やっと話が始まる
長かった・・・
しばらくして病室に静寂が訪れた。
「急にすみませんでした・・ひぐっ」
「無理はいけないわ
貴方はまだ5歳なんだから、もっと大人を頼りなさい」
焔さんは俺を抱きしめながら優しい声で言ってくれた事に俺は少し恥ずかしくなって頬を少し染めて下を向きながら今後の事などを考え始めた。
(母さんと父さんが死んでしまったのか・・・
俺には勿体無いほどいい人たちだったのに・・・
俺に深い愛情をそそいで育てくれた母さんと父さん・・・
俺はこれからどうすればいいんだ)
焔の胸の中で抱かれながら考えてると焔が
「由良君
君さえよければなんだが私の所に来ないか?
私は一人で暮らしていてね
私が帰ってくる時に少し寂しいと思っていてね
君さえよければ私と一緒に暮らさないか?」
焔さんが俺を気遣いながら言ってくれた事にとても嬉しくなった。
今さらながら自分の置かれている環境を正しく理解する事が出来た。
(そうだ、俺は今身寄りがないんだ
このままだと施設で暮らす事になる所だった
母さん達に親戚がいるかもしれんが一度もあった事のない子供なんて引き取ってくれる人なんていないはず・・・
それなら焔さんと一緒に暮らせば施設に送られる事はなくなるのかな)
由良が急に黙りながら考え始めたため焔は由良が一緒に暮らす事が嫌なのではないのかと不安に思い始めた時
「焔さんと僕一緒に暮らしたいです」
由良の一言に焔は嬉しくなって抱きしめる力がいっそう強くなり由良が苦しそうな声を出し、少し力を緩めて
「ご、ごめんなさいね
あまりにも嬉しくなってしまって
それじゃ、一緒に今から行きましょ」
焔が照れた様に顔を赤らめて由良の言葉に喜びながら今後の行動を告げた。
「え?
退院していいのですか?」
「ええ
先生には貴方が目覚めたら退院してもいいて言われてるのよ」
焔が微笑みながら荷物を纏め終わるのを待って、一緒に病室を後にした。
病院をでると、もうすでに太陽は沈みかけようとしていた。
二人は手を繋ぎながら病院を後にした。
病院からしばらく歩いていると一つ大きな家に到着した。
由良は物珍しそうに色々と見てると焔が微笑みながら
「ふふ
今日から貴方の家よ」
由良が笑われた事に少し恥ずかしそうにしながらドアをくぐりながら
「おじゃまし「ただいまよ」ま・・え?」
「今日からここは貴方の家よ
お邪魔なんてないわ『ただいま』よ」
「え・・あ
た、ただいま・・//」
「はい、おかえりなさい」
由良は少し照れながら挨拶をすると焔は嬉しそうに返してくれた。
(今日からここが俺の家なのか
そう言えば前の家はどうなるんだ?)
「焔さん、僕の前の家はどうなるのですか?」
「貴方の家は会社で貸してくれていた家だから荷物を全部ここに移したら会社に返されるわね」
(会社が一軒家を貸すのか?
普通は寮とかマンション、アパートなんじゃね?
もしくは父さんか母さんのどちらかが会社での地位が高かったて事なのかな?)
由良がまたしても考え事を始めている間、焔は晩御飯を用意していた。
由良がそれに気付かずにずっと考え事をしていると料理が出来たようで、焔に呼ばれテーブルに座り、料理を見ながら
「焔さん美味しそうですね!!
いただきます!!」
勢いよく料理に手を出すと
「うっ・・・」
料理が生焼けだったり塩が多かったりととても残念な味がした。
「うん
今日のは、いつもより上手く出来たわね」
(今日『は』!?
いつもはもっとひどいの!?
これはダメだ・・・
もしかして焔さんて仕事出来ても家事全般ダメダメな人なのかな・・・?)
由良は今後焔に料理をさせてはいけないと思い自分で料理をしなければいつか大変な事が起きるのではないかと本気で心配した。
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