親馬鹿な加賀さんが着任しちゃいました   作:銀色銀杏

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えー、お久し振りです皆様。銀色銀杏です。
今更どの面下げて帰って来たんだコノヤローと言う方には申し訳ないです、体調管理が行き届いてませんでした。

……ここまでいいですよね?正式で誠心誠意の謝罪は活動報告でしましたからね?

そして大変言いにくいことなのですが…………来週、定期テストがあるので休載します。
「またかよ」、そう思った人。貴方は間違っていない。
本当に申し訳ないです…………



謝罪はここまで!では本編をどぞ~


やっと設定の「???」を出せた…………
エピローグです!



二十三、フェイク・ユートピア

日本領海内、沖ノ鳥島付近

 

ここにはかつて日本最南端である沖ノ鳥島とそれを監視する観測所があった、そう「かつて」は。

それも今は昔の話、既に観測所は廃墟となっており、沖ノ鳥島は辛うじてその先端を出しているのみだった。とは言っても人間のいない場所に深海棲艦は用はなく、無視されている。

 

「ク……クククッ、ククククククッ!」

 

そこに深海棲艦が一隻、ボロキレのような姿でやってきていた。艤装は大破し轟沈寸前、体も所々深手を負っている。

それでも尚身体から発するその迫力は姫と呼ばれるに相応しく、随伴艦を一隻も連れて居ないのも関係ないように思える。

しかしその迫力は相手を圧迫するものよりも、相手を呪うような物になっていた。

 

「コレデェ、コレデアノ方モオ喜ビニナル!」

 

誰も見ていない海、それでも彼女はまるで多くの観客に見守られているかのように振る舞う。

 

「今頃ハ皆殺シニサレテイルハズ……フフフッ、脳ガ、脳ガ震エルゥ!!」

 

最早その瞳に仲間を率いた知性は宿されておらず、ただ狂気によって彼女は突き動かされていた。

ひたすらに高笑いを上げた後、再び進み始める戦艦棲姫。

 

「今ハ引イテアゲル、デモ私ハ必ズ帰ッテクル!アノ方ニコノ海ヲ全テ捧ゲルマデ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、テメェに次何てねーよ。」

「!?」

 

突然聞こえる声、当然周りには誰一人としていない。辺りを入念に見渡してみても声の発信源のようなものは確認できない、それどころか物陰すら見当たらない大海原だ。

ならば、空耳か。

きっと疲れたのだろう、体もこんな状態だし、一度本拠地に帰還して報告を終えたら休もう。そう戦艦棲姫は思って踵を返そうとし―――――

 

 

 

「つれないな、悪いがもう少し付き合ってもらうぞ。」

 

再び聞こえた声に今度は躊躇なく活きている砲を辺り一帯に向けて放つ、声がして即座に放たれた砲撃は声がした辺り一帯を薙ぎ払った。

それでも死体やスピーカーの類は浮かんでこない、ならば一体どこから?その時自分の電探で捉えた反応が一つ、高速で此方に迫ってきている。

そしてその反応は戦艦棲姫に迫っていき、突然消えた。まるで蒸発したかのように、こつ然と。

本来掻かないはずの脂汗が自身の背中にじっとりとする気配を肌で感じながら、必死に辺りを見回す、先ほどよりも念入りに、目を皿のようにして。

 

やがて気づく、消えたのではない。重なっているのだ、自分の反応に。

 

それの意味するところは――――

 

「上カ!」

 

勢い良く上を見上げた彼女の目に写ったのはなんの変鉄もない青空、考え過ぎたか?ならどこに――

 

「下だ」

 

その疑問に答えるように海面から出てきた人物は浮上した勢いのままに戦艦棲姫の顎を殴り飛ばす、戦艦棲姫は人形であるためその衝撃には耐えられない。直ぐ様浮いてしまった体勢を立て直し、距離を取った。

 

「貴方、ナニモノ?」

「別に、通りすがりの偽善者(せいぎのみかた)さ」

 

出てきたのは白い外套を纏った者、顔は出ているが覚えはない。

対峙するその者は果たして、戦艦棲姫の気配に圧倒されることもなく、飄々とした調子で話続けていた。

 

