今まで読んでいてくれていた方も、新しく読んで下さる方もよろしくお願いします。
向こうで書いていたものを日に2話くらいのペースで掲載して行こうと思っています。……まあ向こうで全18+閑話なのでそれはすぐに尽きますが(^-^;)
「すいません!通してください!」
青い空
雲一つ無い綺麗な空が上空に広がっている。
思わずひなたぼっこでもしたくなるような陽気の快晴の空の下で、何故か私は街中を全力疾走していた。
「もう試験始まってるよ〜」
左腕につけている腕時計をちらっと確認すると、受付どころか試験の開始時間さえも過ぎていた。
今日はデュエルアカデミアの入学試験の実技試験の日
なので昨日は早く寝たし、今朝は早く起きた。電車は試験会場に開始20分前には着くように計算して乗った。
なのにどうして今全力疾走しているかというと、答えは簡単。電車が事故で遅れてしまったのだ。
本当に、どうしてこんな日に電車が遅れるの〜。
「遅刻だ遅刻、遅刻だぁぁ!」
ちらほらといる通勤中の人々をよけながら走っていると、少し後ろから私と同じように人を避けながら走っている男の子がいた。
「こんな日に電車が遅れるなんて!いや、エキサイティング!これは神様が与えてくれた試練なんだ」
何故か妙な方向にポジティブシンキングをしている男の子は、どうやら私と同じ境遇のようだった。
「私はこんな試練、嫌だよ〜」
思わず男の子の言っていた言葉に反応してしまった。
そんな私の言葉が聞こえたのか、いつの間にか私の横に追いついていた男の子が話し掛けてくる。
「おまえもデュエルアカデミアを受験すんのか?俺、遊城十代!よろしくな」
同じ行動をとっていることから私も受験生だと判断した彼、遊城くんはニカッと私に笑いかけてくる。
けれども、もともと体力のない私はそれに返して笑う余裕は無かった。
「
はぁ、はぁ、と荒れている呼吸を一瞬無理矢理抑えて一気に言い切る。
そもそも走りながら会話をするというのは無理があると思う。
「お、おい、大丈夫か?」
だんだんと苦しそうな呼吸になっている私を心配したのか、遊城くんは走りながら私の顔を覗き込んできた。
「ゆ、遊城、くん……前、見て!」
私の方を見ていたせいで前方不注意になっている遊城くんの前に、派手な色の髪の毛の人が立っていた。
私の言葉で前を見た遊城くんは必死になって止まろうとしたけれど、全力疾走していた状態ですぐに止まれるはずも無かった。
「うわっ!」
必死にブレーキをかけていたおかげか、ぶつかった相手はダメージをくらう事なくその場に残る。が、ブレーキの為に重心を後ろに置いていた遊城くんは後ろに倒れてしまった。
パラパラと遊城くんのカードが辺りに散らばった。
「はぁ、はぁ、大丈夫ですか?二人とも」
「ああ、大丈夫。ごめんな」
遊城くんは私に軽く笑いかけた後、ぶつかった相手に謝る。
そこで私は相手を凝視してしまう。その特徴的な髪型を見て、どこかで見たような気になる。
「君達、デュエルをやるの?」
突然、ぶつかった相手が私達に話し掛けてくる。
「え、ええ。これからデュエルアカデミアを受験しに行くんです」
私が率先として答えると、彼は腰のデッキホルダーから二枚のカードを取り出した。
「このカード達が、君達の所に行きたがっている」
「「え?」」
彼は微笑みながらその二枚のカードを私達に手渡した。
「ラッキーカードだ。頑張れよ」
それだけ言うと、彼はすたすたと歩いていってしまった。けれども、あの人が誰なのかが分かった。
あの特徴的な髪型とデュエルモンスターズのカード。キングオブデュエリスト、まさしくその人だ。
「って、止まってる場合じゃないよ!遊城くん」
ほんの少しぼーっとしてしまった後で、自分達の今置かれている状況を思い出した。
