大長編ジータちゃん ~ルリアと小さなカリオストロ~   作:コモリモリオ

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第3話

 ☆【episode3 1/4】

 

 プチカ

「さあ、てんさいかりおすとろが

 せっかくとらのこの

 さぽーとぼでぃまでうごかしたんだ」

 

 プチカ

「いつまでも

 じかんをむだにしてられないぜ。」

 

 プチカはテーブルの上から

 ぴょんとジャンプすると

 ビィの背中へと飛び乗った。

 

 ビィ

「わっ、オイラに何するんだよプチカ!」

 

 プチカ

「いまはうろぼろすがよびだせないからな。

 おまえをおれさまの

 りんじのつかいまにしてやる。」

 

 プチカ

「おまえみたいなとかげが

 こんなにかわいいぷちかちゃんの

 のりものになれるんだ。」

 

 プチカ

「こうえいにおもえよ、びぃ。」

 

 ビィ

「仕方ないなぁ。

 背中に乗せてやるから

 変なとこ触るんじゃねぇぞ!」

 

 プチカ

「へんなとこって、

 こ~いうところかぁ~?」

 

 ビィ

「うひゃひゃひゃひゃ、

 言ったそばからくすぐるんじゃねぇ!」

 

 ルリア

「わー、いいなあビィさん。

 プチカちゃんと楽しそうです。」

 

 ビィ

「オイラは大迷惑だぜ!」

 

 笑いながらビィとたわむれるプチカ。

 

 ひとしきり気が済んだのか

 彼女はポケットの中から

 豆粒のようなコンパスを取り出す。

 

 プチカ

「こいつはかくりよのしとどもの

 けはいをかんちするどうぐだ」

 

 プチカ

「ほんとうはべつのもくてきのために

 つくったものだがしかたがない、

 ちょちょいとかいぞうしてみたぜ」

 

 プチカ

「にわかづくりのものだから

 ざんねんながらこうかはげんていてきだ」

 

 プチカ

「てがとどくはんいにいないかぎりは

 そいつがほんとうにかくりよのしとか

 しることはできねぇ」

 

 うかない顔をするプチカとは裏腹に

 ルリアとビィは安心した表情をする。

 

 ルリア

「でも、そろそろ朝食が始まる時間ですし、

 みんなが集まりますから

 すぐに解決出来ちゃいそうですね。」

 

 ビィ

「メシに来ない奴が居たら

 そいつが怪しいって事だし

 こいつぁ楽勝だな!」

 

 ルリア

「今日はビーフシチューの日ですから、

 食材を買い出しに行った時から

 ずっと楽しみにしていました!」

 

 プチカ

「てきがみかたにばけているってのは

 そんなきらくなものじゃねえんだが…、

 ま、こいつぁおとなのしごとだな」

 

 プチカは人形のように丸くなった

 そのかわいらしい顔を

 皮肉気に歪ませた。

 

 ☆【episode3 2/4】

 

 プチカ

「そろそろひとしごとするぜじーた。」

 

 プチカ

「めしをくうにしても

 やつらをかるにしても、

 まずはしょくどうへむかわないとな。」

 

 プチカ

「ねぇ、びぃくん。

 ぷちかをしょくどうまでつれてって?」

 

 ビィ

「おうよ!」

 

 ビィを駆るプチカの先導により

 ジータたちは食堂へと移動する。

 

 近付くにつれ漂ってくる

 空腹を誘う香りは、たしかに

 ルリアの発言を裏付けるようだ。

 

 ルリア

「ビーフシチューの匂い、

 おいしそうですね!」

 

 騎空艇のものとは思えないほど

 広い食堂には朝食を求めて

 大勢の騎空士たちが集まっている。

 

 団長であるジータの姿に

 気が付いた者が次々と挨拶をする。

 

 その挨拶は

 決して堅苦しいものでは無い。

 友人に向けるそれとおなじものだ。

 

 プチカ

「いまおれたちに

 あいさつしたれんちゅうは

 どうやらしろだな。」

 

 一部の騎空士は硬い表情の

 ジータとプチカの姿を見て

 何事かを感じ取ったようである。

 

