魔法の世界で……   作:アルペリア

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一応これで、導入は終わりです。次からはネギまの世界での話になります。

よろしければお付き合いください。


回想・終

 

 

 

 

 

 

 

俺たち全員がさっきのタキシードの発言を呑み込めていないようで、誰一人声を上げる奴がいない。

 

 呑み込めていない俺たちを置いてタキシードは話を進めていく。

 

 

 

「これから皆様には『魔法先生ネギま!』の世界へ行ってもらいます。所謂、異世界転生ってやつですねぇ。

………………いや、まだ皆様は死んでいませんから、これは異世界トリップですかねぇ?」

 

 

一人どんどんと話を進めているタキシード。

 

 

 

「もちろん、いきなり何もない状態で行ってもらうのはさすがに厳しいでしょう。なので、いくつかのサービスをさせていただきます。

 そのサービスの内y「あ、あの。しっ質問してもいいですか?」………ええ、構いませんよ。黒沢さん」

 

 

タキシードが話している最中に、黒沢さんが奴に声を掛ける。タキシードは話をさえぎられることになったが、嫌な顔をせず、彼女の発言を許した。

 

 

「なんで、私たちが行かなくちゃいけないんですか?元の場所には戻れないですか?」

 

 

黒沢さんの質問をタキシードは「なるほど」と呟きながら聞いていたが、息を一つはいて口を開いた。

 

 

「…………………もともとあなた方に“帰る”という選択肢はありませんよ。あの扉をくぐった瞬間にあなた方の後ろの道は消えたのですから。」

 

 

………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………え?それは一体どういう意味だ?俺たちに帰るという選択肢がないだって?

 

 

 

 

 隣を見れば白峰も何も言えないようで固まっていた。その向こうの質問をした黒沢さんは目を見開いて固まっていた。その口から小さく「…嘘」という言葉が聞き取れた。

 

俺だって周りを見ているが、内心はこのタキシードが言っていることがうまく理解できていない。

 

 

「ふざけんなよっ!!なんで俺たちが帰れないんだよ!!」

 

 

 声がしたと思ったら火野が顔を赤くしながら叫んでいた。このときは俺を含めて全員が火野と同じ意見だっただろう。

 火野はまだ言いたいことがあるようで口を開く。

 

 

「大体アンタ、『ネギま』の世界に行ってもらうとか、意味のわからn「意味の分からないことではありませんよ。」

 

 

 

火野の発言にかぶせるようにして、タキシードが声を上げた。

 

 

 

「そもそも、あなた方が帰れないというのは、すでに了承を得ているものですよ。」

 

そういって、一枚の紙を取り出す。それは、俺がこの場所に入ってくるときに通ったドアに貼ってあったのと同じことが書かれている紙だった。

 

 

 

「これに『覚悟はよろしいですか?』って書いてあるじゃないですか」

タキシードが指をさす。確かにタキシードが持っているのは俺が見た手紙と同じなので、同じことが書かれていた。

 

「ここにキチンと書かれているのですよ。これに見てあなた方はこの部屋へと進んでこられた。それは、この手紙の文章に対して了承したと捉えられますよ。

 

…………………ですから、あなた方にはここから戻るという選択肢はないのです。」

 

 

 

 タキシードの言葉に俺を含めてだれも声を上げることが出来なかった。タキシードの言うことに対して、多少意見がないとは言い切れないが、アイツの言うとおり、手紙の内容を深く考えずに来たのはこっちなのだから俺たちの不注意という点を指摘されたら何も言えなくなってしまう。

 

 

「何か言うことがある人は………………いないようですね。まぁ、意見があるとしても、『帰る』などに意見は当然却下させていただきますがね。」

 

 

 

タキシードが俺たちを見回すが、誰も声を上げることはしなかった。俺はともかく、白峰は何か考えるように目を瞑っている。黒沢さんは変えることが出来ないとわかってから俯いたまま顔を上げようとしない。青山も目を瞑っているが、イライラしているのか口元に力がこもっている。最後に火野はタキシードを睨み付けながら時折舌打ちをしている。

 

 タキシードはそんな俺たちの様子を一瞥した後、話の続きを始めた。

 

 

 

「さっきは途中で遮られてしまいましたが、改めてあなた方へのサービスの内容をお話していきましょう。

 

 まず、一つ目にあちらの世界の知識を与えます。いきなり常識はずれな行動をしてもらわれては困りますからね。

 

 次に二つ目。まぁこの中で実際に『ネギま!』を読んだことがある人がいましたらわかりますが、この世界はタイトルの通り魔法がある世界です。ですので、皆様にはある程度の魔力を与えます。魔力なしで放り込んでしまったら、即死亡という事になりかねませんから。

 

 

 そして最後に………………二次創作によくある特典を差し上げます。

 

 ただしこちらは私の持っているこのボックスの中からおひとり様三回まで紙を引いていただきます。その紙に書いてあることを特典として差し上げます。ちなみに一回引いたものについての返品、籤のやり直しというのは受け付けませんのでその所はよろしくお願いいたします。」

 

 

 そういってタキシードは自身が持つ箱を持ち上げる。その箱はテレビや福引などでよく見るような感じの箱だった。

 