私達は今、遅刻しているんだったよ〜
「あぁ、急ごうぜ!舞花」
名前を呼ばれて……初めて男の子から名前を呼ばれて、少しドキッとしてしまった。
「う、うん」
遊城くんの差し出してきた手を掴み、海馬ランドに向かって走り出す。
ほんの少し、いつもより速く感じる胸の鼓動は、きっと今走っているからだよね。
「ちょっと待った!」
どうにか試験会場にたどり着いた私達は、受付を撤退しようとしている人達をどうにか止める。
それにしてもいくら近道だからって何でこんなに変な道を通るの〜。
制服のスカートに付いた葉っぱと泥をパタパタと落しながら受付の人達の所に近づいて行く。
「受験番号110番、遊城十代。まだセーフだよね」
「受験番号7番、橘舞花です。交通機関の遅れで遅刻してしまいました。隣の彼も同様です」
受付の人達は突然現れた遅刻者をどうするか一瞬迷ったようだったが、交通機関の遅れならばと受付を済ませてくれた。
会場に入ると、その中は凄い熱気に包まれていた。
沢山の人が、真ん中のデュエルステージで実技試験を受けている人達を見守っている。誰かが凄いプレイングをすると周りの皆が歓声をあげ、ミスがあれば周りの皆が嘲笑を向ける。
こんな所でデュエルするの?
さっきとはまたべつのドキドキが、心臓から聞こえてくる。
緊張と、高揚の混ざった感情が内から込み上げてきた。
早くデュエルしたい!
そんなことを考えていると、周りからわずかな歓声があがる。
皆が注目している所を見ると、一人の受験生がデュエルの終止符を打とうとしていた。
ブラッドヴォルスに付いた破壊輪が爆発する。爆風が二人のプレイヤーを襲い、二人のライフポイントにダメージが入る。その破壊輪が引導火力となり受験生が試験官のライフを0にした。
「スッゲェな、あいつ」
「当たり前だよ。受験番号1番、筆記試験のトップなんだから」
遊城くんが呟いた言葉に反応したのは、隣の席に座っていた眼鏡の男の子。どことなく気弱な雰囲気を漂わせている彼は、自分の受験番号が119であり、デュエルでは勝ったが総合の結果はどうなるかと不安がっていた。
遊城くんはそんな彼に自分も110番だから似たようなものだと、微妙に励ましになっていないような励ましをしていた。
あはは、と私が苦笑いを浮かべていると、私達のすぐ近くにさっきの受験番号1番の彼がやって来た。
率先して遊城くんが話し掛けに行く。
「今年の受験生じゃ、お前は2番目に強いかもな」
何を思ったのか、遊城くんは受験番号1番の彼に向かってそんなことをいい始めた。
当然、1番の彼はどうして自分が一番じゃ無いのかと聞き返した。遊城くんは、その言葉にニカッと笑いながら自信満々に答えた。
「1番は、俺だからさ!」
そう言いながら親指で自分の方を指す遊城くんを、私は凄くカッコイイと思った。
『受験番号110番、遊城十代君、デュエルステージへどうぞ』
「おしっ、行ってくるぜ」
放送で遊城くんの名前が呼ばれる。それを聞いた遊城くんは待ってましたとばかりに気合いを入れ、デュエルステージへと歩きだした。
「頑張ってね」
「おうっ!」
背中越しに応援を入れたら、遊城くんはガッツポーズで私に答える。階段を下りて、ステージへ向かって行った。
自分のことを1番だと言い切るほどの実力を早く見たくてしょうがなかった。
大きな歓声と共に遊城くんのデュエルが始まった。相手は実技最高責任者の先生らしい。
「俺のターン、E・HEROフェザーマンを守備表示で召喚!カードを一枚伏せ、ターンエンド」
『E・HERO』
確か多彩な融合モンスターを操るカテゴリーだったはず。
いったいどんなカードが出てくるんだろう?今からとてもワクワクする。
続く先生のターン。
