魔法少女リリカルなのはvivid~過去と未来と現代の交差~   作:ガイル

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こんにちは、ガイルです。

この回を投稿したときは冬でした。

冬コミ行ってきました。

なのは本が全然無かったorz

寧ろはがない本をたっぷり購入してしまったw

そんなこんなの去年の締めの回でした。

では、二十二話目入ります。


二十二話“家族と回想の交差”

 ―――St.ヒルデ魔法学院 中庭

 

『もし……もし、今親に会えるとしましたらガイさんはどうしますか?』

『……もし、か』

 

俺は地面を見るように視線を移して膝に肘を置いて手に顎を乗せて少し考えた。

 

もし、今親に会えることが出来るとしたら……俺は……。

 

 

 

“一発殴るかな”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――世界の実在外

 

俺とキャスターは武器を交えて戦闘を行っていた。

 

脳裏にはアインハルトと学園で昼食を取っていた時の会話が蘇っていた。あの時に話していた事はたぶん事実になるだろう。

 

大きな理由はやはり生まれて間もない赤ん坊だった俺の事を孤児院に捨てた事だ。

 

一発ぶん殴りてぇ……。

 

そんな衝動が心の底から込み上げて来て、キャスターからの殺気をあまり感じる事がなくなった。

むしろその衝動の方が心を大きく揺さぶられて体を動かしている。

 

一個の黒い武器が俺に向かって飛んでくる。それを難なく右に避け、抜刀している刀をキャスターに振り下ろす。

 

キャスターはそれをデバイスであるジャッカルで受け止める。

 

「……目つきが変わったな」

「あんたを一発ぶん殴りたくてな」

 

鍔迫り合いの状態のままで話を続ける。

 

「だが、あんたが俺の親だという確証がない。そりゃそうだ。生まれてこのかた、一度も親の顔を見たことなど無いんだからな」

 

口では否定するような言葉を発するが目の前の人物が俺の親だと言う事は紛れもない事実だと分かる。

 

体内に流れている血液があれは親だと告げる。本能で親だと分かってしまうのだ。

 

今までそんな風には感じなかったのにキャスターが親だと告げた瞬間、血が沸騰するかのように暴れている。まるでその事実が本当だと主張するように。

 

「……」

 

一瞬、キャスターの目線が下を向き気迫が消えたかのように見えた。

 

「!?」

 

だが、その次の瞬間、いつもの冷酷な無表情に戻り俺の周りには幾つもの黒い武器が俺の肉を貫こうと矛先を俺に向けている。

 

「俺の話を信用しすぎだ」

 

俺がその矛先から避けるために後方に跳ぼうとすると、キャスターの空いている左手から黒い魔弾が高速で飛んでくる。

 

俺はそれを夜目が効いてきたおかげで抜刀したままのプリムラでそれを真っ二つに縦斬りにし、後ろへ跳んだ。

 

「そして、それを信用してどうするんだ?」

「え……ぐっ!?」

 

その低い声は“後ろ”から聞こえた。と、同時に背中に飛ばされて石にぶつかった様な重い一撃が入った。一瞬で肺から空気が抜けて呼吸困難になり飛ぼうとしていた逆方向に飛ばされる。

 

……がっ……そ、そうか……黒い武器はフェ……イク……。

 

呼吸困難な中、必死に思考を巡らせる。

 

黒い武器を出したのはそっちに気を引かせるためなのだ。今までが黒い武器を使った技が多かったので無意識にもそちらに気が向いてしまう。その隙をキャスターは見逃さずに俺の背後へと回っり拳を俺の背中に放ったのだ。

 

黒い武器は霧状態に戻り、キャスターの周りに張り付いていた。

 

俺は声が聞こえた瞬間、僅かに反応することが出来たので脊髄を折られることは何とか免れた。

 

「俺の事を父親とでも言いたいのか?」

「がはっ!!」

 

今度は“前”から声が聞こえてきた。事実、さっきまで後ろに居たキャスターが目の前に居た。そして、左拳を俺の胸にメリメリと骨の軋む嫌な音を立てて食い込んでいき、再び逆方向へと飛ばされる。

 

そのまま、ヴィヴィオ達が磔にされていた白い十字架にぶつかる一直線のルートだった。

 

「ガイ!!」

 

それをヴィヴィオとアインハルトを診ていたオリヴィエが俺を受け止めるように身を挺して受け止める、が、勢いは殺しきれず、俺とオリヴィエは十字架にぶつかる。

 

「っぐ、ガイ!!無事ですか!?」

「……あ、ああ……」

 

オリヴィエが俺と十字架の間に入ってきてくれたおかげで、ぶつかる衝撃へのダメージはかなり軽減した。

 

俺にぶつかったのも騎士甲冑だから硬いと言えば硬いが。

 

俺とオリヴィエは地面に降りる。しかし、着地した時にうまく力の入らなくなったのか足がもつれて、尻もちをつき十字架に背中を預けるような格好になった。

 

「ガイ!!怪我が……!!」

「派手に……やら……れた……はっはぁ……」

 

圧迫されていた肺が動き出し、ようやく呼吸をする事が出来た。肺に無かった酸素をこの大気から取り込む。

 

どうでもよい事だが、この世界にも酸素というモノは存在するのだな。いや、世界を侵食するのだから、大気も現実の世界から入ってしまったのか。

 

「はっはっ……はぁ……」

 

どうでもいい事を考えながら息を整えようと小刻みに息をついて、最後に深呼吸する。

 

ぶつかった時に……肋骨……数本かはいったか。呼吸するときに痛みがあるな。

 

「私が出来る範囲で治療を……」

「い、いや、そんな暇は、ない……」

 

たどたどしい呼吸を何とか落ち着かせて、必死な表情になっているオリヴィエに手を振る。

 

「お前は弱い」

「!!」

「……」

 

そこに暗闇からキャスターの姿が現れる。表情はいつもの冷酷無比の冷たさ。オリヴィエは俺の前で手甲を構える。

そんなオリヴィエを無視してキャスターは俺に語る。

 

「しょせんお前には無理なのだ。この聖杯戦争で勝ち残ると言うのは」

 

チラリとヴィヴィオ達の方を見る。

 

「あの子供たちを守っているつもりかもしれんが、実は、その逆だ。あの子供たちから離れればとめどない孤独感がお前に襲い寄せて、その逃げ場としてあの子供たちに守られているのだろう?結局は人に頼らねば何もできない存在。それがお前だ」

「……っ」

 

俺はキャスターの話に静かに耳を傾けていた。キャスターに的確な所を突かれて何も言い返せる事が出来ないからだ。

 

俺は暖かい食卓に憧れていた。それは人と人との繋がりが確かにそこに存在しているから憧れていたんだ。

 

……孤独なモノほど息苦しいものはない。

 

だから、ヴィヴィオ達と一緒に練習出来たことも嬉しかったし、隣に引っ越してきたアインハルトとも気軽に話せるようになって嬉しかった。ミカヤとの居合の試合も繋がっていると思えるし、部隊長との話も心のどこかで嬉しかったのだ。なのはさんやフェイトさんとの日常だって。

 

……1人じゃないという事が分かるから。

 

「これ以上、ガイを侮辱するな~!!」

 

そう。そして、この聖杯戦争のパートナーであるオリヴィエも。

 

そのオリヴィエが俺が侮辱され続けている事に耐えきれず、怒鳴り声を上げてキャスターに向かって拳を振ろうと足に力を入れていた。

 

「少し黙っててもらおう」

「!!」

 

だが、オリヴィエの足もとから黒い霧が現れ、オリヴィエの足に絡み、それは体を絡めながら少しづつオリヴィエを侵食していく。

 

「いつの間に!?」

「今の貴様に接近戦では敵わないのでな。そこで大人しくガイが死んでいくのを見ているが良い」

「っぐ!!」

 

オリヴィエは一生懸命、足を動かそうとするがビクともしない。

 

「ガイ!!一度下がって態勢を整えてください!!このままでは……!!」

 

キャスターはオリヴィエを無視して俺に顔を向ける。

 

「……お前の母も弱い女だった」

「……!!」

 

俺の……母親?

