プリキュアオールスターズVSビーファイターカブト 作:千歳涼介
トランプ要塞
キング
「おのれ、ビーファイターども、またしても阻むとは!!」
ジャック
「落ち着いてください、キング様。形勢はまだまだこちらに分があります。」
キング
「愚か者どもが!!」
キングが雷を放つ。
ドーン!!
ジャック・エース・デュース・デッキ
「ぎゃあああ!!」
ジャックらがお仕置きをくらったのだ。
キング
「早急に奴らを始末しろ、分かったな。」
デッキ
「そのことですが、私に良い策がございます。」
キング
「デッキ、その策とは!?」
デッキ
「ビーファイターの中でもカブテリオスとクワガタイタンを操るビーファイターカブトとビーファイタークワガー、この2人を我らの味方に引き入れるのです。そうすれば、残りのビーファイターとプリキュアなど恐れるに足りません。」
ジャック
「愚策だな。奴らが我らの味方になるわけがない。」
デッキ
「物は試しです。やってみる価値はあるのではないかと。」
キング
「良かろう、奴らに手紙を書く。」
キングは甲平と健吾あての手紙を書いた。
キング
「デッキ、お前が届けろ。トランプの交渉人と呼ばれるお前がな。」
デッキ
「お任せください。」
デッキは手紙を持って、去る。
ジャック
「果たしてうまくいくか、見物だな。」
鳥羽家
甲平は自室ですっかり寝ていた。そこへ・・・。
ゆい
「お兄ちゃん、そろそろ起きて、ごはん出来てるから。」
ゆいに叩き起こされた。
甲平
「分かったよ、今行くよ。」
甲平は部屋から出ると、まずは郵便受けに向かう。すると、甲平あての手紙が入っていた。
甲平
「俺宛だ。差出人の名はキング!?」
そう、手紙はトランプの首領・キングからのものだ。
甲平
「まずは腹ごしらえだな。」
甲平はリビングへ戻る。
ビートルベース 指令室
甲平と健吾だけだった。
甲平
「やべえことになったぞ。」
健吾
「どうした、甲平!?」
甲平
「この手紙だよ。」
甲平が送られてきた手紙を見せる。その文面は・・・・。
親愛なるビーファイターカブト。
我がトランプに付き合い続けてる君の勇気を讃えよう。君を我がトランプの大幹部に迎えたい。我らに君の力を貸してくれないか。もし力を貸すというのであれば、町はずれの丘まで来てもらいたい。我が部下が迎えとして待っている。よく考えてから来ることだ。君の人生を左右するからね。
トランプの首領・キング
健吾
「甲平のとこにもきたか。実は俺も同じものを貰った。」
健吾も例の手紙を取り出し、甲平に見せた。
甲平
「キングって奴、俺たちをトランプの大幹部に迎えてどうしようってんだ。」
健吾
「地球征服を一気に成し遂げようという考えだろう。」
甲平
「それになんで俺たちだけなんだ。全員引き込めばいいだろ。」
健吾
「狙いはおそらく、カブテリオスとクワガタイタンだ。知っての通り、カブテリオスとクワガタイタンは全次元を滅ぼしかねない強大な力を秘めている。いくらプリキュアが伝説の戦士で、あれだけの数がいようと、カブテリオスとクワガタイタンには決して勝てない。消滅するのが目に見えている。」
甲平
「なるほどな。だからそれらを扱う俺たちを選んだってわけか。」
?
