山猫の砲撃手   作:中澤織部

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長い間更新が滞っていました。
深い謝罪とともに投稿とさせて頂きます。

機体構成を少しでも変更すると、描写が面倒くさくなってきついね。



公開カラードマッチ(中編)

「ーーさあ、公開カラードマッチ1回戦第1試合が終了しました!」

 

クレイドル内部の中継から聞こえる熱狂的な歓声を背景に、カラード本社に設置された解説室で、放送での実況レポーターを勤める男は声をあげた。

 

「今回の実況は私、ロバート・ホプキンスが勤めさせて頂きます。そして解説はこの方!」

 

如何にも、といった風貌のレポーター、ホプキンスは隣の席に座る解説役の男に挨拶を促す。

 

「ーー今回、解説役を勤めさせていただく元ローゼンタール所属リンクス、レオハルトと申します」

 

解説役を名乗ったレオハルトは、整った顔を持つ金髪碧眼の男性で、嫌みの無い爽やかな風体をしている。

彼はかつてローゼンタールにおいて、象徴的機体である『ノブレス・オブリージュ』を駆っていた、オリジナルのトップリンクスである。

現在は現役を引退し、後進の育成に力を注ぐ彼は、その風貌と騎士道精神に溢れる性格から、現在でも高い人気を誇っている。

 

「それにしても先程の試合、レオハルトさんはどう見ましたか?」

 

そう言うとホプキンスは、先程行われた第1試合の情報を生放送中のVTRに合わせてスクリーンへ表示する。

表示されたのは、第1試合の選手である二人のパイロットと各機体の画像で表した略図である。

 

 

一回戦第1試合

ランク20 エイ・プール(ヴェーロノーク)VS ランク13 ヤン(ブラインドボルト)

 

ーー勝者 ヤン(ブラインドボルト)ーー

 

 

録画された試合風景と結果を交互に確認し、レオハルトは解説をした。

 

「この試合の勝負を決めたのは、まさしく機体構成の差だろうね」

 

「機体構成の差、ですか……。やはり支援特化のヴェーロノークでは厳しかった、と言うべきでしょうか?」

 

「それもある。ただ、今回はブラインドボルトがバランスのいい重量機だった、ということも大きな理由だ」

 

そう言うとレオハルトは、ブラインドボルトのアセンブルデータを二つ表示する。

片方はリンクス戦争時のもので、もうひとつは現在のものだ。

 

「リンクス戦争時の彼の機体は武装が全てハイレーザー等を中心にしたEN系統に統一されていて、高い火力はともかくとして、継戦能力に乏しいという欠点があったんだ」

 

けれど、

 

「今のブラインドボルトには、アルドラが開発したグレネードをはじめとした実弾兵器が搭載されていて、武装のバランス強化と充実化が図られている」

 

だからこそ、とレオハルトは続けて、

 

「インテリオルのネクストはEN防御こそ優れてはいるけど、実弾には打たれ弱い一面がある。特に武器腕を使用するヴェーロノークはさらに脆いからね」

 

「成る程……、バランスのとれた火力と機体の防御属性の相性ですか。解説、有り難う御座います」

 

そう言うとレオハルトとホプキンスは、続く第2試合の内容について確認する。

 

「えーと、第2試合は、……っと此処でルーキーの登場だ。 しかし対戦相手がランク上位のダリオ・エンピオとはーー」

 

「まあ、かなり一方的になるかもしれないね」

 

苦笑混じりに呟くレオハルトに、ホプキンスは問いかける。

 

「ダリオ・エンピオ選手はローゼンタールの所属ですが、レオハルトさんは面識がおありで?」

 

「ああ、彼は私の後輩で、ローゼンタールの後進育成の為にネクストから降りる際、ノブレス・オブリージュのパイロット候補としてジェラルドと争ったんだ」

 

「ノブレス・オブリージュの、ですか!? ……ということはかなりの実力者ということになりますね」

 

「ああ、でも世の中には『イレギュラー』というものが存在する。この新人がそうである可能性もあるから、ダリオには油断しないよう願うよ」

 

