テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か? 作:にゃはっふー
ではどうぞ。
「それじゃ、アンジュ」
「ええ、分かったわ」
そうやりとりを終えて、とある場所に出向き、準備する。
ああ、こういうときは楽しいものである。
「た、大変ですっ、ヴァンさん、アッシュさん、ルークさんっ」
クレアとロックスが大慌てで舞い込み、アンジュがそれに驚きながら、そばに来る。
「なんだよったく………」
「どうした?」
双子の兄弟が現れる中、ヴァンだけがあることに気づく。
「クレア殿、ナタリア王女はどうしましたか?」
「「!!?」」
赤毛の剣士達は驚き、クレアは申し訳なさそうに、
「突然、黒い甲冑の人が現れて………」
「も、申し訳ございませんっ。ナタリア様は私達を守りながらでしたので」
それを聞き、アッシュは舌打ちして急いで出ていこうとするが、
「待てアッシュ」
「止めないでください
「まっ、待って。その人はヴァンさんを名指しで呼んでるんですっ」
それにその場にいた全員が驚き、ロックスの話では、ブラヴニー坑道で待つと言う話を聞き、ヴァンは静かに動くが、
「待ってください
「屑は黙ってろッ、俺と
「アッシュ、こんな時にッ」
「黙るんだ二人とも、今回は急ぎだ。我々だけで出向く、アンジュ」
「ええ、分かったわ」
そう言って三人が大急ぎで出向き、クレアとロックスは青ざめ、血の気が引く。
それを落ち着かせながら、
「あのね、この」
その時、タイミングが悪かった。
坑道の奧で、一人の甲冑を纏う、剣士は大剣を地に刺して、その後ろに貼り付けにされているナタリア。
暗闇の中で静かに立ちつくし、足音を聞き、両刃の大剣を担ぐ。
「来たか………」
赤毛の王家と、騎士団総長が現れ、それに静かに手を挙げると共に、壁のたいまつに火が灯る。
「騎士団総長でありながら、足手まといを連れて来るとは」
「ああ? テメェふざけるなよっ」
「こいつと同じ扱いか」
「二人とも、簡単なあおりだ。冷静になれ」
その様子に剣を引きずりながら、ただ前に出る。
「まあいい、ヴァン・グランツ。貴様を潰せばライマ国を潰せるからな」
兜の所為で声がくぐもって聞こえるが、そう聞こえ、その言葉に、二人の王族が構えるが、
「テメェ、なに言ってるんだ!? それより、ナタリアに何をした!!」
アッシュの叫びに、ただ術で眠っているだけだと答える中で、
「ヴァン・グランツ、役立たずの王家の兄弟のお守り役。貴様がいなくなれば、そこの二人が勝手に国を潰す。お前にはここで死んでもらうぞ」
「? なに言ってるんだ彼奴」
「お前が無能って言いたいんだろ、行くぞッ」
「あっ、おいッ。ふざけやがっ」
そう言いながらも、三人はほぼ同時に剣を抜く。瞬間、
「「「!!?」」」
「遅い」
剣をすでに抜いていたとはいえ、巨大な剣を持つ剣士は、片腕でそれを振るい、吹き飛ばす。
それに二人は体勢を崩すが、一人だけ違う。
「「
「下がっていろッ」
大剣を振るい、ヴァンの軽い剣を身体ごと吹き飛ばすように振るう。
あまつ、
「「!?」」
空いている手の籠手で、剣撃を防いだりと、滅茶苦茶な戦いをする。
そして二人の剣の腕前は、
「互角………」
高速のやりとりの中、詠唱の隙を与えず、かつ、ナタリアへ近づけないと言う荒行、いや、偉業を一人でこなしている時点で、慣れている。
その中に割り込めない。
「………」
(それにはこいつも分かるか………)
ただ、こいつは何者だ? 片腕で両手剣を振るい、一王国騎士団総長の剣撃を拳一つで弾くような人物に心当たりはない。
しかも、二人とも本気ではないのだ。
お互いがお互いの動きを確認しながら動き、まだ本気を出していない。
「お互い戦局が変わらないのは嫌だろう?」
そう言い、瞬間的にヴァンを上回った。闘気を拳に、狼のように放つ中で、その反動で身体が大きく傾き、剣を振り上げる。
その勢いで気の狼を放ち、その瞬間、
「『紅蓮狼牙!!』」
その狼を後ろから斬るように、紅蓮剣、炎を舞う剣撃が放たれ、それを防ぎ、剣が折られたヴァン。
「!」
「地に伏せよっ」
そのまま連撃を放つ体制、すぐに動こうとするが、
「!?」
(狼の爪だとッ!?)
