早くも第3章です。
今回で、主人公にまつわる謎が一つ解ける?
さて、前書きはこの辺にして、早速本編へどうぞ。
「ん?なんだアレ?」
転入の手続きも終わり、家に帰ろうと、昇降口を出たら、校門の近くに誰か(何か?)が倒れていた。まさか、死んでるなんてことはないよな?
「おい!大丈夫か?」
「んぅん?誰ですか?」
良かった。死んではないようだな。起き上がったのは、赤っぽい感じの髪を2つ結いにした可愛い女の子だった。リボンの色から察するに後輩みたいだけど──
「えっと、明日からこの学校に転入する、蘇我 竜音だ。大丈夫か?お前。」
「あぁ~!噂の蘇我さんとはあなたでしたか!私は冴恵佳、小幡冴恵佳ですぅ。蘇我先輩よろしくお願いするですぅ。」
「あぁ、竜音でいいよ。よろしく。ってか噂って何?もう噂なんてあんの?」
「はい!それはもうたくさんありますよぅ~。」
「えっ!?なんで?一部の人しか知らないはずじゃ・・・」
まさか情報漏洩じゃ──
「アハハ!先輩ぃじょ~だんです
よぅ?私の名字どっかで聞きませんでしたかぁ?」
うーん。小幡かー。小幡、小幡・・・
「あっ!理事長!小幡勝敏(かつとし)!君ってもしかして?」
「お!気付きましたか?先輩ぃ!さすがですねぇ。そぉ~です。私は理事長の娘ですぅ。」
道理で俺のことを知ってるわけか。
まぁ、それはさておき
「何で君ここで倒れてたの?」
「いやぁ~、それがですねぇ~。お腹がへって動けなかったんですよぅ~。」
(漫画かよ!)
そう思った瞬間彼女のお腹から
『くきゅぅ~』
というようなとても可愛らしい音が鳴った。
あ、確かバックにパンがあったはずだけど。あった!
「食べるか?これ?」
「はい!いただきますぅ~」
あ!まだあげるって言ってないのに食いやがったなこいつ。
モグモグモグモグモグモグモグモグ
しかし、うまそうに食うもんだから腹も立たねーな。
モグモグモグモグゴックン
いや!食うの早っ!
「ありがとうございましたぁ~。いやぁ~助かりましたぁ~先輩!このご恩は必ず!ではまた、学校で!」
そう言って、彼女は去っていった。
「このご恩は」って、鶴の恩返しの鶴かよ。
にしても、なんか得体の知れない変なやつに会ったなぁ。
「ただいまー!帰ったぞー!那津ー!」
やっぱり返事無しかよ。
それはそうと、今日はやけに疲れたな。汗もかいたし、シャワーでも浴びるか。そう思い脱衣場の扉を開けるとそこには、
《肌、肌、肌、肌、肌、肌、肌、肌》
俺の視界を埋め尽くしたのは雪のように白い肌。
(待てよ俺、冷静に考えろ。まず、この時間、那津が風呂に入っているはずがない。え?じゃあこれは、誰?)
恐る恐る顔を上げる俺。そこには──
「え?何であんたがここに?・・・」
「る、瑠璃!」
「き、き、き、き」
(ま、まずい。この状況はまさか!」
「きゃあぁーーー !見んなバカァーーーー!」
この日は、今まで生きてて一番強いビンタを食らった日になった。
そして、五分後。
「で、何でお前がうちの風呂使ってんだよ。」
「いや、その、なっちゃんに会いに行こうと思って。そしたらなっちゃんいないし、鍵開いてるし、どうせすぐ帰ってくると思って、汗かいたからシャワー浴びてたって訳。」
いや、そこおかしいだろ!とは思ったものの、それを突っ込まないのが俺の優しさだ。
「ってかりゅーちゃん。何で誰もいないのに鍵開けて外出してんのよ!」
「いや、うちには那津がいるぞ?」
「え?でも、あたしが声かけても返事なかったわよ?待って?そもそもおかしいわね。元気ななっちゃんが声かけて返事しないわけないわ!もしかして・・・何かあったの?この8年で。」
「───ほんとにその話聞きたいか?お前。」
「えぇ、聞きたいわ。」
それは、俺が小5、那津が小4の時のことだ。
ある日、那津は上級生からラブレターで、呼び出された。那津は昔から顔は悪くないから同級生から告白されることも多々あった。しかも、相手は当時学校一のイケメンとも呼ばれる6年生だった。
その話を聞いた俺はそのことを祝福しながらも、何か嫌な予感を感じていた。
そして呼び出された日に体育館裏へ行った那津の後を俺はこっそり付けて行った。すると、そこには上級生が3人いた。真ん中にいる人が、突然、
「あなたのことが好きです。付き合って下さい。」
なんだ、普通の告白か。俺がそう思った瞬間、
「なーんちゃって、騙された?罰ゲームだよ。アハハ!誰か適当に手紙入れてその人に告白しろってさ。」
「え?じゃあ───」
そこで泣き崩れる那津。
「お前のことなんか知らねーし、なんとも思ってないから。そもそも俺、リア充だし。」
そいつがそう言った瞬間、俺のなかで何かがキレた。
それ以上妹が傷つくのを見ていられなくなった俺は自分が隠れていることも忘れ、そいつらに殴りかかった。
「お、おい!こいつ、上級生を殴りやがったぞ!てめえボコボコにしてやる!」
上級生がそう言ってから俺の記憶は途切れた。
次に気が付いた時は、俺は無傷でそいつらをボコボコにしていた。
俺にそのことに対する処罰はなかった。代わりに、能力訓練特別校に入れられた。そこを半年ででた俺は、家に帰ってとても驚いた。
あんなに元気だった妹が引きこもりになっていた。
俺は、その時からリア充を憎んだ。妹を、昔の妹を奪ったリア充共を憎んだ。
「とまぁ、こんなことがあったんだ。悪いな、聞いててあんまり気持ちのいい話じゃなかったろ?」
「こっちこそそんなことがあったなんて知らずに、辛いこと思い出させちゃったね?」
「いや、いいんだよ。いずれお前には話そうと思ってたから。」
気まずい空気に耐えられなかったのか瑠璃はそのまま帰ってしまった。
今回は少し長いですね。
主人公の核心に迫る重要なお話でした。