ポケモンの力を貰った人が異世界から来るそうですよ? 作:ゴロゴロ鼠
「あれは」
大河が轟音のした方を見ると紅い鉄人形が巨人を投げ飛ばしていた
「飛鳥か、負けてられないな『ダークホール』」
大河はダークライの姿になると巨人たちをどんどん眠らせていく。大河に気づいた巨人たちが攻撃してくるが大河は影の中に入り巨人たちの攻撃をかわしていく
「これじゃあ巨人がいなくなるのは時間の問題だな」
大河がそう思ったとき、一瞬にして辺り一帯が深い霧に包まれる
「何だ!?敵のギフトか!」
大河はまだ影の中に居るので大丈夫だが他の者たちは巨人たちの攻撃を受けていた
「きゃあ!!」
声のした方向を見ると飛鳥が他の巨人たちとは違う格好をした巨人族三人に攻撃されていた
「飛鳥!」
大河は『ダークホール』で攻撃するが大河と巨人たちの間には距離があるのでかわされたり他の巨人が盾になり飛鳥を攻撃している巨人まで届かない。大河は全速力で飛鳥の元へ向かうがその前に、一人の仮面をつけた人物が巨人族を皆殺しにした、そして驚くことに影に隠れている大河を見つけ剣に手を掛けていた
「まて、敵じゃない」
大河は直ぐに影から出ると敵ではないと言う。直ぐに出てきたからかダークライの姿だからか仮面をつけた人物は大河を敵ではないと判断し剣から手を放す
「飛鳥!」
「春日部さん・・・きゃっ!」
飛鳥の方を見ると春日部が飛鳥に抱き着いてバランスを崩した飛鳥が尻もちをついていた。春日部は周りを見て驚いていたが仮面の人物は大河達の無事を確認するとその場を去った
「風見君、久しぶり。まさか再開がこんな事になるとはね」
「飛鳥に春日部も久しぶり。〝ポケットモンスター〟としてやる事が多くてな、なかなか戻れなかった」
大河達が久しぶりの再会で話していると
「・・・・・ぁ」
何かを思い出したのか春日部は顔を青くさせると巨人たちに壊された宿舎へと走っていく。
「何かわからないけど追ってみましょう」
「そうだな」
「お、お待ちください!」
声をかけてきたのは知らない人物だった
「〝ポケットモンスター〟の風見大河様ですね、〝一本角〟のサラ=ドルトレイク様が今回の巨人族襲来の件について説明するので至急来てほしいと」
「分かった。飛鳥、そういうことで行ってくる」
「ええ、春日部さんは任せておいて!」
大河が収穫祭本陣営に行くとそこには大河と同じく呼ばれたのであろう〝ノーネーム〟〝ウィル・オ・ウィスプ〟〝ポケットモンスター〟のメンバーが集まっていた。話を聞くとあの巨人族は今サラが持っている只の大きな石に見えるギフトを奪いに来たという
「それは?」
「〝バロールの死眼〟だ」
「な!?」
「〝バロールの死眼〟!?」
「なるほど、確かに巨人族だけでじゃなく色々な奴が欲しがるな」
「連中は何としてもこの神眼を取り戻したいのだろう。私たちが収穫祭で忙しいのを狙ってまた襲撃を仕掛けてくるだろう」
「ヤホホ・・・その襲撃から街を守るために私たちに協力しろと?」
ジャックとアーシャは嫌な顔をする〝ウィル・オ・ウィスプ〟は武闘派のコミュニティでは無いので当然だろう。アーシャが〝階層支配者〟に相談しないのかと指摘するがサラから南側に〝階層支配者〟は居ないという。正体不明の魔王に討たれたと。サラたちは白夜叉に相談したという、それで返ってきたのが〝龍角を持つ鷲獅子〟連盟の五桁昇格と〝階層支配者〟の任命と言う物だった
「で、ではこの収穫祭は〝龍角を持つ鷲獅子〟の五桁昇格と〝階層支配者〟の任命を掛けたゲームなのですか!?」
「そうだ。〝階層支配者〟になれば〝主催者権限〟と共に強力な恩恵を賜る。巨人族をせん滅するには〝主催者権限〟を用いたギフトゲームで挑むしかない。南側の安寧のためにも、この収穫祭は絶対に成功させねばならないのだ。どうかあなた方コミュニティの力を貸していただけないだろうか」
「そう言われましてもねえ・・・」
「無論、タダとは言わん。多くの武功を立てたコミュニティには、この〝バロールの死眼〟を与えようと思う」
「は・・・!?」
これには全員が驚く。さらに〝バロールの死眼〟を譲渡するのは〝ノーネーム〟〝ウィル・オ・ウィスプ〟〝ポケットモンスター〟に限るという
「し、しかしサラ様。黒ウサギ達の同士に適性者は居ないと思われますよ?」
(〝ポケットモンスター〟だとヨノワール辺りか?)
人やポケモンを霊界に連れて行くと言われるヨノワールなら〝ウィル・オ・ウィスプ〟のウィラ=ザ=イグニファトゥスには負けるだろうが適性はあるだろう。唯一適性者がいない〝ノーネーム〟は白夜叉から恩恵があるらしい〝ThePIEDPIPERofHAMELIN〟のすべての処理条件を満たしてクリアした特別恩賞らしい。ジンが小箱を開けると中には笛吹き道化。〝グリム・グリモワール・ハーメルン〟の旗印が刻まれた指輪が入っていた。