東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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遅くなって本当にすまない(´・ω・`)


2、「訪問者と長女の思い」

 side Remilia Scarlet

 

 初めてレナと一緒に『狩り』に行ってから数日が過ぎたある日、ルネ・エルジェーベトが紅魔館に訪ねてきた。

 

「紅魔館にようこそ。ルネ・エルジェーベト様」

「お邪魔します。それと、ルネでいいですよ」

 

 私は能力で来ることを知り、門の前まで会いに来た。会いに来た理由はどうしてここに来たのか気になったし、この男がフランの部屋まで間違ってでも行ったら死んで騒ぎになるかもしれないからだ。

 

「そう、ルネ、今日はどうしてここに来たのかしら?」

「今日は父が死んだと言う報告とレナータと話がしたくて来ました」

「レナと? ......私は居たら駄目?」

「すいません、レミリアさん。レナータと二人きりで話をしたいのです」

 

 レナータと......二人きりで話? これは、姉として......どうすればいいんだろうか?

 大切な妹だし、まだレナも子供なんだし......いや、でも違うかもしれない。それに、レナがいいならいいのかな......。

 

「......レナに聞いてくるから応接間にでも少し待ってなさい。それと、レミリアでもいいわよ。こっちが呼び捨てなのに、さん付けされるのは嫌だからね」

「はい、分かりました。......それと、ありがとうございます」

「いいのよ。私が当主になってからの初めての客人だしね」

 

 私はそう言ってレナの部屋へと向かった──

 

 

 

 ──紅魔館(図書館)

 

 レナの部屋に行っても居なかったから、魔法の練習でもしてるのかなと思い、図書館へ来た。すると、案の定、レナが魔導書を読みながら片手で魔法陣を書いていた。

 

「レナ、ここに居たのね」

「あ、お姉様。珍しいですね、お姉様がここに来るのは」

 

 レナが嬉しそうに微笑みながらそう言った。

 

「......もしかして、邪魔したかしら?」

「いえ、大丈夫ですよ。それでお姉様、今日はどうしましたか?」

 

 レナが魔法陣を消し、魔導書を閉じながら言った。

 

「......貴女にお客様よ」

「お客様? この紅魔館に来るお客でも珍しいのに......私にお客様なんて初めてですね。それで、誰なんですか?」

「ルネ・エルジェーベトよ。エルジェーベト家の次男の。......それと、バートリが死んだらしいわ。出来れば、そのことについて詳しく聞いてくれない?」

「ルネが......。はい、分かりました」

 

 レナが少し考えたような顔をしてからそう言った。少し心配だけど......まぁ、私の妹だし大丈夫だろう。

 

「じゃ、用事はそれだけだから......ルネは応接間に居るはずよ。場所は分かるかしら?」

「はい、大丈夫ですよ。......では、長く待たせるのもなんですし、今から行ってきますね」

 

 そう言ってレナは『抜け道』を作り、そこに入った。

 

「......『行ってらっしゃい』くらい言わせなさいよ。まぁ、いいわ。......レナの代わりにフランに会いに行った方がいいかしら」

 

 今は、後二時間で夜が明ける頃だ。...いつレナ達の話が終わるか分からないし...。行ってみようかしら...久しぶりに。...能力使ってから行ったほうがいいかしら?まぁ、何かあってもレナが気付いてくれるでしょうし、能力使ってから行きましょ。...そう言えば、どうしてこんな時間に来たのかしら?...まぁ、いいわ。

 そう思いながら、フランの部屋へと向かった────

 

 ──数十分後 紅魔館(フランの部屋)

 

「......大丈夫そうね。......フラン、入ってもいいかしら?」

 

 運命を見た結果、少なくとも、今は大丈夫そうだ。

 そう思いながら私はフランの部屋をノックし、フランに聞こえるように大きい声でそう言った。

 

「レミリアお姉様!? 勿論、いいよ! 入って!」

「そう、入るわね。って、きゃっ!? ふ、フラン......部屋に入った瞬間に飛びつくのはやめてほしいわ......」

「えへへ......だって、レミリアお姉様が久しぶりに来たから嬉しいんだもん。......あれ? そう言えばお姉様は?」

 

