魔法少女リリカルなのはvivid~過去と未来と現代の交差~   作:ガイル

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ああ、こんな日常が欲しいとか思った。

そんだけですw

では、九話目入ります。


九話“日常と勉強の交差”

 ―――マンション 夜

 

「う~あ~……はあ……」

 

俺は椅子に座って机に向かっていたが長時間座っていたせいで腰が痛くなって、奇怪な声を出しながら気力の無いため息をつき机に突っ伏した。

 

「根を張りすぎですよ、ガイ」

 

同居人であるオリヴィエがテーブルの前に座って紅茶を飲みながら注意してきた。

机の上は開いている本が散乱している。無限書庫から戻ってきた日から一週間ぐらい経つが“聖杯戦争”の情報が全くない。都内の書店や本屋を全て漁ってきたが何処にも情報は無い。

歴史上の重要な人物を調べてはいるが、やはり根本的な“聖杯戦争”の情報が無いという事が心に残る不安を拭えないでいる。

 

「それでも……」

 

俺は机から起き上がってオリヴィエの方を見る。

紅茶を飲むにも1つ1つの動きが王族の雰囲気を晒し、優雅さを出している。そんなオリヴィエを見ていると心に安堵感を覚える。

オリヴィエは俺の視線に気づき、こちらに顔を向ける。

 

「オリヴィエが居てくれると安心するかな」

「ええ、マスターを守ることがサーヴァントの役目でもあります」

 

オリヴィエは優しく相手を労わるような笑みを向けてくる。俺も笑って椅子から立ち上がった。

しばらく座っていたため血行が少し鈍っているのが分かった。腕を思いっきり伸ばして体の緊張を解す。

 

『マスター、メールが来ています』

 

首に下げていたプリムラからメール着信が来たと教えてくれた。俺の目の前にモニターが現れる。

 

差出人………高町ヴィヴィオ

件名………勉強会

本文………こんばんは、ガイさん、ヴィヴィオです。実は来週から前期試験が始まるので勉強をしているのですが、良かったらコロナとリオを連れてガイさんのマンションで勉強会をしたいです。ガイさんに勉強を教わりたいですがダメでしょうか?

 

「ん?勉強会?」

 

ヴィヴィオ達がウチに来て勉強会をしたいらしい。わざわざ俺のところでやる意味があるのだろうか。

 

「ヴィヴィオ達がこの部屋に来るのですか?」

 

モニターを覗き込んできたオリヴィエが質問してきた。

 

「俺なんかよりも、もっと勉強出来る人の所でやればいいと思うんだがな。なのはさんに教えてもらうのが一番だと思うが」

「ヴィヴィオはここが居心地いいと思っているのでは?隣にアインハルトも居ますし」

「ああ、なるほど」

 

オリヴィエの言葉に俺は納得した。ヴィヴィオはアインハルトの事を気にかけている。もっと仲良くなりたいのだろう。そのために近くに居る俺の所に来たがるのも説明がつく。

この前の2人の対決はオリヴィエに話をしてある。オリヴィエは自分の複製体であるヴィヴィオとクラウスの子孫であるアインハルトが仲良くなったことはオリヴィエ自身も嬉しいのだろう。この話をした後、オリヴィエはしばらく上機嫌だったのだから。

 

「ま、明日は仕事休みだしな。別にいいか」

 

俺はモニターに入力を始める。

 

To………高町ヴィヴィオ

件名………Re:勉強会

本文………ああ、ウチに来てもいいよ。なんなら、アインも呼んでおこうか?

 

アインハルトも呼ぶ返信を書いてプリムラに送信するように命令した。すぐに返事か来た。

 

差出人………高町ヴィヴィオ

件名………Re:Re:勉強会

本文………はい、ありがとうございます!!!アインハルトさんも呼ぼうとしたのですが、まだちょっとメールを出し辛くて。いつかは気軽にメール出来る仲になりたいですが、今回はガイさんにお願いします。では、朝の九時頃にお伺いしますね。それでは、おやすみなさい。

 

アインハルトはあまり人と接したことが無いからか、無邪気に近寄ってくるヴィヴィオにどう接したらよいのか分からないのだろう。だから少し離れて接しているように見える。

なのでヴィヴィオは負い目を感じて、気軽に接しずらくなっているのだろう。

 

明日の勉強会で気軽に話せる仲になればいいけどな。

 

何はともあれ、明日の予定は埋まった。

 

「ガイはたまに息抜きをするべきですよ」

「……そうだな」

 

調べものも全然進まないし、たまには息抜きをするのもいいかな。

 

だが、この“たまに”が“いつも”にならないようにしないと。

 

「たぶん一日勉強会すると思うからお昼ご飯のおかずを買いに行かないと」

 

冷蔵庫の食材は明日の朝食でちょうど切らすぐらいの量だ。新たに買う必要がある。

 

