貰った力と才能と主人公   作:デッドマン

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まずは顔合わせから

 IS学園。

 ISを学ぶために作られた学園で、そこに通う生徒は女子しかいない。篠ノ之博士の趣味なのかそういう仕様なのか全く不明だが、ISを扱えるのは女子だけ。男は触っても全く反応しない究極の女尊男卑兵器。女性のみが世界最強の兵器を操ることを許されており、好戦的な男性は全く動かすことが出来ない。

 そんな女にしか扱えないISだが、例外が起きてしまった。偶然織斑一夏がISに触れてしまい、起動させてしまったのだ。女にしか扱えないはずのISを男が起動させた。この事件は世界中で大きく報道され、そして……ある大きな期待を男性に持たせる事となった。

   ISは女性しか扱えないわけではない、男性でも扱える者がいるかもしれない

 

 IS登場によって女尊男卑が横行し、男は肩身の狭い思いを抱いていた。しかし織斑一夏の登場によって、男でもISを扱える可能性が出た。日本を始めIS保有国はすぐに男性にも適正検査を受けさせ、織斑一夏以外のIS適合者を捜す事となった。そしてその結果―――

 

 

「凄い注目だな、俺たち……」

 

「仕方ないだろ、俺達男なのにIS動かせるからな。しかしいやマジで良かった! 俺以外にもIS動かせる奴がいて!」

 世界で最初にISを動かした男、織斑一夏は自分の前に座っている少年に心底嬉しそうな笑顔を向けた。

「……俺は動かせたのが怨めしい。本当ならこんな所じゃなく、地元の高校に通っていて空手部入って全国目指してたはずなのに」

 そう言って、一夏の前に座っている少年―――赤羽恭介は大きくため息をついた。身長180を超え、服の上からも引き締まった筋肉が彼の言葉の裏づけをしていた。

 

「はは、そりゃ災難だったな。まあ俺も最初は藍越学園に入るつもりだったのにここに来る羽目になったんだよな。まあ少ない男同士だ、仲良くしようぜ」

 

「ああ、それに関してはこっちからお願いしたいんだが……織斑、一つ聞いていいか?」

 

「おう、いいぜ。あ、それと俺の事は一夏でいいぜ」

 

「じゃあ俺も恭介と。一夏……あの教室の後にいる俺達の仲間であるはずの貴重な俺達の同類。なんかこっちをずっと睨んでいるが一夏になんか心当たりあるか」

 

「……いや、俺は知らない。てかあいつこっちというより恭介をずっと睨んでないか?」

 

「……やっぱりそうか。俺は何も心当りないんだがなあ」

 

 

 

 一夏と恭介から離れた教室の後ろ側に座っている、一夏と恭介と同じ男性適合者―――佐藤拓郎は困惑した顔で教室の前方に座っている恭介を睨んでいた。

 

(一夏はわかるが……誰だよあいつ! ISの作品に登場するのは織斑一夏だけのはずだろ! 赤羽恭介なんて知らないぞ!)

 

 教室の後ろで一夏と恭介を睨んでいる少年佐藤拓郎―――その正体は本来なら違う世界の住人、二次創作ではお馴染みの神様から他の世界に飛ばされた転生者である。

 彼こと佐藤拓郎君は、前の世界では良い所も無くは無いが、基本的に内向的で友達がいなく寂しい人生を送っていた。

 そんな彼だが、いつものように虎の穴でラノベを買って家に帰る途中信号を無視したトラックに跳ねられて死んでしまった。

 しかし、それは死神のミスによるもので死後の世界に行く前に死神が謝罪をし、好きな世界に好きな能力付けて転生してあげると話を持ちかけられた。しかし、

 

「転生とかじゃなくて、俺を普通に生き返らせろよ! そして特典とかくれるんなら生き返った俺に金で10億くらいくれ! それで好きなだけオタクライフ満喫できるから!」

 

……拓郎はわりと現世が気に入っていたため、死神の提案を拒否。

 

「え~っと、いや現世に復活は出来ないから代わりに君が行きたい世界に行かせてあげるから勘弁して! ほら君が好きな能力あげるからさ。君Fateとか好きでしょ。無限の剣製とかゲートオブバビロンとかあげるよ」

 

「ふざけんな! そんなチート能力貰っても戦いしか役に……いやゲートオブバビロンは宝を売れば金に……いやそれじゃ現代社会じゃ無理だな。現代であんな宝持って行っても警察に入手ルートとか聞かれたら終わりだし」

 

 「面倒臭いですねえ貴方は。ああ、もうなんか面倒だから貴方が最後に買ったラノベの世界に行かせますね。ああ、ご心配なく肉体面に環境もこっちが上手く調節してあげますから。ではさよおなら~」

 

「は!いやちょっと待」

 

 こうして拓郎は、死神からISの世界に飛ばされたのだった。

 

 

 

 

(くそ~死神の野郎変な世界に飛ばしやがって! ……いやそりゃあこの世界に転生されて、生まれ変わった俺は前の世界とは別にイケメンだし身体能力も同世代の連中よりも郡を抜いているけどさあ)

 拓郎は死神からの特典のおかげか、身長はそれなりに高く、顔も芸能人顔負けのイケメン。すらっと伸びた肢体は脂肪がなく細く引き締まっている。しかし拓郎は自らの体を振り返り、ため息をついた。

 

(赤羽恭介か……俺はどっちかというとああいった男らしいがっちりした体が欲しかったんだよなあ。良いなああの太い腕。羨ましい)