押収を発動され、遊城くんの手札の死者蘇生を墓地に送られる。その後、リバースカードを2枚伏せて大嵐を発動した。
自分のカードを巻き込むなんて何を考えているんだろうと思ったら、その2枚は黄金の蛇神像のカード。破壊された時に発動する特殊な罠でその効果により2体のトークンを特殊召喚する。
さらに続いてその2体を生贄にして
「すごいすごいすごい!眼鏡くん、あの先生すごいよ!!」
ちょうど隣にいた眼鏡くんの肩を全力で揺らしながら興奮する。
1ターン目に
「とりあえず、離して…」
揺さぶり過ぎたのか目を回している眼鏡くん。
「あ、ごめんね~」
ちょっと反省して眼鏡くんの肩を離すが興奮はおさまらない。
眼前の古代の機械巨人《アンティーク・ギアゴーレム》にくぎづけになっていた。
その
「もうだめだね」
そんな様子を見ていた眼鏡くんがぽつりと言葉を漏らす。
諦めの表情を浮かべている眼鏡くんは残念だねといいたげな目で遊城くんを見ていた。
「そんなこと無いよ」
私は眼鏡くんに、遊城くんの顔を見るように促す。そこにあるのは一点の曇りも無い笑顔。心からこのデュエルを楽しんでいる表情。
「遊城くんは全く諦めてないよ」
次のドローで奇跡を起こす。そんな気がした。
「俺のターン、ドロー!!」
勢いよく引き抜かれたカードを見た瞬間、遊城くんは笑った。
「ハネクリボーを守備表示で召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」
遊城くんが出したのはくりくりっとした目がかわいくて、背中についた羽がさらにかわいいハネクリボー。
「眼鏡くん!!どうしよう、凄くかわいい!!」
さっきと同様に眼鏡くんの肩を勢いよく揺さぶっていた。
「お願いだからもうやめて…」
「う……ごめんね」
ハネクリボーで上がったテンションを渋々おさめる。
でもかわいいよ〜ハネクリボー。
もう少し長い間見ていたかったけど、先生のターンにすぐに戦闘破壊されてしまう。
けれどもハネクリボーの効果で遊城くんへのダメージは0になり、ヒーローシグナルを発動する。その効果でE・HEROバーストレディを召喚した。
攻撃力3000のモンスター相手に遊城くんは全く諦めの表情を見せない。だから、どうしても次に取る行動に期待してしまう。一体どうやってこの状況を切り抜けるのか、考えただけでワクワクする。
遊城くんのターン
遊城くんは戦士の生還で墓地のフェザーマンを回収、融合へと繋げる。E・HEROフレイム・ウイングマンを融合召喚。
しかし、その攻撃力は2100。先生も最後のあがきだと馬鹿にした目で遊城くんを見ていた。
けれども違う。遊城くんの目は負けを認め諦めた目ではなく、勝利を確信した目をしていた。
「教えてやるぜ、先生。HEROにはHEROの戦う舞台があるってことを!フィールド魔法、スカイスクレイパー発動!!」
舞台が突然、摩天楼へと変わる。ビルの一つのてっぺんにフレイムウイングマンが乗っていた。
「スカイスクレイパーの効果でE・HEROが、自分よりも攻撃力が高いモンスターとバトルするとき、攻撃力を1000ポイントアップする。行け、フレイムウイングマン!スカイスクレイパーシュート!!」
これでフレイムウイングマンの攻撃力は3100。古代の機械巨人《アンティーク・ギアゴーレム》を上回った。
フレイムウイングマンは炎に包まれ、ビルから落下していく。その勢いのままに、
「フレイムウイングマンの効果により戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらうぜ、先生」
「ガッチャ、楽しいデュエルだったぜ、先生」
右手を前に突き出して決めポーズをとった。
すごいすごいすごい!