「どうした、2人で雑談か。」
健吾
「博士!!」
やってきたのは小山内博士だった。
甲平
「そういや、蘭はどうしたんだ!?」
博士
「チャリティーの公演でソフィーと一緒に加音町だ」
甲平
「そいつは好都合だな」
博士
「おい甲平、好都合ってどういう意味だ。蘭に知られたらまずいことでもあるのか。」
甲平
「実は・・・。」
甲平と健吾はキングからの手紙のことを博士に話した。
博士
「何、奴らがお前たちを味方に引き入れようとしている!?」
健吾
「大方、カブテリオスとクワガタイタンの力を欲しがってると見ています。」
博士
「しかしどうする気だ。トランプの言いなりになるつもりか。」
甲平
「奴らの言いなりになる気はねえ。けど、首領・キングがこうして誘ってきてるから、千載一遇かもしんねえな。何しろ、奴らの首領・キングに近づけるからな。」
健吾
「だが、潜入するとなると相当の覚悟が必要だ。汚名を着るだろうし、茨の道を進むことになるからな。」
博士
「とりあえず、この件はここにいる私たちだけの秘密事項だ。決して他言するなよ。もちろん、ゆいちゃんにもな。」
甲平
「潜入するのは俺だけで十分だ。健吾にはゆいを預かっててほしい。2人とも潜り込むのは危険だ」
健吾
「確かにカブテリオスとクワガタイタン、どちらか一方だけのほうが、リスクを最小限にできる。分かった、ゆいちゃんのほうは任せてくれ」
博士
「甲平の意思は固いようだな。だがこれだけは約束してくれ。ゆいちゃんを泣かすようなことは絶対にするなよ。必ず生きて帰ってこい。」
甲平
「分かってるよ。俺にはソフィーという恋人もいるからな。まだ死ぬわけにはいかねえよ。」
こうして、甲平はトランプに寝返ることになった。もちろんこれは表向きで、実際は潜入することだった。
加音町
チャリティーの公演で、蘭とソフィーが来ていた。
蘭
「女同士で2人きりになるの、ムカデリンガーとキルマンティスが襲ってきたとき以来よね。」
ソフィー
「そうね。私は甲平のことで無我夢中になってたわ。」
蘭
「女性には恋愛沙汰は付きものね。あっ、そろそろ準備しなきゃ。」
ソフィー
「そうね。」
蘭は以前、フリオからプレゼントされたケーナと呼ばれる縦笛を、ソフィーは自分のヴァイオリンで演奏に臨んだ。特に蘭はケーナで出ると言った時は、甲平から反応がいまいちだったが。
そして、公演が順調に進み、大成功だった。
ソフィー
「公演は大成功だったわね。」
蘭
「そうね。少しでも励みになってくれるといいわね。」
?
「あっ、蘭さんとソフィーさんだ。」
蘭
「えっ!?」
蘭とソフィーが振り返ると、スイート組のメンバーがいた。
蘭
「あなたたちは響ちゃん、奏ちゃん、エレンちゃん、アコちゃん、どうしてここに。」
奏
「どうしてもなにも、ここは私たちの町の加音町ですよ。」
ソフィー
「もしかして、あなたたちも演奏を見に来たの!?」
響
「ええ。ソフィーさんのヴァイオリンには感動しました。私のママに匹敵する演奏でした。」
ソフィー
「もしかして、あなたのご両親は!?」
響
「私の両親は2人とも音楽家で、パパは私たちの学校の先生で、ママは世界的なヴァイオリニストです。」
ソフィー
「そういえば、聞いたことがあるわ。フランスを拠点に活躍してる日本人の女性ヴァイオリニストがいるって。」
蘭
「それがあなたの母親というわけね。」
ピーッ!! ピーッ!!
コマンドボイサーが鳴った。
蘭
「蘭です。」
博士(ビートルベース)
「加音町の海岸でトランプが暴れてる。すぐに向かってくれ。」
蘭
「了解!!(無線を切って)みんな、いくわよ。」
ソフィー
「ええ。」
奏
「響!!」
響
「いくよ。」
蘭とソフィーに続き、スイート組も続いた。
加音町の海岸
ポーンロイド、ルークロイド、ナイトロイドの兵隊軍団が襲撃しだした。
ナイトロイド
「反乱分子の反応あり、破壊せよ!!」
?
