これまた更新されるか謎な気晴らしのために書いた小説です。
初心者より初心者らしい錬金術(笑)ですがどうか生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。
錬金術の知識等持っている方(居る訳ない)がいたらいいなぁw
もしいるようならお力添えをw((
僕、音無 奏は錬金術師だ。
音無家は昔、錬金術を扱う家系だったのだが、国が錬金術禁止法を制定してからはめっきりやらなくなってしまった。
しかし僕は錬金術に異常なほど興味を持ってしまい3歳から5歳の間に自分で師匠を見つけ16歳になるまでずっとその人に知識を貸してもらっていた。
現在は弟子をやめ独立して一人の錬金術師として、高校三年生として生活している。
「えー、次音無ぃ」
「は~い」
適当に返事をしてから羊皮紙の頁をめくりラテン語の文字を読んでいく。
季節は夏で明日から夏休みなのだ。
しかし今日は不安しかない、昨日家の近くで事件があり迂闊にも警官の呼び鈴へ対応してしまい錬金術で使用する道具や炉を見られてしまったのだ。
恐らく東京の警官が僕の予想通り有能でいてくれたら今日中にこの学校にくるだろう。
奏はそんなことに思考を巡らせながら担任のHRを聞き流すと女神の笑みはこちらには向かなかったようで警官が入ってきた。
「この学校に錬金術師が居る。大人しく出てきなさい」
「やれやれ...どうせ拷問でもして情報を吐かせるんだろうなぁ」
小声で呟くと1人の警官がこちらの顔を覗き込む。
「先輩、こいつです!!」
「あぁもう!そうだよ、ぼ...俺は錬金術師、音無 奏だ!よく覚えておくんだな」
そう言って窓を破り手ごろな足場に跳び下りて置いてあった白バイを使い、家に戻り非常用に用意した荷物を背負い、家の中にある秘密経路を使い師匠の家まで行き、ここまでの道を爆破してから自動でセメントが流れるようにした仕掛け作動させ、通れないようにする。
そして梯子を上り扉を開けて師匠の家に着く。
「あら、奏君じゃない。どうしたのかしら?」
椅子に座ってこちらに笑みを向けてる美女は僕の師匠、松下
僕が5歳の頃に見つけた凄腕の錬金術師だ。
「いやぁドジ踏んで警察に見つかってしまって」
「あら、それは災難ね。まぁ、とりあえずコーヒーでも飲む?」
「お願いします」
ゆっくりと淹れられたコーヒーがテーブルに置かれ、それに手を着ける。
「で、警察にここに来たのはバレてるのかしら?」
「とりあえず道は塞いで別の道を開けていますが...見つかるのも時間の問題な気もします」
「ふぅん...そうねぇ。あ、君もう英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ラテン語、ヘブライ語は読めるようになってる?」
「はい。結構前に読めるようになってますし、今ならもう喋れます」
「そう...なら旅に出ちゃうのもいいわね。それに錬金術やるならやっぱ本場だわ」
「旅...ですか。でもそんなお金...あ、そうか。僕らは錬金術師で、唯織さんは黄金変成を成功させた
「そう言う事よ。もう
そう言っていきなり下着姿になって動きやすそうな服に着替える。
「了解です。
「水銀で遊ぶ暇なんてないわ、必要なのは知識よ」
沢山の書物から一冊一冊素早く慎重に本を抜き取っていく。
「まぁ、ですよね。旅先でアクセサリーも買っておきましょう。何かの時の身代金になりますしね」
「そうね。貴方もやっと一人前かしら、ふふっ」
楽しそうに口元を隠して笑い作業に戻る。
「一人前かぁ...まだまだですよ」
そう言って賢者の石を水銀の中に入れて黄金変成を完了させる。
金を一回熱で溶かし延べ棒の型に流して急速に冷やす作業を繰り返し金の延べ棒を一つ残してリュックサックの中にいれる。
「あら、どうしたの?」
「いえ、賢者の石での黄金変成ではどのくらいの純度なのか気になって」
そう言って試金石に擦りつけると24金より若干深い山吹色をしている。
