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知らない”世界”
……………目が覚めたら目の前はテレビの中でしか見たこともないような密林だった。頭上に広がる密度の濃い木々に周りは背が低いがそれでも明らかに日本では目にかかれないような植物が生い茂っている。
そして周りからは何の生物か分からないものの鳴き声が聞こえる。それは絶対に日本では聞くことのできないもの、あったとすればそれはテレビの中の空想の中でしか聞いたことないようなものだった。
確認のためにもう一度周りを見渡してみるが目に入るのは相変わらずうっそうと生い茂った木々たちだけ。しかもその木たちの生えている密度がもの凄いので、周りの景色が全くと言っていいほど分からず、周りに人ひとりいる気配すら感じられない。
「…………………ここは一体どこだぁぁぁ!!!!!」
俺―渡良瀬アキラの叫びに答える声はなく、代わりに何かの叫び声が辺りに響いた。
Side―アキラ
…………さっきも言ったように目が覚めたら全くもって自分の知らない場所に来ていた。目の前には俺の記憶にない植物ばかり、それが辺りにうっそうと生い茂っているから、周りの景色はよく見えず分からない。ただ確実なのはここが日本ではないことだ。
夢だと思って試しに自分の頬を抓ってみたら痛かった。という事は今目の前に広がっているこの景色は夢ではないという事だが、俺自身自分が何故こんな所にいるのか全くもって理解できていない。
そもそも、目が覚める前俺は何をしていたのだろう。そして俺は何者なのだろうか、それを思い出せば何か変わるかもしれない。そんな安直な考えだが、今の俺にはそれが一番重要なことに思えた。
俺は目が覚めるまえに何をしていたか思い出そうと、目を瞑り意識を集中させた。すると頭のどこかで「カチリッ」と音がした。
「っつ!!あああああああああぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁぁあっぁっぁあああぁぁぁあぁぁああぁぁぁぁぁっぁっぁぁあああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
音がした途端訪れた激痛。頭の中を何かが駆け巡る感覚。あまりの痛さに地面をのた打ち回る俺に再度訪れる激痛。
「――――――――――――――あぁぁぁがっああぁぁぁあぁあぁあああぁあああ!!!!」
何度も自分に訪れる痛みに俺の意識はだんだんと遠のいていったが、その中で俺の中を駆け巡る痛みが「知識」と「記憶」だという事が分かった途端俺の意識は消えた。
だが、意識が落ちる直前どうして俺がここにいたのかは思い出せた。
「そうだ。俺…………………………
攫われたんだ。」