 

「誰かに守られなければ簡単に折れてしまうような花だった……残念ながらお前は私の血よりも母親の弱い血を強く引き継いでしまったようだな」

「母親の……血」

 

ドクン……。

 

心臓が一度大きく跳ねた。それと同時に何かが心臓を中心に神経を循環して俺の体全体に駆け巡り、クモの巣のように張り巡らされ奇妙な感覚になった。

 

「てめぇ……が」

 

だが、そんな感覚も気にせずに俺は立ち上がる。たった一つの感情が俺の心の底からこみあげてくる。その感情の方が強い。

 

「てめぇの血が正しいと思ってんじゃねえ!!」

 

それは怒りの感情だった。自分で選んだ伴侶をそのようにぞんざいに扱う目の前の男がどうしようもなく腹がたった。

 

その伴侶も俺の母親だと言うのだから更に腹を立たせる要因だ。

 

顔も名前も知らない俺の母親だが目の前の男が言っている事は許せないと感じた。

 

体の内側から熱が籠る。体内の張り巡らされたクモの巣のような道を熱い何かが通っているようだ。苦痛も伴っているが今は気にしない。

 

……本当に自分の体じゃないみたいで気味悪いが……。

 

俺はキャスターを見る。何故だろうか、負けるビジョンが全く思い浮かんでこない。むしろ勝つ活路がいくつもあった。

 

「行くぞ」

 

俺は抜刀したままのプリムラを鞘に収め、立ち居合の形に入った。俺はその勝つ活路の一つを実行することにした。

 

一歩を思いっきり踏みだしてもキャスターはまだ武器を構えていた。

 

そのまま、腹部に抜刀して刃を斬り込む。

 

「……っぐ!!」

 

入った。明らかに動作が遅れていた。止められるはずだった俺の刀がキャスターの腹部にめり込んで血が服からにじみ出ている。このまま振りきれば、致命傷は免れない。

 

キャスターは一歩遅れてから周りの霧を黒い武器に変え俺に放つ。

 

振り切るのは無理だと分かり、刀を離して一歩、柄側に横に避ける。

 

俺の真横に無数の武器が飛んで行った。そのまま再び柄を握り振り切る。

 

「……っ」

 

キャスターの表情が強張る。痛みに耐えているようだ。腹部からは血が吹雪のように舞い、この黒い世界を赤く染めていく。

 

「まだだ!!」

 

俺はキャスターとすれ違う。そのすれ違った瞬間にキャスターの左肩に一傷負わせた。そして、大きく跳びキャスターを上から刀を振り下ろすような形で納めている鞘を上段にもっていき抜刀する。

 

「はああぁぁあぁ!!」

「……」

 

抜刀した刀を振り切って、地面に叩きつけた。その衝撃は凄まじく、止まっているこの世界でも地面から振動を感じ取れた。

 

キャスターは更に傷を負い、血吹雪を散らす。だが、キャスターは紙一重で避けたようだ。

 

渾身の一撃もキャスターには紙一重で避けられるってか!!

 

俺は瞬時にキャスターから離れて、オリヴィエの隣に立ち息を整えながら警戒した。だが、その警戒は無意味になった。

 

「……いい攻撃だ……」

「「!?」」

 

そう言ったと同時にオリヴィエの巻きついていた黒い霧は発散した。

 

「……どういうことだ?」

 

キャスターからの殺気は無くなった。そして、表情も角が取れ柔らかくなって微笑んでいる。俺は戸惑いを隠せなかった。

 

「全てはお前のためだ……我が息子よ」

「「!!」」

 

キャスターの体が透け始めた。

 

「……っ!!……ちょっと待てよ!!」

 

俺は戸惑いを振り切って急いでキャスターの元へ近寄って襟首を掴む。次から次へと現れる事象に感情が入り混じり心の中はぐちゃぐちゃで追いつかない。

 

「てめぇ、意味がわかんねえよ!!」

 

何が言いたいのかパッと出ず、変なことしか言えなかった。だが、キャスターはまるで我が子を見るような優しい目で語る。

 

「……お前がこの聖杯戦争に勝ち残るためには最低でも眠っていた“魔術回路”を蘇らせる必要があった」

「魔術……回路?」

 

初めて聞く単語に疑問が浮かび上がる。とりあえず、ひとまず感情を抑えようとキャスターの襟首から手を離す。

 

「私はキャスター。マスターも私だ」

「……意味分かんねえよ」

「マスターがこの世界の私だ。そして、キャスターはこの世界から見ると未来の私ということになる」

「……そんなことが……」

 

出来るわけがない、と言おうと思ったが、未来からはなのはさんも来ているし一概に否定はできなかった。

 

「ガイ」

「……!!」

 

キャスター……親父から俺の名前を言われて体が一瞬だが驚いた。キャスターは穏やかな表情をしている。

 

「お前は更に未来の私が封印した魔術回路を自力で開放し、一瞬だが私をも凌駕した」

 

そして、親父の右手が俺の頭に乗せられる。

 

「でかくなったな、ガイ」

「……」

 

それになんて答えればいいのか分からなかった。だが、頭に乗せられている右手は温かいぬくもりを感じる。まるで俺が欲していた温かな食卓みたいなぬくもりみたいに。

 

「父親としての役割はもうおしまいだ」

「!!」

 

親父の体が更に薄くなった。サーヴァントとして終わりが近づいているのだろう。

 

「ガイ……何か言わないのですか?今言わないと後悔しますよ」

 

隣ではオリヴィエが優しげな表情で俺を見守っている。

 

分かっている。何かを言わないといけない。だが、心の中が様々な絵の具の色が混ざったかのように様々な感情が入り混じって整理が追い付かない。

 

「ガイ……」

 

俺の頭に乗せていた右手を離し、今にも消えそうな体でも親父は優しく俺の事を見つめている。

 

「私がやれるのはここまでだ。後はガイ、お前がお前の道を作って行け。私はここまでしかできない」

「……ああ」

 

親父から優しく名前を呼ばれてから初めて言えた言葉が只の受け答えだ。そんな言葉でも親父は嬉しそうな表情をする。

 

「後はこの世界の私には会ってはいけない。“今の私に出会った”という原因で“死”という結果の因果律が発生してしまう。これは運命とも言える」

「……ああ」

 

親だから……だろうか?

