この素晴らしい世界を御方に!   作:syun zan

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シャルティア、定住する。

こっちの世界に来てからこれでかれこれ一週間になりんすね。

とはいえ、まだ世界征服の進捗状況はかけらも進んでいないでありんす。

こっちに来てからというもの、

朝にギルドで受けられるだけのクエストを受け、

午前中にそれを全部消化し、

依頼の消化が終わり次第少し遠出してモンスター狩りしてレベルを上げ、

深夜まで虐さ……乱獲を続け、日が昇ってきたら街に帰還する。

そんな生活の繰り返しでありんす。

そのおかげかレベルは一気に30台までいきんしたけど……そろそろ性欲の発散がしたいところでありんす。

いい腐ってない死体でも見つかればいいでありんすけど……街にありんすかね?

一応候補は見つけているでありんすが……見てみないことには分かりんせんね。探索系スキルはまだ取っていなんし。

 

「そいじゃあ、初めの時に、スキル《不死の祝福》で見つけたアンデッドのところにでも訪ねにいきんしょうか。《異界門(ゲート)》」

 

足元の影がぶくりと膨らみ、吹き上がり、わたしの目の前で扉の形になりんす。

失敗も制限もない第10階位転移魔法《異界門》をくぐって、わたしはアクセルの街に帰りんした。

 

 

           *    

 

 

「《不死の祝福》によれば、ここにアンデッドがおりんすね……しかし、随分と質素なお店でありんす。上位アンデッドがこんな店にいんすなんて……動死体(ゾンビ)でも創って販売しているんでありんしょうか?吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)でもいたら2、3体購入しておきたいところでありんすね」

 

特殊技術(スキル)に従ってアンデッドを探し歩くこと30分。

ようやく大きなアンデッドの反応のある場所にたどり着きんした。

店を開くほどの知能があることだから、おそらくこの中にいるのは死者の大魔法使い(エルダーリッチ)か吸血鬼か……どちらにせよ、そこそこの力あるアンデッドでありんしょう。

そいつから話を聞ければ、この世界の存在の強さの矛盾も理解できるはずでありんす。

さ、入りんしょうか。

 

「お邪魔するでありんす」

「はい。いらっしゃいませ!ウィズ魔道具店へようこそ!」

 

店のドアを開けると、カランカランとベルの音が鳴り、おそらく店主であろう色々と大きな女性が出てきんした。

……チッ、無駄に無駄なもん持ちやがって。半分よこしてくれてもいいのに。

そんな身体的特徴への暴言はさておき、《不死の祝福》によればアンデッドは目の前の店主……

しかし、人間の見た目のままの肉体を保っている上位アンデッドなどいたでありんすか?

それとも、こちらの世界特有の存在?

 

「あなた、一体何のアンデッドかぇ?わたしはあなたのようなアンデッドは知りんせんでありんすの」

「え……な、なんでバレてるんですかーーーー!!」

 

店主は激しく動転したのか、バタバタと暴れ、周囲のよくわかりんせん物品がいくつか倒れなんした。

その一つがコロコロと転がってわたしの足元に転がってきなんした。

ふむ、なになに……『爆裂ポーション 強い刺激を与えると爆発します。※注!爆発はエクスプロージョンに匹敵する威力があります。充分離れて使用してください。』でありんすか。

……《爆裂(エクスプロージョン)》!?

 

「お、落ち着くでありんす!ここの商品が倒れているでありんすよ!爆発したらどうするでありんすか!ありんすか!……」

 

そんなこんなで、暴れるアンデッド───簡単に抑え込めたから、おそらくリッチ系でありんすね───を押さえ込むこと数分。

なんとか店主は正気を取り戻しんした。

 

「す、すいません。取り乱してしまって……」

「いいでありんす。むしろ街中で騒ぎにならないように隠れ住んでいたあなたにアンデッドであることをいきなり問いかけたこちらにも非はありんす。……それで?あなたはなんのアンデッドでありんすか?」

 

落ち着いた様子の店主に再び種族を聞きんすと、店主はゆっくりと口を開きなんした。

 

「はい、私、ウィズは見ての通りリッチー、ノーライフキングなんてやっています」

「リッチー?わたしの知っているリッチ系アンデッドはどなたも骨でありんすけど……肉体持ちのリッチーなどもいるでありんすね」

「あはは……まあ、私はリッチーになってからそう時間も経っていませんし、腐敗防止の魔法も毎日かけていますし、虫除けもバッチリしていますから」

「へぇ……そうすることで肉体を持ったままリッチになれるでありんすか……」

 

むぅ。こういう話を聞かされると、

わたしもそういった手入れをしたほうがいいのでありんしょうか。と思うでありんすね。

 

