漆黒の吸血鬼   作:taikiEX

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今回は、時間が無かったので、短いです。
あと、急いで書いたので、誤字やおかしな表現があるかもしれないです。

一応、最後に主人公たちの情報を載せています。




吸血鬼のセカイ 1

吸血鬼の地下都市、サングィネム。

 

とある部屋に、二人の子供の姿があった。

 

一人はサングィネムの女王、第三位始祖であるクルル・ツェペシ。

もう一方は、先程まで人間だった金髪の少年――百夜ミカエラ。

 

クルルは背もたれが異常に長い豪華な玉座に座り、女王らしく優雅に、偉そうに腰掛けている。

だがミカエラは、床へ座り込み、顔に数滴の汗を流し、苦しそうにしている。

 

そんな二人は無言で互いに体を向け合っていた。

そこへ、一人の吸血鬼が人間の子供を運び込み、クルルとミカエラの間へぞんざいに投げ捨てる。

その吸血鬼が去ったあと、クルルが口を開く。

 

「さあミカ、この人間の血を吸いなさい。 そうすればあなたの細胞は動きを止める」

 

だがミカは、クルルの話はほぼ耳に入っておらず、目線が目の前の人間に釘ずけだ。心なしか、先ほどよりも息が荒い。

クルルは、そんなミカの様子を基にする素振りもなく、淡々と話を続ける。

 

「人間を超越した力と老いのない体――――完全な吸血鬼へと変貌する」

 

そして、右手をミカの方へと差し出しす。

 

「我らの同胞に――――」

 

だが、‘‘同胞’’の部分に反応したのか、クルルをキッ、と睨みつけ、

 

「……ぼ、僕は、吸血鬼になるつもりはない!」

 

と叫ぶ。

だがクルルは、そのミカの言葉に害した素振りもなく、むしろ笑い、

 

「あはぁ、そんなこと言っても、体は我慢できないでしょう?」

 

と言いながら玉座立ち上がる。

そのままミカの前まで歩いていき、顎を右手で掴み、持ち上げる。

 

「全身が痛いはず。渇いて渇いて仕方ないはず。 我慢せず欲望のままに――――」

 

「うるさい!!」

 

ミカは、クルルの右手をパシッ、と弾く。

その反応にクルルは、少し首を傾げる。

 

「……じゃあ、このまま死ぬ?」

 

「吸血鬼になるくらいなら……死んだほうがましだ!!」

 

「………そう」

 

そう呟くと、クルルは今までしていた微笑みを引っ込め、真面目な顔へと変える。

「まあ確かに……千年二千年と成長もなく退屈するのは賢い選択じゃないかもしれない……。

――でもあなた……もう普通には死ねないわよ?

私があなたを変えちゃったから、血を飲まなければ意志のない醜い《鬼》に変わってしまう。――――――だから人間の血を……」

 

クルルは座り込み、ミカを優しく諭すように話す。

だが、ミカの意志は中々に強靭であった。

 

「絶対に嫌だ!! 僕は……僕はおまえらになるつもりはない!!」

 

その言葉に、クルルは一瞬意味深な表情をしたが、すぐに消して、立ち上がる。

 

「もしくは……」

そう言いながら、自分の右手の動脈を切る。

そこから血が勢いよく噴き出し、ミカの顔に降りかかる。

「人間じゃない、私の血を飲み続けるか――――」

 

クルルの手首から溢れ出る血を見て、ミカはハァ、ハァと息を荒くする。

無意識のうちに、彼女の手首に手が伸び――――

 

 

――――ついに、クルルの血を吸ってしまう。

 

「はは、そう。私の血は飲むの」

 

己の手首にしゃぶりつくミカに、クルルは笑う。

ミカは、涙を流しながら血を吸っていた。

 

「なら、あなたはもう、私から離れられないわね」

 

そして、クルルはミカに抱きつき、

 

「永遠に……永劫に、あなたは私の犬になるのよ――――百夜ミカエラ」

 

と言った。

 

ちょうどその時、部屋の扉が開けられる音がする。

クルルは、ここには誰も通すなと言っておいたはずだが、と不審に思うが、一人、ここへ来る人物に心当たりがあった。

そして、その人物の姿を見たとき、やはり、と思う。

 

「やっぱり来たわね、レティア・ヴァルス」

 