 嬉しそうな顔をしていたフランが、少し残念そうな顔になってそう言った。

 

「あぁ、レナならお客様が来たから話をしているわよ」

「ふーん......まぁ、いいわ。それよりもレミリアお姉様、遊びましょ!」

「いいわよ。何して遊びたいの?」

「『弾幕ごっこ』がいいわ!」

 

  『弾幕ごっこ』......名前が無かったこの練習にレナがふと呟いた名前を付けた。

 それをレナに言った時、この名前は嫌だから、するなら別の名前にしようとか言っていたから言ってたけど......これ以上に合う名前をレナが思い付かなったから結局これになった。

 それにしても、フラン、これは遊びじゃないんだけど......。

 

「いいわよ。一回当たったら終わりでいいかしら?」

「えー、もっと遊びたいわ! せめて、三回がいい!」

「はぁー、仕方ないわね。でも、フラン。手加減してよね。貴女の弾幕はかなり痛いから......」

「大丈夫だよ。私も色んな練習をお姉様に教えてもらってるの。その練習の中に力加減もあるから前にお姉様と遊んだ時よりも痛くないはずよ」

 

 ......初めてその話を聞いた。やっぱり、レナにフランのことを任しすぎているのかしら? 私も姉として何かした方がいいわよね......。

 

「......フラン、何かあったら私に言って。私に出来る範囲なら何でもしてあげるわ」

「? 急にどうしたの? レミリアお姉様」

「......いえ、どうもしてないわよ。さ、『弾幕ごっこ』を始めましょう!」

「うん! レミリアお姉様、私負けないから!」

 

 そう言って私は『グングニル』を、フランは『レーヴァテイン』を作り、手に持つ。

 

「あら、私に勝てると思っているの?」

「え、まぁ、お姉様にも勝てないから無理かもしれないけど......それでも私はレミリアお姉様に勝つために頑張るわよ!」

「ふふ、いい心構えね。そうねぇ......貴女から攻撃してきなさい。私はしばらく受けるだけにしてあげるわ」

「レミリアお姉様、手加減しないで、本気でやって!」

「あら? いいのかしら? すぐに終わっちゃうわよ?」

 

 私はレナ相手にも本気でやることがない。その理由は長くやることで、レナの持久力、集中力を鍛える為にだ。まぁ、多分レナも本気は出していないだろう。だから、私はレナ相手に本気を出さない......と言うよりは本気を出せない。手加減しているあの娘に本気で相手をすると、吸血鬼と言えど、大きな怪我をするかもしれないからだ。まぁ、傷はすぐに治るだろうけど......。

 何故、本気を出さないのかの理由も知っている。

 あの娘は私達相手には優しすぎて、自分で意識せずとも手加減してしまってるのだ。当たっても痛いだけで傷はすぐに治るのに......本当に優しい妹を持ったと思う。でも、その優しさがいつかレナ自身を苦しめるような気がする。

 だから、そんなことがあってもレナが傷付かないように......私が強くなってレナを......フランも守らないと。何があっても私が守れるように......。

 

「大丈夫よ。本気でやっても私はすぐには負けないから。......って、レミリアお姉様? 大丈夫? 少し上の空になってたみたいだけど......」

「え、あ、大丈夫よ。......なら、本気でするわね。その代わり、貴女も本気でしなさいよ。怪我するかもしれないから」

「勿論、本気でするわよ! えいっ!」

 

 フランがそう言いながらレーヴァテインを振った。そして、レーヴァテインの炎が私のところまできた。

 ...って、えっ?