「まだ、食料店は開いているかな」

 

壁に掛けてある時計を見る。まだ食料店は開いている時間帯だ。今から行ってもまだ間に合う。

 

「私も行きます。聖杯戦争がまだ始まったわけではないですが、注意はしませんと」

「ああ、心強いボディーガードだ」

 

俺は笑って、財布を持って部屋を出た。オリヴィエも紅いカラーコンタクトをつけて立ち上がり俺の後をついてくる。

 

「っと、アインにも連絡しとかないとな」

 

ドアを閉めてから先ほどアインハルトも勉強会に誘う事になっていたのを思い出した。メールよりもすぐ隣にあるインターホンを押した方が早い。俺は隣のインタホーンを押した。

 

アインハルト「はーい。あ、ガイさん」

 

ピンポーンと音高い音から少ししてアインハルトがドアを開けて顔を出てきた。青いパジャマ姿で髪を解いているからか碧銀の髪をすべて下ろしている。風呂に入った後だからか顔も少し赤く髪がしっとりとしているのがわかる。

髪をおろしたアインハルトはまるで別人だった。オリヴィエもツインテールにした時があったが、女性は髪形で印象が変わることが良く分かる。

 

「あ、あのガイさん?」

 

顔を合わせてから一度も発言をしていない俺に困ったような表情をして俺の事を見上げてきた。

 

「あ、ああ。悪い。アインの髪型が変わるとこうも印象が変わるんだなって思ってな。髪を全て下ろしているアインも結構可愛いなって思った」

「ええ、私も今の髪形は可愛いと思います」

「え、あ、ありがとうございます///」

 

俺とオリヴィエの評価にアインハルトはモジモジしながら頬を赤く染めて顔を伏せてお礼を言った。やっぱりアインハルトのこういう表情は面白い。

 

「っと、話がずれたな。アイン。明日、俺の部屋に来ないか?」

「えっ?」

 

アインハルトは未だに真っ赤にしている顔で俺の方を再び見上げる。あまり表情は変わらないが満悦そうに何かを期待しているように見えた。

 

「ヴィヴィ達が俺の部屋で勉強会をするんだとさ。アインも誘った方がいいと言ってな。St.ヒルデ魔法学院は来週から前期試験があるんだろ?」

「……」

 

しかし、俺の発言でアインハルトの表情から期待感は無くなり、はあ、とため息をついた。

 

「ん?アイン?」

「いえ、なんでもありません」

 

俺では今のアインハルトの表情が読み取れない。アインハルトは思考を切り替えたのか再び俺を見る。

 

「では私も明日、ガイさんの部屋にお邪魔します。時間は何時ごろですか?」

「ああ、9時過ぎにでも来てくれれば」

「わかりました。ところでこれから仕事に?」

 

俺は家で寛ぐような服装ではなく、航空部隊の服を着ている。俺は798航空部隊から帰宅後、着替えずに上着だけを脱いで調べモノを調べていた。その姿を見たアインハルトは誤解したのだろう。

 

「たぶん勉強会は一日中やると思うから皆の昼飯の食材を買いに行くところだ。まだ風呂に入る前だからこの格好なんだ」

「そうですか」

 

アインハルトはチラリと両眼とも紅い眼をしているオリヴィエの方を見る。

 

「あの、私も同行してもよろしいですか?」

「ああ、構わん。フリーといろいろ話すといいさ。けど風呂上がりで風邪ひかないか?」

「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

 

アインハルトの視線の動きでオリヴィエと話をしたいのだと分かった。

そして、少し待っててください、とアインハルトは言ってドアを閉める。

 

「……」

「ん?どうしたフリー?」

 

ふと、オリヴィエを見るとさまざまな思考を巡らせているからか表情を硬くしてアインハルトが閉めたドアを見つめていた。

 

「ガイ、私は過去の人物です。アインハルトが求める“聖王”は昔に死んだ私ではなく今を生きているヴィヴィオです。私に気持ちを向けてはいけない」

「そう思いつつもアインの気持ちを無碍に出来ないんだろ?」

「……はい」

 

オリヴィエは答えの出ない問題に表情を険しくして俺の問いに素直に答える。

 

「でも、時間の問題だと思うよ」

 

え?、とオリヴィエは言って硬くなっていた表情を少しだけ柔らかくして俺の方を見る。

 

「フリーは2人の対決を見ていないからな。俺はあの2人が対決していた時、とても楽しそうに見えたよ。表情には表れなかったけど雰囲気が和やかだった。たぶん近いうちにヴィヴィとアインは良い友達になるよ。ヴィヴィは気持ちがまっすぐだからな」

「……だといいですが」

 

オリヴィエはまだ理解しがたい様子だ。実際に対決シーンを見ているわけではないからな。アインハルトとヴィヴィオが仲良くなった光景を見たらオリヴィエは安心するだろう。

 