「純度100%ってことですかね...?」
「そうね。多分そう言う事になるわ」
「待ってもらってありがとうございます。準備はどうです?」
試金石と金をリュックに入れ立ち上がる。
「もうできたわ。じゃあ早速来てもらおうかしら」
唯織さんがどこかに通話を繋げるとフランス語でとある場所を指定してヘリで来いと命令していた。
「じゃあ今から日本滑空協会に行くわよ。そこからジェット機でフランスまで行くの」
「ヘリ?え?」
奏は現状を理解できずに混乱しているがそれをお構いなしの様子で奏の手首を掴み永山駅まで半ば引きずられながら歩く。
永山駅から霞ヶ関駅まで行きそこからは歩きで日本滑空協会まで行く。
「次はジェット機ね」
背伸びをしてからまた手を繋いでくる。
「ねぇ、私達って周りからどう見られてるのかしら?親子は流石に無さそうだけど姉と弟みたいに見えるのかしら?」
「いや、僕に聞かれても...」
「ふふ、こういう時冗談の一つでも言えると錬金術師としては質が上がるわよ?言いくるめは大事だしね」
そう言って頭を撫でてくる。
「自分はまだ正式な錬金術師になって一年目なので」
「まぁそうね。で、ここが滑空協会ね、覚えたわ。来るまで時間もかかるし今日はホテルにでも泊まりましょ?」
唯織さんが顔を覗き込む。
「了解です。あ、確か近くに僕たち錬金術師の商品を許容して買ってくれる店があるんです。たしか24金は現在の相場は1gあたり4177円で子の延べ棒は一個1Kgなので417万ですが、あちらも商売ですし貰えて300万程度が妥当ですかね」
「...君ってお金絡むと凄いわよね」
唯織さんの笑顔が引きつる。
「そうですかね?まぁ大好きだから仕方ないです」
そう言って奏の言う店に立ち寄る。
「お、久々じゃねぇかクソガキ。あれ、お前姉貴いたのか?」
大工が似合いそうな大きな体に逆立った短髪、健康的に焼けた黒い肌が特徴的な男性が奥の椅子でカップラーメンを啜っていた。
「あぁ、私は姉じゃなくこの子の母親です」
綺麗な笑顔でさらっと嘘を言う。
「何嘘吐いてるんですか。この人は僕の師匠です」
「はえ~...すげぇ美人さんだな」
「あらあら、でも私は男より金属に愛が向いてるの。ごめんなさいね」
柔らかな笑顔を浮かべながら奏を撫でる。
「金属...あ、そうだクソガキ。何の用だ」
「金持ってきたから買ってよ」
そう言って金の延べ棒を一つみせる。
「ほぉ~...何だお前、黄金変成にでも成功したのか」
「僕じゃなくて師匠がね」
「へぇ...おぉっと脱線したな。じゃあ350万で買い取らせていただくかな。どうだ?」
「おぉ、気前いいですね。じゃあありがとうございます」
店主は金庫から札束を持ってくる。
「じゃあ使う分だけ財布に入れてください」
そう言って奏は財布に20枚ほど財布に詰め込み、唯織は10枚詰め込んだ。
残った金はリュックに入れる
「じゃあこれで」
そう言って外に出てからスマホで最寄りのホテルを探す。
「あのさ、奏君。ここってラブホじゃない?」
「まぁ、そうですね。でも設備はビジネスホテルとかよりマシですよ?」
「シティホテルでいいじゃない...」
「あ、そうだお金いっぱいあるんでした。ついいつもの貧乏癖が」
そう言って上等なシティホテルの部屋を借りる。
「あの、唯織さん?」
「何かしら?」
「何で部屋別じゃないんですか?」
「貧乏癖出してたくせにそう言うのは気にするのね。私達は今一応警察に追われているのだから私名義で二人一緒に泊まれば少しはバレないでしょ?...後は久しぶりに人と話したからもっと話していたいのよ」
「後者が本音な気もするんですが、あの」
「う、うるさいわよ」
「それより、旅ってどうするんですか?」
「フランスに拠点を置いてルートを決めてふらっと行こうって感じよ。お金なら私たちはいくらでも作れる。それならやることは遊ぶ一択よ」
「田舎に少し大きめの家でも建てて暮らしたいですね」