 

「え!? 流石に早す...危なっ! フラン! 話している途中に攻撃は卑怯じゃない!」

 

 間一髪で私は避ける。流石に不意打ちはひどいわ......。

 

「え? レミリアお姉様が本気を出しなさいって言ったんじゃない。私はそれに従っただけよ」

「うー......フラン! 覚悟しなさい! 今すぐ倒してあげるわ!」

「あら、レミリアお姉様。こんなことでムキになっちゃって......妹として恥ずかしいわ」

「 フ ラ ン !もう、怒ったわよ!」

 

 そう言って、フランに突撃する。

 本当はこれくらいじゃ怒らないけど......フランは私を怒らして、注意力でも鈍らせようとしてるみたいだから、その手に乗ってみた。

 

「ふふ、レミリアお姉様、遅いわよ!」

 

 そう言ってフランがレーヴァテインを振り回して、私に当てようとする。

 上、右、左、また左......太刀筋が単純ねぇ。

 そう思いながら私は避けてフランに近付いて行く。

 

「え!? う、嘘でしょ!? 全く当たらないなんて......。それなら、やぁっ!」

 

 そう言ってフランがレーヴァテインを振りながら弾幕も一緒に出した。

 

「あらあら、フラン、どうかしたって、あっ、痛っ!?」

 

 私が油断して、喋っている最中に弾幕の一つが当たった。

 レーヴァテインの炎に隠れていて、当たるまで気付けなかった...。

 

「ふふふ......レミリアお姉様! 油断はしたら駄目よ! ...っ!? な、何が...えっ!?」

「...フラン、油断をしているのはどっちかしらねぇ?」

 

 フランは、私がフランの『後ろ』から放った弾幕に当たった。

 今、フランの後ろには数百の弾幕を張っている。怒ったふりをしている時からフランの後ろに目に見えるかどうかの小さな弾幕を霧のようにして設置していた。そして、それをフランに気付かれないように徐々に集め、少し小さめの弾幕を張っていた。

 

「い、いつの間に!? どうして、私に気付かないようにこんなに弾幕を張れるの!? 普通にやっても私は気付くはず......あっ! レミリアお姉様! 怒ったふりを──」

「捕まえた。......これで負けを認めるしかないようね?」

 

 そう言って、私は後ろに気を取られていたフランの両手を握り、動けないようにした。

 すると、観念したのかフランがレーヴァテインを消した。

 

「はぁー......確かにこれは負けても仕方ないわよね。でも、まだ当たってないから負けてはないわよ! えいっ!」

「よっ、と。フラン、負けを認めなさい。じゃないと、この弾幕を全て当てるわよ?」

 

 そう言ってフランがのあたりを蹴ろうとした。それを私は上に飛んで逃げ、握っている両手の力を強めた。

 

「痛い! レミリアお姉様、離して!」

「駄目よ。貴女が負けを認めるまで離さない」

「痛っ! レミリアお姉様、そう言いながら力を強めないで!」

「早く負けを認めないとやばいわよ?......骨が折れるかもしれないわねぇ」

 

 流石にそこまでしないけど......こうまで言わないと負けを認めないだろうし仕方ない。

 

「うー......レミリアお姉様の悪魔! 鬼! 負けを認めるから離して!」

「私達は吸血鬼だから悪魔だし鬼です。って、レナの口調が移っちゃったわね。まぁ、いいわ。はい、離したわよ。弾幕も消しといたから」

「うー......お姉様はこんなことしないのにぃ......。レミリアお姉様なんて嫌い!」

 

 フランが泣いた顔でそう言った。

 

「そ、それは貴女が負けを認めなかったから......」

「あら、お姉様、何をしているんですか? ......お姉様、フランが泣いているのですが?」

 

 そう言ってレナが突如床に現れた『抜け道』を通り、部屋に現れた。

 

「うわぁぁぁん! お姉様ー! レミリアお姉様がいじめる!」

「え? ......お姉様? 一体どういうことですか?」

 

 レナがフランを抱きしめ、私を睨んでそう言った。

 

「え!? わ、私は......私は悪くないわよ!」

「でも、お姉様、フランが泣いていますよ」

「わ、私は、うっ、うー......。わ、悪く......悪くないわ。うぅ......うわぁぁぁん!」

 

 レナに初めて真剣に怒られ、少しやり過ぎたと言う感情もあり、泣いてしまった。そして、私はレナに飛びついた。

 