「ええ、勿論。仲が良かった子がどうなったのか、気になるのは当然でしょう? クルル・ツェペシ」

ここへ来た理由は話したが、クルルはレティアに鋭い視線を向けている。

まあ、それは当然だろう。彼女は優やミカの家族を、彼女が飼っていた『天使(セラフ)』を皆殺しにした、フェリド・バートリーの派閥なのだ。

その警戒ぶりに、レティアは苦笑する。

 

「随分と、信用されていないみたいね……まあ、フェリド君の事があるからしょうがないとは思うけど……私はフェリド君じゃないから、そんな警戒しなくてもいいよ……って言っても無理よね」

 

「ええ、そうね。それは無理な話しだわ。 で、何をしに来たのかしら? ただミカの顔を見に来たって訳でもないでしょう?」

 

そう、レティアに問う。

レティアは、ミカの方へ顔を向ける。そして微笑みながら、

 

「ミカを、吸血鬼の世界に案内してあげようと思って」

 

といった。

 

「……そんなこと、許すはずがないでしょう。だって――――」

 

「私は、フェリド君の派閥だから?」

 

クルルを遮り、レティアが言う。

「……そうよ。分かってるならもう消えなさい」

 

クルルは静かにレティアにここから引くよう、命令する。

だがレティアは、扉へ行く素振りすら見せず、逆にミカ方へと歩いていく。

それを見たクルルは、ミカとレティアの間に入り、行くてを阻み、どいうことだ、と鋭い視線で問う。

しかしレティアは、そんな事は気にせず悠々と歩き、クルルとの間を詰める。 そしてクルルの目の前までくると、口を開く。

 

「そこ、どいてくれないかしら?」

 

「私は消えろと言ったわよ」

 

「それを私が聞く必要、ある?」

 

そうレティアが言うと、クルルは溜息をつき――――神速の手刀を放つ。

普通の第十位なら腕が霞んだくらいの感想しか持てないだろうが、レティアの実力は第二位。クルルの放つ手刀など、遅すぎてあくびが出る程だ。

勿論、狙いも分かる。右の肩だ。つかもうと思えばつかめるが、レティアは身分を偽っているので、ばれたら石の中に閉じ込められる。なので、あえて受ける。

ザッという、奇妙な音と共に彼女の右腕が宙に舞い、ボトッと床に落ちる。

 

「……第十位程度が、調子に乗るな。殺すわよ」

 

クルルが、冷たい声で言う。

だがレティアは、右腕を千切られ、脅されたにも関わらずその微笑みを絶やさない。

 

「あは、殺す? アナタには無理でしょう。だって、私はフェリド君の派閥なのだから。まあ、万が一の確率も無いに等しいけど、私を殺したらフェリド君がアナタにとって不利な情報を上位始祖会に流すかもしれないしねぇ」

 

そうレティアが言うと、クルルは彼女を物凄い形相で睨む。

「そんなに睨まないで欲しいわね。実際、私は単純にミカを吸血鬼の世界を案内して、暫く鍛えてあげたいと思ってるだけよ?」

 

「私があなたを信用できると思う?」

 

「さて? 私はアナタじゃないから分からないわ」

 

クルルは一歩も譲らない。ここまで言っても拒否を続けるという事は、絶対にこのままクルルと話しても埒があかないだろう。

――――そう、クルルだけならば。

レティアは、ミカ方へと顔を向け、話しかける。

 

「ミカは、どうしたいの?」

 

「え?」

 

「だからね、ミカは、私と暫くいるか、クルル――そこの女の子と一緒にいるか、どちらがいいかなってことよ」

 

今まで蚊帳の外だったのに、突然声を掛けられたミカは、驚く。

クルルは、ミカに判断を委ねた事と、女の子呼ばわりされた事に苛立ちが増す。

しかし、クルルの見た目は10歳前後の少女のものだ。少女と呼ばれるのは仕方の無いことだろう。

暫くミカは考え込んでいたが、レティアに視線を向け、

 

「僕は……レティアといたい」

 

と言った。

その返答に、レティアは微笑み、クルルは舌打ちし、苦虫を噛み潰したような表情になった。

 

「そう、嬉しいわ。――――じゃあ、クルル。暫くミカを借りるわね。心配しなくても悪いようにはしないわよ」

 

「ふん、もしミカに何かあって見なさい。あなたを殺すわ」

 

 

♢ ♢ ♢

 

 

