(後ろを振り返る)
つみプラ「、、、」
ポケモン(ムーン)「、、、」
アニメの録画「、、、」
(´Д`)
駄目だこりゃ、、、
side加賀
瑞鶴から廊下の角まで残り十メートル
マズイ、このままではバレる!そう思った私はすぐに退避ルートを構築する。天井の通風口、、、はダメだ、ジャンプしても届くかわからないし大きな音が出る。ならば十字路であることを利用して何かしらで気を引いた隙に反対側へ行くか、、何かしらってなんだ!何もない!詰んだ、という言葉が頭の中で響く。いよいよ壁をぶち破るか、、、と思っていた私に奇跡が起きた。
瑞鶴が廊下の角まで残り五メートル
「ふぁぁ~良く寝た~さあ今日も鎮守府の事件を取材です!、、、って誰?」
向かって右側の扉が開き、中から艦娘が出てきた。顔も名前も知らない艦娘と目が合う。
瑞鶴から廊下の角まで残り三メートル
「んぎゃぁ!何をす――ムゴォ!」
一か八かだ、私は有無を言わさずに口を押さえつけて部屋へ転がり込む!
瑞鶴から廊下の角まで残り一メートル
そのまま扉を閉めて鍵もかける。
バタン!!
「あれ、大和さん何か物音が聞こえませんでしたか?」
「まさか~気のせいですよ~」
ツカツカツカ、、、、、、、
「だから何をするんd―――」
「少し黙って、うるさい。」
「はいぃぃ、、、」
どうやら行ったか、一安心だ。どうやら最悪の事態は免れたようだ、そこで私はこの部屋の住人である者を見る。彼女はさっきの私の声を聞いてから、怯えた目でこちらを見ている。
「ごめんなさい、どうやら驚かしてしまったようね。名前は?」
「は、はい。青葉型一番艦、重巡洋艦の青葉です。しかし貴方は、、?見たところ民間人のようですがここまで入ってこれるわけがありませんし、それにさっき一瞬みせたあの圧迫感は、、、?」
娘が鎮守府内を回っているとわかったいま、グズグズ事情を説明している暇はない。私は詳しい事情は提督に聞いてくれと言い、その場を後にした。思いがけず私の秘密を知る者が一人増えてしまったがそれはこの際仕方ない、今優先すべきは娘が私より先に金剛に会いその金剛が余計なことを喋らないようにしなければ、、、!そうと決まれば急がないと。確か娘が向かったのは逆方向、しかし何があるかわからない、急ごう。
数分後、私は金剛の部屋の前にいた、またもノックをする。
「Hey!少し待つネ~!」
そういって出てきた金剛はやはり提督からある程度の話は聞いていたのか、驚きながらも私の話を聞いてくれた。その他にも他愛ない話をしたり私は久しぶりにあった友人との会話を楽しんでいた。
「つまり、加賀が瑞鶴の母親だという事をsecretにすればいいんですネ?」
「ええ、お願いするわ。」
「しかし加賀のdaughterデスカ~、どんな子なんですかネ~」
と、その時。
「へぇ~ここがあの、、」
「ええ、金剛型高速戦艦一番艦の金剛さんの部屋です、金剛さ~ん入りますよ~?」
「「!!!」」
まただ、神様は余程私の邪魔がしたいと見える。ここは狭い一人部屋、ベッドの下は幅が足らない、クローゼットの中は厚みが足りない。このままでは、、、、
(加賀!こっちデース!!)
(!!)