「えっ!? お、お姉様!? え、ちょっ、あっ!ぐはっ!」

「あ、レミリアお姉様! お姉様が倒れたじゃない!」

「私悪くないもん! 私、私は悪く......うーっ!」

「悪いのはレミリアお姉様でしょ! 私の方が悪くないもん!」

「......フラン、お姉様。落ち着いて下さい。それにしても、お姉様? しばらく......と言っても数日ですけど...会わないうちに変わりすぎてません?」

「だって、グスッ、レナやフランに会えなくて......ずっと一人で寂しくて......普段は皆の前で強がってはいるけど、本当は寂しいのよ......」

 

 本当は、レナとフランとずっと一緒に居たい。でも、私は紅魔館を守らないといけない。

 今まで我慢していたけど、本当は我慢したくない。レナやフランとずっと一緒に遊びたい。

 ......まだ、私も子供なんだなぁ......って、そう考えて思った。

 

「お姉様......大丈夫ですよ。でも、これじゃあ、どっちが姉か分からないので......お姉様、いつもの貴女に戻って下さい」

「うっ......もう大丈夫よ。レナ、フラン、さっきはごめんね。」

「......いいよ。許してあげる」

「私もいいですよ。......お姉様、本当に大丈夫ですか? まだ、涙が......」

「え、大丈夫よ! そう言えば、そろそろ夜が明けるわね......」

「レミリアお姉様、話逸らすの下手ね」

 

 うっ、確かに今のはそうだけど、言わなくても......。

 

「いいのよ、別に! ......レナ、フラン。今日は一緒に寝てくれない?」

「レミリアお姉様......そんなに寂しかったのね。うん、いいよ」

「私もいいですよ。でも、お姉様......もう、一人で居ることを我慢しないで下さいよ。また泣かれても困りますから」

「うっ、分かったわ......。もう泣かないし、我慢しないわ」

 

 と言うか、泣いて恥をかきたくない......。今でも、凄く恥ずかしいし......。

 

「では、お姉様。もう寝ましょうか。......今日は色々と疲れたので」

「あ、レナ、ごめんなさいね」

「私も......お姉様、ごめんなさい」

 

 そう言って私とフランはベッドに向かって行ったレナに謝った。

 

「別にいいですよ。さ、早く寝ましょう......眠いです」

「そうね。おやすみなさい、レナ、フラン。」

「おやすみなさい、お姉様、レミリアお姉様。」

「おやすみです......」

 

 こうして、私は久しぶりに、姉妹達と一緒に寝ることにした────

 

 

 

 

 

 side Renata Scarlet

 

 ──時間は少し遡り 紅魔館(応接間)

 

「で、なんの用ですか?」

「どうも。......勿論、この世界についてです」

 

 お姉様に言われ、私はルネに会いに来た。

 

「やっぱり、貴方もこの世界に転生した人なんですか?」

「やっぱり、貴方もなんですね。良ければ、詳しく話してくれませんか? ...貴方のことについて」

「はい、と言っても......殆ど憶えてないんですよね。私が16歳になる頃にはもう殆ど憶えてなかったです。ただ......この世界が『東方project』の世界と言うことだけ知ってます」

「......そうですか。僕はトラックに轢かれて、気付いたら赤ちゃんになって、この世界に居ました」

 

 トラックに轢かれて、って......うわぁ、痛そうだなぁ。

 

「その......えーと、お気の毒に......」

「いえ、心配しなくても大丈夫ですよ。それは置いといて、レナータ、貴方はレミリアとフランと暮らしているんですよね?」

「はい、そうですよ。......それがどうかしましたか?」

「あ、いえ、何でも......おっと、時間的にそろそろバレそうなので帰りますね。では、また来ます」

「え、あ......まだ聞きたいことがあったんだけど......まぁ、別にいいですか」

 

 ルネがまた返事を待たずに外に出ていった。......まぁ、また来るらしいし、大丈夫だよね。

 そう思いながら私は『抜け道』を作り、フランの部屋へと繋げた。そして、私はフランの泣いている姿を見つけた────




次回は水曜日に投稿予定。因みに、次の次にようやくあの人が......?
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