そう言うレオハルトの脳裏には、かつて、最も多くのリンクスによって行われた乱戦の記憶が甦る。

 

 

 

レオハルトは思い出す。

かつて、リンクス戦争の終盤で起きたベルリオーズ率いるネクスト部隊との戦闘。

その際に味方として増援に来た彼ーー『アナトリアの傭兵』は、数的不利にも関わらず、ベルリオーズを始めとした敵の殆どを撃破した。

その後、彼の所属していたコロニー・アナトリアはレイレナードが開発していたというプロトタイプネクスト『アレサ』により蹂躙され、その事件の首謀者と言われた当時のオーメル最高峰のリンクス『セロ』もろともにアレサを撃破した彼は、自身のオペレーターとともにアナトリアを去り、今では紆余曲折の末ラインアークに身を置いているという。

そんな彼は過去の事情から企業からは距離を置いており、今回の公開カラードマッチに対しても不参加を表明していた。

レオハルトは思い出す。

あの戦いの最中、僚機でもあったミドと共に機体が撃破され、トドメを刺される直前の事だ。

依頼を受け、増援として急行してきたアナトリアの傭兵が、1VS4という絶望的な戦力差を覆す瞬間を見たのだ。

あの戦いにおいて、最も活躍したであろう彼に対して、レオハルトは前々からお礼をしたいと考えていた。

その数少ない機会が、この公開カラードマッチだったのだが、彼が不参加だと聞いて、レオハルトは残念に思っていた。

……まあ、機会はまだあるんだ。そう落ち込んでいても仕方がない。

そう考えると、レオハルトは意識を始まろうとする第2試合に向けることにした。

誇り高い騎士であるレオハルトは、その生真面目さと義理堅さ故に、多くから信頼されているのだ。

 

 

 

第2試合開始まで10分を切った頃、加藤勇季はコックピットの中で思案に耽っていた。

試合とはいえ、初の対ネクスト戦だ。

不安こそはあれ、内心はかなり落ち着いていた。

……相手はダリオ・エンピオ、ローゼンタール所属のランク11。

遥かに格上の戦士である彼に対し、自分が勝てる可能性は恐ろしく低い。

対戦毎の賭けも、聞いたところだと9割はダリオの勝ちだと断定しているらしい。

メノや知り合いの何人かは残った1割としてこちらに賭けてくれているが、そもそも違法だろう、ソレ。

自分でも勝てる可能性は少ないと断じるが、流石にそうされると解っていても反抗したくなる。

つまりは、勝って見返してやりたいのだ。

よくある漫画や娯楽小説などで謎パワーだったり覚醒したりで危機的状況から逆転勝利したりするのだが、そういう要素になりやすいAMS適正でもこちらは格下だ。

……まあ、できるだけやってやるさ。

メノとも約束したのだ。そう易々と負けるわけにはいくまい。

 

『試合開始まで残り5分。準備はいいかしら?』

 

メノの問いかけに、格納庫からカタパルトへと機体を移動させた勇季は、何時もの調子で彼女に応えた。

 

「大丈夫だよ、メノ。ーーお前に勝利を」

 

『……っ、冗談はこれくらいにして、行くわよ勇季』

 

「OK、AMS接続良好。行けるぜ」

 

『カタパルトからの発進権限を移行、いつでもどうぞ』

 

ハッチが開かれ、眩しい陽光と熱のこもった空気が機体から肌に伝わってくる。

始まる戦いに期待し、胸を踊らせた勇季は、新たなる戦士の誕生を示す産声たる名乗りを上げた。

 

「加藤勇季、ローザ=ファルチェ出るーー!!」

 

カタパルトを高速で機体が滑走し、勢いよい状態のまま射出された。

フィールドである旧ピースシティへと飛び出した四脚の機体は、先ずは周囲を見渡すように確認して、ほぼ正面の、やや離れた位置に浮遊する赤いローゼンタールフレームのネクストを視認する。

対戦相手のダリオが搭乗する中量二脚機体、トラセンドだ。

 

『…………フハハハ。残念だったなルーキー、お前は初戦敗退だ』

 