 

俺がああ、としか答えなくても親父は笑みを崩さない。

 

「アサシンには気をつけろ。あれはイレギュラーだ」

「……ああ」

 

そう言えば、親父はアサシンと対峙した時、一瞬驚いていたな。

 

俺の思考は様々な感情によって寧ろぼやけているような感覚だった。何を聞かれても二つ返事になってしまう。それでも親父は笑みを浮かべている。

 

「……私を……恨んでいるか?」

「……いいや」

 

だが、親父自身の事になると感情は入り組んでいるが思考ははっきりとした。

 

孤児院に捨てられてしまった事もこの聖杯戦争で命を取られそうになった事も今となってはどうでもよい事だと思えた。だから俺はその言葉に否定し視線を下にズラした。

 

「そうか……」

 

視線をズラしているので親父は笑っているのか悲しんでいるのかはわからないが優しい声は聞こえた。

 

「それは……」

 

 

 

“良かった”

 

 

 

「あっ……」

 

その言葉が脳裏に聞こえた。俺が目の前に視線を戻すと親父はもう“消えていた”。

 

俺は歯切りを鳴らしてオリヴィエに背を向けた。

 

「……ガイ?」

 

後ろからオリヴィエが心配そうな声で言葉を投げてくる。

 

「……言えなかったな……“親父”って」

 

俺は少しの間、オリヴィエに見られないように静かに泣いていた。やっと纏まった心の感情が……言いたかった最もな言葉が言えなかったのだ。

 

後悔の色が俺の心を埋め尽くした。

 

オリヴィエは何も言わず俺の後ろで見守っていてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――St.ヒルデ魔法学院 中庭

 

『いや、だって、生まれて間もないのに孤児院に捨てられていたんだから一発ぶん殴りたいだろ。何で俺の事を捨てたんだって』

『そ、そう言うモノでしょうか?感動の再会をするかと思ったのですが』

『親の顔なんて知らないんだ。あっても親だと実感が沸かないと思う。まあ、殴った後はたぶんアインの言った感動の再会をするんだろうね』

『そうだと思います。それが……』

 

 

 

“親子の形ですよ”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――世界の実在外

 

「申し訳ありませんが、ガイ。あまり感傷に浸っている暇はありません。一刻も早くこの世界から脱出しませんと」

「……ああ、分かっている」

 

少しして、オリヴィエに促されるように言葉を発してくる。親父との感動の再会とはほど遠く、幕引きとなった今回の戦い。

 

こんな歪な形でも俺と親父との家族の形は有ったんだろうか?唯一繋がっていたモノといえば体内にある“魔術回路”という変なモノ。

 

未だにどのようなモノなのか分からない代物だ。

 

「ガイ?十字架が何やら光っていますよ」

「え?あ、本当だ」

 

俺は親父との別れてしまった感傷に浸ってたり、“魔術回路”というモノの疑問を考えていたが、目の前の変化で現実に戻された。

 

何時までも、感傷に浸っていても仕方ないし魔術回路も調べないと現状では何とも言えない。一度この考えを切り離そう。

 

オリヴィエに言われて白い十字架を見ると、白く輝きを放っていた。

 

「……温かい光……親父?」

「キャスターですか?」

 

この温もりは親父?頭に乗せられた温もりと似ている。

 

俺の疑問にオリヴィエの疑問が重ねられた。

 

「「!!」」

 

だが、その輝きは一瞬にして膨張し、俺たちを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――― 一軒家

 

「もうすぐ、この子が生まれるわね」

「ああ、どんな子なのか楽しみだ」

 

家のリビングで嫁が膨らんだお腹を摩りながら幸せいっぱいの笑みを私に向けてきた。

 

もうすぐ子供が生まれる。そのために立てた二階建ての一軒家。ローンは十年単位だがここには家族の幸せがある。そのためなら身を削ってでも頑張れる。大黒柱である私はこれからの事に夢を募らせていた。

 

「「!?」」

 

だが、突然の光と振動がリビングに居た私と嫁に襲いかかってくる。私はとっさに嫁を庇い眼を瞑った。

 

少しすると、振動も収まり恐る恐る目を開けると、“人”が居た。

 

異質な恰好をして、白髪が混じった髪をオールバックにして寂しげな眼を私たちに向けている。眼を開けた嫁が最初に反応した。

 

「あな……た?」

「……」

 

一瞬だがその者の表情が緩んだ気がした。それで理解した。この者は“私”なんだと。

 

私の仕事は時空の研究だ。人が時を渡り、未来や過去に行けるような研究し続けている。そのためには様々な理論を完成しなければならず、そのやり方を模索している。

 

中性子星理論、ブラックホール理論、光速理論、タキオン理論、ワームホール理論、エキゾチック物質理論、宇宙ひも理論、量子重力理論、セシウムレーザー光理論、素粒子リング・レーザー理論、ディラック反粒子理論など。

 

「理論が出来上がったのか?そして、研究が完成したのか?」

 

だが、私の期待していたモノとは違い、男は首を振った。

 

「お前たちの子供、“ガイ”が危ない目に会う」

「「!!」」

 

私達はお互いの顔を見て驚いた表情をしていた。それと同時に目の前の人物はやはり“私”なのだと確証も得た。

男のこと分かっていたので先ほどガイという名前に決定した。これは私と嫁以外にはまだ知らないはずなのだ。

 

「“聖杯戦争”という事件にその子、ガイは巻き込まれる。定められた“因果律”なのかどのように防止しようとガイは“聖杯戦争”に巻き込まれてしまう」

 

因果律……あらゆる出来事には、必ず原因があり、それによって結果が生まれると言う考え方。

 

それに聖杯戦争?これは戦争なのか?これにうちの息子が巻き込まれる……。

 

眼の前の男から聖杯戦争について軽く聞いた。大人数って訳では無く七組の猛者達がぶつかり合って殺し合い、最後の一組になった時に願望をかなえる事が出来る戦争だと。

 

「話は戻るが、定められた因果律?そんな事がありえるのか?」

「……いくら止めようとしてもガイは聖杯戦争に参加してしまう。そして、その最後は……」

 

どんな事をしてもガイは聖杯戦争というモノに足を踏み入れてしまうようだ。

 

定められた因果律……それはもはや因果律ではなく運命というべきなのだろうか?原因を省いてもその出来事には必ずガイは足を踏み入れてしまうのなら。

 

「……お前は今までどうしていたんだ?」

「聖杯戦争を避けて通る事は出来ないと悟った私は、なら聖杯戦争で勝ち抜けばいいと考えるようになった。参加には“魔術回路”が必要になる。私が施さなくてもガイは何処かで必ず魔術回路を体に刻まれる。なら、少しでも有利になるように私が施した方がよい」

「魔術……回路」

 

初めて聞く名だ。魔導なら分かるが魔術となると中世時代の魔女とか言う者たちの使っていたモノだろうか?今もひっそりと暮らしていると聞くが。

 

「私もそれほど時間は無い。今すぐにでも魔術回路をガイに転移する」

 

未来の私は嫁の膨らんだお腹に手を乗せて何かを唱え始めた。嫁は何故か落ち着いている。私だと分かっているからか。

 

だが、私はその乗っけている手首を掴んで嫁から離す。

 

「何をしている?私にも時間は無い」

「そのやり方でガイを助けられるのか?」

「少なくとも今ここで私が何もしなかったら助ける事は出来ん。様々な私が平行世界を見てきたがガイが助かった事などは一度も……」

「“ここも”……なのか?」

「……」

 

その言葉に未来の私は口を塞ぐ。

 

「……“私達”は永劫の時を彷徨う事になろうとガイを助ける。そう決めたのだ」

「……」

 

私達……いや、それはきっと平行世界での私という個人個人が導き出した結論なのだろう。

 

「……ああ、ガイを助けないとな」

 

私も自然とその考えには賛成だった。これももしかしたら決められた因果律ってやつなのかもしれない。

 

未来の私の手首をそっと離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嫁の中にいるガイと私に魔術回路を刻み未来の私は姿を消した。私も聖杯戦争に参戦することになった。

 

サーヴァントは先ほどの未来の私だ。どうやら未来では私が時空を渡る理論を完成させたらしい。

 

エクゾチッソ物質の発見からワームホール理論に結びつけ、光速の速さを発生させるエネルギーも発見したとのこと。

 

素晴らしい功績に未来の私は英雄として人類から見られているのだろう。その理論で私たちの居る世界に戻って来たらしい。だが、魔術回路は家系の代々伝わるものであり私たちのようなものにはそのようなモノは存在しない。

無論私はそのようなモノを祖父や父から伝えられてた覚えもない。だから、未来の私は向こうの“世界”と契約したらしい。転移出来る魔術回路を。

 

「そんな事ばかりしても、息子は救えない……か」

 