「そこまでだ!!」
ポーンロイド・ルークロイド・ナイトロイド
「!?」
ロイド軍団にとっては驚愕の表情を見せた。そう、蘭たちが現れたからだ。もちろん、甲平と健吾も途中で合流していた。
響
「これ以上の悪事、」
響・奏・エレン・アコ
「絶対に許さない!!」
甲平
「いくぜ。」
それぞれが変身アイテムを取りだす。
甲平・健吾・蘭・ソフィー
「超重甲!!」
響・奏・エレン・アコ
「レッツプレイ・プリキュア・モジュレーション!!」
それぞれがビーファイターやプリキュアに変身した。
メロディ
「爪弾くは荒ぶる調べ! キュアメロディ!!」
リズム
「爪弾くはたおやかな調べ! キュアリズム!!」
ビート
「爪弾くは魂の調べ! キュアビート!」
ミューズ
「爪弾くは女神の調べ! キュアミューズ!」
メロディ・リズム・ビート・ミューズ
「届け! 四人の組曲! スイートプリキュア!」
ナイトロイド
「プリキュア及びビーファイターの反応あり、破壊せよ。」
カブト
「それはこっちのセリフだ。」
クワガー・テントウ
「アタックビーム!!」
アゲハ
「ブルームキャノン、ビームシャワー!!」
カブト
「インプットライフル、カブトニックバスター!!」
ドカーン!!
ビーファイターの総攻撃で、ポーンロイド軍団とルークロイド軍団は破壊された。
ナイトロイド
「おのれ、こうなったら!!」
ナイトロイドの大群が騎馬戦を挑んできた。
メロディ・リズム・ビート・ミューズ
「はああああ!!」
ドカ!! ドカ!! ドカ!! ドカ!!
プリキュアたちのパンチやキックで、ナイトの騎手が落ちてただの歩兵、ポーンロイドになってしまった。
メロディ
「嘘!?」
リズム
「ナイトって、ポーンが騎手をしてたんだ。」
ポーンロイド
「ちっ、ばれてしまっては仕方がない。無差別に殺してやる。」
ポーンロイドとなった騎手たちはカブトらはもちろん、海岸にいる人々にも無差別に襲いかかろうとした。
カブト
「やべえぞ。」
クワガー
「くいとめるんだ。」
くいとめたいのだが、何しろ大群で来てるものだから、きりがない。
人々
「わああああ!!」
ビート・ミューズ
「はああああ!!」
ドカ!! ドカ!!
ポーンロイドがビートとミューズにやられた。
ポーンロイド
「貴様ら!!」
ビート
「あなたたち、そう何度も、」
ミューズ
「思い通りには、私たちがさせない。」
ポーンロイド
「おのれ、プリキュアども、ならば貴様たちから葬ってやる。」
ポーンロイドが激怒し、突撃したが、それが命取りとも知らずに。
メロディ・リズム・ビート・ミューズ
「だだだだだ!!」
ポーンロイドが次々とスイート組に撃破された。
メロディ
「まだやる気なの!?」
リズム
「手加減はしないわよ。」
ポーンロイド
「くそ、引き上げるぞ!!」
ポーンロイドの残存兵は全員撤退した。これで一件落着といきたいとこだが、上空でデッキが戦いの一部始終を見ていた。
デッキ
「やはり、雑魚では限界があるな。」
デッキはそういうと姿を消した。
戦いのあと、スイート組は甲平らと帰宅途中だった。甲平と健吾は皆と少し離れて歩いてるが。
蘭
「随分、変わった町ね。ここは。」
奏
「この町は1779年に調辺音衛門が住み着いて以降、楽器作りが盛んになって、音楽が身近に感じられるんです。」
ソフィー
「日本にこんな町があるなんてね。」
ハミィ
「そうニャ。ハミィも気に入ってるニャ。」
蘭・ソフィー
「猫が喋った!!」
ハミィ
「ハミィは妖精だからニャ。」
響・奏・エレン・アコ
「普通は驚くよね。」
こうして、女性たちがトークに花を咲かせてる頃、甲平と健吾は・・・。
健吾
「甲平、今夜だな。」
甲平
「ああ、みんなには悪いが、俺は命をかける覚悟を決めたんだ。」
その日の夜 鳥羽家
ゆい
「えっ、お兄ちゃん、しばらくいないの!?」
甲平
「ああ、特別任務でしばらくいねえんだ」
ゆい
「その間、私はどうするの?」
甲平
「健吾のところに行け、話は通してある」
ゆい