トラセンドから通信で聞こえてくる声は低く、嘲りが混じっている。

恐らく負けるとは微塵に思ってもいないのだろう。相当な自信家ということが伺える。

 

「生憎、此方も負ける気はないんでね。勝たせてもらうぞランク11ーー!」

 

『……やってみろよ元ノーマル。やれるものなら、な!!』

 

互いに言葉を交わすと同時、試合開始を告げるアラームが響く。

第2試合の開始だ。

 

 

 

先ず動いたのは、ダリオだった。

右腕に装備されたレーザーライフルを構え、左肩のレーザーキャノンを展開する。

まるでごちゃ混ぜにしたような各企業のパーツを使用するローザ=ファルチェは、実弾防御とPA性こそ優れているが、それを無視できるEN兵器との相性がすこぶる悪い。

ダリオにとっては当然の判断であり、一方の勇季は、

 

『トラセンドのレーザーキャノンは強力よ。確実に避けて』

 

メノの忠告にそのまま従うと、直ぐ脇をレーザーキャノンから放たれた閃光が抜けるように貫く。

 

「危ねえな、っと!」

 

レーザーライフルの連射を小刻みに回避し、レーザーキャノンの一撃をQBで危なげなく回避。同時に右腕のライフルで牽制しつつ、ダリオの回避タイミングに合わせて左腕武装の散弾バズーカを放つ。

何度かの繰り返すような応酬の後、散弾バズーカは容易くPAを削り、そこそこのダメージをトラセンド本体にに与えていく。

 

『ちっ……、若造が!』

 

新人相手にダメージを受けたことがダリオにはショックだったのか、攻撃の勢いがいや増す。

ダリオはレーザーライフルから右背部のチェーンガンに武装を切り替えると、チェーンガンを連射。

諸に牽制用だったそれは、ガトリングやマシンガンに似た瞬間火力を持つ背部武装で、実弾防御とPA性能に優れたローザ=ファルチェの装甲に継続的なダメージを与えていく。

 

「チクショー、痛ぇなオイ!?」

 

『このまま空中戦を続けるのは愚行ね。ーー地上に降りて、ビル群に誘い込みましょう』

 

メノの助言を受けた勇季は、OBを使用しながらローザ=ファルチェを地上に降下させると、旧ピースシティのビル群の中でも大きめの廃墟に身を隠す。

散弾バズーカのをPA削りに使用することを前提に、右腕のローゼンタール製アサルトライフルから右背部の有澤製グレネード砲に武装を変更し、ビルの陰から相手を伺う。

……野郎、降りてくるか?

相当な自信家なダリオからしても、こんな隠れ潜みやすい場所にわざわざ突っ込んでくる程愚かではないだろう。

遠方からビルを破壊するなりする筈だ。

だが、と勇季は考える。

先程の言動と事前の情報から、ダリオは相当な自信家であり、プライドも異様に高いことは解っている。そんな彼がルーキーを相手に、安全策を講じるのだろうか。

加えてトラセンドの武装には、まるでそれを裏付けるかのように装備されたレーザーブレードまである。

恐らくは高名なアーキテクトであるフロイド・シャノンの設計故からかもしれないが、その近接武装は実際に驚異となる。

しかし、と勇季は考える。此方には此方でGAから支給された散弾バズーカがあるのだ、と。

新商品ゆえに情報も殆ど公にされていないが、この武器は近づけば近づく程に驚異となる兵器だ。

事前のシミュレーションでもその真価をついこの前になって確認できたほどだが、その性能は驚嘆に値する。

此方にとって、相手が散弾バズーカの真価を未だに図りきれていないのが唯一のアドバンテージだ。

隠れている間に息を整えると、ビル群の向こうから収束するような独特の噴射音が響く。

OBの起動音だ。

 

『まさか突っ込んでくる気なの……!?』

 

「可能性はあったが、本当に来るのかよ……!」

 

驚愕に満ちたメノの言葉に似たような言葉で反応し、しかし勇季は応戦を決意し、操縦桿を再度握りしめた。

 

 

 

……あのルーキー、舐めた真似しやがって……!!