side瑞鶴
「どうゾー狭い部屋だけどネー。」
「いっいえ!そんな、、」
ここは金剛型高速戦艦、一番艦の金剛さんの部屋だ。工廠がいっぱいだったので、私は大和さんの案内で鎮守府内を回る中ここへ来た。中はこぢんまりとしていたが、可愛らしい部屋だった。ベッドに冷蔵庫、テレビもある!壁際には小さいながらもクローゼットもある。元々鎮守府内の寮は基本共同生活なので一人部屋を持つというだけで、かなりの精鋭であることが窺える。それもそのはず、ここの鎮守府に所属している金剛さんは今まで撃沈した深海棲艦の数は三百隻を超え、「金剛石の矛」と言われる超がつくほどのベテランだからだというのを大和さんに教えてもらった。
「凄い綺麗です!いいなぁ、、」
「そんなことないネ~///」
私も何時か一人部屋を持てたらなぁ~、と思いながら窓から景色を見ていると、、
『瑞鶴さん、建造の準備ができました。至急、工廠の第三ドックへ向かってください。』
「あ、、、」
「行きましょうか瑞鶴さん、金剛さんお邪魔しました。」
「そんなことないヨ~いつでもきてネ!!」
キィィィィ、、パタン
side加賀
「行ったみたいネー、もう出てきていいですヨ加賀。」
「ええ、そのようね、、、」
危なかった、、、そう思いながら私はでてくる。窓から。そう私は窓にずっとぶら下がっていたのだ、窓から横に飛び出ていた僅かなスペースへと足を乗せていた。幸運だったのは下を通る艦娘が誰もいなかったということだろう、流石に娘が窓を覗いた時はかなりひやひやしたがどうやらバレずに済んだようだ。
「助かったわ、ありがとう。」
「別にいいデース、それよりも加賀、ドックが空いたということは、、、、」
「ええ、私も時間のようね。」
今のアナウンスは実は私のドックも空いたということを意味している、つまり私も行く時間になったという訳だ。サポートしてくれたお礼を言い、部屋を出た。
金剛以外誰もいなくなった部屋に声が響く。
「あれが加賀のdaughterですカー、ふーん、、、」
その呟きを聞いた者は誰もいない。
数分後、私は工廠の近くの茂みに身を潜めていた。いや、わかっていた、「二度あることは三度ある」と言うし目的地も一緒なのだ、会わない訳がない。しかし、流石にこのタイミングはないだろう。何で工廠の前で説明を聞いているのか、中でやればいいだろう、しかも長いし、嫌がらせか!?
だが、呑気に説明が終わるのを待っている時間もない。何故なら私の建造予定時刻はもうとっくに過ぎているのだ。気を利かせて妖精さんが探し始めたらかなり厄介だ、つまり私は娘はもちろん妖精さんにも見つかるわけにはいかない。
「さて、どうしたものかしら、、、」
目下一番の目標は工廠内への潜入である、しかしその為には娘と大和を突破しなければならない。使えそうなものはないかあたりを見まわしてみた、するといいものが目に入った。これなら、、、!
「あっれー?どこやったっけ?」
「どうしたんすかー?天龍さん?」
「ああ望月か、遠征に使ったドラム缶を工廠に返さなくちゃならねぇんだけどよ、どっかいっちまってさ。」
「あれですか?」
「おお!ソレだソレ!あんがとな!」
ガラガラ、、、ゴトン
「うーん、こんなに重かったけか?まあいいや、報告報告っと、、」
バゴン!!
「悪かったわね、重くて、、、!」
怒りもそこそこ、あたりを見まわす。どうやら首尾よく工廠内に入れたようだ、ここまでくればこっちのもの、あとは一直線に通路を進めばつける。私のドックは一番奥だ、もうあと十メートルも無い、よし早く行こう。
しかし、そうは問屋が卸さない。
ギィィィ、、、
「ここがドックですか!」
「はい、ここで艦娘の建造や装備の開発、改修もやっているんです。」
またか、またなのか。いやもう一度言うがわかっていた、だがホントにこのタイミングは無いだろう!!どうする、ドアからここまでは三十メートル、道幅二メートル、天井の高さ同じく二メートル。とここまで考えて思いついた策が一つ、ここまでの必死の回避劇をぶっ壊すようなものだがこれしかない。
十秒後
「さあここですよ、瑞鶴さん。」
「は、はい!、、ってあれ?」
ヒュゥゥゥゥゥ、、、、
同時刻
「やっと着いた、、、」
私はドック内にいた、これでやっと安心できる。そう思った瞬間、体中から疲れが出てきた。数秒前、私が取った作戦は至極単純なものだ。ただ、窓から外へ出ただけである。工廠の窓から外へと出て、少し荒っぽいが自分のドックの窓を割って侵入した。しかし、これでやっと建造を受けられる、思えば艦娘だったのは十年以上前なのだ。光陰矢の如し、と言うが正にその通りである。また今日から艦娘としての日々が始まる、そう思うと興奮と共に不安も頭をかすめる。だが、思っていても始まらない、取り合えず建造を受けて訓練をし、それから考えよう。まだ娘の夢への物語はまだ始まってもいないのだから。そして私は数時間のレクチャーを受け、建造を受けた。薄れゆく意識の中、私は初めて建造を受ける娘のことを案じていた。