「…………」

「戯れ言はここまで、少し付き合ってもらおうか。」

「断ったら、どうすr――」

「答えは聞いてない、強制だ。」

 

相手が誰か解らない以上迂闊に手は出せない、だがそこでふと戦艦棲姫は気付く、声が男であることに。つまり、それの意味する所は――

 

「貴様、艦娘デハナイナ。」

「それがどうした?」

「ナラバ、死ネェ!」

 

此処で艦娘に会ってしまえば終わりだ、しかし相手が男ならば話は別だ。何故水面上に立っていられるかは疑問であるがそれはこの際関係ない、さっさと捻り潰す。

そうして彼女は手を伸ばして、謎の男を掴もうとして――

 

 

「アレ?」

 

次の瞬間、すっとんきょうな声をだす。

状況が理解出来ない、今自分はこの男の首をつかんで絞め殺そうとしたはず。それが、それが何故――

 

 

“腕がなくなっている?”

 

 

無理もない、自分の気付かぬ内に、それこそ痛みさえも感じずに腕が、それも両方無くなっているなど理解しろと言うのが無理だ。

 

「ナッ――ギャッ!?腕ガァ!腕ガァァァ!!」

「うるせぇな、少しだまらせろ。」

「ナニヲ……ヒッ!?」

 

最早理解が追い付かない戦艦棲姫の首もとに寄せられたのは錨、それの丁度棘の部分。無論、刺されば死ぬ。

そしてその錨を首に着けたのは今まで一切の気配を感じさせなかった第三者、此方は同じく白い外套を纏うが、顔は見えない。

 

「ナニ……モノ……?」

「…………アラヤット」

 

その者は小さくそう名乗ると、直ぐ様押し黙った。

それを確認すると、男は静かに話し出す。

 

「どうだい、敗軍の将になった気分は?」

「クククッ……ソレヲ聞クトイウコトハ、サテハ人間ノ頭ダナ?」

「流石、だな。」

 

戦艦棲姫は自然と笑い始める、今からこの男の絶望の顔が見られると思うと。

 

「ワザワザ頭自ラデムカエトハナ……イイコトヲ教エテヤル、今頃貴様ラノ――」

「鎌倉を襲撃した部隊なら、さっき消えたぞ。文字通り、な。」

「ナ……」

 

今、こいつはなんと言った?消えた?そんな馬鹿な、アレだけの数をそんな簡単に出来るはずがない。

さも当然のように答えた男は、それよりも、と言って訪ねる。

 

「聞きたいことがある、拒否権は無しだ。」

「貴様ニ答エルコトナド!」

 

間髪入れずに答える戦艦棲姫、だがそれと同じくらい間髪入れずに男は問うた。

 

 

 

 

 

「“角なし”、これに心当たりはあるか?」

「…………」

「アラヤット、やれ」

「ゴガッ!?ナ、ナンダコレハ――――ギ、ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

 

男がアラヤットとやらに命じた瞬間、戦艦棲姫の中に黒い物体が流し込まれる。

次の瞬間、身体が悲鳴を上げた。本来痛みを余り感じない深海棲艦がここまで悶え苦しむとは、人間が飲んだら恐らく即死、いや触れただけでも命の危険がある。

その名は「対深海棲艦用内部融解液(比叡カレー)」。

 

「中が少しばかり溶けたが、まだ喋れるだろう?」

「人間ドモニ……白状スル情報ナド……」

「原液を流し込め」

「ゴボッ!?#&&**#○#**◎●&@@◇◎@@◇◆◆〒〒@@*▽〓●▽▲▲▽◎◇◇*●!!??」

 

最早声にもならない声を上げる戦艦棲姫、およそコップ一杯ほど流し込んだあとに再度訪ねる。

 

「言うか?」

「ィゥ……」

「のどにだけ高速修復剤をやれ」

「グフッ、ハァ……ハァ……」

 

内臓は恐らく全て溶け、あと少しすれば身体が内側から溶け始める。もう放っていても死ぬであろうその身体に少しの高速修復剤がかけられる、これで辛うじてではあるが会話が成立する。

 