全ては息子……ガイの為。出来れば平穏な世界で普通の子として育っていってほしかったが、現実は時に残酷だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嫁はガイを生んで直ぐに死去。

 

『ガイをお願……いね……』

 

死ぬ最後までガイの事を心配していた。

 

……嫁の想い、貫き通さないとな……私の想いも。

 

悲しみに身を置く暇もなく私はガイをすぐに毛布で包ませて孤児院の玄関に置いて行った。

 

私は陰でガイを見守っていた。少しするとガイは泣きだし、その声を聞いたのか孤児院から園長らしき人物がガイを見つけ、孤児院に抱いて行った。

 

「頑張れよ……ガイ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――時の庭園

 

「珍しい客ね」

「久々に会った親戚への第一声がそんなもんか」

 

私は親戚であるプレシア・テスタロッサに会う事にした。ロングヘアーの黒い髪にスタイルの良さからモデルと言われても不思議ではないのだが、目の下のくまやほつれた頬がそのように思う事が出来ない。

 

長年ここに引きこもって研究に明け暮れていると聞いたがここまでとは……。

 

「どうぞ」

 

私の目の前にあるテーブルにお茶の入った湯のみが渡される。私てきたのはプレシアの使い魔リニスだ。

 

元は猫だったのか猫耳に尻尾が付いている。

 

「ああ、ありがとう」

「いえ、ではプレシア。私はフェイトの教育の為に失礼します」

「ええ、そうして」

 

そう言って、リニスは部屋から出て行った。

 

「フェイト?新しい子がいるのか?」

「ふん、あんな出来そこないの事はどうでもいいわ。あれは外で仕事をしてもらうの。そのための教育なの」

「……」

 

今のプレシアの表情は歪んでいて憎しみの眼をしており何と言っていいのか分からなかった。

 

「研究漬けらしいな」

「だから何?さっさとその研究に打ち込みたいのだけど」

 

態度も随分と変わった。前はもっと社交辞令がうまく、誰ともすぐに打ち解ける優しい性格の持ち主だったのだが、今は失礼極まりない。

 

あの事故が原因か……。

 

「……娘が死んで、生き返らせるために無理をしているんだな」

「……」

 

アリシアの目つきがより一層鋭くなる。アリシアの話をすると機嫌が悪くなるようだ。しかし、少しして何かを思い出し、元の表情に戻る。

 

「……ヴァンス……あなたにも息子が居たはずよ。その子が失ったらあなたはどうする?」

 

失ったらか……そうならないために今を動いているが、嫁だけではなくガイまで失ったら……。

 

「アリシア。息子を失っても私はあんたみたいにならない」

 

世間を……世界を憎むだろうが、失った命が戻ってくることなどありえない。

 

「ふん、失った時の感傷がどれほどのものかを知らないでしょうに」

「……」

 

だが、目の前のアリシアは子供と過ごしてきた時間を取り戻したいがために無茶をして禁忌の領域に入っている。その先に取り戻したい時間があると信じて。

 

「……子供思う親は大変だな」

「なによ、突然」

 

ああ、そうなんだ。プレシアも私と同じ親なのだ。我が子の為に必死になっているのは親として当然なのだ。ただ、その道を誤ってはいけない。アリシアはこの先どのような道を進んでいくのだろうか。

 

「私も子供と日常を過ごしたかった」

「あなたの息子、ガイと言ったかしら?生きているのでしょう?なら、会えばいいじゃない」

「そうしたいが……大きな因果律が出来てしまうから」

「……」

 

何かを言いたそうなプレシアだったが何も言わなかった。ただ、表情だけは何か悲しげだった。まるで同類を見ているような眼をして。

 

私も同じような表情をしていたかもしれない。ここに来た大きな原因は私との理由は異なれど子供の為に動いている親戚のプレシアに会ってみたかったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おじさん」

「ん?あっ……」

 

プレシアとの会談を終え、帰ろうとしたときに赤い瞳の金髪の少女に声を掛けられた。その顔だちは前に会った事があるので知っていた。知っていたからこそ驚きを隠せなかった。

 

「アリ……シア……?」

「?」

 

その少女は何を言われたのか分からないのか首を傾げる。そして、少女から話す。

 

「もう帰るのですか?」

「あ、ああ、これでもおじさんは忙しいからね」

「あ、あの……か、母さんとはどんな話をしたのですか?」

「母さん……ねぇ」

 

これは間違いなくアリシアだと思うのだが何か違う。ちょっとした違和感が残った。研究は完成していないと聞いたのだから。

 

「なあ、その前に名前教えてくれないか?」

「え、えっと、名前はフェイトです。フェイト・テスタロッサ」

「……」

 

名前を聞いた瞬間、全てを理解した。そして、同時にプレシアに怒りもした。この子はアリシアのクローンだ。プレシアはクローン技術の“プロジェクトF”に携わっていた。その技術で作りだすのも納得はいく。だが、プレシアは親としてこの子の事を接してあげる事をしない。

 

偽物とわかり、愛情を注げない……か。確かに私もガイの偽物に愛情を注げるかと言ったら無理だろう。

 

プレシアへの怒りもあったが、自分に置き換えるとそのような行動をする事に理解も出来た。

 

「おじさん?」

「ん?ああ、いや、すまんすまん。君のお母さんとは仕事の話をしていただけだよ。あの人はなかなか優秀だからね。いい意見を聴く事が出来た」

 

だが、この純粋な瞳で見上げてくこの子を見ると、この子の気持ちを無碍にする事が出来ない。

 

私は左腕に上着を折りたたんでいたので右手でフェイトに頭を撫でてやった。フェイトは最初は驚いていたが、褒められているのかと思い笑みを溢した。

 

「君のお母さんは研究で時間を取られている。そんなお母さんだけど心の中では娘との時間を欲しがって寂しがっている。フェイト。なるべくお母さんと接してあげな」

「……うん、分かっています」

 

フェイトは寂しげな眼をして肯定した。その娘は“アリシア”なんだが、黙ってるしかない。

 

もし、ガイもこの子も普通の環境で育っていってくれたら、この子は幼馴染としてガイのお姉さん的な立場でいてくれたかもしれない。

 

いろんなこと一緒に楽しんで笑って、時折喧嘩もして。

 

そんな普通の環境にすら私とプレシアの子供は入る事が出来ないのだ。

 

プレシア……道を間違えるなよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “プレシア・テスタロッサ事件”

 

「……」

 

少しして、私のデスクの前にはこの事件の詳細がモニター表示されているのを見て大きくため息をついていた。仕事先は時空管理局の管轄下に入るのでこの事件の詳細を調べる事が出来る。

 

紛失遺産の違法使用による次元災害未遂事件。

この事件でプレシアはアリシアの亡骸と共に虚数空間へ落ち資料上、行方不明。重要参考人としてアリシアのクローンであるフェイトが裁判となる。

しかし、リンディ提督及びクロノ執務官との弁護と、フェイト自身が嘱託魔導師資格を取得したことで再犯の可能性は低いと判断され、実刑では無く保護観察処分で落ち着いた。

 

「プレシア……誤ったのか……」

 

同じ親として気持は悲痛の気持ちに陥った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、時は流れ聖杯戦争前。ビルの屋上で私は成長したガイを見つけた。

 

「ガイ・テスタロッサ………」

 

私は呟いた。

 

先ほどはここから視える人物に殺気を含めた視線を送っていた。

 

ここ数年で私の殺気は著しく凶悪なものになっていた。嫁の死去、プレシアの死去。その他諸々の原因がこのように歪な形で現れたのだろう。

 

隣にいた赤く大きいリボンを左側に付けた少女は気づいていない。

その人物はそれを感じ取ったからか、戸惑いながらも振り返った。

その顔を見た時に理解できて私は笑った。本当は今すぐにでも目の前に現れて息子を抱きしめてやりたい。

 