私の興奮は最高潮だ。さっきから心臓がドキドキしてるし、遊城くんを見てたらなんだか顔まで熱くなってきた。
って何か違う気がするけどそんなことは気にしてられない。デュエルを終えて私の所に戻ってきた遊城くんとハイタッチを交わす。
「かっこよかったよ!遊城くん!」
「へへっ、ありがとな」
ちょっと照れている遊城くんが何故だか少しかわいかった。
『受験番号7番、橘舞花さん、デュエルステージへどうぞ』
とうとう私の名前が呼ばれた。
大丈夫、緊張どころか気分は最高にハイだ。
これなら全力で楽しめそうだよ。
「頑張れよ、舞花」
遊城くんの激励を受けると、また心臓の鼓動が大きくなった。顔の熱が上がっていってなんだか少し恥ずかしい。けれどもなんだかとても嬉しくって、ますます気合いが入った。
「うんっ!」
遊城くんがさっきまで立っていた場所につくと、目の前にいたのはさっきの先生。
ということはさっきみたいにすごいデュエルが出来るってことだよね。すっごく楽しみだよ〜。
「受験番号7番、橘舞花です。お願いします」
ワクワクが抑え切れなくてついつい頬が緩む。次はどんなデュエルをするんだろうと期待が広がる。
「今度は負けないノーネ。ここで勝って汚名返上するノーネ」
さっき負けたショックを引きずっているようで、なんだか自分に向かって話し掛けていた。
なんとか自分を奮い立たせたようで、先生はデュエルディスクを構える。私はちょっと苦笑いしながらデュエルディスクを構えた。
「「デュエル」」
私の左腕のデュエルディスクが私の先行を告げる。
ドロー前に手札を確認するとこれ以上無いくらいにいい手札。これはすっごく楽しめそうだよ。
「私のターン、ドロー。見習い魔術師を守備表示で召喚」
デュエルディスクのモンスターゾーンの真ん中にカードを横向に置くと、ディスクが反応しソリッドビジョンが起動する。
私のフィールドに小さな魔術師が自らを守るように手を交差し膝をついた状態で現れた。
見習い魔術師
DEF800
「カードを2枚伏せてターンエンドです」
上々の手札。上々の場。
先生はこれをどうやって崩して来るだろうか?
「ワタシのターン、ドロー。手札からマジックカード天使の施しを発動。デッキからカードを3枚ドローし2枚を捨てるノーネ。さらにマジックカード早過ぎた埋葬を発動。ライフポイントを800支払い墓地からトロイホースを特殊召喚するノーネ」
クロノス
LP4000→3200
トロイホース
ATK1600
天使の施しを利用したコンボだ。手札を捨てて蘇生カードの理想コンボ。しかもこのターンまだ通常召喚を行っていない上にトロイホースの効果は
「トロイホースの効果発動。このカードを地属性モンスターのいけにえ召喚のいけにえにするとき、1体で2体分のいけにえにすることがデキマスーノ。ワタシはトロイホースを生贄に
きたきたきたきたよ!!
さっき遊城くんと戦った強いモンスター!