 拓郎は細い感じのイケメンではなく、がっちりした筋肉のある男の体が欲しかったのだった。

 そうして拓郎は、イレギュラーな存在である恭介をその後も睨み続けるのだった。

 

 

「ああ、そういえば一夏。後ろにいる同類も気になるが……あの窓際にいる女子は明らかにお前を睨んでいるぞ。お前の知り合いか?」

 

「窓際?……ああ、箒の事か。あいつはそうだよ、俺の幼馴染だ」

 

「へえ一夏の幼馴染か。……ならなんであの子お前睨んでるんだよ」

 

「いやそれはわからん。何でだろう?」

 

「お前が話しかけるの待ってるんじゃねーか? なんか明らかに不満気な顔してるし。お前ちょっと行って来いよ」

 

「そうなのか? よくわからんがじゃあ」

一夏は言いながら立ち上がろうとしたが、その前に教室のドアが開き副担任の山田先生が教室に入ってきた。

 

「あ、先生が来ちゃったか。後にするか」

 

「ま、次の休み時間にでも会いに行けよ。そしてその後俺に紹介してくれ。結構タイプだ。特に胸」

 

「……」

 

 そして、山田先生が教室に入っ後に一夏の姉の織斑千冬も教室に入ってきた。

 

「ええ! 千冬ね」

 

「きゃー!織斑先生よー!」「カッコいい!」「お姉さまと呼ばせてくださーい!」

 姉の千冬の登場に思わず一夏は千冬姉と言いそうになったが、それをクラスの女子達の歓声が打ち消した。

 

「……ああ、全くどうして私が受け持つクラスはどれもこうなんだ」

 クラスの歓声を聞いて、千冬は呆れた顔をしながらクラスを眺めた。そして視線が一夏の方を向けて言った。

 

「織斑、先に言っておくがここでの私は先生だ。だから織斑先生と呼べ。間違っても家で言ってるような呼び方をするなよ」

 

「わ、わかりました千、いえ織斑先生!」

 

一瞬と千冬姉言いかけた一夏だったが、千冬の腕が不穏な動きをしそうだったため慌てて言い直した。

 

「……この人が織斑千冬、モンドグロッソの覇者。凄い、体から凄い闘気が溢れ出ている」

 

(なんだよ闘気って……)

 恭介の呟きに、呆れた顔をしながら一夏は心の中で突っ込んだ。

 

 

 

 

 その後、自己紹介が行われたが、三人の男性パイロットの事で話題になりはしたが特に問題なく終了した。

 

「一夏、ちょっといいか」

 自己紹介も終わり休み時間になった後、箒は一夏の元に来て教室から一夏を連れ出していった。

 

「ちぇえ、いいなあ一夏。あんな可愛い幼馴染と一緒にどっか行って」

 一夏がいなくなり寂しくなった恭介がそうぼやいていると、

 

「おい赤羽とか言ったな、ちょっといいか?」

 さっきまで教室の後ろでずっと睨んでいた拓郎が、赤羽に話しかけてきた。

 

「一夏は可愛い幼馴染なのに、俺はなんか知らないが俺を睨み続けていた男、か。なんだこの不公平さは」

 

「知るかんなもん。いいから来い」

 拓郎が睨むと、恭介はやれやれといった顔をしながら拓郎の後に続き廊下に出ていった。向かった先は……男子トイレだった。

 

「おいおいトイレなら一人で行けよ。女子じゃあるまいし」

 

「あほ、別にそれが目的じゃない! 俺はお前に聞きたいことがあるんだよ」

 

「聞きたいこと? 何だよ?」

 

「ああ、もしかしてお前も……俺と同類なのか?」

 

「同類? ああ、俺もお前も一夏も世界でごく稀な男のIS適合者だろ?」

 

「いや、そうじゃなくてだな……お前、この世界の人間か?」

 疑問に満ちた目で拓郎が言うと、恭介の目が大きく開いた。

 

(やはり! こいつも俺と同じ転生者か!)

 恭介の反応で恭介も転生者と確信する拓郎。しかし、

 

「……あ~、確か佐藤だっけ。いや俺もそういうの嫌いじゃあ無いんだが……高校生にもなってそういうのを言うのは止めとけ。中学の2年までに卒業しとけよ」

 なにやらかなり可哀相なものを見る目で拓郎は恭介に肩を叩かれた。

 

「いや、ちょっと待て! お前誤解しているだろ!」

 

「いやわかるぜ、俺もお前も一夏も環境が激変したから少し現実逃避したくなったんだろうが……現実を受け入れようぜ! 何、お前だけじゃない。俺も一夏もいる。お前の仲間はちゃんといるから」

 

「だからま」

 

「いい、みなまで言うな。つい不安になって現実逃避しただけなのは俺にはわかっているから! だからこんな話はもう止めにしよう。大丈夫、一夏もお前を受け入れるから脳内設定はもうしなくていいんだ」

 

「話し聞け!」

 

「お、もうすぐ休み時間終わるな。よし、まあ話はまた次にしようぜ。次は一夏も一緒に交えてちゃんとお互い自己紹介しような」

 

そう言って、恭介はトイレから出て行ってしまった。

 

「……なんなんだあいつは。転生者ではないのか?それともこの世界に存在したイレギュラーな存在なのか?くそ、とりあえず保留だな」

 疑問に思いながら、拓郎もトイレから出て教室に向かうことにした。

 

 




更新がんばります。
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