だが、“今”の私がガイの目の前に現れると因果律が発生し、ガイは“今の私に出会った”という原因で“死”という結果が生まれてしまう。それは未来の私が経験たものだったという。

 

『今は我慢してくれ』

『……ああ、分かっている』

 

霊体化している未来の私に悟られる。

私のサーヴァント、キャスター。その正体は未来の私。私も数十年後には過去の私に召喚される。そのようにプロセスされている。

 

『ガイ……』

 

きっと私の瞳は静かに、そして強い意志が存在しているのだろう。

 

「これからか……」

 

私は星が大きく二つある夜空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――結界内

 

『無粋よな』

『アサシンがサムライとは面白いクラスだ』

 

キャスターが相手をしているのは暗殺が得意とされているアサシン……のはずだったのだが、なぜか蒼いサムライが物干し竿のように長い刀を体の一部のように綺麗な太刀筋で振るっている。

 

ガイ達との対決に割り込んできたアサシン。

名は佐々木小次郎。

蒼く長い髪をポニーテイルで縛り、蒼い瞳。蒼が特徴的なサムライ。

サムライは自らの名を名乗り出る人種らしい。初めて会った時も威風堂々と名乗り上げてきた。

 

『私の目的は再びセイバーと果たし合う事だ。前の勝負の時は誠(まこと)心が踊った。あの高騰した気持ちが忘れられん。その時を心待ちにしている』

『根っからのサムライ魂だな』

 

そう言いつつキャスターは黒い武器を複数、アサシンへ飛ばす。

 

『しかし、セイバーに向かいたいのだがマスターの命令でな。無粋な動機だがそなたの首、頂戴する』

 

アサシンは黒い武器をその長い長刀で全て叩き落とす。刀は高速で撫でるように綺麗に流れ、その一つ一つに隙がない。

 

『ふむ、黒霧を刀に変え、それを飛ばす……小太刀より使い勝手は良さそうだ』

『サムライ基準で考えていては勝てないぞ』

 

更に武器の数を倍にする。

 

『ほお、面白い芸当だな』

『何とでも言え』

 

黒い武器を先ほどの倍にしても、アサシンは慌てることなく静かに構える。

 

『なら、私も再びセイバーとの果たし合いを決したいために本気で行こう』

 

キャスターは武器を飛ばす。

 

『秘剣……』

 

アサシンはまだ動かない。キャスターの黒い武器がアサシンの額を貫こうとする。その時、アサシンは動いた。

 

『燕返しいぃぃいぃ!!』

 

キャスターの飛ばす武器を全て避けつつ、アサシンは一瞬にして三つの太刀筋を放った。

 

キャスターの頭上から股下までを断つ太刀筋。

対象の逃げ道を防ぐ円の軌跡の太刀筋。

左右への離脱を阻む払いの太刀筋。

 

超高速の刃が空間を裂き、次元を歪めたのだ。その結果、新たな刃がこの世界に像を結んだのだろう。

 

存在しえぬものを存在しめる二重像の幻影。

 

それらの太刀筋がいく寸も狂う事無くキャスターを襲う。

 

『だが、視える』

『むっ!?』

 

キャスターはその三つの太刀筋を全て右手に持った西洋の形をした黒い剣で逆の太刀筋で相殺し、更に秘剣を放った後の隙の出来たアサシンの体に一太刀入れた。

更にキャスターは燕返しの第四の太刀筋まで再現したのだ。

 

『これは……致命傷よな』

 

肩から胴体にかけて斜めに斬られ、血吹雪を噴き出し切断されても良いぐらいの切り傷があるにもかかわらず、アサシンは片目を瞑り笑みを浮かべていた。

 

『刀を高速で振るうだけではなく、そなた自身も何かからくりの様なモノで高速化した訳か。それに私の太刀筋、分かるように動いていた。私とそなたとは初めて会うはずなのだが……』

『一度見ている……未来の私がな』

『……ほう』

 

アサシンは興味深そうにキャスターの事を蒼い両眼で見る。最後の方はボソッと言ったのでそちらは聞こえていないはずだ。

 

『だが、アサシン。貴様は魔術も魔導も使わず己の技能だけでそこまで上り詰めたのは流石たと言える』

『ふっ、賞賛として受け取っておこう』

『……お前が残っているとガイを殺してしまうからな』

『……ふむ、なるほどな』

 

アサシンは何か理解したような表情を醸し出し、体が透明になり始めた。

 

『そなた、永劫の時を彷徨うつもりか?』

『もとより覚悟の上だ』

『ふっ、人を慕う気持ちは確かに人を強くする。そなたの研ぎ澄まされた美しい殺気はそのような意味であったか……』

『……』

 

キャスターはアサシンの言葉に渋っていた。そして、アサシンの体は粒子になって消えて行った。

 

『タイマー式ゲート、開きます』

 

ジャッカルに予め自動でゲートを開く様に命令している。その時の魔力分は供給しているので今の魔力から減る事はない。

 

キャスターの目の前に何かが現れた。“世界の実在外”へ通じる穴だ。

 

その穴の大気と周囲の大気が絡み合う事が出来ないのか、バチバチと音を立てて周囲の大気を少しずつそれは振動し侵食していく。

 

その振動は凄まじい。

 

『ファイター!!』

『ガイ、空へ!!』

 

近くにいたガイ達は地面に立っているのが困難だとわかったのか、ガイがオリヴィエの肩に手を回して空へと飛んだ。

 

そして、キャスターの目の前には穴が一人入れるぐらいの大きさになって浸食をやめた。

 

そこに入ろうとして、一度ガイの方を見上げてきた。

 

『お前は……“この世界のお前はこの因果律を超えれるのか?”』

 

“聖杯戦争”に参加という原因が“死”という結果に結び付くこの因果律を。

 

ガイには聞こえなかったようだ。キャスターは言うだけ言って穴に入って行った。

 

「戻って来たか」

「ああ」

 

私の隣に空いていた穴から未来の私が出てきた。“世界の実在外”から再び“現世”へと戻って来たのだ。私は工房で先ほどの一部始終をモニターで見ていた。場所はとある喫茶店でキャスターの張った結界を。

 

「ガイを殺してしまうアサシンを仕留めたか」

「……ああ、その光景を私の更に未来の私から受け継がれてきた事実」

 

アサシンの燕返しを燕返しと逆の軌道で相殺し、更に第四の太刀筋でアサシンを倒す。そのような行動を起こすには“世界の実在外”を部分展開する必要があった。

“時間の停止”だけを。

 

アサシンと未来の私との間に“時間の停止”だけを展開し、アサシンを先に踏み込ませた。サーヴァントであるがために速攻でアサシンの時間は止まらなかったが、太刀筋を見切るには十分な速度に落ちた。

 

そして、未来の私は“時間の停止”の領域に“現時間”のまま入り、鈍りだしたアサシンの太刀筋を同じ太刀筋で相殺し、第四の太刀筋をアサシンへ放った。

 

自分自身が早くなるわけでは無く、その周辺を時間を停止させる。周りから見れば未来の私は光速に見えるのだろう。“止まっている時間”に影響を受けない未来の私の“現時間”が入り込めば、ゼロ時間でその空間を移動できるのだから。

 

未来の私は手に持っていたジャッカルを机の上に置きながら表情を少し寂しげにして言葉を続けた。

 

「ヴァンス、私はアサシンに言われた。“美しい殺気”と。荒んだこの気持ちにそんな訳ないのだが……」

「ガイを思う気持ちが荒んでいるわけないさ。だから殺気も綺麗になるさ」

「……だといいが」

 

未来の私は大きくため息をついて腰を下ろした。

 

「ガイは……死へ繋がる因果律が多すぎる。何故ガイにだけこんなにあるんだ」

「私達はそれを一つ一つ潰していくしかない」

 

