テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か? 作:にゃはっふー
依頼帰り、セレナとカノンノはふうと疲れたように息を吐く。
「どうしたあれくらい? ただの採取だろ」
「ううっ、そうだけど・・・」
「虫いっぱいだったの、もうこの依頼無理・・・」
そう言う、今回は森で採取だったが、女子はその、嫌いな虫ナンバー1が現れた瞬間に、この二人は魔法を乱射した。
やりすぎだろと思われるが、数が数で、これを聞いた女子組が全員戦慄する。
結果、余計な手間暇をかけて、採取する。
「ご苦労様、カノンノとセレナはしばらく休んでいいわよ」
「はーい」
「うん・・・」
「ったく・・・俺は一眠りするから、手が足りなきゃ起こしてくれリーダー」
「分かったわ♪」
どうも最近、女子組の虫に対する反応が酷い。サンプルの虫が来て以来こうだ。ため息混じりに、その辺のソファで眠っていると・・・
「マルタ、援護魔法。その後トドメ刺す」
「OKっ『フォトン』」
光に包まれた魔物に対して、斬撃で切り伏せる。
鉱山地帯の洞窟、この先に、現在依頼主が探しているものがあるらしい。
「病気を治す存在ね、ともかくファラ。もういいぞ」
「うん、二人ともごめんね、任せっきりで」
「すいません・・・ごほっ」
元の世界では肺か何かの病気か、医者もさじを投げたいま、彼はその存在に全てをかけて、危険な道を進んでいる。
「気にするな、ファラは取り逃しの魔物から依頼主守りっての、マルタは魔法援護で倒しっての、俺が前で全部斬る。背後の警戒第一な」
「うん、了解っ♪」
マルタと協力して大分先に進む中、マルタは少しだけ残念がる。
「ううっ、リュウがエミルなら嬉しいのに・・・」
「背後っ」
「あっ」
背後からの蝙蝠型の魔物に小石を投げつけ、剣撃で倒す。
ごめんと申し訳なさそうにするが、
「いまのがエミルなら~」
「反省しろ・・・」
そんな様子を見ながら、険しい顔で奧を睨む。
残念がっていたマルタはその様子に、
「ど、どうしたの?」
「・・・先に進むぞ」
ゴーレムと言う種類や狼型の魔物が、大勢うろうろしている。岩陰に隠れながら、マルタは青ざめ、ファラは心配そうに見る。
「これは、きついかな?」
「うん、私やリュウだけじゃ、ジョアンさんを守りながらは」
「で、ですが、この先なんです、このさ・・・あれ?」
「ん? って、リュウ?」
「ちっ」
軽く舌打ちした後、別の場所で息を吸い、大声を出す。一斉に魔物達がそちらを見て、岩陰の二人もびっくりして見る。
「いいから先に連れてけっ、依頼主の安全第一にしろっ」
「ちょ、リュウ!?」
マルタの制止も無視して、音などを立てながら、奧へと誘い込む。
それを見たファラはもうと文句を言うが、依頼主を守れと言うリュウの意志をくみ取り、彼を連れて行く。
「おっら!!」
【キキッ】
蝙蝠を蹴り飛ばし、なるべく地形を把握して、最小の動きで戦う。
避けるのは得意だ、分かる。
殺すと言う明確な意志、それは避けやすく、わかりやすい。
「ハッ」
狭い道、壁を背にしたのは痛いが、対処しやすくなる。
数は圧倒的に多い中、それでも、傷を負っても、なお、問題ないと笑みを浮かべる。
少し思い出す、前の世界、そう、
『アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ』
「・・・ちげぇ」
思い出す記憶が違うと、首を振る。
思い出すのは、愚かな者達。
騙して金儲けしている奴を騙したり、人を騙している奴を騙したりを繰り返す。
手は汚してない、罪も犯してない。誰も俺を裁けない。
誰も、俺を悪として裁けない世界。
「・・・あっはは・・・」
あの時の優越、やっと解放された苛立ちを思い出す。
途端、顔が歪む。
「アッハハハハハハハハッ」
けしてあの子の泣き声を忘れるためではない。
けしてあの子の叫びを思い出したくないわけではない。
俺は、
「オッラァァァァァァァァァァァ」
剣から黒い斬撃が放たれる様子を見て、感覚が確信する。
撃てる。
「『
黒い魔神剣がゴーレムを吹き飛ばし、そのまま駆け出す。
「『サイクロン』」
風が舞い上がり、敵を一集めする一太刀。まるで風の刃が放たれるが、魔術を使えたことに驚く。
だがいまはいい、
「消えろッ『サンダーブレード』ッ!!」
まとまった魔物達に雷の剣が振り下ろされ、一掃する。
剣を振り回し、鞘にしまい、静かに静寂に身を置く。
「・・・静かだ」
だが、
『アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ』
「・・・違う・・・俺は、俺は」
しばらくして別れた場所で待つと、元気なジョアンさんがいて、二人は顔を青ざめていた。
何かあったのかと思いつつ、ともかく一度、拠点、飛行船バンエルティア号へと帰還して、全ての話を聞く。
「赤い霧が治した、ね・・・」