ダリオは内心で悪態を吐き、OBを起動する。

相手の四脚は正面からの撃ち合いを一旦はしたが、相性の悪さを理解するとともにビル群に退避した。恐らくは背中のグレネードを隠れながら当てる腹積もりだろう。

コソコソしやがって、と思いながら、トラセンドの左腕武装であるレーザーブレードを構える。

 

『どうしたのですかトラセンド。ここは接近ではなく狙撃に徹するべきでは!?』

 

オペレーターから悲鳴に似た疑問が投げ掛けられるが、構っていられない。

 

「俺はランク11のダリオ・エンピオだぞ? この程度の策など捻り潰してやる……!!」

 

ダリオにとって、リンクスとは圧倒的な力であり、優れた人間という証だ。

だからこそ、とダリオは過去を思い出す。

己はかつてリンクスとしての力と名声を求め、正に象徴的なネクストである『ノブレス・オブリージュ』を求めた。

高い才能と実力でリンクス候補として頭角を表したダリオは、ありとあらゆる手を使いながら勝ち上がり、しかしノブレス・オブリージュのリンクスに選ばれることはなかった。

己を差し置いて選ばれたのは、候補生時代には何時も二番手で、自分よりも格下のジェラルド・ジェンドリンだった。

何故だ、と上層部に直訴したが、重要な素質が足りないというだけで取り合うことはなかった。

ノブレス・オブリージュのパイロットだったレオハルトにも、致命的なものが足りないのだと忠告された。

何が足りないんだ、と考えた己は、ただひたすらに戦い続けることを選んだ。

今でも尚、ダリオはノブレス・オブリージュを諦めてはいない。

だからこそ、こんな企業の人気取りでしない余興で手間取るわけにはいかないのだ。

相手のネクスト、ローザ=ファルチェを倒すための策は既にダリオの頭の中にある。

至近距離で行くならQBで近づき、レーザーブレードで仕留める。

勿論当たり外れかは兎も角、ブレード使用後の離脱時はチェーンガンでの牽制も行う。

ほぼ完璧な作戦だ。

唯一の危惧は相手の左腕武装だ。

バズーカの類いとは思ったが、こちらに飛んできた弾道などから、大型のショットガン系武装の可能性も予想できたが、先程までの応酬から弾数が少なく、節約しているそぶりも見せていた。

驚異とするものではないと考え、OBの解除とともに、一番確率の高いビルに向かってブレードを構える。

ブレードを構えたトラセンドはQBをしつつ回り込むようにターンを効かせた動きでビルの裏へ回り込む。

……これで終いだ!!

口角を歪め上向きに歪め、勝利の確信とともに構えたブレードを振り抜こうとした間際、ダリオは相手の挙動をその目に焼き付けた。

左腕の散弾兵器が、此方の真正面に対して向けられていたのだ。

 

「こ、のガ、キ……!?」

 

QBによる緊急回避も間に合わず、トラセンドは真正面から散弾を浴びせられ、その装甲を穿たれた。

 

 

 

散弾バズーカが直撃した瞬間、心の底から勇季は焦っていた。

……アッブネエェェーー!? マジ危ねえーー!!

OBの噴射音が響いたのを聞いた勇季は、ビルの影で散弾バズーカを構えていた。

視認した瞬間に引き金を引こうと思案していたが、高速でターンしながら真正面に現れたときは頭が一瞬真っ白になり、無意識のうちに引き金を引いていた。

偶然にもそれはトラセンドの装甲を真正面から抉り、多くの張られたPA毎、かなりのAPを削り取った。

勇季は相手にダメージを与えたことに喜び、しかしトラセンドが咄嗟に回避起動をとったことに驚愕する。

……あの一瞬で判断でするのか!