間近で見るとさっき客席で見た時よりも迫力がある。
「
大きな機械仕掛けの腕が守備表示の見習い魔術師を襲う。
「きゃぁ!」
見習い魔術師は破壊され、ソリッドビジョンの衝撃が私を襲う。
貫通効果によって私のライフは大きく削られてしまった。
舞花
LP4000→1800
「見習い魔術師の効果発動!このカードが戦闘で破壊された時、デッキからレベル2以下の魔法使い族モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚できます。水晶の占い師を特殊召喚」
今度はソリッドビジョンでデュエルモンスターズのカードの裏面が現れる。
「さらにリバースカードオープン、血の代償を発動します。500ライフポイントを支払いモンスターを通常召喚します」
舞花
LP1800→1300
手札をちらっと見る。
今から通常召喚するモンスターカードを見て私はニコッと笑った。
「見習い魔術師を生贄に捧げ、お願い!ブリザード・プリンセス!!」
現れる氷のプリンセス。
かわいらしい姿の私の切り札。
ブリザード・プリンセス
ATK2800
「生贄1体ーデ、レベル8のモンスターを通常召喚デスート!?」
「ブリザードプリンセスは、魔法使い族モンスターをいけにえに捧げる場合、生贄1体で召喚できるんです」
「シカーシ、ワタシの
先生は胸を張って自信満々に言っている。
しかしその通りなのだ。
私のプリンセスじゃ
「ブリザードプリンセスの効果により先生はこのターン魔法・罠カードを発動することはできません」
「
よしっ。
発動は出来ないけれどもリバースカードをセットされるのが少し怖かった。でも先生の場にリバースカードは無し。だから、
私はデッキの上に手をかける。このドローで決めて見せる。
一瞬目を閉じると浮かんでくるのはさっきの映像。
あのハネクリボーを引き当てた遊城くんのように、このドローで
「私のターン」
心臓が高鳴る。
今までに無いくらいにドキドキしてるのが自分でも分かる。
ダメだ。とっても
ワクワクしてる
「ドロー!!」
引いたカードをゆっくりと目の前に持ってくる。瞬間
私は笑った。
「装備魔法、秘術の書を発動!魔法使い族モンスターの攻撃力を300ポイントアップする。ブリザード・プリンセスに装備します!」
ブリザード・プリンセスの目の前に一冊の本が現れる。プリンセスがそれをパラパラめくり、自分の魔法力を高めていく。
ブリザード・プリンセス
ATK2800→3100
「マンマミーヤ!
「行きますっ!プリンセスで
プリンセスが飛び上がる。
鎖のついた氷のハンマーをぶんぶんと振り回し遠心力を使って威力を高める。そして、その勢いを
ドォォン!
上から降り注ぐ衝撃に、
「ワタシの
LP3200→3100
先生が頭を抱えて慌てふためく。でも私のターンは終わってないよ!!
「リバースカードオープン、未来王の予言!魔法使い族モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターはもう1度攻撃することができる!」
「な、ナンデスート!!」
「プリンセスの追加攻撃!!」
プリンセスのハンマーが、今度は先生の頭上に勢いよく降っていった。
「マンマミーヤ!」
クロノス
LP3100→0
ワァァァ!!
最後の攻撃が決まった瞬間、周りから歓声が上がった。
その中心にいるのはもちろん私
……私?
あわわわわわわ
どうしよう、なんだか凄く恥ずかしい!
元々目立ったことなんてあんまり無かったし、デュエル中は高揚してるから気になら無かったけど、終わって少し落ち着いたら皆に注目されてたことを自覚してとっても恥ずかしくなってきた。
ど、どうしよう、何かしないといけないのかな?
混乱していた私の頭の中に何故かそんな思考が浮かぶ。そしてその何かを必死に考えたら、一つの案が浮かんだ。
意を決して先生の方を向く。
2連敗して放心状態になりかけていた先生は私が自分の方を向いたことに気づき私に目を向けた。
そして私は、先生の方に右手を突き出した。
「ガ、ガッチャ、楽しいデュエルでした……」
やって分かったけど
これやる方が恥ずかしいよ!!
うぅ。
やった事を後悔してだんだん顔が熱くなっていく。恥ずかしさが最高潮まで達したよ。
「そ、その……ありがとうございましたっ!!」
恥ずかしさに耐え切れなかった私は、先生に一礼するとすぐに駆け出した。
止まれない、止まったら恥ずかしくて死んじゃう!
「お、舞花。スゲェデュエルだったぜ」
「ごめん遊城くんまた今度」
「お、おい!?」
早口で言ってのけると、そのまま止まらずに走り抜けていく。
デュエルが終わるやいなやすぐさま飛び出していった私を、皆は呆然と見送っていた。
私、今日走ってばっかりだよ〜……