「お待たせしました」

 

ドアが再び空いて、私服姿のアインハルトが出てきた。髪もまた特徴的なツインテールにして、左側に大きな赤いリボンをつけている。髪を全て下ろしているアインハルトは斬新だったがいつものアインハルトの方がやはりいい。

 

「んじゃ、食材買いに行くか」

 

俺の言葉に2人は頷いた。オリヴィエの戸惑いも分からなくはない。過去のオリヴィエが現代のクラウスの子孫のアインハルトと共に居るべきではない。アインハルトは同じ時間軸のオリヴィエの複製体であるヴィヴィオと居るべきだ。決してオリヴィエではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――次の日

 

俺の部屋は1人暮らしをするには丁度良い広さなのだが今は俺も合わせて6人いる。5月も中旬。流石にこの人数では部屋に熱気が籠ってしまうので、エアコンを使って空調を調整して快適な温度に保った。

テーブルにはヴィヴィオとコロナとリオとアインハルトの教科書やノートが開いていた。皆、ペンを走らせている。

俺は椅子に座りテーブルを囲んでいる皆の方を見て、オリヴィエはベッドに腰掛けている。

しかし、勉強している初等科組は何やらそわそわして勉強にあまり集中していない。部屋に入ったときからそわそわしている。

 

「というか……」

 

ヴィヴィオが走らせたペンを止めて、驚いた表情でオリヴィエの方を見る。

 

「今までスルーしていましたが、フリージアさんはガイさんと一緒に住んでいるんですか?」

「え?私ですか?」

「……ああ」

 

コロナもリオもペンを止めてヴィヴィオの言った言葉を肯定するように首を縦に振って、オリヴィエに期待と不安の入り混じった表情で見つめていた。

そういえば、ヴィヴィオ達にはオリヴィエがここに住んでいると言っていなかった。ヴィヴィオ達が部屋に入った時に普通にオリヴィエが居て、何かを言いそうだったがアインハルトがすぐ来て、そこから聞くタイミングを失っていたのだろう。

 

「フリーはただの居候かな」

「フリージアさんは……」

「だだの……」

「居候……」

 

初等科組は目を大きく見開いて驚いた様子だった。

しかし、アインハルトが表情を変えず発言してきた。

 

「……フリージアさんはガイさんの家にホームステイしてきたんです」

 

決してこちらに視線を移さずノートにペンを走らせている。アインハルトはうまく話を合わせてくれるようだ。

 

「言い方が悪かったな。フリーはホームステイ。このミットチルダの文化を学びにやって来た」

「ホームスティ……」

「それでガイさんと……」

「一緒になれた……」

 

初等科三人組は何を考えているのか俺にはもはや理解できない。俺は椅子から立ち上がって四人の居るテーブルに顔を出す。

 

「St.ヒルデ魔法学院って意外と難しい事やってんだな」

 

俺はヴィヴィオのノートを見た。そこに書かれている数式は理解は出来るが、それは俺が訓練校の時に習ったモノだ。訓練校は一般レベルの中等科辺りの知識から教えられるが、この数式はその一般レベルの中等科二年ぐらいのレベルだ。

 

「フリージアさんはガイさんのホームスティ……」

「ん?ヴィヴィ?」

 

俺がテーブルの近くまで来たのに全く気づかず未だにぶつぶつと言っているヴィヴィオ。コロナもリオも同じだ。

俺ははあ、とため息を一回ついて両手を叩いた。

 

「「「わっ!!」」」

 

乾いた音が部屋に反響する。弾けるような一瞬の音が自分の世界に入っていた三人を現実に戻すことが出来た。

 

「勉強会をしに来たんだろ?」

「う、うん……ゴメンなさい」

 

ヴィヴィオは俺の話を聞いていなく、本来の目的である勉強会をしていない事に対して悪いと思ったのか小さく縮こまってしまった。

 

「ま、気にしてないけどさ。勉強頑張れよ。それにアインの居る中等科もやっぱり高いんだな」

「え?」

 

アインハルトは話が振られるとは思わなかったのか、ペンを止めて戸惑った表情で俺を見た。アインハルトのやっている問題は一般レベルの高等科レベルの問題だ。ここら辺まで来ると教えられるかちょっと怪しい。

 

「アインのレベルになるとちょっと俺では教えることが難しくなるかも」

「あ、い、いえ。ガイさんの分かる範囲で教えてもらえれば大丈夫です」

「……」

 

まるで最初から俺の事に対して期待して無さそうな言い方だ。そうなるとちょっとアインハルトの問題を解いてみたくなる。

 

「アイン、ちょっと見せて」

「あっ!?」

 

俺はアインハルトからノートを取って、最初のページを開くためパラパラと捲る。

 

「ま、まって下さい!!」

「ん?」

 