 プチカ

「じーた、あつまってるれんちゅうに

 そのばからうごかないように

 しじをだしてくれ」

 

 プチカの言葉に従い

 ジータは食堂に集まった

 騎空士たちに的確な指示を出す。

 

 動くな、武器に手を触れるな。

 お互いに一定の距離を取れ。

 

 既に配膳が済んでいて

 お腹が空いているようなら

 食事を続けて構わない。

 

 プチカ

「よけいなしじまでだすんじゃねぇ!」

 

 プチカ

「おまえのそういうあまさは

 きらいじゃあないが…、

 まあいい、いくぞ。」

 

 ☆【episode3 3/4】

 

 まず誰からチェックしていくべきか。

 親しき仲間たちを疑う事に

 一瞬のためらいを覚えるジータ。

 

 そんなジータを気遣ったのか、

 プチカが効率の良いチェック方法を

 アドバイスする。

 

 プチカ

「つうろをひとふでがきをかくように

 ひととおりあるいてくれ。」

 

 なるほど、それなら

 深く悩まず機械的にチェック出来る。

 

 1人、2人、3人…。

 プチカ達は食堂に集う

 仲間の傍らを次々と通り抜ける。

 

 そうして、プチカによるチェックを

 受けていない騎空士の数の方が

 少なくなった時に騒動は起きた。

 

 カタリナ

「うわっ、いきなり何をするんだ!?」

 

 一人の騎空士が手に持った

 料理を載せた盆を周囲にぶちまけて

 通路の方へと走り抜けていく。

 

 それに運悪くカタリナが

 巻き込まれてしまったようだ。

 

 髪や衣服がビーフシチューや

 ドレッシングなどで

 ベトベトに汚れてしまっている。

 

 ルリア

「ああっ、もったいないです!」

 

 プチカ

「ちぇっくはできていないが

 あいつはまちがいなくくろだ!

 おいかけるぞ!」

 

 ☆【episode3 4/4】

 

 仲間に化けた幽世の使徒、

 その最初の一体を討伐した

 ジータ達。

 

 あと残り何体居るのか、

 気乗りしない作業だが

 まだ先は長い。

 

 そんな一行を

 はげますように

 プチカは新たな行き先を告げる。

 

 プチカ

「のこりはあとごたいだが

 とんだまぬけもいたもんだ、

 しょくどうへもどるぞ!」

 

 ルリア

「あっ、確かに!」

 

 食堂まで戻ると、

 濡らした布で服や

 髪の毛を拭きながら、

 

 自室のある方向へと

 移動しようとする

 カタリナに遭遇する。

 

 カタリナ

「どうした?お前達。

 先ほどから

 どうにも気ぜわしいな。」

 

 プチカ

「おかげさんでな。」

 

 あらかじめ打ち合わせた通りに

 カタリナ、いや、

 カタリナに化けた幽世の使徒を囲む。

 

 プチカ

「ばかばかりのかくりよのしとでも

 おまえがいちばんばかだろうよ」

 

 プチカ

「かたりなはいま、

 かりおすとろのかんびょうを

 しているだろうし」

 

 プチカ

「もし、そうでなくても

 ひとりでうごくなと

 しじをだしてある」

 

 カタリナ

「そんな!私はただ朝食を

 食べに来ただけだ!」

 

 プチカ

「くんれんされたぐんじんが、

 めしをくうためだけに

 そんなかってをするわけがない」

 

 ビィ

「全く間抜けな奴だぜ!」

 

 プチカ

「いずれにせよ、おれさまのちからで

 おまえがかくりよのしとなのは

 すでにちぇっくずみさ」

 

 カタリナの姿をしていた者は

 化けるのを辞め、元の姿へと戻る。

 

 幽世の使徒

「ふ、ふははは。

 だからこんな計画は嫌だったのだ。」

 

 幽世の使徒

「世界を支配するべき我々が

 仮初にでも人間に化けるとは、

 全く愚かな話よ!」

 

 幽世の使徒

「最初からこうすればよかった、

 この手でお前らを

 なぶり殺しにしてくれよう!」

 

 プチカ

「そういうえらそうなことは、

 だれよりもじょうずにものごとが

 こなせるようになってからいいな。」

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