初めての人は初めまして
今回のは前の話よりも話数が少ないし、既に殆ど書き終えてるから短期集中投稿で年内に最終話まで上げます
※すっかり書き方忘れてて読みづらかったらゴメンね
ふと気が付くと俺は白を基調とした近未来的な一室で、一人の女性の前で立っていた。
感情を感じさせない表情をしているが顔立ちは整っており、スタイルも抜群……彼女は無遠慮に此方を観察し、「珍しい事もあるものね」と一言呟いて手元にあるバインダーへと目を落とす。
彼女は一体何者なのだろうか……というかそもそも此処は何処なのだろうか?
俺は家で普通にゲームをしていたはずなんだが……あんだけ雷鳴ってたから寝落ちして、ここは夢の中ってことはないと思うんだけど。
俺が声も出さずに戸惑っていると、彼女は小さく溜息を吐いてからバインダーを横のテーブルに置いた。
「此処はデジラボよ、デジタルモンスターに関係する諸施設に対してのアクセスカウンター」
「デジタルモンスター……デジモン!?」
「へぇ、デジモンの事は知っているようね……何処の世界線からやって来たのかしら。
まぁいいわ、手短に説明するわよ?
貴方は此処に突然現れた……それこそ文字通り一瞬の内にね。
私にもその兆候が感じ取れなかった事から偶発的超自然現象もしくは、かなりの力を持った上位存在が関与している事が想定されるわ。
起点を知る事が出来ない以上世界線を特定することは不可能ということ……分かった?」
表情を変えず淡々とそう言った彼女はジッと此方の返答を待っている様だ。
あまりに突然で突拍子もない話に話の半分も理解することが出来なかった俺は、特に取り繕うことなくそのまま言葉を返す。
「……何を言っているのかさっぱり」
「要は貴方は元の場所へは戻れないという事よ」
「そ……そんな!!いきなりすぎて何が何やら……それにさっきデジモンがどうとか言ってたけど、何でいきなりゲームの話なんか……俺をからかっているのか?」
「ゲーム……そう、そういうことね。
そういうことなら尚更貴方は元の場所に戻れない。
水が高きより低きに流れる様に、高次存在が低次世界へと堕ちたのなら幾つかの情報欠落が発生し、高次世界へと戻るためには膨大なエネルギーが必要となる。
それこそ世界一つ吹き飛ばす様なエネルギーがね」
「君が言っている事は難しすぎるし荒唐無稽だ……でも俺が此処にいる理由も分からないし、別に金持ちの家という訳でもない俺を誘拐するとは思えない。
一先ず君の話を信じて、家には帰れないって事は分かった……君は奇特な誘拐犯に見えないしね」
「嘘をつくメリットが私には無い。
まぁ別に信じようが信じまいが事実に変わりは無いのだから私はどちらでも良いのだけど。
それで着の身着のまま此処に飛ばされた貴方はこれからどうするつもりかしら?」
彼女が言ったことを丸々信じたとしたら此処は俺のいた部屋どころか、世界すら違う場所らしい。
そんな場所に手ぶらで放り出されて、これからどうすると聞かれても……別に結婚していた訳でもないし、社会人になってから友人達とは疎遠気味だったから、心配するのは両親位だろう。
寂しさや両親に別れも言えなかった悲しさははっきり言って大きい。
でも彼女が言うとおりであるならば、悩んでもどうしようもないレベルの事……ならば割り切ってこれからの事を考えなければ明日を生きることも出来ない。
なんといっても俺は今手ぶらで無一文、服だってダボッとしたスエットの上下しかない。
ぶっちゃけいきなり詰んでる状況なのだから。
「どうするもなにも……アウトロー的な暮らしを試みるしか選択肢はなさそうだけど」
「そうでしょうね、貴方今何も持っていないもの……そこでどうかしら、私の研究の手伝いをするというのは?」
「研究……って言われても俺別に学がある訳じゃ無いぞ?」
一応大学は出てるが偏差値50代の平凡な大学だったし、在学中にやりたいことを見つけられずに田舎に帰って就職したごく普通の男だからね。
インドア派だったから別段身体に自信がある訳でもないし、趣味は動物の動画を見ること位……あれ何か虚しくなってきたぞ?
