが鋼材。少ないと思うけど我慢してね。また持ってくるから」
「だいじょうぶなのです!」
「これでいえがかんせいできます!」
「まずきっちんをつくりましょう!」
「そのあとといれもです!」
「かぐもつくっちゃいましょう!」
『いくぞー!』
頼もしい子ばかりです、うちの妖精さんは。
多分朝になる頃には出来上がっていると思うから、そのままベッドに直行しますか。もう眠い。
ボクっ娘ちゃんをベッドに寝かせた後、ボクっ娘ちゃんの顔を覗いた。
「うん、さっきのように悲しい顔はしてないね。おやすみ」
私はボクっ娘の頭を優しく撫でた後、ベッドに潜り込んだ。
なにか私のベッドに入り込んだ感じがしたけど多分気のせいだろう。やっぱり疲れているのかな。
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〜朝〜
「ん、んはぁ〜。もう朝か。顔洗ってこないと」
いつの間にか朝になっていたようだ。まあ寝てたから朝になるのは普通なんだけど。
「よっこいしょ…ん?」
立ち上がろうとした時、腰に違和感を感じた。まるで誰かに抱き着かれているような、そんな感覚。
なんか恐ろしくなったので、掛け布団を引っぺがしたら、
「ボクっ娘ちゃん?」
なぜかボクっ娘ちゃんが私に抱きついていたのだ。
やっぱ昨日の私のやったことが頭にこびりついて離れないのだろう。まあ無理もないかな。モザイクがかかるような事したし。
もう朝だからちゃんと起こさないとね。
「起きて。もう朝だよー」
「ん、んぅ…もう朝か…」
ボクっ娘ちゃんは目をこすりながら目を覚ました。
昨日の今日だけどこの娘可愛いな。髪には艶がないし、肌もカサカサだけど、それでも綺麗に見える。美少女パワーすげー。
「…!?し、深海棲艦!?」
なんかこのやり取り前にも見た気がする。妖精さんの時と一緒だね。
「大丈夫だよ。深海棲艦ってことは認めるけど、何かする訳じゃないから」
「ほ、本当かい…?信じていいの…?」
涙目になり怯えながらそう答えるボクっ娘ちゃん。
涙目+上目遣いとか最強コンボだろ。危うく鼻血出るところだった。うん、可愛い。
「全然おっけーだよボクっ娘ちゃん。それじゃあ早速シャワー浴びよ?帰ってから直ぐに寝ちゃったからね。綺麗にしないと美少女が台無しだよ?」
「び、美少女だなんて…///。でも嬉しいな。お言葉に甘えるとするよ」
「それじゃあ一緒に行こ?」
私はボクっ娘ちゃんの手を引いてシャワー室に向かった。
ボクっ娘ちゃんの照れ顔は可愛かった。もう天使が降臨したのかと思ったよ。
「それじゃあ服脱いでくれるボクっ娘ちゃん」
「う、うん…」
ボクっ娘ちゃんは恥ずかしがりながらもセーラー服と下着を脱いだ。
そして私の目に映ったものは…
「なに、これ…」
ボクっ娘ちゃんの体には大量の痣や靴跡があった。痛々しくて見ていられなかった。
「誰にやられたのボクっ娘ちゃん!?」
私はボクっ娘ちゃんの肩を掴んで大きく揺らした。
「ちょっと苦しい…」
「あ!ごめん。ついカッとなっちゃって…」
「大丈夫だよ…」
ボクっ娘ちゃんは自分の肩を抱きながら目を逸らし、暗い顔になった。
思い出したくない記憶があるようだけど、今はそんなこと関係ない。
「鎮守府にいた時にやられたんだ…」
「誰に、やられたの…?」
「し、司令官さ」
「司令官!?」
司令官って言うのは妖精さんから聞いた話だと艦娘たちの指揮をとる役職だよね?でもなんでこんな事を?
「僕の練度が低いからって言うのが1つの理由で、もう1つは階級目当てさ…」
「屑だねその司令官ってやつは…」
ボクっ娘ちゃんが言った言葉から予想できることは、練度と言うのが低いせいで暴力を振り、階級が上がらないからそれによる怒りによる暴力と考えられる。
「他の娘たちも同じことをされていたんだ。その中には性的暴力も振るわれている娘もいたよ。その上ろくに補給もしてくれないで出撃させたりとかも…。そのせいで沈んだ艦娘も少なくないよ」
「今度その鎮守府に殴り込んで来ようかしら……」
沸々と怒りが湧いてきた。なんでこんなに可愛い娘たちがクソ野郎に暴力を振るわれなきゃいけないんだ。私は偽善者なのかも知れないけれど、自分の都合のいいことに使うなんて、許せない。
しかも階級なんてそんな簡単に昇格する訳ないじゃないか。自衛隊でも1年に一回ペースとからしいし。
それこそ私と同じ姫級を沈めたりしたらすぐに昇格できると思うけど。
「そして昨日大破したままこの海域に投げ込まれたんだ。僕たちを棄てるためにこの海域に…」
「そんな…」
「で、案の定他の娘たちは深海棲艦に沈められた。装備も剥ぎ取られたままだったから何も出来なかった…」
私はボクっ娘ちゃんの事を直視出来なくなっていた。
こんな、こんな事ってあっていいの…?
建造されて練度が低いからって理由でこの娘たちを痛めつけて、用が済んだらゴミ箱に捨てるように装備を剥ぎ取って海に放り投げる…?そんなの…ただの物じゃないか。彼女たちだって生きているのに…。人間はここまで腐っていたのか。
私はボクっ娘ちゃんを強く抱きしめ、
「もう、もう大丈夫だから、大丈夫だから、貴女を殴る奴なんて1人もいないから、だから、だから…」
気がつけば私は泣いていた。こんなに悲しい事なんてあってたまるか。
「ありがとう…ありがとうね、こんな僕の、ひぐっ!僕たちのことをっ!想ってくれてっ!ぐずっ!ありっ、がど!うわああああああ!!!」
ボクっ娘ちゃんも私のことを強く抱きしめ、一緒に泣き叫んだ。
少しでもボクっ娘ちゃんの心の負担が軽くなってくれるのなら、それは嬉しいことだと思う。
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〜10分後〜
「見苦しいところ見せちゃったね。名前を教えてなかったね。私の名前は戦姫。深海棲艦の姫級、戦艦棲姫の戦姫だから。よろしくね」
「ううん。僕も見苦しいところ見せちゃったな。僕の名前は白露型駆逐艦の2番艦、時雨って言うんだ。よろしく」
こうして私とボクっ娘ちゃん、時雨ちゃんは出会った。
体を洗いっこした私たちはすぐに着替え、ご飯の支度をすべく、新しく出来た台所まで手を繋ぎながら移動した。時雨ちゃんは初めてあった時よりも、明るい笑顔を見せてくれた。
ブラック、ダメ、ゼッタイ。
と言うわけで時雨ちゃんを出しました。
書いている途中何度か嫌な気持ちになりました。
皆さんも艦娘1人1人を大切にしていきましょう。
次回は戦闘か、食料調達か、時雨ちゃんの事だと思います。
次回もお楽しみに。