本来は己をブレードで斬ろうとしていながら、ほんの一瞬の判断で回避を選択したのは、流石はリンクスといえる。

 

『手前ぇ……、やりやがったな畜生が』

 

憤りと焦りで満ちた声で、ダリオはレーザーライフルを構える。

回避の際に盾がわりにしたレーザーブレードは、自分の放ったバズーカの直撃を受けて破壊されている。

 

「……ハハ、ヤベェ」

 

眼前のトラセンドは使い物にならないブレードを放棄し、左背部のレーザーキャノンを構える。

溢れんばかりの殺気を浴び、咄嗟に勇季はグレネードキャノンをトラセンドの足下に放つ。

放たれた榴弾は砂塵を吹き飛ばし、トラセンドの視界を遮る。

ローザ=ファルチェは背部のグレネードと左腕のバズーカを構え、QBを小刻みに起動しながらトラセンドの背後へ回り込む。

四脚型ネクストであるローザ=ファルチェは安定性能と旋回性能に優れており、大半のネクストが該当する二脚を相手にする際に大きなアドバンテージとなる。

吹き飛んだ砂塵が目眩ましとなり、トラセンドは此方の位置を把握仕切れていない。

…後はトラセンドがどちらに動くか、か。

視界を確保するためにも、トラセンドは砂塵の外へと必ず動く必要がある。

しかし、真正面は勇季が目眩ましをしたので安易な退避は危険であり、後ろへ下がることも危険な選択だ。

残る回避場所は、左右と上空の何れかに限られている。

そして、砂塵による目眩ましが薄れると、視界の先、トラセンドが此方にカメラアイとレーザーライフルを向けた姿が見えた。

読まれていたのか、という一瞬の焦りと思考も先程の経験からか瞬時に掻き消え、冷静に背部のグレネードを放つ。

レーザーライフルの連射がローザ=ファルチェのAPをゴリゴリと削るが、そんなことに構ってなどいられない。

 

「倒れろォッ……!」

 

『 クタバレ若造がァ……!!』

 

二人して叫ぶと同時、互いに放たれた砲弾とレーザーが掠めるように交差し、相手に直撃する。

トラセンドのレーザーはアンテナに似たローザ=ファルチェのヘッドパーツを抉り、カメラアイの殆どを破壊する。

一方でローザ=ファルチェの放った砲弾はトラセンドコアパーツと右腕部に直撃し、爆風とその余波でレーザーライフルとチェインガンにもダメージを与える。

直撃時の衝撃と反動から、トラセンドとローザ=ファルチェの両機は動きを止め、一時の静寂が訪れる。

 

『試合終了ォォーー!! 勝者、加藤勇季ィーー!!』

 

実況役のホプキンスが言葉を声を張り上げ、直後にクレイドルや各地の中継カメラから溢れんばかりの歓声が巻き起こる。

勝利したのだ。

 

 

 

……か、勝ったのか……?

画面端に表示された両者のAP量を見ると、トラセンドが0で、ローザ=ファルチェは残り147になっていた。

かなりギリギリな勝利であった。

勇季が現実味の無さから疑問符を浮かべていると、機体のモニター画面一杯に、勇季のオペレーターであり恋人でもあるメノ・ルーの姿が表示された。

 

『初勝利おめでとう。勇季」

 

彼女が浮かべた微笑みは暖かく、それを見てようやく自分が本当に勝利したのだと、勇季は朧気に理解した。

まだ現実味の無さは変わらないし、完全に理解できてはいないが、彼女の期待に応えたという事実が堪らなく嬉しくてしょうがないのだ。

 

「お前に勝利を、と言っただろ?」

 

勇季がやや意地悪な笑みを浮かべてそう言葉を返すと、メノは可愛らしさの残る顔を赤らめる。

 

『ええ、有り難う勇季』

 

 

 

 

 

一回戦第2試合

ランク31 加藤勇季(ローザ=ファルチェ)VS ランク11位 ダリオ・エンピオ(トラセンド)

 

ーー勝者 加藤勇季(ローザ=ファルチェ)ーー




対ダリオ・エンピオ戦、如何でしたでしょうか?

戦闘シーンの描写を頑張ってみたのですが、未だに至らぬところの多いこと多いこと……。

今後は適度な更新ができるよう、努力致しますので宜しく御願い申し上げます。



スティ子可愛いよスティ子。

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