俺は最初のページへが開いたと思った瞬間、真横からありえない速度でアインハルトの手が現れて一瞬にしてノートが視界から消えた。

そのありえない速度に俺は何が起きたのか判断できなかった。

 

「か、勝手に人のノート見ないでください」

「St.ヒルデの中等科は何をやっているのか気になったから見たかったんだが」

「……こ、ここには……」

 

アインハルトは顔を真っ赤にしてギュウッとノートを胸に押し当てる。それほど見られたくなかったのだろう。

そんな行動をすると何か悪かったような罪悪感が生まれる。

 

「悪い。自分が書いたモノを見られたくないよな」

「……え、ええ///」

 

俺はアインハルトに謝り、アインハルトの不服そうな表情になってしまったのを何とか元に戻す。

そして、俺は中等科の教科書をパラパラと捲った。

 

「……まあ、この教科書ぐらいなら何とか教えられるかな。確か訓練校で習ったノートが本棚に……」

 

俺は立ち上がって本棚から訓練校に使ったノートを何冊か抜き取る。

そして、アインハルトに高等科クラスで使ったノートを、ヴィヴィオ達には中等科クラスで使ったノートを渡した。

 

「俺が使っていたノートだ。たぶん参考になると思う」

「ありがとうございます!!」

 

ここ一番に元気にお礼を言ってきたリオ。よほど難しかったのだろう。俺のノートを鷲掴みにして捲る。

 

「うわ~、ガイさんって几帳面なんですね」

「講義中は聞いたこと、ためになる部分とかをノートに写していただけだ。後で読み返すためにな」

「取っても分かりやすいです」

「うん。そだね~」

 

初等科組は満足な様子だ。アンダーラインや赤丸で重要な所を抑えているだけなのだが。ヴィヴィオとリオは俺のノートを見ながら自分の問題を見比べて、コロナは俺のノートからいろいろとメモを取っている。

 

「ガイのノートが好評ですね」

「ここの学院はレベルが高いしな。何かしらの参考書があればある程度は頑張れるだろ」

 

俺はチラリとアインハルトの方を見た。ノートを渡した初等科組は満足げな表情に対して、アインハルトは俺のノートを凝視したまま動いていない。いや、目だけは動いている。

 

「すごいですね。事細かく書かれていて、参考になります」

 

アインハルトは尊敬の眼差しを俺の方へ向けて感心した表情を浮かべていた。皆の表情を見て訓練中に事細かにとったノートが皆に役に立ててよかったと思った。

その後もお昼まで俺のノートが役に立ち、たまに質問されたけど答えることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、そろそろ昼か。何か食うか?」

 

俺は壁に掛けてある時計を見る。そろそろ午後になる時間だ。俺は昨日買ってきた食材を思い出して何の献立にするか考えながら皆に聞いた。

 

「あ、もうお昼だ」

「そうだね」

 

皆も時間がお昼になる時間帯だと知った。それほどまで勉強に集中していたのだろう。

 

「ガイさん、私たちはお弁当を持ってきているから大丈夫だよ」

「ん?そうなのか?」

 

三人は頷いて鞄から可愛いお弁当を取り出す。

 

事前に用意してあるのなら昨日はそれほど食料を買わなくて良かったかな。まあ、食料はほぼゼロだったし、しばらくは保てるだろう。

 

「では、ガイさん。作るのは三人前で大丈夫かと」

「そうだな。俺とフリーとアインの三人分だな」

「「「あっ」」」

 

俺の言った発言に初等科三人の声が被った。三人とも何かを分かったような何かを見落としていたような表情だ。

 

「ん?どした?」

「あ、あの……」

「ガイ、お腹が空きました。早く頂けると嬉しいのですが」

 

ヴィヴィオが何かを言おうとしたがオリヴィエが割り込んできた。それほどまでにお腹が空いているのだろう。

 

「ああ、わるい。今、作るから」

「私も手伝います」

 

腹を空かせているオリヴィエのために俺とアインハルトはキッチンに入った。三人分なら簡単に作れるオムライスにすることにした。隣に立っているアインハルトも賛成してくれた。

冷蔵庫から卵、玉ねぎ、ウインナー、ケチャップを取り出して下ごしらえをしようとした。

 

「ガイさん」

 

そこにキッチンにひょいと顔を出すコロナ。

 

「どうした?」

「……わ、私たちもガイさんの料理を食べてみたいのですがダメですか?」

「アインも作るぞ」

「あ……」

 

アインハルトの事を忘れてしまい申し訳なさそうにしてアインハルトに頭を下げる。アインハルトはたいして気にしていないようで会釈だけした。

 

「んじゃ、コロナ達はお弁当があるからオムレツでいいか?流石に作ったものを食べないわけにはいかないだろ?」

「はい、ありがとうございます」

 