難しい顔をするアンジュ。アニーはジョアンさんが健康体であると診断結果も出していて、いまは村に帰っている。
どうもこれで二人目と、カノンノやセレナから包帯や治癒術を受けながら話し合う。
「これはまずくないか? 正直何も分からないのに治るっての、魔法もそうだが、俺は気味が悪いと思うぜ?」
「貴方にとってそうなの?」
「俺は気にも止めないが、常識的一般人は、魔術師が怪物に見えるかもな、俺の世界の奴」
それを聞いて、周りも難しい顔になる。
アンジュは依頼の束を見て、ため息をつく。
「それは?」
「赤い霧に会わせて欲しいって依頼よ、ウチが一番手だから、多く来てるの」
「それはまずいだろ」
「ええ、安全かどうかも分からないのに、会わせられないわ」
そう話し合っていると、ういーすと言う声と共に、双剣士の男が現れる。
「アンジュはいるか~?」
「あらスパーダ君、よかった、人手が欲しいところだったの」
「団員か?」
「ええ、他にもいるんだけど」
「リカルドのおっさんなら別件が終わり次第に顔出すとさ、それより、赤い霧の情報だぜ」
どうもスパーダ達が調べた結果、赤い霧は、出会った人によって姿があるようである。それに全員がより困惑する。
「花や虫、魚・・・段階は分かるか?」
「あぁ? んなこと知ってどうするんだ?」
「睨むな、別に変化に規則性があれば何か分かると思っただけだ。後で学者組に伝えてくれ」
「あーそれもそうか、それと、赤い霧の話だが、まずいことに『病気が治る』から、『何でも願いが叶う』になってるぜ」
「!」
その場にいた全員が驚愕した時、悲鳴が船内に轟く。
「なんだ!?」
「リュウ、研究室っ、ウィルの声!!」
「ウィルさん!?」
全員が研究室に来ると、ガラスかごを持ち、わなわなと震えるウィル。
それに女子組が引き、リュウは渋々、
「まさか」
「ああ、コクヨウ玉虫が、逃げ出したぁぁぁぁぁぁぁ」
『いっやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
セレナとマルタ、ファラも慣れていないため悲鳴を上げ、カノンノも悲鳴こそ出さないが、やはりいやらしく、顔を歪めている。
だが、
「おっ、おいっ、貴重な生物のうえ、赤い霧のサンプルだぞっ。んなもんこの面々のような奴がいる船内にうろついてるのか!?」
「まずいわよっ、急いで探さないと」
平気なリタが叫び、大慌てで船内を探し出す。
「るっせぇぇぇぇぇぇ、女子組るっせぇぇぇぇぇぇぇ」
「き、気持ち分かるけど声に出さない方がいいよ」
リュウの言葉に、ルカが慌てているが、そう言う意味でないので睨む。
意味もなく誤るルカは無視して、虫を探す。
本当にアレが出た瞬間、船内が爆発したが、なんとか捕獲した。
「船内破壊したの誰だ?」
「オッサンが黒こげだな・・・」
レイヴンの犠牲を無駄にしないため、玉虫はかごに移すのだが、
「・・・これは」
それから、感情が消えていた。
そしてその姿は、鉱石のように姿を変貌させている。
「生物としてあるべき部分がかけてるわね・・・」
ハロルドはそう言いながら、学者組はそれを見る。
しばらく観察する中で、カノンノとセレナは気づく。一番難しい顔をしている、リュウがいるのに、
「どうしたの?」
「カノンノ・・・いや、少し、な」
「?」
「心配するなセレナ」
だが、その以降、リュウは周知機嫌が悪く、いつも難しい顔をしていた。
カノンノがスケッチの話、セレナが歌などの際は、気を許してくれるのだが、他はダメだと、全員が頭を痛めていた。
いまもまた、甲板で寝っ転がり、静かにしている。
「・・・・・・・・・来たか」
声を聞き、すぐに下りる。
依頼口、アンジュが難しい顔をして、頭を下げている老人がいた。
「アンジュ依頼か?」
「リュウ? ええ、少し」
「・・・魔物をどうとか言う依頼か?」
「!? え、ええ・・・」
依頼内容は、捕獲した魔物を、砂漠のオアシスへ捨てる依頼。それを聞き、老人を見る。
何故かリュウの目を見て、顔を背け、静かに依頼票を持つ。
「アンジュ、この依頼受ける」
「ん~貴方がそう言うのなら・・・」
「・・・ありがとうございます」
「別に、気にするな」
アンジュは少しだけリュウを見る。いつもの変わらず、彼女は見るが、どこか、なにかが、いつもの彼から感じない。
苛立ち、殺意、そんなものを、少し感じる。
(セレナ・・・ううん、クレス君も呼ばないと・・・)
その時、アンジュを見ずに歩き、準備するリュウ。
(・・・アンジュは俺を信じていない)
そう感じ取りながら、メンバーの誰が自身に警戒するか、それは話を聞いて、付いてこようとすれば分かる。
「ハッ、全く・・・この体質は本当に役に立つ」
歪む顔は、笑っているように見える。
だが、ある者が見れば、悲しそうに見えたやも知れない、笑みであった・・・
レイヴンは犠牲になった。
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