ダンジョンに牙狼がいるのは間違っているだろうか   作:ザルバ

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何とか新年元日に間に合わせることが出来ました。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
・・・・・と言っても、アニメしか知らないのでそこまでの話なんですけど。


第18話

 ダンジョン一階層から四階層まではベルは手を出さず、二人にモンスターを倒させた。ヴェルフはまだダンジョンに潜ったことが無いので経験を積ませるということで戦わせた。リリもレベルアップも兼ねて経験させている。

「二人とも頑張るねー。」

「正直言うが俺結構辛いからな!てか、お前も戦えよ!」

「なんですがヴェルフ様。もう音を上げるのですか?」

「んだと!まだまだよ、リリスケ!」

 ベルはリリの挑発により活気を取り戻す。

 そして五階層から十二階層。ここからは出てくるキラーアントやゴブリン、コボルなどがいるため、ベルも少しばかり手を出す。と言っても魔導筆で魔力弾を撃ったり毒仕込みのナイフを投げたりと弱らせ、手柄を二人に譲るという形である。

 そして中層へ差し掛かる階段。ベルは足を止める。

「ここから先は俺が戦うよ。」

 ベルはそう言うと牙狼剣を手に取る。

「正直、いやな予感がする。ついてくる覚悟はある?」

 ベルが問うと二人はベルを見て頷いた。

「よし…行くよ。」

 ベルはそう言うと階段を降り始める。

 中層。別名最初の死線と言われている場所であり、モンスターの数も、レベルも桁違い。そしてランダムに出現する仮想へ繋がる竪穴もある。

 そしてベルたちは今十三階層に来ていた。

「ここが十三階層……正直、湿気が多いね。」

「だな。」

「食料にカビが生えないでしょうか?」

 緊張感がない三人。だがすぐにその緊張は無くなる。

「二人共、ちょっと構えて。」

 ベルはそう言うと牙狼剣を抜刀する。

「こりゃ……えらい歓迎のようだぜ。」

 ザルバがそう言った途端、アルミラージの大群がベルたちの前に出現する。

「中層で最初の相手……たしかアルミラージだっけ?」

「ええ。好戦的なモンスターです。気を付けてください、ベル様。」

 リリはベルにそう言った。

「うん。ヴェルフとリリはペアで行動して。そうでもしないと危ないから。」

 ベルは柄頭に右手を当て、剣先をアルミラージに向け走り出す。アルミラージは手斧でベルに向かってくるがベルは地面を蹴り、一瞬で通り過ぎた。

 ベルは牙狼剣を振り下ろす。直後、アルミラージは消滅し、魔石だけを残した。

「どうした、来ないのか?」

 残ったアルミラージはベルの放つ気迫に押され、身動きが出来なくなっていた。

「来ないなら……こっちから行くぞ!」

 ベルはそう言うとアルミラージの群へと走り出し、次々とアルミラージを切り殺していく。

「ふっ!はぁっ!」

 好戦的のアルミラージがベルに気迫に押され、やられるがままになっていた。

「すげぇ……俺らの出る幕も無ぇ……」

「アルミラージがベル様に釘付けです。下手に手を出したらベル様の邪魔になりますよ。」

 ヴェルフもリリも、ベルの邪魔をしないために動けなくなっていた。

 そんな時であった。下の方から駆ける音とモンスターの鳴き声が聞こえてきた。

「っ!ベル様、下から何か来ます!」

「っ!?」

 リリが声を掛けた時には既にアルミラージの群を一掃していたベルはリリが指出す方を見る。

「なんだ、この気配?」

「多いな……群よりも軍だ。準備しておけ。」

「うん。」

 ベルは気を引き締め直し、剣を構える。

 最初に取りすぎたのは他のファミリアの集団であった。先頭の男は仲間の障子を肩に担いで走っていた。

「ベル様、怪物進呈です!」

 他のファミリアが通り過ぎた後からヘルハウンドの軍が押し寄せてくる。ベルは剣先を天に向け空間を裂きながら円を描く。描かれた円から光がベルを照らし、ベルは牙狼の鎧を身に纏う。

「ふっ!」

 ベルは牙狼剣の刀身を手の甲で擦る。擦った刀身に魔導火が纏われる。

「はっ!」

 横一線に牙狼剣を振るい魔導火の刃を飛ばす。一直線に向かってくるヘルハウンドは避ける術もなく殺され、魔石だけを残し死んでいく。

 しかし一つの軍に引き寄せらせれる様に他のヘルハウンドの軍が現れる。

 ベルの飛ばした魔導火の刃がベルの元へ帰ってくるとベルはその魔導火を身に纏う。

「やれるか、ベル?」

 ザルバが牙狼に問うとベルはこう返した。

「当然だ!」

 牙狼は魔導火を纏った姿、烈火炎装の姿でヘルハウンドの軍へと突っ込む。

「ふっ!はぁっ!おおっ!うらぁああ!」

 ベルは牙狼剣を振り、突き、叩き付け、殴り、蹴るを繰り返しヘルハウンドの軍を倒していく。ヘルハウンドが放火魔を放つが牙狼の鎧により無力化される。

「うぉおおおおおおおおおおおおお!」

牙狼は雄叫びを上げながらヘルハウンドを倒していった。

「すげぇ……あれが、ベルの力なのか?」

「ええ、ヴェルフ様。あれこそがベル様のもう一つの姿、黄金騎士・牙狼としての姿です。」

 リリとヴェルフの目にはヘルハウンドの軍を一掃し、ダンジョン十三階層に君臨する牙狼の姿があった。牙狼は牙狼剣を立て、鞘に納めると牙狼の鎧を召還する。

「ふぅ……リリ、ヴェルフ。大丈夫?」

「ええ……と言うか、ベル様が相手を引き付けてくれたおかげでリリ達は全く眼中になかったみたいですけど。」

「リリスケの言うとおりだな。俺らにモンスター来なかったぜ。」

 二人のその言葉を聞いてベルは安心する。

「ところでここで一つ問題が発生しました。」

「「そ、それはっ!?」」

 二人は緊迫した表情で問う。

「ロキ・ファミリアと違って俺たちはダンジョンの構造を理解していない。どういうことか分かるか?」

 ヴェルフは腕を組んで考えるが全くベルの言っている意味が分からなかった。

「要するに……どこを通ったら縦穴があるかわからないって事ですか?闇雲に行っても行き止まりやモンスターに出くわすだけである、と言いたいのですね?」

 リリの言葉にベルは頷いた。

「だが安心しな。俺がいるからな。」

 そう口を開いたのはザルバであった。

「大丈夫なのか?」

 ヴェルフが問うとザルバは答えた。

「甘く見るな、坊主。俺は気配の探知や探索なんか朝飯前だ。」

 その言葉を聞くなり三人は安心する。

「じゃあザルバ、頼んだよ。」

 ベルはザルバにそう言うと先頭になり、ダンジョン十八階層へ向かい下へと降り始めた。

 

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