東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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次の異変の話を入れようか迷っていると、いつの間にか寝ていたすいません()

今回は短めです。結局、次の異変は次章ですることになりました。


13、「天と地と人と」

 side Hakurei Reimu

 

 ──妖怪の山(上空)

 

 私と竜宮の使いは向かい合っていた。

 それは、勝負が付いていない訳ではなく、勝負が終わり、互いにつかの間の休みを取っていたからである。

 

 竜宮の使いと戦いを始めて約十数分。

 

「はぁ、はぁ......よし!」

 結果的には私の勝利で終わった。

 

「勝った! はーぁ......これで地震が起きなくなるのね!」

 

 が、かなり満身創痍だった。攻撃が何度も受け流されたり、バリアのような何かを使われたりと、思ったよりも時間がかかったからだ。

 

 ──最後には、いつも通り『夢想封印』で倒すことができたんだけど。

 

「はぁー。そんな感情的になってはいけません。私は起こるであろう地震を皆に伝えるだけ。私は地震の有無とは一切関係ないのです」

「えぇ!? そ、それじゃあ、まだ戦わないとダメなの? 面倒くさすぎるわ」

 

 話してみて気付いたが、本気を出していなかったのか、竜宮の使いに疲れている様子はない。

 あまり本気を出していなかったのかもしれない。

 

「そうなりますね。本当の悲劇は誰にも止められない。これを止められるのは......貴方ではなく、悲しいかなあのお方だけです」

「はぁ? あのお方、って誰よ。私の神社の責任を取ってくれる奴は何処にいるのよ」

「......私の推測が正しければ、確かにあのお方は地震を起こした張本人。でも、これから起こる本当の悲劇を止めるのもそのお方......」

「どっちにしろ、そいつに会わないといけないようね。

 あぁ、もちろん神社の責任と悲劇を防ぐためにね」

 

 この人の言っていることが本当なら、次で最後の戦いになるのだろうか。

 

 ──いや、次で終わらせる。というか終わってほしいわね。流石に連戦は疲れるし。

 

「ふふっ。では、そのまま雲の上へお進みくださいまし。きっと大変ですけどね」

「そう。今までそれ以上のことを体験してきたわ。今更止まれないのよ」

 

 それだけ言い残すと、私は竜宮の使いを背に、その場を後にする。

 

 

 

 雲の中を彷徨いながらも、雲よりも高い場所へ目指して飛んでいく。

 数分間も、もう既に地上など見えないくらいの高い場所へと飛んでいるのに、まだ雲を抜けることができなかった。気が遠くなりそうになるも、まだ上へと昇っていく。

 

「む、あれは......」

 

 次第に光が見えてきた。おそらく太陽の光だろう。

 

 ──ようやく雲を抜けれるのね。

 

「ふぁ! ようやくだわ! さあ、何処に居るのかしら。地震の責任を取ってくれる奴は。

 それにしても、雲の上は静かね......」

「天にして大地を制し、地にして要を除き」

「貴女が、かしら......?」

 

 目の前に腰まで届く青髪のロングヘアに真紅の瞳を持つ少女が現れる。

 頭には桃の実と葉が付いた変な丸い帽子をかぶり、一部がエプロンのようになった服を着ている。そして、胸には赤、腰には青の大きなリボンがある。

 そして、周りにはしめ縄が付いた石が浮いており、右手には赤く燃えているようにも見える剣を持っている。

 

 おそらくこの女性は、天界に住む人、俗に言う天人だろう。

 

「人の緋色の心を映し出せ」

「聞いてる? あんたが地震を起こしたり、天候をおかしくした犯人よね?」

「異変解決の専門家ね。待ってたわ」

「無視するとはいい度胸ね。それに、何が待ってた、よ。

 まるで解決して欲しいかのようじゃない。M(エム)なの? ドM(エム)なの?」

「ごめん、後半はちょっと分からないわね。

 で、話を戻すけど、異変解決ごっこは、何も妖怪相手じゃなくても良いでしょ?」

 

 確かに明確には妖怪相手とは決まっていなかった気もする。

 ただ、妖怪が起こす方が幻想郷(ここ)にとっていいだけで。

 

 ──それよりも、やっぱり通用しないか。これだから外の世界から来た吸血鬼や巫女は......。別にあいつらのせいでもないんだけど。一人で変なことを言ってるみたいで恥ずかしくなるわね。外の世界から来た人にしか使わないようにしよう......。

 

「私は天界に住む比那名居の人。毎日、歌、歌、酒、踊り、歌の繰り返し。天界の生活はほんと、のんびりしていてねぇ」

「羨ましいわね。自慢?」

 

 できれば私もそんな生活を送りたい。

 そんな気持ちも少し混じりながら、そう答えた。

 

「何言ってるのよ。退屈だって言ってるの!

 だから、貴方が地上で色々な妖怪相手に遊んでいるのを見てきたわ」

 

 確かに、そんな生活を長い間送るのは、私としても御免こうむりたい。

 

「遊んでいた訳じゃないけどね」

「それを見て思ったの。私も異変解決ごっこがしたいって。だから起こしちゃった、異変」

「なっ......!?」

 

 天人のその言葉により、一瞬困惑するも、私の中で何かが切れた。

 何かがふつふつと込み上げてくる気がした。

 

「お、起こしちゃった、じゃないでしょ! そのお陰で神社は滅茶苦茶よ!」

「あれは試し打ちよ。本番はこれから。この、緋想の剣は人の気質を丸裸にする剣なの。これで、緋色の霧を集めて......」

 

 緋色の霧......やはり、あの緋色の雲もこいつの仕業だったのだろう。

 そう考えると、地震も天気も、全く関係無さそうで同じ人物が起こしていたということなのか。私の勘もまだまだ捨てたものでは無いらしい。

 

 ──これは、本格的に止めないとヤバいわ。私の神社のこともあるし、手加減は無用ね。

 

「集まった天の気が大地を揺るがすの。さらに私の足下にある要石を動かし、これなら幻想郷全域の大地を揺るがすでしょう」

「ふん、なめきったもんね。どういう仕組みであろうと、地震を起こした犯人だって事は間違いないみたいね」

 

 というか、自分から言っているのだ。

 誰かに操られているとかない限り、こいつが犯人で間違いはないだろう。

 

「相手が天人だろうが変人だろうが私の仕事は一つ。異変を起こす奴を退治する事のみ!

 あとついでに、神社の修理もやって貰うわよ」

「うふふ。そうそう! その意気込みが欲しかったのよ! 私はいつまでも退屈な天界暮らしをしていたくはないわ」

 

 そう言いながら、天人は右手に持っていた剣を高く上げ、周りに浮いていた石へと乗った。

 

 それに対し、私はお祓い棒とお札を持ち、戦う準備をする。

 

「それも今日でおしまい。空の天気も、地の安定も、人の気質も私の掌の上。

 数多の妖怪を退治してきた貴方の天気! 見せて貰うわよ!」

「見せるのはいいけど、魅せられてすぐに終わっちゃうかもしれないわよ?」

「ふんっ、言ってなさい!」

 

 互いにスペルカードを構えると、私は異変最後の戦いを始めた────




次回から最終章に入ります。
ちなみに忘れていた月のお話は、番外編で出す予定です
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