「健吾さんの家に!? やったあ!!」
ゆいは健吾宅に出かける支度をすませる。
甲平
「ゆいの奴、健吾ばかり構ってるよな。まあ、俺がソフィーと付き合いだしてから、フランス暮らしだから無理もないか」
ゆい
「お兄ちゃん、気をつけてね」
甲平
「ああ」
ゆいが家を出たのを確認した甲平は、アストラルセイバーを持って家を出て、町外れの丘に向かった。その途中、
ソフィー
「どこに行くの?」
ソフィーに会った。
甲平
「ソフィー、どうしてここが!?」
ソフィー
「甲平のことが気になってね。それで、1人でトランプに潜る気なのね」
甲平
「ソフィーにはお見通しか・・・。そのとおりだ」
ソフィー
「どうしてそんな危険なことを1人でやろうとするの?」
甲平
「悪いな、全ては大局のためだ。そして、お前には幸せになってほしいからだ」
ソフィー
「私も連れてって。私は甲平の女、ソフィー・ヴィルヌーヴよ。甲平が死ぬときは、私も一緒に死ぬわ」
甲平
「本気なのか? 俺がお前を地獄まで縛り付けるぞ」
ソフィー
「いいわ、甲平になら、身も心も捧げるつもりだから」
ソフィーの意志と覚悟に、甲平も折れた。
甲平
「やれやれ、いつまでも俺の隣にいろよ。そしてずっと2人で歩こう」
ソフィー
「ありがとう、甲平」
甲平とソフィーは予定の丘にやってきた。そこにはデッキが待っていた。
デッキ
「お待ちしておりました。ビーファイターカブト様。おや、そちらはビーファイターアゲハ様ではありませんか!!」
甲平
「あいにくと、クワガーはそっちに寝返るつもりはないそうだ。だからアゲハで勘弁してくれ。それよりも、カブト様とアゲハ様とはどういう風の吹き回しだ?」
デッキ
「我らに寝返る決意をした時点で、あなたがたは我らの大幹部になるのが決まっていたのです」
ソフィー
「無駄話はこれくらいにしない」
デッキ
「そうですね。では案内しましょう。キング様の元へ!!」
甲平とソフィーはデッキの手引きで、姿を消した。
トランプ要塞
デッキの案内で甲平とソフィーは歩いていた。
デッキ
「キング様、ビーファイターカブト、ビーファイターアゲハの両名を連れて参りました。」
ジャック
「貴様ら、そんな簡単に寝返るとはどういうつもりだ。」
デッキ
「だまらっしゃい。キング様の御前ですぞ。いくら最高司令官のあなたでも、キング様に逆らえばどうなるかおわかりでしょう。」
ジャック
「ちっ!!」
キング
「ようこそ、我がトランプへ。君たちの決意を歓迎しよう。ビーファイターカブト、ビーファイターアゲハ!! 我が名はトランプの首領、キングだ。」
甲平
「鳥羽甲平、ビーファイターカブトだ」
ソフィー
「ソフィー・ヴィルヌーヴ、ビーファイターアゲハよ」
キング
「これで地球征服は叶ったも同然。そして、プリキュアや残りのビーファイターも恐れるに足らなくなった。カブトにはこれからウィザードのコードネームを与える」
甲平
「任せろ」
キング
「アゲハにはウインクキラーのコードネームを与える」
ソフィー
「いいわよ」
キング
「これから頼むぞ、ウィザード、ウインクキラー」
ウィザード・ウインクキラー
「はは!!」
甲平改めウィザードとソフィー改めウインクキラーは片膝を地面につけ、頭を垂れた。
キング
「ふははははははは!!」
要塞にはキングの笑い声だけが響いた。
ついに恐れていた事態が起こってしまった。甲平とソフィーが、ウィザードとウインクキラーとしてトランプに寝返ってしまったのだ。これからの戦いにどう影響するのだろうか。
次回予告
博士
「新たなプリキュアが大貝町に現れたとの噂を聞いた蘭たちは、その町にある剣崎真琴と名乗るアイドルのライブ会場に向かう。しかし、トランプもそれを察知し、刺客としてウィザードを差し向ける。そんな中で出会ったのは、相田マナ、菱川六花、四葉ありすと名乗る少女たち。彼女たちはいったい何者なのか!? プリキュアオールスターズVSビーファイターカブト、第27話「ドキドキ!プリキュア抹殺指令!!」。また抗争が始まるのか。」