これは夢、なのだろうか?しかし少し違うようだ、この夢ともしれないものを見るのは二度目になる。大海原の中で奮闘する航空母艦を私はみていた、次々と発艦していく艦載機、それと同じくらい落ちていく戦闘機。その船は戦場を渡り歩き、敵艦が轟沈する瞬間そして自軍の艦が轟沈する瞬間を見てきた。
戦うための船として生みだされたそれらは、等しく海へと還る運命にある。それは今見ている航空母艦とて例外ではない、私が見ているうちに
そして私は、再び艦娘になった。
同時刻、side瑞鶴
ここはどこだろう、確か私は建造を受けて、、、そこまで考えた時私の耳に爆音が飛び込んできた。周りを見渡すと、、、、、、
そこは戦場だった。どこまでも続く海の上で戦っている船、私が見ているのは何なのだろうか?そうしている内に一隻、また一隻と船が沈む中、巧みに敵の攻撃を避けている航空母艦の姿が目に入る。少ない艦載機を飛ばして必死に攻撃をかいくぐっている、私はそれから目が離せなくなった。次々に落ちていく戦闘機それでも懸命に攻撃を避け続ける船だったが、
「あ、、、、」
敵の爆撃が直撃、直後にその船は進めなくなり段々と傾いていった。そして艦を放棄することが決まったのか飛行甲板に乗組員が集まり始めた、乗組員の退艦が進む間も傾斜は進みやがて完全に沈没した。だが―――
「そんな、、、ひどい、、」
それでも敵の爆撃は止まらなかった、退艦した乗組員も爆撃を受け海に散っていく、運よく他の艦に救助されてもその艦ごと沈んだ者もいて、結局生き残ったのはほんの少しだった。そして、不思議なことが起こった。海の底から小さな光が上ってきたのだ、そして海の底に沈んだあの船から一際大きな光が上ってきた。海から上がってきた小さな光は同じく上ってきた大きな光に集まっていき、こちらへ近づいてきて体の中に入っていった。
瞬間、私の中に「何か」が流れ込んできた、それは思いなのか、願いなのか、はたまたただの勘違いなのかはわからなかった。だがそれはとても暖かく安心できる心地よいモノだった。そして、その記憶、いや魂が流れ込んだ。その空母は仲間の空母が次々と沈むのを見ていく中その幸運故か最後に沈んだ。その空母は熱い乗組員を乗せていた、一航戦と比べられながらも懸命に戦った海の漢達を。その空母の名は――
「、、、、『瑞鶴』、これはアナタの記憶なの、、、、?」
答える者は誰もいない。そして辺りが輝き始め、それに合わせ私の体も輝き始めた。そしてその輝きが限界を超え、辺りを白一色に染め上げて―――
そして私は、艦娘になった。
数時間後、ドック内にて
「瑞鶴さん、建造おめでとうございます!」
私はその声で目を覚ました、時計を見てみるともう六時間も経過していた。建造を受ける前と身体はあまり変わらない、だが心にはあの光景、記憶そして魂が焼き付いている。あまり実感は無い、だが私はなったのだ、艦娘に!まずは提督に挨拶をして、そこから始まるのだ、私の夢が!
同時刻
side加賀
「久しぶりの艦娘の身体はどうですか、加賀さん?」
目が覚めたら隣に赤城さんがいた、どうやら無事に建造できたようだ。身体のあちこちを触ってみる、肌のツヤやハリも若いころに戻っている、鏡を見てみるとそこには若いころの私がいた。そして心の中にある空母「加賀」の記憶と魂、高揚感。
「いい気分よ、食堂に行って何か食べましょう。」
「いいんですか!?やったー!」
そんなやりとりをしているとあの頃の日々を思い出す、艦娘に再びなったのは娘を守るためだが、T督の言葉どおり少し楽しんでもいいかもしれない。私はそう思った。
この日、二人の艦娘が同時に建造された。この二人が進む水平線の向こうには何があるのか。
それはまだ誰も知らない、何せ物語は今始まったばかりなのだから。
艦娘親子の茶番、戦い。時々悲しみ、時々笑う。そんな日常の始まり始まり、、、
???「あれ、私の出番は?まぁいっか、まだまだ時間はあるしね。」
え~皆さんこんにちは、今回からここを任された大和です。
えっ?何で私が、、、ですか?えっと~それは~(汗)
提督「これから出番が暫く少ないからだろ~」
メシャァ、、、
後書きを任せられるなんて光栄です!大和、推して参ります!
とは言ったものの、今回はここまでみたいなのでこの辺でお開きとしましょう。
それでは皆さん良い日を~
提督「、、、大和ホテル」ボソッ
グシャァ、、、
おまけ(リアルに昨日あった)
作者「早く艦これの映画見に行きたいな~」
知人「見てきたよ~」
作者「ガチで!?」
知人「それで「あっやm」内容が~」
数分後
知人「どうだった~?」ゲス顔
作者「てめえの血は何色だぁぁぁ!!」
ネタバレされました、もう死にたい、、、
orz