そんな俺の心情なんて知ったこっちゃねぇとばかりに温度の感じられない目で俺を見ながら彼女は言った。
「そんなことには最初から期待していないわ……基本的に貴方は普通に此処で暮らすだけでいい。
まぁ幾つか雑用はしてもらうけれど、命の危険とかは無い筈よ」
「……筈?」
「世の中に絶対は存在しないわ」
「確かにそれもそうか……その条件なら俺としても願ったり適ったりだけど、本当にそれだけで良いのか?」
「そうね……後はまぁ貴方のサンプルデータを少し貰いたい位かしらね?」
「そ、そうですか」
どう考えても研究の手伝いというよりも研究対象かモルモットという感じだな。
しかしそれでもこの提案は俺に取って渡りに舟だ。
身元不明の男を雇う奇特で善意が人の十倍以上ある様な社長に拾われるなんて展開はフィクションの中だけで、現実では駅の近くの公園で段ボールハウスに住みながら空き缶拾って生活するのがリアルというもの……治安が悪い国なら翌日には物言わぬお肉になっている可能性だってある位だ。
何となくマッドサイエンティスト臭のする彼女の研究に協力するのは余人に迷惑を掛ける事になる気がしなくもないが、悪人って感じもしないから何かあっても其程酷いことはしないだろう……多分恐らくメイビー。
どちらにせよ俺に選べる選択肢は常識的に考えて一択。
「OK分かった、これから宜しく。
俺の名前は
「御神楽ミレイよ……これでまた一歩完成に近づくわ」
これが俺のこの世界における初めての出会いだった。
彼女の名前に何処か聞き覚えがあり、少し落ち着いた今彼女をよく見ると何かを思い出しそうになるが彼女が言葉を発したことで思考がキャンセルされる。
「そう言えば一つ言い忘れていたけれど貴方外に出れないわよ?」
「持つもの持って逃げ出す可能性があるからか?」
「物理的に出られないのよ……今貴方の身体は限りなくデータ体に近いのだから。
まぁネット世界を動き回ることは出来るでしょうから、外に出られないというのも語弊があるのかもしれないけれど」
「データ体ってどういう事なんだ?」
「文字通りデータで出来た身体という事……アバターに近い存在なの。
さっきも言ったとおり此処はデジモン育成に関するアクセスカウンター、データであるデジモンが実体化出来る場所なのだからその場にいる者は同じく実体化しているデータという事」
「デジモンが実際にいるのか此処……凄いな異世界。
で俺の今の身体もプログラムで出来た作り物って事か?」
「人間を神が作りだした物と定義するなら作り物という表現でも正しいわね。
人間が細胞の集合で出来ている様に、貴方の身体は電子データに似通ったものの集合で出来ているということ」
「君は?君もデータで出来ているのか?」
「私は……狭間といったところね」
そう言ってテーブルに置いたバインダーを手に持つと、右側にあるオシャレな端末へと近づいて幾つか操作を行うと端末の画面が輝き始め、俺の身体が謎の吸引力によってそこへと引っ張られる。
今まで経験したことのない引力に殆ど抵抗することも出来ずに俺は謎の端末に吸い込まれてしまう。
吸い込まれる瞬間、彼女が驚いたように少しだけ目を見開いて何か呟いたのが聞こえた気がしたがそれに耳を貸せる程の余裕は俺には無かった。
「壁を越えてくるなんて……愛されてるわね長井君」
FGOで50回以上回してもイシュタル引けなくて確率の壁の厚さを実感した
怒りの金林檎暴食、50ボックス以上空けたが後悔はない……GジェネとFFやる時間が削られたのはちょっと痛かったけどな!