コロナは満面の笑みを浮かべて再び頭を下げる。オムレツを食べれることに嬉しかったようだ。

 

「六人前ですね」

「少し時間がかかるな」

 

俺とアインハルトは調理を始めた。

そして、二十分後。オムライス×3つとオムレツ×3が出来た。アインハルトの料理の腕前もなかなかのモノだった。卵を溶くときに隠し味でマヨネーズに水を少量入れるという発想は思い浮かばなかったが、そうすることで卵がふっくらした。

アインハルトが調味料を調整した卵で作ったオムライスを見ているととても美味しそうだ。お腹が空いてしまう。

 

「お待たせ」

「お待たせしました」

 

テーブルにオムレツ×3とオムライス×2と並ぶ。あと一つはスペースの問題でおけないので机の上に置いた。俺が食べる分だ。

そして、皆が席に着く。

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

皆が一口、俺とアインハルトが作った黄色いモノを食べる。

 

「美味しいです!!アインハルトさん、ガイさん」

「うん、このふっくらとした卵が美味しいです」

「ぽっぺたが落ちる~」

「スプーンが止まりませんね」

 

料理をしていない人からは高評価を貰った。これは結構嬉しい。心の底から満足感がこみ上げてくる。アインハルトもそのように感じているのか頬を赤くしながら戸惑っていた。

確かにおいしい。アインハルトのアドバイスが良い料理を作れた。

 

「さ、これを食べて午後も頑張って勉強をしていこうか」

 

俺の言葉にオリヴィエ以外の皆が頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そう言えば、ガイ」

「ん?」

 

俺は昼食で使った食器を洗っている所にオリヴィエに呼ばれた。

 

「今まで気になっていたのですが机の隣にあるピアノは使っているのですか?ガイが弾いている姿を見たことが無いです」

「あ~、あれか」

 

机の隣には電子ピアノが置いてある。これなら場所も取らないしヘッドホンを装着すれば音が漏れることもない。

 

そういえば、ここ最近ごたごたして弾いている暇が無かったな。

 

「たまに弾くよ」

「ではその演奏を聞いてみたいです」

「……あんまり人前では弾きたくはないんだがな」

「いえ、ぜひ聞いてみたい」

 

オリヴィエは音楽が好きなのか、積極的に押してくる。まあ、久々にピアノの音を聞くのも良い息抜きになるか。

 

「わかった。少し待ってな」

「楽しみにしています。皆にも伝えておきますね」

 

オリヴィエはキッチンから離れてダイニングへ戻った。俺も皿洗いを終わらせてダイニングに戻る。

 

「ガイさん、ピアノ弾いてくれるんですか?とても楽しみです♪」

「わかったわかった。少し待て」

 

ヴィヴィオ達が期待感を持った眼をこちらに向けてワクワクした表情で待っていた。

最後に弾いたのはこの前ヴィヴィオ達が遊びに来た時だ。それから聖杯戦争に足を突っ込んで心に余裕があまり持てなかった。ピアノを弾くという考えが無かった。

まだ、このような日常に居るならピアノを弾くという考えがあってもいい。俺はピアノの前の椅子に座った。深呼吸を一回して両手をピアノに添えて眼を瞑った。

そして、静かに演奏を弾き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――♪~♪♪~♪

 

ガイの弾いたピアノの音が体中に静かに波紋のように響き広がっていく。ガイの演奏はゆったりしていて聴いているこちらが気持ち良くなる。目を瞑ると山の中に自分が居て、近くに流れている川の音が聞こえてくる風景が脳裏に浮かぶ。

 

曲は知らないがそれでも音の中にガイの想いが入り混じっているのがわかります。この曲をミスらずにちゃんと聞かせたい、そんな責任感ある想いがわかる。

 

私はクスッと笑い目を開けた。

 

そんな肩を硬くして弾かなくてもよいのに。

 

周りを見るとヴィヴィオもコロナもリオも目を瞑り、脳裏に先ほど私が思い浮かべていた光景を思い浮かべているのか、うっとりした表情をしている。よほどガイの演奏が心地よいのだろう。

アインハルトはその虹彩異色の眼を開いたままガイを凝視していた。その表情は私でも読み取れない。

 

「……ガイさん」

 

その言葉もどのような感情を込めて言ったのかもわからない。そして、目を瞑って曲を聴く事に専念した。アインハルトの気持ちはどのようになっているのかはわからないが、それでも曲を聴いている時は私ではなくガイに気持ちを寄せている。それは良い事だ。

 

過去の存在である私よりも現代に存在する人たちに気持ちを傾けて欲しい。

 