「アノ、オ方ハ、真ニ、海ヲ、統ベルオ人。」

「そんな安っぽい事を聞いたんじゃない、何処にいる?」

「シルカ、イッカイノ、統括デアル、私ナンゾ、ガ、シル、コト、ナ、ド………」

「おい……?おい、おいっ!」

 

提督が異変に気がついた時には遅く、もう戦艦棲姫は事切れていた。

ただ、その表情は後悔や憤怒にまみれた物ではなく、寧ろ残虐に笑っていた。

 

「…………結局、わからずじまい。」

「いやアラヤット、そうでもねぇ。」

「?」

「仮にも艦娘の本拠地近海の司令を勤めていたコイツでも知らない、と言うことはそれなりの重要人物だ。」

「……………………」

 

押し黙るアラヤット、言外に「希望的観測だ」と言っている。まぁ実際の所はそうである、今まで深海棲艦が組織だって行動していると言うこと自体が有り得ないのだ。

もしそんなことが知れたら大変な事になる、深海棲艦が単に憎悪のみで動く獣のような存在から、悪意を持って人を侵略する生命体へとなるのだ。

そうなればもう手段を選んでいられなくなる、恐怖にかられた各国はこぞって核という最終兵器を使用。どっかの暗殺拳法の世界のように、世界は核に包まれて崩壊するだろう。

 

「もう、こんなこと…………」

「なら、降りてもいいんだぜ?むしろ頼んでもいないのに、ここまで付き合ってくれたことに感謝だ。」

「………………ずるい、そんなこと言われたら……」

 

アラヤットは男――提督に抱きつく、そして絞り出すようにそう言った。

それを見て提督は顔を伏せる、そこに少しの謝罪と感謝を込めて。

 

(待ってろ「角なし」、アイツと***の恨みを……)

「……………思い知りやがれ。」

 

そう言って顔を上げた提督の表情は、修羅の如く何者をも恐れない覚悟であった。普段ならば絶対に見せない、復讐の鬼の顔。

が、それも一瞬。

 

「帰るか、流石にこれ以上は大淀も誤魔化せん。」

「……………うん」

「付き合ってくれてあんがとな、い―アラヤット。」

 

いつもの顔に戻ると、提督は優しくそういった。

 

「帰るぞ」

「はい」

 

そういって踵を返す提督の脳裏には明石とのやり取りがよぎる、ここに来る前の短いやり取りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分前 横須賀鎮守府地下

 

 

 

 

『提督、球磨が鹵獲したという戦艦レ級についてですが……』

『殺せ』

『……お言葉ですが、情報源として活用できるのでは?すぐに殺すと言うのは聊か早計かと』

『深海棲艦はすべて殺す、一片の慈悲も無く』

 

提督は考えを改めなかった、頑なに。たとえ明石の進言だとしても彼は深海棲艦を深く恨んでいる、表に出していないだけであって事実、彼は鹵獲などを一切行わず皆殺しにしている。

 

『待つクマ』

『……すまんが球磨、お前の頼みでもそれは聞けんぞ』

『奴は深海棲艦に何の未練もないクマ、ただ強さを求め続けた球磨の同類クマ』

『だが――――――』

 

これは決定事項だ、と続けようとしていた所に明石が割って入った。

 

『提督』

『何だ、お前が頼んでも――――』

『その深海棲艦の身柄、私に預けてもらえないでしょうか?』

『駄目だと言っている』

『彼女で実験をすれば、提督の望む研究の成果と成功率は格段に上がるかと』

『…………』

 

 

黙る提督、今彼の頭の中では感情と理性が天秤に掛けられていた。そこへ球磨が追撃をかける、提督の精神の大部分を占めることを言った。

 

『私の目的もあるクマが、提督自身の目的もこれなら達成できる。一石二鳥クマ。』

『俺の目的、か』

『クマ、扶桑――いや、提督から聞いたクマ。提督はいつもこう話していたって、それは――――――』

 

続いて出てきた言葉に思わず苦笑する提督、それはこのやり取りの中で初めて本心から見せた笑みであった。

 

『……明石、成果は出せよ』

『はっ!必ず』

『んじゃ、行ってくる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督は今一度、球磨に言われた言葉を反芻した。