『狼爪闘気』
闘気で出来たその爪が自分らに向かってくるため、それを剣でお互い防ぎ、剣が吹き飛ばされた。だが構っていられない。
「せ」
その時、甲冑の剣士を囲む魔法陣が出現した。
「チィィィィィ」
ホーリーランス、光の槍が放たれ、バックステップで避けたが、そのまま、
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
ロイドを始め、剣士達が流れ込み、甲冑の剣士の後ろで、アニーとフィリアがナタリアを助け出す。
「貴様ら………」
「どこのどいつか知らないがッ」
「仲間を傷付けるのなら」
『許さないッ』
クレス、カイル、スタン、スパーダ、ヴェイグ、シンクと、周りは弓兵が囲み、形勢が逆転した。
「大丈夫ヴァンさん!?」
「セレナ………カノンノ………」
ヴァンは苦虫をかむような顔に、回復魔法を使い始め、クロエとアスベルがアッシュとルークへと近づく。
「無事ですか」
「くそがっ、不甲斐ねぇ………」
「ちっくしょうが………
「ルーク………」
ティアがその様子を見ながら、兄を見る。兄は目を閉じ、静かに、
「よし、致し方ない………実「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」!??!!!」
「斬る」
剣士達を、
「斬る」
魔法を、
「斬る!!」
矢を、
「全ては闇へと落ち、沈めッ!!」
剣技と格闘術、それらが嵐のように吹き荒れる。
『戦狂・外道ノ嵐ッ!!!』
骨が折られ、地に、壁に、天井に叩き付けられ、吹き飛ばされる仲間達。
それを見たヴァンが深刻な顔になり、静かに剣を構え直す。
「まさかここでオーバーリミッツか………」
「貴様のために用意していたが、仕方ない………」
甲冑の剣士はありとあらゆる可能な攻撃方法でアドリビトムの戦士達を地へと叩き付け、なおも立っていた。
「ライマ王国騎士団総長ヴァン・グランツッ、貴様の首はここでもらうッ!! 滅びるライマへの礎としてなッ!!!」
「………オーバーリミッツ!!」
光を放ち、弱っている甲冑の剣士へと向かう。
『滅びよ!!』
ヴァン・グランツの秘奥義が、放たれる中、甲冑の剣士は、
「!? ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
セレナだけは大きく叫ぶ。
『星皇蒼破陣!!』
特別な音と共に光の奔流を、
『アッハハハハハハハッ』
狂気に高笑いして、剣で受け止める。
『全てねじ曲がれッ、希望は絶望、勝機は敗北への兆し!!』
「ッツ、私の秘奥義をッ!!?」
全て受け止め、その反動のままに、全て返す。
『カウンター・エンド!!!』
その瞬間、ヴァンの身体から鮮血が舞い上がった。
仲間達は何が起きたか分からない、ただ分かるのは、
「テッメエェェェェェェェェェェェェェェェ」
向かってくる剣士や戦士達を、ことごとく剣でたたき落とし、静かに吹き飛ばす。
「邪魔だ雑兵共っ、ヴァン・グランツッ。その首もらうッ」
その中、猛る剣士が二人いた。
「「おぉぉぉぉぉまぁぁぁええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」
無数の剣撃の中で、それを防ぎながら、舌打ちしながら、高笑いする。
「邪魔するな無能な王子どもっ、王でありながら資格無き者、そして王の資格を持ちながら、全てを諦めたおろか者よ。そんな中途半端な者は、なにも得られないと知れッ」
「なに、をおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「くっそ、テメェ、なにが目的でッ」
「俺達の問題に、他の奴を巻き込んでるんじゃねぇ」
そんな中で、高笑いしながらも、剣をわきで抑え、蹴りがルークの腹を穿つ。
「がっ」
「それは貴様達が弱く、己の真意を口にせず、流れのまま、時のまま、ただいるでくの坊であるが故に引き起こされているとわからないか。愚者よ、後悔に苦しみながら消えろッ」
アッシュの剣を折り、それでも尚食いつくアッシュ。
「お前ェェェェェェェェェェェェェェェェ」
「よくも師匠を・・・ちくしょ、チクショオォォォォォォォォォォォ」
そして吹き飛ばしながら、血の池を踏み、治療するセレナ、カノンノを見る。
「何が救える? 何が守れる? 何を助けられる? 結局だ、結局長途半端な者なぞ何も出来ない道化以下のゴミだッ。いくら王家の血筋が残ろう、貴様等兄弟では、ライマの未来を潰える。貴様のような半端者、王の資格は無い」
「だからグランツを?」
「ああ、後は騎士団を纏めるそいつが消えれば、ライマの未来を潰せる。いまのいままでおんぶでだっこの王子兄弟の末路なぞ、俺には関係ない。ライマはいままでその男に支えられていたのだからな」