これが私のアインハルトに対する思いだ。

私も再び目を瞑る。先ほどの光景は浮かんでこなかった。そのかわり昔にクラウスがピアノで弾いてくれた光景を思い浮かべた。

王宮の一室にグランドピアノが真ん中の少し高い段差に置いてあり、演奏者が披露する場だ。そこにクラウスがピアノを弾いて、私は近くの椅子に座ってその心地よい音色に心を奪われていた。戦時中とは思えないほどほのぼのとした一面だが、だからこそ、この記憶が印象深く残るのだ。

 

「クラウス……」

 

私は誰にも聞こえないように小さくボソッと共に笑い共に武の道を歩んだ者の名前を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「このぐらいやっとけば大丈夫だろ」

「うん、とても勉強になりました」

 

時刻も夕方どき。ピアノの演奏の後は勉強に専念した。俺のノートも有効活用してくれたので最低でも八割は取ってきてくれるだろう。

 

「んじゃ、明日からがんばれよ」

「はい!!ありがとうございました!!」

 

一番元気なリオが元気よく挨拶をした。あんなに勉強漬けだったのにこれほど元気を残している。どれだけ体力が多いのだろうか。

 

「それじゃあ、そろそろ帰ろうか」

「そだね~」

 

初等科組は荷物を整え始めた。

勉強会中もヴィヴィオは積極的にアインハルトに話をしてきたが、アインハルトはどうしたら良いか分からない様子だった。

しかし、最後の方は少しずつだがヴィヴィオの話に合わせて話すようになった。この調子ならヴィヴィオが気軽にメール出来るような仲になるだろう。

 

「それじゃあ、コロナ、リオ、帰ろう」

 

ヴィヴィオの言葉に2人は頷く。初等科組は荷物の整理が終わったようだ。三人とも荷物を持って立ちあがった。

 

「ガイさん、勉強教えてくれてありがとうございます。これで明日からがんばれます」

 

ヴィヴィオは笑ってぺこりと頭を下げた。コロナとリオも頭を下げる。

 

「良い点数を期待するかな」

「皆さんは勉強を頑張っていましたから大丈夫ですよ」

 

俺とオリヴィエも笑みを返す。

 

「それじゃあ、またね~、ガイさん、アインハルトさん、フリージアさん」

「失礼します」

「お邪魔しました!!」

「ああ、またな」

「はい。では、また」

「頑張ってくださいね」

 

元気いっぱいな三人は部屋を後にした。

 

三人ともさっきまで根を詰めて勉強をしたというのに元気が有り余っていないか?

 

「若い子は元気だね~」

「ガイさん、それは年寄りの発言に近いです」

 

隣に座っていたアインハルトが突っ込みを入れてきた。俺は年寄り扱いされてちょっと凹んだ。

しかし、気を取り直してアインハルトを見た。

 

「アインは勉強は大丈夫なのか?」

「ええ、特に問題はないです」

 

アインハルトも試験の準備は万端のようだ。だが、急にアヒル座りをしてたアインハルトは両腕を股に挟んで体をもじもじさせて頬を赤らめながら視線を逸らした。

 

「もし、もしですよ……テストで満点取れましたらご褒美をもらってもいいですか?」

「褒美?」

 

こくん、と頷くアインハルト。

 

「……ま、その方がやる気が出るだろうしな。いいよ」

 

俺は少し考えたがその方がアインハルトもやる気が出るだろう。俺は了承した。たぶん覇王の拳を受け止めてくれるために対決をしてくれとかだろう。

 

俺では意味はないがアインハルトがブツけてきたいのなら交えてもいいかな。一度対戦した後、俺では意味がないと分かったから避け続けてきたが。

 

アインハルトは表情は変わらないが雰囲気が明るくなった気がした。

 

「はい、ありがとうございます」

 

まだ頬が赤いままでお礼を言ってきた。

 

「アインハルト。褒美は何を求めているのですか?」

「っつ!?そ、それは言えません!!」

 

そう言って、とっとと身支度を揃えて立ち上がった。

 

「そ、それではおやすみなさい!!」

 

そう言って、逃げるかのように疾風の如く部屋から出て行った。

途中でゴンッとコンクリートに何かが当たった音がしたが聞かなかった事にしよう。

 

「アインも元気だね~」

「それは年寄りの発言に近いのではなかったのですか?」

「……」

 

俺も歳かな、と齢18歳で一瞬考えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――二日後

 

俺は798航空隊に居た。いつもの訓練とデスクワークだ。今日の訓練はなのはさんだけのようだ。ヴィータさんは別件で来れないらしい。因みに今は雨が降っている。

 

「はい、訓練終了。ダウンしてから上がってください」

「ありがとうございました!!」

「「「ありがとうございました!!」」」

 

部隊長の掛け声の後に部隊全員の敬礼と礼を重ねた。雨が降っていたので部隊は傷だらけの泥まみれだ。土砂降りではないがそれなりに振る量が多い。なのはさんは雨で濡れているだけで傷は付いていない。

教導官はなのはさんだけだが今日も模擬戦でなのはさんに近づく事が出来なった。

 

近づけた時と近づけない時の違いはなんだろうか?気持の問題か?