 

「艦娘の楽園、ユートピア。まさかそんな昔の言葉を覚えているなんてな」

「……でも、偽物だった」

「ああ、そうだ。俺が守ろうとしていたのは偽りの楽園、言うなれば『フェイク・ユートピア』か」

 

アラヤットの言葉に賛同した提督は、懐かしむような顔をしていた。そして少し言葉を切った提督はそれでも、と続けて言った。

 

「俺は今目の前にあるものがフェイクだったとしても、それを守り続ける」

「どうして?」

「偽物が本物に劣るとは限らない、からな」

「………フフフッ」

 

潮風を一身に浴びながら、提督とアラヤットの反応は次の瞬間にはレーダーから消失していた。勿論、視界的にも。

この一連の単独行動を知っている者は、当事者たち以外では数えるほどしかいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって(?)横須賀鎮守府

 

既に最終決戦が終わってから早三時間、東京湾全域に広がっていた艦娘達も続々と戻って来ているのだが……

 

「…………なぁにこれぇ?」

「うわ~こりやまた派手に……」

 

瑞鶴達がまず目にしたのはほぼ更地となった鎮守府、港もかなりの損傷があり、かなり激戦だったことが伺えるがまさかこれ程とは。

だが続けて目にした光景に瑞鶴達は更に言葉を失う。

 

「うっそ……」

「……………マジで?」

 

そこに有ったのは艦娘寮、しかも周りがやけ野原にも関わらず全くの無傷。

と、そこに

 

「ふっふっふっ…………!」

「あ、明石さん!?」

「我が横須賀の技術力はぁ!世界一ィィィィィ!!」

 

と、何処かの軍人のような台詞を言いながら出てきたのは明石。聞けば何やらバリアで艦娘寮を守っていたらしい、どうやって作ったのかはついぞ聞かせてくれなかったが。

 

「おーい瑞鶴、ちょっと来い」

「提督!?なんでこんなところに?」

「戦闘結果の報告だ、秘書艦のお前も来てくれ」

 

と、つれてこられたのは仮設テントの中。中には既に加賀と扶桑と大淀が来ていた、本来の執務室はもうないので使えないのは仕方ないが、それでも五人も入ると手狭だ。

 

「まずは人的被害、加賀」

「はい、大破艦二十五、中破艦四十、小破艦百二、轟沈艦ゼロ。お見事です」

 

加賀が珍しく手放しで褒めている、当然だ。このレベルで轟沈艦を出さないということができるのは相当に優れた者のみ、提督はそれを聞いて安堵の表情を浮かべた。

 

「被害がなくて何より、次は建物の被害を扶桑」

「ええ、まず横須賀鎮守府は艦娘寮以外は全滅。ただデータは無事よ。それと民間の建造物及び公共物の損害は予想よりも大分少ないけど……それでもかなり出たわ。」

「最後に資源、大淀」

「はい、単刀直入に言うと…………横須賀、呉の鎮守府全ての資源が底をつきました」

 

それを聞いた瞬間、提督と扶桑が崩れ落ちた。

 

「わかってはいたが……キツイな」

「もうオリョクルは勘弁して……光のない眼をした潜水艦はこれ以上見たくないわ」

 

資源は毎週大本営から一定量が送られてくるのだ、その中には定期任務達成分も含まれている為、それなりに量はある。が、提督たちの資源最大保有量が三十万に対して定期分は僅か五千。

足りない、圧倒的に。単純計算で約六十週間、約一年分なのだ。

そして大淀の申し訳なさそうな声と同時に、更に追撃が襲いかかる。

 

「大変申し上げ難いのですが…………今回の建造物の修繕は此方の資源を使用するようにと大本営から……」

「それって、つまり……」

「はい、搬入された物はそのまま修繕に」

 

( ^∀^)( ^∀^) 終わった……

 

提督と扶桑が死んでいる中で、瑞鶴が素朴な疑問を口にする。

 