あのアサシンも“ガイと対決”したという原因でガイを“死”に導く因果律がある。

 

「……だが、この“聖杯戦争”に参加したという原因が結局は“死”に繋がっているから私たちが他の“死”への因果律を止めても、無理なのではないか?」

「後はガイに任せるしかないさ。そう言う結論なのだろ?“奇跡”が起こるのを待つしかないと」

「……ああ、それしかないな」

 

私達は大きくため息をついていた。この定められた因果律を“奇跡”でも起きない限り避けられないのだから。それはもう何度も実証済みだった。

 

ガイ……自分の信じた道を突き進め。その道ならきっとこの“運命”を変えられるはずだ。

 

“運命を切り開け”

 

私達はガイを信じることしかできないのだ。きっと切り開いてくれると。

 

だが、現実は過酷で残酷だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――地球

 

聖杯戦争から数十年。

私はエクゾチッソ物質の発見からワームホール理論に結びつけ、そのために必要な光速の速さを発生させるエネルギーも発見することに成功した。

 

その結果、世界の外側を知る事も出来た。まあ、元は未来の私が一度見せてくれたのでそこまでいく道筋が作りやすかったわけだが。

 

周りからは天才的な人物だとか、神的な存在などちやほやされたがどうでも良かった。

 

これで、過去の私の所へ行ける。皆からはいろんな意味で英雄的な存在になれたのだろう。後は……。

 

後は最初の聖杯戦争が行われていた地球で世界と契約することだった。そのために地球にやってきた。

 

ミットチルダと地球では世界が違う。この世界で契約するのだ。

 

「契約する。我が死後を預ける。その報酬をここに貰い受けたい」

 

私はこの世界と契約した。

 

死後は“英霊の座”へ行くことになる。そこには未来の私達が1つとなって居るのだろう。そこに私も含まれ、1つの思考へとなる。

 

死後と引き換えにこの体に張り巡らされている魔術回路とガイの魔術回路を移転できるような形で二つ貰いうけた。

 

親から子へ継がせる時間など無いのだから。

 

そして、この残酷な運命から逃れるための唯一私が出来る事なのだから。

 

そのまま私は英霊になる前に完成させたワームホール理論で過去へと戻って行った。

 

戻った先の一軒家ではお腹の膨れた嫁と過去の私が居た。

 

「あな……た?」

 

嫁を何十年かぶりに視た時は抱き締めたかったがその気持ちを抑える。

 

私はもう嫁から想いを託されている。目の前の嫁は過去の私の嫁だ。

 

頭の中で整理し、嫁のお腹を見つめながら思う。

 

ガイ……頑張れよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――結界内

 

「……おまえは……」

「……」

 

サーヴァントとなった私が張った結界内では、マスターだった頃の私が見ていた光景と違っていた。ガイたちが黒い武器を避けている間に私の懐にフードを深くかぶったパーカー姿のアサシンが居て拳をアッパー気味に振り上げた。

 

私は最初だけは驚いていたが、そのアッパー気味の拳を冷静に避けた。

 

「ぐっ!?」

 

だが、アサシンはアッパー気味に上げた拳の勢いに任せて体を少し浮かせて、膝蹴りを私の顔面にクリーンヒットさせた。

 

始めからアッパーの拳は囮だったのだ。避けられると分かってそれを組み込んで次の攻撃をしたのだ。

 

予想外の攻撃方法に私は顔面を片手で押えながら、少し後退しつつ黒い霧を武器に変えてアサシンに飛ばした。

 

だが、それをアサシンは激しい武器の雨を紙一重で避けつつ距離を縮めていた。

 

「貴様……」

「……」

 

どんな武器を作ろうが、どんなに刃の面積が大きい武器を作ろうがそれはアサシンの前では簡単に避けられてしまう。

 

誰だこいつは?ここに現れる人物は佐々木小次郎ではなかったのか?

 

規定されていた出来事が変わっていた。アサシンがあのサムライではないのだ。

 

膝まであるニーソックスにアサシンよりも一回りも二回りも大きいパーカー。それなので晒し出している太ももの先は直にパーカーの裾になっている。

 

素性が分からんな……。

 

武器を飛ばしながらもアサシンの事を観察する。この人物がガイにどのような因果律を与えるのか分からない。だが、時間が迫っていた。

 

「……イレギュラーか……それに時間か」

「……」

 

アサシンは一気に私に懐に入り

 

「……煌きの型“楼蘭”」

 

アサシンの両手を開いて合わせて指先を左右に開けるような形の掌停を作り、それを私の胸に向かって放った。

 

「ぐっ!!」

 

その掌底が私の胸に当たった時、肋骨が全て吹き飛んだのではないかと錯覚に陥るぐらいの重い衝撃を受けた。

 

事実、何本か肋骨が折れ肺に刺さってしまった。

 

私は口から血反吐を吐いた。

 

「ごふっ!!強……烈な一撃だ」

「……」

 

アサシンは何も言わず、右手で上げて手刀の形にしてそれを振り下ろした。それが止めを刺す死神の鎌なのだろう。

 

私は笑っていた。

 

「タイム……リミットだ」

『タイマー式ゲート、開きます』

「!!」

 

アサシンは危険と感じ取ったのか、手刀を振り下ろすのをやめその場からジャンプして大きく後退した。

 

それと同時に黒い“世界の実在外”へ通じる穴を作り出した。

 

「ファイター!!」

「ガイ、空へ!!」

 

ガイは“世界の実在外”の通じる道を作り出す振動で地面に立っているのが困難だとわかり、オリヴィエの肩に手を回して空へと飛んだ。

 

そこに私は入ろうとして、一度俺の方を見上げてきた。

 

「お前は……“この世界のお前はこの因果律を超えれるのか?”」

 

いや、超えられるかもしれない。サーヴァントが違っていたという事例は初めてだ。今回の聖杯戦争は何か違う。

もしかしたらこの世界のガイは越えてくれるのかもしれない。この“定められた因果律”を。

 

私は“世界の実在外”へ入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は十字架に自分の記憶を残すことにした。こんな事をするのは初めてだ。なぜこんな事をしようと思ったのかわからない。わからないがしなくてはいけない気がした。

 

 

 

もし、これをガイが見ていたら私を許してくれるだろうか?こんな残酷な定めに捕らわれてしまった息子の為に恨まれ役を買ったりして永久の時を繰り返す私たちを。

 

お前の魔術回路は再生能力が比較的に高い。それをうまく利用して、魔術回路覚醒前でも十分に治癒能力を高めている。

 

それをうまく利用することで大きな怪我も治りやすくなるだろう。

 

この世界の私はこの戦いが終わり次第、身を潜める。お前に会うと因果律が発生してしまうからな。陰で見守ってやるぐらいしか出来ない。

 

そして、私には親と名乗る資格はない。だが、一つだけ言わせて欲しい。きっとサーヴァントの時にも言えないだろう。だがら、ここに残しておく。

 

ガイ、私はお前の事を

 

 

 

“心から愛している”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――世界の実在外

 

「……」

「……」

 

俺とオリヴィエはしばらく無言のままだった。

 

親父の記憶……断続的だが、確かに残っていた。この暖かい温もりは紛れもなく親父のモノだ。

 

「いいお父様です」

「……ああ」

 

オリヴィエが口を開く。

 

「ガイの為に永久の時を繰り返して」

「……ああ」

「ガイを日常に戻したくて必死に」

「……ああ!!」

「立派なお父様です」

「ああ!!」

 

ギュッと小柄なオリヴィエが俺を優しく抱いてくれた。

 

「泣きたい時は泣いていいんですよ。辛い時は誰かのぬくもりが必要なんです。私でよければ……」

 