 

俺は考えながら隊舎へと戻るために歩く。

 

「あ、ガイ君」

 

そこに後ろから明るい声で言葉を掛けられた。俺は振り向く。

 

「どうしました?高町教導官。早く戻らないと更に濡れますよ」

「まあ、どうせ着替えるしね。今さら更に濡れても関係ないかなって。で、ガイ君にはちょっと話があるんだ。ご飯のときでいいかな?」

 

構いません、と俺は言う。まだ昼休み入る前で周りにも部隊の人たちがいるのでなのはさんを高町教導官と言っておく。

 

「それじゃあ、今日はいつものベンチは使えないから食堂でいいよね?」

「わかりました。ではお昼休みの時に」

 

なのはさんがうん、と言ったのを確認して俺は踵を翻して隊舎に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――食堂

 

「訓練合宿?」

「うん、そなの。これが二回目だけどね」

 

俺となのはさんは窓際の席で定食を食べながらなのはさんの話を聞いていた。この食堂は結構な広さを持っていて300人は座れるスペースを思っている。うちの部隊はそれほど居ないが。

窓際は女性たちに人気で晴れた時は遠くまで景色が見える時もある。今は雨で景色を見るようなことはないが。

 

「オフトレーニングや休暇訓練とも言うかな」

「いつから行くのですか?」

「ヴィヴィオ達の試験が終わってから行くの。だからあと二日後だね。その間のこっちの訓練は無いから自主トレになるね」

 

そのトレーニングならヴィヴィオ達も確かに良い経験になる。アインハルトも行ければさらに良いだろう。

 

「で、この訓練にガイ君も来ない?」

「……はい?」

 

俺はなのはさんの言葉に理解が一瞬、遅れた。なのはさんの言葉を分析するとその訓練に俺も誘われているのだ。部外者である俺に。

 

「俺のような一兵士にそこまでしてもらわなくても……」

「ん~、ガイ君が来てくれるとヴィヴィオが喜びそうなんだけどな」

「え?何でですか?」

 

俺が行くとヴィヴィオが喜ぶのだろうか。せっかくの休みならのんびりと知り合いや家族と羽を伸ばして、そして訓練することが大事だろう。部外者である俺なんかが行ったら気を遣わせてしまうので仕方ないと思うが。

 

「そこは自分で知らないとね♪」

「は、はあ……」

 

俺はなのはさんの言葉の意味が理解できなかった。

 

「で、どうする?ガイ君も行く?行くなら部隊長に話をつけてくるけど」

「……俺なんかよりもアインを連れて行った方が……」

「そっちもぬかりないの」

 

俺の言葉はがなのはさんの発言でかき消されてしまった。

 

「アインも来るのですか?」

「今、交渉中らしいね。あ、それとヴィヴィオから聞いたんだけどガイ君の部屋にホームステイしているフリージアさんも誘うといいと思うよ。ストライクアーツがガイ君より強いって聞いたし。それにガイ君の恋人……」

「ち、違います!!」

 

今度はなのはさんの発言に俺の発言を重ねて消した。少し大きな声を出してしまったのでなのはさんも目を大きくして驚いた表情をしている。周りで定食を食べていた局員たちは俺へ視線を集めてきた。

 

「あ、す、すいません」

「あ、ううん。私も確認もせずにちょっと失礼なこと言っちゃったね。ごめん」

 

なのはさんはバツが悪そうにして視線を逸らす。周りからの視線も特に深く見てくること無く散り散りになっていった。

 

「い、いえ。でも、フリーも誘っていただいてもよろしいのですか?」

「うん、構わないよ。大人数の方がいろいろ出来るしね」

 

なのはさんの訓練を徹底的に出来るのなら聖杯戦争が始まる前に根性を鍛え直すのもいいだろう。

 

「わかりました。よろしくお願いします」

「うん、それじゃあ部隊長さんに言っておくね」

 

俺は頭を下げて、なのはさんは笑って了承してくれた。話し込んでしまったからご飯がすっかり冷たくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――帰り道

 

「雨……久々だよな」

 

帰り道は人の多い所をなるべく通って帰ることにしている。聖杯戦争は人が居ないところではないと行われない。まだ、始まってはいないがオリヴィエが近くに居ない時はこのように用心を怠らない。

俺は濡れないように傘を斜めにして空を見上げた。まだ夕方なのだが薄暗い雲は見える。その薄暗い雲は空一面を覆っている。これはしばらく止みそうにもない。

雨が降る薄暗い雲が視界に入り、ザーっと水が重力に従って落ちて地面にぶつかる音があの時の光景を思い出す。

4年前のJS事件。

それによって11歳まで住んでいた孤児院が破壊され、園長や孤児たちは瓦礫の下に埋もれて遺体となって現れた。俺は泣いたまま小さな子供を抱き抱えて空を見上げた。その時も雨が降っていた。薄暗い雲が視界を覆う。