「と、言うより私達が活動できなくなるって大丈夫なの?」

「その点はご安心を、海田大将から大規模演習に参加した艦隊が丸々防衛に回るようです。」

「なるほど、それより資源だけど……」

「遠征をフル活用、オリョクルもするが先輩にも定期資源の搬入量を増加してもらう。」

「そうね、今回は首都防衛に排他的経済水域の開放までついてきた。ある程度の融通が利くはず、いや利かせるわ。」

「あ、生き返った。」

 

即座に打開策を提示する二人、だがまたしても横槍が入る。今度は加賀からだ。

 

「それなんだけど、ウチの各艦種の筆頭艦娘が休暇願を出してる。」

「マジで!?」

 

筆頭艦娘、それは人数が多い鎮守府でとられる手段。それぞれの艦種ごとにリーダー艦を設置、細かい指導などをさせるという物。

筆頭艦娘に選ばれるのはその艦種でトップクラスの実力者、それが軒並み休むと言うことは……

 

「あー、完全に機能停止だなこりゃ。」

「どうするの?」

「明石からここの修繕にどれくらいかかるか聞いているか?」

「最短で二ヶ月、遅くても二ヶ月半で。」

「うっし、ならアレだな。扶桑、ちょっと耳貸せ」

「…………そうね、仕方がないわ。そうするのが一番ね」

「?」

 

提督と扶桑以外にその意味はわからず、三人はただ首を傾げた。

そして会議終了後、鎮守府に待機していた艦娘全てに収集がかけられる。

彼女達は最早瓦礫の山となった鎮守府本館の前に整列していた、そこへ提督が登場。

 

「えー、とりあえず……有難う!皆死なずに帰って来てくれて本当に嬉しい、お疲れ様!」

 

提督はメガホンを使って話しており、声が届くのだが如何せん踏み台がないので逆に声しか聞こえない。

 

「さて、皆疲れているから率直に言おう。皆には重大発表がある、それは…………」

 

ざわ……ざわ……ざわ……ざわ……と、ざわつき始める艦娘達。鬱陶しいほど溜めた提督は満を持して、言葉を発する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただ今から二ヶ月間、全員に休暇を言い渡す!!」

 

 

 

……………………………

 

 

 

「「「「えええええええええ!?!?!?」」」」

 

突然の発表に驚く艦娘達、そんなとき

 

「一体どういうことよ……」

「あ、そうだ瑞鶴。」

 

いきなり名指しで呼ばれてギクリとする瑞鶴、どうしよう、何故か物凄く嫌な予感がする。

 

「お前、高校行ってこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」

 

先程の倍に達する絶叫と共に、驚きを瑞鶴は感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やあ、少し良いかい?

 

ん?僕は誰かって?そんな些細な事は気にしないでくれ、そんなことより……

 

 

 

 

 

 

話をしよう

 

 

 

アレは何時だったか?今から五年、いや六年か?

 

まぁいい

 

あの事件は幾つも名前で呼ばれていたが……たしか一番有名なのはたしか…………そうだ、

 

「ラバウルの悲劇」

 

あの事件は悲惨だった、何人もの艦娘が犠牲になった。だが今でも原因は不明、公式では深海棲艦の奇襲だと報じられているけど。

 

え?そんなことが何で今出てくるのかって?

 

なんとなくだよ、なんとなく。

 

瑞鶴だって突然高校に行けなんて大変だな~僕だったらすぐに逃げるね。

 

?、だからそれとこれと何の関係があるのかって?

 

だから、なんとなくだよ。まぁ、記憶の片隅に止めて置いてくれればいい。

 

皆が覚えているだけで、幸せだろうから。

 

 

 

たとえ皆が忘れても僕だけは忘れない、あの光景を。

 

…………そろそろ時間だ、付き合ってもらって悪かったね。

 

じゃあまた、いずれ何処かで。

 

 

 

 

 

次章

 

「フレートガールズ・パニック」

 

 

 

一見関係のない事でも、全ては繋がっている。

 

高校に行くことになった瑞鶴

かつての悲劇、過ち

 

はたしてこれらにも当てはまるのか?

 

 

 

次回

 

「瑞鶴、高校入るってよ」

 

お楽しみに!




テスト怖い…………

因みに次回からここは「突撃!艦娘の休日!」をお送りします、お楽しみに!

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