俺もオリヴィエを抱いた。涙が止まらない。感傷に浸っている暇はないのに俺は自分で涙を止める事が出来ない。

 

「ああ、あぁああぁ……」

 

俺は声を震えながら一呼吸して

 

「あぁああぁぁあぁあぁぁぁぁ!!」

 

自分の胸にしまっていた熱い感情を叫んで発散させた。肋骨が何本か折れているので激痛が走るが、そんな事どうでもよく思いっきり叫んだ。

 

少しして、オリヴィエから離れる。少し心が落ち着いた。

 

「大丈夫ですか?」

「……ああ。悪いな、変な所を見せて」

「気にしてませんよ。それに変でもありません」

 

オリヴィエが笑みを溢す。それを見ているだけでもかなり心が軽くなった。俺は涙を拭いながら話を続ける。

 

「……とりあえず、この世界から出るか」

「ええ。ですが出口が……」

 

と、話を再開させようとしたらバリバリとこの世界にヒビが入った。それと同時に白い十字架が砕け始める。

 

俺たちは急いでヴィヴィオとアインハルトを抱き上げる。

 

「ガイ、危険なのでしょうか?」

「ど、どうなんだろう?」

 

俺たちは慌てて現状を把握するのが難しかった。

 

もしこの世界が無くなった、俺たちも一緒に?冗談じゃない!!親父!!変なモノを残していくんじゃねえ!!

 

「崩壊が始まってます!!」

「ああ、黒が剥がれて白くなった」

 

世界が黒から白へと変わっていく。もしかしたら、白がこの世界の本当の姿なのかもしれない。十字架も白かったし。

 

その十字架は粉々に無くなっていた。そのまま、黒という色はこの世界には無くなって、俺たちは白い世界に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――中央第4区公民館 ストライクアーツ練習場

 

「あれ?」

「え?」

 

俺たちは気がつくと皆とストライクアーツをやっていた練習場でヴィヴィオとアインハルトを抱きかかえたまま立っていた。

 

周りを見渡すと皆が倒れているが次第に意識を取り戻し、起き上がっていく。

 

俺たちも近くのベンチにヴィヴィオとアインハルトを寝かせる。

 

「戻ってきたってことか。プリムラ」

『診断結果。この周辺にいる人物全ては魔力が安定しています』

「元から奪うつもりはなかったわけですね。魔力が戻っているようです」

「……だな」

 

俺も横になっているアインハルトの隣に座った。オリヴィエもヴィヴィオの隣に座る。

 

「いつつ……」

「大丈夫ですか、ガイ?」

 

肋骨が何本か折れている。緊張の糸が途切れた途端、痛みが走りだす。それにまだ自分の体が自分のものではないような錯覚が残っている。

 

「まあ、何とかな」

「あまり無理をせずに」

 

俺はオリヴィエに言葉を返して眼を瞑る。いろいろと親父からの情報が多かった。整理しないといけないが、今はこの体を何とかしないと。

 

あの時、親父に胸を刺されそうになった時に変化が起きた。あの時何を思っていた?確か、心臓を貫くイメージをしていた。

 

それを再びイメージする。するとカチリと歯車のスイッチが切り替わったような気がした。

 

「あっ……」

 

それは心臓から体全体に波紋のように広がって、少しすると慣れた自分の体に戻っていた。

 

「んっ……戻った」

 

俺は目を開けて、掌を握り締めたり開いたりする。何時もの感覚だ。

 

これが魔術回路を使うときのスイッチとかなのだろうか?

 

「ガイ……ガイからの魔力が著しく低下したのですが……」

「なるほど……こっちの状態だと今までどおりってことか」

 

魔術回路を使う事で俺の魔力を上げる事が出来る。いや、もしかしたらそれが俺の本当の魔力値だったのかもしれない。今まで魔力を上げようとしても全然上がらなかった。それは魔力回路という壁が邪魔をしていたのかもしれない。その壁を解放するとその内側に有った溜まっていた魔力が発散したと。

 

だが、魔術回路を使うと魔導は使えるのか?バリアジャケットは普通に展開していたが。後で要検証だな。

 

「全て億足か……」

「ガイ?」

 

オリヴィエが首をかしげて俺を見上げてくる。

 

「いや何でもないよ。で、だ。皆を巻き込んでしまった事には悪いと思ってる」

「そうですね」

「どんな顔をして皆に会えばいい?」

「普通に接してもいいのでは?」

 

大丈夫かな?と言おうと思ったが確かに俺とオリヴィエがこの騒動の原因となったを知っている人物はここにはいないはずだ。ヴィヴィオもアインハルトも最初から最後まで気絶していたし。

 

「……皆を騙しているようで罪悪感が残るな」

「ですが、関わってしまったら、掟で殺されてしまいます」

「……だな」

 

胸に大きなつっかえているモノを感じながら大きくため息を漏らした。

 

「あ、ガイ君」

「フリージアも居るね」

 

そこになのはさんとフェイトさんがやってきた。どちらも見た目に変化はなさそうでなによりだ。

 

「なんか、いきなり記憶が途切れて気がついたら倒れていたんだけど。何かあったの?」

「いえ、俺もフリーもさっき気が付いたばっかりで。とりあえず近くにいたヴィヴィとアインをベンチに寝かせた所です。で、周りを見ると皆も起き上がって来たので何だったのだろうと」

「そっか……何だったんだろうね」

 

フェイトさんが優しく俺に声をかけてくれる。

 

「……」

 

俺はフェイトさんに釘付けだった。

 

「……?ガイ?どうしたの?」

 

フェイトさんが首を傾げてその赤い瞳に俺を写す。

 

フェイトさんも過去に大変な事があったんだな。そして、やはりクローン。テスタロッサという苗字はやはり繋がっていたってことか。

 

親父の断片的な記憶に幼い頃のフェイトさんに出会ったモノが残っている。それを思い出す。

 

「……いえ、何でもないです」

 

実の親に愛情を注ぎ込まれることが無かったフェイトさん。最後の最後に親父から優しい一言を貰った俺。

 

この違いは大きいな……。

 

フェイトさんには親近感を持つと同時にフェイトさんに同情までしてしまった。

 

「……もう、ガイ君。フェイトちゃんとそんなにラブラブしたいの~?」

「……」

 

隣からは小悪魔的な事を言ってくるフェイトさんの大親友。

 

「あ、あの、え、ええと……」

「ああ、フェイトさん。そんなに慌てなくても」

「……ふぅん」

 

そんな言葉に俺が慌てるのかと思ったのかなのはさんは少し驚いたような表情をして、そして、本当に優しげな笑みを浮かべる。

 

「何かあったのかなガイ君?」

「……ええ、とても嬉しいことですよ」

 

その言葉にオリヴィエも微笑んでいた。




この話はキャスターの回想がメインですね。

我が子のために親達は頑張る光景を頑張って描写しました。

まあ、テスタロッサでありますから親戚としてプレシアとも出会いがあったわけですね。

ああ、いかん。書いていた自分の眼から汗が……w

と言うわけで最初の脱落者はキャスター組です。

これからどうなる事やら。

頭の中で筋書きはあるけどうまく言葉に纏めませんとね。

何か一言感想がありますとありがたいです。

では、また(・ω・)/



以下、サーヴァントのステータスです。

ステータスに更新があれば今後も後書きに付けていこうと思います。



クラス:ファイター
マスター:ガイ・テスタロッサ
真名:オリヴィエ・ゼーケブレヒト
性別:女性

筋力:A
魔力:B
耐久:B
幸運:C
敏捷:A
宝具:A+

・クラス別能力

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のモノを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

白兵戦:B→A+
接近戦において、自分の理想とする動きに展開して戦えることのできるスキル。
このランクにもなると接近戦での一対一では敗北する可能性は0に近い。
ガイからの魔力パスが繋がったのでランクが上昇した。