守れなかった後悔や事件に対する嫌悪感や復讐感のダークな感情が心の底からこみ上げてくるのがわかる。だが、それをぶつける相手もいない。ぶつけてもいけないのだ。

あの時の雨が心の中のダークな感情を少しでも洗い流してくれると思ったが、顔に当たる一粒すらもうっとしいかったのを覚えている。

孤児院に居た孤児たちは何もしていないのに不幸の目に会った。あの出来事があったからこそ俺の夢は“魔法で誰もが不幸にならない世界を作る”と決めた。孤児たちの不幸な出来事が起こらないように。

雨は訓練中にも降っていたが、訓練に集中しないとならないのでこのようにゆっくり考える時間は無かった。雨が降って外に出てゆっくりする時間があると脳裏に浮かぶのはやはりあの時の事件。

 

「雨は嫌いだな……」

『あの時の事を思い出していましたか?』

 

首に掛けてある待機モードの十字架の姿のデバイスが俺の言葉を聞きとって質問を促した。

 

「ああ」

『あの時は申し訳ありません。私の力不足で』

「いや、あの時は俺も誰でも守れると思って自分を過信していた。そのため当時のプリムラを思う存分発揮できなかった」

 

俺は厳しい訓練を積み重ねてきたからこれで都市の皆を守れるとあの時、思った。

しかし、“AMF(アンチマギリングフィールト)”というモノがガジェットと呼ばれるものに搭載されてまったく力だが出せずにいた。そのまま、何機も都市に侵入された。

そして、孤児院が破壊されて孤児たちが……自分の過信がガジェットというものを良く調べなかったのが進入されてしまった原因の一つだった。

 

「聖杯戦争……始まったら被害が出る前にすぐに終わらせないとな」

『私も死力を尽くします』

 

プリムラの言葉に俺は微笑んだ。こんな自分でもデバイスはしっかりとサポートしてくれるのだから。

 

「……帰るか」

 

俺は帰路を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――マンション

 

「と、いうわけだ」

「強化訓練ですか」

 

ああ、と俺は答える。仕事が終わって部屋に戻り、オリヴィエになのはさんと食堂で話をしていた内容をオリヴィエに伝えた。オリヴィエも誘われている。

 

「“聖杯戦争”前に一度鍛え直そうと思ってな。準備をしっかりしないと」

「そう……ですね。一度ガイを徹底的に“虐め”鍛えた方が“聖杯戦争”で生き残れるかもしれません」

「……」

 

オリヴィエの発言のどこかに可笑しな言葉が入り混じっていたのが分かった。

 

「“虐め”鍛える?」

 

俺は確かめるためにオオム返しで言葉を返す。オリヴィエは腕を組んで顎に手を添えて発言していたが俺の言葉に満面の笑みをこちらに向けて、はい、と答える。

 

「……はあ、まあいい。俺は徹底的に自分を叩き直すよ」

「いい心がけです」

 

俺はため息をついた。自分の魔力ランクの低さが欠点なのでその分、何かで補わないといけない。それは魔力を必要としない体術などだと思っている。

 

「アインはどうなったんだろうな、メールしてみるか」

「確かに気になりますね」

 

俺はモニターを開いてメールを作成した。

 

To………アインハルト・ストラトス

件名………強化合宿

本文………こんばんは。アインも誰からか聞いたかはわからないけど、強化合宿に誘われたろ?行くのか?

 

俺はプリムラに送信を命令した。少しして返信が帰ってきた。

 

差出人………アインハルト・ストラトス

件名………Re:強化合宿

本文………こんばんは。はい、ノーヴェさんから聞かされました。四日間ですがいろいろと良い経験が積めそうなのでご同行させていただく事になりました。ガイさんも行くのですか?

 

どうやらアインハルトも行くようだ。俺は返信の文章を作成した。

 

To………アインハルト・ストラトス

件名………Re:Re:強化合宿

本文………ああ、俺も行くよ。強化合宿の時はよろしくな。

 

プリムラに送信を命令する。

 

「強化合宿の間に“聖杯戦争”が始まらなければいいが」

「ですが、今のガイではまだまだ生き抜くには辛いでしょう。徹底的に鍛えませんと」

 

オリヴィエが自分の胸の前に拳を握った。何とも心強いが、むしろこれから行われる訓練に俺は生きていけるのかと思ってしまい、はははっ、と乾いた笑い声しか出なかった。




強化訓練にガイとオリヴィエが参戦しました。

C-のガイが徹底的に虐められる訳ですねw

強化訓練が終わったら聖杯戦争スタートにする予定です。

何か一言コメントがあると嬉しいです。

では、また(・ω・)/
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