レティアは、ミカを連れて都市を歩く。

相変わらず、ここは荒廃しているなぁ、と思う。

歩いている人間の子供たちの表情は総じて暗い。なかには、倒れていて生きているか死んでいるか分からない子供もいる。

そういう子供たちを、レティアは気まぐれで助けるときがある。だが、助けた子供は自分を助けたのが吸血鬼、しかも貴族だと分かると一目散に逃げていく。そういうことがあるたびに、レティアは助けるのを辞めようか悩むのだが、彼女の生来の優しさ故か、結局助けてしまう。

レティアは道を逸れ、倒れている子供を抱える。おそらく、ミカと同じ12歳程度の青髪の女の子だった。だが、いくら小さいとはいえ、青髪の子は余りに軽すぎた。おそらく、ロクに食べていないのだろう。

こういう道の脇に倒れている子供は、大体がグループから捨てられた子供だ。

このような時だからこそ、人間同士で協力していかなければならないのに、こういうところは愚かだな、とレティアが考えていると、側にミカがやってきた。

 

「ねぇ、レティア。その子、どうするの」

 

そう聞いてきたミカの目は、助けてあげて欲しい、と訴えていた。

まあ、元々助けるつもりだったので、ミカの訴えは聞き遂げられるのだが。

 

「勿論、保護するわ。 ……時々居るのよね、こういう子供たちが……ってミカのほうが知ってるわよね」

 

そう言い、レティアは子供を抱きながら自分の屋敷に向かって歩く。

その後ろに、ミカは付いていく。 その顔は、少し嬉しそうな顔をしていた。

 

「レティアって、その、そういう子供たちをよく保護してるの?」

 

「ん〜、まあ、なるべくね」

 

「やっぱり、レティアは普通の吸血鬼とは違うよね」

 

「そうね。自覚はしてるわ。 けれど、こういう人間に友好的な吸血鬼がいてもいいでしょう」

 

そう、ミカに向かって微笑んだ。

 

そのような話をしている間に、屋敷の門の前に着く。

レティアは子供を片腕で抱え、もう一方の片腕で門をキィ、と開ける。

すると、屋敷の扉から一人の吸血鬼が出てくる。

灰色の髪をした、長身の美しい男性だ。

その男性は、一瞬でレティアの目の前まで来る。

 

「レティア様、また人間の子供を保護したのですか。相変わらずお優しいですね。その子供は私がお預かりします」

 

爽やかな声色で、男性が言う。その声には、人間を見下すような感じが入っていない。

 

「ええ、頼むわ。その子、栄養失調だから何か食べさせてあげて。そのあと、女性の吸血鬼に体を洗わせて。頼んだわよ、ゲオルグ」

 

レティアが命令すると、灰色の髪の男性――ゲオルグが子供を抱え、屋敷の中へと消える。

それを見ていたミカは、人間を見下していない事に驚く。

 

「今の人……人間(ぼくら)を見下していなかった」

 

ミカがそう呟くと、レティアは嬉しそうに微笑み、

 

「そう。私の屋敷にいる吸血鬼は、人間を見下す事のない、人間に極めて友好的な吸血鬼のみを選んでいるのよ」

 

そう言った。

それにミカはまた驚く。他にもレティアのような吸血鬼がいたのか、と。

そのミカの表情で、思ってる事が分かったのだろう。まあ、数は少ないけどね、と付け加える。

「さて……私たちも中に入りましょうか。吸血鬼について色々教えるわ」

 

 

 

 

 





主人公たちの情報です。

名前 : レティア・ヴァルス

誕生日 : 忘れた

血液型 : B型

身長/体重 : 171㎝/52㎏

スリーサイズ : B88/W58/H93

身分・階級/所属 : 吸血鬼貴族・第十位/フェリド派

武装 : 一級武装・サーベル型

興味があること : 血、アニメ、漫画

好きな食べ物 : 血、みかん



名前 : カノンティア・アマランス

誕生日 : 分からない

血液型 : A型

身長/体重 : 168㎝/56㎏

スリーサイズ : B85/W58/H85

身分・階級/所属 : 吸血鬼貴族・第十七位/フェリド派

武装 : 一級武装・レイピア型

興味があること : 血、レティア様の行動

好きな食べ物 : 血



ゲオルグ・フォン・ヴァレンロード

誕生日 : 12月 24日

血液型 : A型

身長/体重 : 187㎝/72㎏

身分・階級/所属 : 一級吸血鬼/フェリド派

武装 : 一級武装・剣型

興味があること : 血、レティア様やカノンティア様の行動

好きな食べ物 : 血


カノンティアがレティアに会った時の話や、ゲオルグがカノンティアに会った時の話は、もしかしたら書くかもしれないです。


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