「そうねぇ、でもフランスはキリストも多いし気をつけないとね」
唯織さんはさほど気にしていない様に言ってからベッドの上に寝転がる。
「まぁ、何かあったら最悪歓迎を装い暗殺するのも悪くはないですよね」
「昔は暗殺とか怖がってたのに今ではさらっと出せるほどに...逞しくなったわね」
唯織は苦笑を隠せないでいた。
「生き抜くためには致し方ないですよ」
椅子に座っていた奏が伸びをするとインターホンの音が鳴る。
「お食事をお持ちしました」
そう言うと奏が応対する。
「こんなところで食事なんてほんと何年振りかしらぁ...」
「10年は超えてるのでは?」
久々のご馳走に奏はたまらず肉を大きくカットして口に押し込む。
それからパンを千切りビーフシチューに付けてそれも押し込みじっくり味わって飲み下す。
「美味しそうに食べるわね、やっぱ男の子ねぇ...」
楽しそうに笑い、肉を小さく切り分けて米と一緒に口の中に運ぶ。
「唯織さんはやっぱ昔と変わらず女性らしいですね。あと少し化粧が変わりました」
コーンスープを飲みながら唯織をチラッと見る。
「あっ、そこ気づいてくれるのね~。友達とかは全然気づいてくれないのよ?酷くないかしら」
「まぁ...微妙な差ですし気づきにくいですよね」
「まぁそうよねぇ...でも、年を取らないのはいいことね。仲のいい人がどんどん先に死んじゃうのは悲しいけれどね」
一緒に頼んだ白ワインをグラスに注いで少し口に含む。
「確か唯織さんのピアスが賢者の石なんですよね」
「えぇそうよ」
「僕も20超えたら...賢者の石でアクセサリー作ります」
「ちょ、本当に言ってるの?」
「はい。俺はいつか等身大のホムンクルスを作りたいんです」
「あらあら、昔から熱くなると一人称が変える癖もその夢も変わってないのね~」
「あ~...無意識に変わってるんですよね」
「別に俺とかでもかっこいと思うけど?それに私にも敬語とか別にいいし?」
「僕がタメ口になるのは錬金術師として動くときだけなので」
それからも談笑は続き夕食を終え、ソファでくつろぐ。
「僕ら、隠れてる身なのにこんなゆったりしてていいんですかね」
「いいのよ~、何とかなるわ。最悪警察とギャングが戦争起こすけど...」
少しニヤけるといきなり衣服を脱ぎ出し、奏は少し驚く。
「お風呂ですか」
「えぇ、一緒に入りましょ~?」
「何馬鹿な事言ってるんですか...ほんと変わりませんねそう言う所」
「いいじゃなぁい、ねぇ?入りましょうよ~」
「その...僕の年考えてくれませんか」
「17歳よね?」
「そうです」
「まだまだ子供ね。いいから入るわよ」
強引に服を引っぺがされ、気づくと二人仲良く浴槽の中だった。
「...」
奏は何も言わず、何も見ずただ目を瞑り肩まで湯に浸かっていた。
目を開けばそこには子供の頃一度は見たいと夢見た光景がある、しかし奏の意志の弱さと罪悪感が相まって目を開けないでいるのだ。
緊張しかなかった入浴は終わり胸を一目拝めなかった事の後悔と何もなくてよかったという安堵感が混ざり合って喉を詰まらせるが、それは湯上りのビールで掻き消される。
未成年だからダメとか、そんなのは左から入り右に消えてしまうのだから...どうでもいいだろう。
「はぁ...もうああいう事はやめてくださいよね。僕だって健全な元男子高校生なんですから」
「普通の男の人なら喜ぶのに、奏君は違うのね。誠実な人って損するだけよ?」
「女性にはいかなる時も紳士的に接するというのがうちの家訓なので」
「音無家はいい子が多かったものね~、でもみんな素質は無かったのよね。だからキリストや国に対抗するほどの力を持ち合わせていなかったから衰退してしまったのね」
「でも唯織さん僕には素質があるって言ってましたよね」
「えぇ。君が音無家だと知ったときは驚いたわ。何があったのかしらね」
「さぁ?それより明日は早いんですからさっさと寝ますよ」
いつの間にか二本の缶ビールを飲み干していた奏は特に酔いも見せず眠りにつく。