「さぁ、最初はどなたから引きますか?私としては誰からでも構いませんが、皆様のお好きなようにしてください。」

 

 

 お好きにしてって言っても誰から最初にやるかなんて、俺たちの中でそんなに積極的な奴はいないし、それに先ほどの事のせいで、みんな気持ちが落ちている。そんな状態でこれから籤を引けとはこのタキシードに悪意を感じる。

 

 

「さぁ!誰から引きますかっ!どなたもいないのであれば私の方から指名させていただきm「俺から引こう」

…………おや、白峰さんですか。いいですねそういう積極的な方は嫌いではないですよ。

それでは白峰さんからお願いします。」

 

 

 タキシードの声を遮って自分から引くと言ったのは俺の横に座っている白峰だった。多分こいつは誰もいないなら一番年長である自分が引こうとでも思ったのだろうか。

 同じ大学生として少し感心した。

 

 

 俺か感心している間に白峰はタキシードが持っている箱から一枚紙を取り出し確認し、目の前のタキシードに質問を投げかける。

 

 

 

「俺の引いたこの『大地の首飾り』とは何なんだ?」

 

「引いたものについての詳細な説明などはあなた方があちらの世界についたときにご一緒に手紙をお送りいたします。その中に説明を載せておきますので、そちらでご確認下さい。」

 

 

 タキシードの説明に白峰は「了解した」と短く答え席に座る。それを見たタキシードは次に黒沢さんの前に行き箱を差し出す。どうやら引く順番は時計回りのようだ。黒沢さんはおっかなびっくり引き、次に青山、火野と続いて最後俺の前にタキシードはやってきて箱を差し出す。

 

 俺は箱の中に手を伸ばし、すぐに一枚の紙を取り出す。

 

 それを三回繰り返し、全員に三枚の紙がいきわたる。それを確認したタキシードが指を鳴らすと、俺たちの前に新しい扉が現れた。

 

 

「皆様、それぞれに特典が行きわたったので、それぞれの前にある扉をくぐって出発してください。」

 

 

 そういわれ、それ以外に出来ることがない俺たちはそれぞれの扉の前に立ち、ドアノブに手をかけ扉を開け向こうに行こうとするが、俺は一つだけ気になったところがあり、扉のくぐる前にタキシードに声を掛ける。

 

 ほかの奴らは先にドアの向こうに行ったようで、この場には俺とタキシードしかいない。

 

 

「なぁ、一つ聞かせてくれないか。どうして俺たちが選ばれたんだ?別に俺たちじゃなくても良かったのか?」

 

 

「渡良瀬さんの質問に答えるのならば、そうですね、結論から言えば別にあなた方でなくてもこちらに支障はありませんでした。」

 

「なら、俺たちは偶然選ばれたのか?」

 

「簡単に言ってしまえば。

 あなた方には理解しづらいかもしれませんが、人を喚ぶというのは案外難しいものでして、私が喚んだ瞬間に“境界”を越えている人しか喚ぶことは出来ないのですよ。」

 

「“境界”を越える?」

 

「わかりすく言ってしまえば、今回喚ばれた皆様に共通していることは、私が喚んだ瞬間ドアなどをくぐった人でした。」

 

「…………………なるほど、それが“境界”を越えるという意味か。」

 

「お分かりいただけたようで何よりです。」

 

 

 タキシードの話を聞いて俺も自分がここに来た理由を理解できた。

俺は、俺たちはただ単に、偶然で呼ばれてしまったという事。あの時少しでも、扉をくぐるのが遅ければ俺は今ここにはいないだろう。

 

 だが、それを悔やんでも仕方のないことなので、俺は深く考えないようにしながら、扉をくぐる。後ろでタキシードが何か言ったような気がしたが、聞き取れなかった。

 

 扉をくぐって俺は『ネギま!』の世界へ向かった。

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺はこの新しい世界にやってきた。今だに頭は“記憶”と“知識”を一気に入れたせいか、ズキズキと痛むが我慢できないほどではないので放置する。

 

 それよりも、最初にタキシードの言う特典の説明が書かれた手紙を見るのが先だ。俺が特典として、あの箱の中から引いた三枚の紙に書いてあったのは

 

・英雄級の魔力と気

・先天性魔法放出障害

・従者一人

 

この三つであった。一番上のは分かるが、残りの二つがよくわからないので、早いとこタキシードの言っていた手紙を探さなくては、だが辺り一面森の中でどうやって探すのか。

 

 四つん這いになって自分の周りの落ち葉をかき分けて探すが、見当たらない。

 

どうしたものかと俺が探しながら考えていると、俺の目の前に手紙が突き出された。

 

 

 

「探し物はこれか?」

 

 

 

 どうやら誰かが見つけてくれたようで、俺は立ち上がりながらその人に礼を言おうと顔を上げる。

 そして固まった。その人は女性で俺も良く知っている人だった。

 

 俺に手紙を差し出してくれた女性は俺の方を見ながら口を開く

 

 

「この森の中、周りに人一人の気配すらない状態で、私があなたの従者であなたが私の主ではないという事はありえないが、一応これは言わなくてはならないと思うので、言わせてもらおう。

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………問おう。あなたが私のマスターか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の前には黒いスーツの男装の麗人、騎士王、セイバーがいた。

 




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