・保有スキル

第六感:C→A+
研ぎ澄まされた第六感は不本意な状況下に陥っても致命傷を避ける事ができき、五感に干渉する妨害を軽減させる。
ガイからの魔力パスが繋がったのでランクが上昇した。

身体自動操作:B
自動操作を自分の体に行い、戦うスキル。骨が折れようと腕が千切れようと戦うことが出来る。

修得:C
必要とされたものなら、それほど時間をかけずに習得することのできるスキル。
戦闘で必要となる技術はB以上なので新しく技を習得するのは難しい。

カリスマ:C
軍団を指揮する天性の才能。一国の王としてはCランクでは少し心もとない。

・宝具

“聖王騎士甲冑”
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:-
聖王家の特殊な仕様を施した騎士甲冑。オリヴィエが聖王流の技を最大限に発揮できるように精密に作られた代物。乱世のベルカ時代でこの甲冑に傷を付ける事が出来た人物は少ない。

“聖王のゆりかご”
ランク:EX
種別:対軍宝具
レンジ:?
最大捕捉:?
古代ベルカの遺産の一つ。旧暦において一度は世界を滅ぼした強大な質量兵器、巨大飛行戦艦。それは聖王のみが操る事が可能で、制御中枢である玉座に座らせる事で起動する。

・???





クラス:セイバー
マスター:遠坂凛
真名:???
性別:女性

筋力:A
魔力:A
耐久:B
幸運:C
敏捷:B
宝具:A+

・クラス別能力

対魔力:C
二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。
彼女自身に対魔力が皆無なため、セイバーのクラスにあるまじき低さを誇る。

・保有スキル

皇帝特権:EX
本来持ち得ないスキルも、本人が主張することで短期間だけ獲得できる。
該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。
ランクがA以上の場合、肉体面での負荷(神性など)すら獲得する。

頭痛持ち:B
生前の出自から受け継いだ呪い。
慢性的な頭痛持ちのため、精神スキルの成功率を著しく低下させてしまう。
せっかくの芸術の才能も、このスキルがあるため十全には発揮されにくい。

・宝具






クラス:アーチャー
マスター:衛宮士朗
真名:高町なのは
性別:女性

筋力:B
魔力:EX
耐久:C
幸運:C
敏捷:B
宝具:A+

・クラス別能力

対魔力:C
二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

単独行動:A
マスター不在でも行動できる。ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。

・保有スキル

不屈の心:A++
決して諦める事の無い精神面での強さ。このランクになるとたとへどんな状況下に置かれても心が折れることはまず無い。

心眼:A
修行、鍛錬によって培った洞察力。戦闘時、常に最高の戦闘理論を持ち出し、有利な状況へ導く。

軍略:B
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有効な補正が与えられる。

・宝具

“CX-AEC02X(ストライクカノン)”
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:?
最大捕捉:?

陸/空両対応型の中距離砲戦端末。カートリッジシステム搭載型。かなり大型の機体で、腕に装着した手甲とジョイントすることで保持される。単体でも使用可能だが、“フォートレス”との連結機能も備えている。機体の大半を占める長大な砲身は、展開状態では砲弾の加速レールになるが、綴束状態では“突撃槍”“重剣”として用いられる。

“AEC-00X(フォートレス)”
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:?
最大捕捉:?

CW社製の、航空魔道師用総合総合ユニット。魔力非結合状況化での飛行制御・火砲制御を行なうメインユニットと、三機の“多目的盾”で構成される武装で、それぞれの盾は“砲戦用の大型粒子砲”“中距離戦用プラズマ砲”“近接近用実体剣”を内蔵している。
いずれの盾も独立飛行が可能で、腕部に装備して使用することも出来る。

“レイジングハート・エクセリオン(単独飛行形態)”
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:-

ストライクカノンとフォートレスの使用によって、両手がふさがってしまう高町なのはをサポートするため、レイジングハートが自ら申請した形態。
この形態のまま、“杖”として振る舞い、高町なのはの魔力をその身から撃ち出すことが可能となっているほか、機体保護と安定翼を兼ねるブレードエッジは“切断武器”としての特性も持つ。
第五世代端末のシステムを一部組み込んでおり、魔力阻害状況下でも活動が可能となっている。

・???





クラス:ランサー
マスター:アルトリア
真名:ゼスト・グランガイツ
性別:男性

筋力:A
魔力:A+
耐久:B
幸運:E
敏捷:B
宝具:B

・クラス別能力

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のモノを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

・保有スキル

カリスマ:A
大軍団を指揮する天性の才能。
Aランクはおよそ人間として会得しうる最高峰の人望と言える。

覚悟:B
かつて友のために殉じる覚悟を持ち続けた結果、保有スキルとなった。何事においても臆することなく覚悟を持って挑み続けられる。

魔力放出:B
武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。カートリッジシステムとはまた違う。

直感:B
戦闘時、常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。
視覚、聴覚に干渉する妨害を軽減させる。

・宝具

“ベルカ式槍型デバイス”
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:2~5
最大捕捉:1人

ベルカ式のデバイス。名は無く、必要なこと以上を話さないので寡黙。フルドライブを使うことで爆発的に所有者の能力を向上させることが出来るが、フルドライブは体への負担が大きく、命を削る一撃であるため安易には使用できない。

・???





クラス:キャスター
マスター:ヴァンス・テスタロッサ
真名:ヴァンス・テスタロッサ
性別:男性

筋力:C
魔力:B
耐久:C
幸運:A
敏捷:B
宝具:A+

・クラス別能力
陣地傾城:A+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
“工房”の形成が可能。
ここまでランクが上がると壮大な魔術を作り出すことが出来る。

・個別スキル

殺気:A+
対立するだけでも相手を失神または神経障害をおこさせるほどの殺気を放つことが出来る。辛い過去が幾たびも重なって歪んでしまった心を形にしたものがこの凶悪な殺気である。

現時間:A
時間に干渉する才能。時間の違いのある場所を現時間のまま時を渡る事が出来る。しかし、時間のズレが発生しないとこのスキルは発揮されない。

・宝具

“ジャッカル”
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:2~5
最大捕捉:1~50人

所有者の命令に対して瞬時に魔力を展開させることの出来るミットチルダ式の杖。
魔力を込めた黒い霧を所有者を中心に散布させることが可能。その黒い霧は様々な武器の形にすることができ、それを飛ばすこともできる。時には所有者に纏わりついて敵からの攻撃をとめる事も出来る。

“世界の実存外(アウトオブザワールド)”
ランク:EX
種別:結界宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人

世界の外側を結界内で発動させる宝具。時間という概念がない。暗闇の世界であるが宇宙の膨張とは違いこの空間は動かないので人間の五感は皆無に近い。
外側にも意思は存在し、止まっているこの世界で動いている異物を見つけるとこの世界の肌に合うように犯し始める。生きているものなら五感が犯される。
霊的存在である英霊たちはこの世界に居ても大した影響は無い。





クラス:アサシン
マスター:???
真名:???
性別:女性?

筋力:A++
魔力:B
耐久:A
幸運:B
敏捷:A
宝具:C

・クラス別能力

気配遮断:A++
完全に気配を断てば発見することは不可能に近い。ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

・保有スキル


・宝具




クラス:バーサーカー
マスター:トレディ
真名:???
性別:???

筋力:[@
魔力:-\
耐久:\]
幸運:#$
敏捷:`=
宝具:_{

・クラス別能力
狂化:C
幸運と魔力以外のパラメータを上昇させるが、言語能力が失われ、複雑な思考が出来なくなる。

・固有スキル


・宝具




キャスターの詳細を追加。

オリヴィエとなのはとゼストに宝具を追加しました。

まだ???ですけどねw
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