その中で、まだセレナ達に迫るため、アスベルとクロエが向かってくるが、剣で防ぎ、それでもあざ笑う。
「何も決められない王子、分かり切っているのに諦めた王子。そんな者だけになれば、勝手に壊れる。それが、ライマの決まった運命だッ」
剣で二人を吹き飛ばしたとき、その剣が飛んだとき、それを掴む者達がいた。
「ゴミ屑がッ、まだ抗うか!!」
「うるっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
二人の猛攻を、片腕でさばき、逆に攻撃を加える剣士だが、それでも、
「お前になにが分かるッ、俺だって、俺だってアッシュが王にふさわしいのが、ナタリアにはアッシュがいいなのはわかってるッ。けど、どうすればいいんだッ」
「それをなぜいま口にする!! 己の真意を分かっていながら、なぜあらがおうとしないッ。助けを求め、手を伸ばし、悩み、選ぼうとしなかったッ」
剣をはじきながら、ルークを牽制している。そこにアッシュが割り込んでくる。
「貴様も貴様だ。王の資格を持ちながら、弟を苦しめている自覚がありながら、なにより、愛する者を苦しめていると知りながら、なぜ行動しない」
「貴様のような者に知る必要はないッ」
「語らぬか、愚か者よ。なら語ってやろう、それは兄の安否を気にしているのだろう」
「黙れッ」
弟であるアッシュの発言が強まれば、ルークの立場が悪くなる。下手をすれば内乱の恐れが起きる。
それがあるため、ルークの影になることを選んだアッシュ。
それを剣士はあざ笑うように砕く。
「愚かな兄弟愛だ………なあ、資格無き弟くん?」
「アッシュ………お前」
「愚か、実に愚かだッ。だからこそお前達は何も得られず、全てを失う。ならば、いまここで刈り取るッ」
「黙れッ」
ルークとアッシュの連携に、剣士は静かに叫ぶ。
「貴様達は分かっていないッ、その選択、その先にある未来に、希望も、夢も、愛も、優しさも無い。己の自己満足がために、多くの者からそれらを奪うというのならッ」
剣士は剣を強く握りしめ、
「いまここで散れッ」
「散らないッ」
「俺達にはまだ」
「「やるべきことがあるんだッ」」
二人の身体が光る、これはオーバーリミッツ。だが、
「バカが!? 師の後を追わせてやろう………」
構えるのは、先のカウンターの構え、だが二人はやめない。
「二人ともッ」
「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
『レイディアント・ハウル!!!』
『絞牙鳴衝斬ッ!!』
『カウンター・エンド!!!』
光の奔流が二つを受け止め、剣で飲み込み、返そうとする剣士。
「ただの思いだけでッ、ヒトが、命が、人生が救えられるかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「それでもッ」
「止まってられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
三人の攻防の中で、カノンノとセレナの胸が痛くなる。
(なんで………)
(なんでこんなに………)
剣士が受け止めきれないほどの奔流に飲み込まれかけるが、それでも、
「………なにができる」
「「!!?」」
「ただの思いだけで何が出来るッ」
全身の隙間から血が噴き出す中、それでも剣士は叫ぶ。
「ただ救いたい?」
それは飲まれかけた剣を止めた。
「ただ助けたい?」
それは押し返し始めた。
「ただ守りたい?」
それは、叫んだ。
「ならなんであの家族は救われなかったッ!!!!!」
それは剣士の………
「「………リュウ」」
ディセンダーと、一人の少女が呟く言葉すらかき消すように、奔流は強まる。
「認めない………認めないッ、認められるか!!! 思いだけの者に、認められるかアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
そして三人の剣が砕け散り………
三人は光の奔流に飲み込まれた………
だけどその時、
私達は見た。
彼が………
とても辛く、苦しんでいる顔を………
………
それでも彼は………
飲み込まれる一瞬で、二人を吹き飛ばし………
彼だけが全てのダメージを負って、その場に立っている。
目から流れる血は、泣いてるとしか思えないものだった………
なにもできない………
『お父さん………なんで? なんでなの………』
あの子の声が聞こえている。
『ごめん………弱くて、何も出来なくて………』
聞こえてるのに、後悔だって、何もかも聞こえているのに、
『アァァァァァァァァァァァァァァァァァ』
聞こえてるのに、何も出来ない。
そう、それが俺と言う存在。結局傷付けるしかできない………それが、俺だった………