「わたしはヴァンパイアでありんすけど、そういった手入れはしたほうがいいと思いなんし?」

「うーん、吸血鬼は代謝がないわけじゃないはずだから、そんな手入れをする必要があるってい聞いたことは……え?ヴァンパイア?」

「そうでありんす。わたしは吸血鬼真祖(トゥルーヴァンパイア)のシャルティア・ブラッドフォールンでありんすぇ。どうぞよろしゅうね」

「あ、はい。これはご丁寧にどうも……って、し、真祖!?す、すごい大物じゃないですか!!なんでうちに!?」

 

?だいぶ驚かれているでありんすね。

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)真祖(トゥルーヴァンパイア)も、どちらも同じ二次職でありんすのに。

それにしても……何をしに来たかでありんすか。

それを言うとなると、性欲発散用の屍体の調達でありんすが……このリッチ。ウィズは結構……うん、今のわたしの求めるものにぴったりでありんす。

腐ってない死体は希少でありんすものね……。

 

「決まっているでありんす。性欲発散のための下僕がちょいと欲しかったから、アンデッドの居るお店にお買い物しに来たでありすよ」

「う、うわぁ。そ、そうですか……でもここには死体なんて売ってませんし……」

「うん、だからわらわはウィズがお相手してくれても一向に構いんせんでありんすよ?」

「ええっ!ご、ごめんなさい。私にはそういう趣味はないですし……」

 

……そういう趣味はない、でありんすか。

ますます欲しくなってきたでありんす。

初心な女が堕ちていくのはいつ見てもいいものでありんすし?

そんな風に思いながら舐めるようにウィズを見ていると、機嫌を損ねたとでも思ったのでありんしょうか。

 

「す、すいません!い、一応この町にある娼館の紹介状ぐらいならかけますから、どうか勘弁してください!」

「娼館?」

 

と、わたしに娼館に行くよう勧めてきんした。

……アンデッドの娼館なんてものは《不死の祝福》では見つからなかったでありんすが……どういう娼館でありんしょうか?

そういった気持ちを込めて聞き返しんした。

 

「はい、サキュバス達が経営していて、主に望んだ夢を見せてもらえるとからしいです……いえ、私は利用したことないですよ、ただサキュバスの方々とモンスターのお店つながりで仲良くさせてもらっているだけで、店がすごく繁盛した夢とか見せてもらったことはないですよ、本当ですよ。だからその目を止めてください!」

 

へぇ、ウィズも相応にそういったことには興味があったでありんすね!

だったら調教メニューの2日目と3日目は、ショートカットしてもよさそうでありんすね。

その代わり、開ける部位を増やしんしょうか……いや、逆に2日目のメニューを手厚くやって、懐き方を上げるのも面白そうでありんすね……

 

「ま、どちらにせよその娼館に行くという案は却下でありんす」

「ど、どうして?」

「夢を見せるという方は、睡眠無効かつ精神作用無効のアンデットとしての特性が無効化するでありんすからなし。直接ヤるのも、なしでありんす。わたしはネクロフィリアでありんすもの」

「し、死体性愛……?」

 

それにサキュバスと聞くとあの大口ゴリラを思い出すし。

ま、とにかく今日やることは決まっていんすし、早めに調教を始めるでありんす。

 

「そうでありんすぇ。さ、理解してもらったところでベットに行きなんしょ」

「え、ちょっ、まって、いや、あの、まっ、あ─────っ!!」

 

 

           *

 

 

ふぅ……一週間も溜まっていたせいで、少し強めになってしまったでありんす。

ま、リッチにしては意外とウィズは頑丈でありんしたし、実際にまだ意識が残っているし、ちょうどいい具合だったかもしれんせんけど。

とにかく、ウィズの相手はなかなかに楽しかったでありんす。

ウィズは何やら落ち込んでいるようでありんすが。

 

「穢されてしまいました……もうお嫁に行けません」

 

なんだ、そんなことを気にしていたでありんすか。

なら解決法は簡単でありんす。

 

「初日でありんすし、そう激しくはしてないでありんすのに……ま、そうしたらわたしが貰ってあげるでありんすよ。ん?そしたらリッチーで吸血鬼の花嫁(ヴァンパイアブライド)になるでありんすか?変な感じでありんすね」

 

リッチなのにヴァンパイア……うーん、この場合はどうなるんでありんしょうか。

デミウルゴスなら喜々として実験するんでありんすかね?

そんな風にナザリックに思いを馳せていると、ウィズが、恐ろしいものを見るような目でこっちを見てきんした。

 

「ちょ、ちょっと待ってください。初日ってどういうことですか?」

「どういうことも何も、今日からここに住むでありんすから。毎晩よろしぅするつもりでありんす」

「え……え?」

 

何をそんなに驚いてるのか知りんせんけど……こんな(たの)しいことを逃すわけありんせん。

でも、あんまり怖がられると、身がこわばってよくありんせんね。

だから、わたしはこれから最上級の肉になる家畜に向けるような、

あらゆる緊張を忘れさせる笑みを顔に浮かべ、ウィズに笑いかけんした。

 

「これからよろしぅね、ウィズ」

「う、うわぁぁぁぁぁん!!」

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