東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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少し遅れて投稿()
すいませんm(_ _)m

3章が短くなりそうな予感しかしない()


3、「次女の災難 賢者の訪問」

 side Renata Scarlet

 

 ──紅魔館(図書館)

 

 お姉様との話を終え、私は約束を守るためにも、フランに会いに行くためにも図書館に来た。

 

「あ、やっと来た。お姉様、何の話をしてたの?」

 

「ガチャ」と音を立てて扉を開くと、本を読んでいたフランが走ってきて、こう言った。

 

「さぁ? 何でしょうね。それよりも、アリスさんは?」

「......まぁ、いいや。アリスはパチュリーと話してるよ。魔導書の貸し出しについては私が許可したから、今はどれにするか二人で決めてるんだって」

「へ〜......フランは何をしてたのですか?」

「ん、私は本読んでただけだよ。なんか大人が子供になるっていう推理もののやつ」

 

 ......あれ? どこかで聞いたことがある気が......いや、気のせいか。

 

「......一度、読んでみたいので、後で貸してくれませんか?」

「いいよー。あ、でも、まだ読み始めたばっかだから、後でね」

「はい、分かりました」

「あ、レナ、ちょっと来てくれない?」

「あ、はい! フランまた後で話しましょう」

「うん、また後でね」

 

 パチュリーにそう言われ、私はパチュリーの方へと行った。

 

「レナ、ちょっと教えてほしいことがあるんだけど」

「はい、何でしょうか?」

「貴方が使っている魔法ってどの魔導書に載ってたかしら?」

「私が主に使う魔法が載っているのは......黒い背表紙に青白い月が描いてある本です。魔力が他と比べて、強めなので、すぐに分かると思いますよ。それにしても、どうしてその本を?」

「アリスに貸すためよ。貴方がよく使う魔法って、便利なものが多いでしょ?」

「まぁ、移動魔法とか......移動魔法とかよく使いますしね。あ、そう言えば、移動魔法が使えなくなってたんでした。ちょっとフランの部屋に行くので、フランを頼みますね」

「移動魔法しか思い付かなかったのね。っていうことは置いといて、私一人じゃあの娘が暴れた時に対応出来ないわよ? それに、フランの部屋に行っただけで治るの?」

 

 あ、まぁ、確かに。......でも、数分程度だし、大丈夫だよね。

 

「......魔法の方は治るはずですよ。おそらく、隔離されていたこの世界に来たのが問題でしょう。私の移動魔法は見たことがある場所に飛ばされるので、本来は元の世界に飛ばされるはずなんでしょうが、私一人の力では、元の世界からこちらに来ることは出来ても、こちらから元の世界に戻ることは出来ないんだと思います」

「ふむ......なるほどね。あ、でも、今じゃなくてもいいでしょ? 今はここに居なさい」

「ま、まぁ、それもそうですけど......今行かないと、忘れそうなので」

「はぁ......仕方ないわね。フラン! 貴方の姉が、貴方に秘密で何処かに行こうとしてるわよ!」

「あ、ちょ──」

「お姉様ー! 何処に行くのー?」

 

 そう言って、フランが後ろから飛びついて来た。

 パチュリー......そんなに嫌なのか......。

 

「べ、別に、秘密で行こうとなんてしてませんから、離してくれませんか?」

「ん、無理ー。お姉様、何処に行こうとしてたの?」

「ふ、フランの部屋ですよ。移動魔法を再び使えるようにするためにです」

「へー、どうして私を置いていこうとしたの?」

「え、そ、それは......まぁ、特に理由はありませんよ?」

「どうして疑問文なのかなぁ? おかしいねぇ?」

「ギャーッ! ちょ、誰か助けてください!」

 

 フランがそう言いながら、骨が折れそうなくらいの力で抱き締めてきた。

 ......お姉様、フランを外に出しても、怒らないでください......。あ、でも、お姉様に見つからなかったらいいのかな?

 

「......ねぇ、いつもあんな感じなの? あの姉妹は」

「えぇ、いつもあんな感じよ。あれでも、仲は良いのよ。おかしいと思わない?」

「仲が良くていいじゃない。ま、私に姉妹はいないから分からないだけで、姉妹ってあんなものなのかもしれないけどね」

「確かにそうかもね。私もいないからよく分からないわ」

 

 ちょっと、話してないで止めてよ! フランを止めて! と言うか止めて下さい! お願いします! 骨が折れそうです!

 

「ふ、フラン! 骨が折れそうです! 離してください! この強さは人間なら折れるくらいの力ですよ!?」

「大丈夫だよ。人間なら抱き締めた瞬間に折れてるだろうし、吸血鬼だから、よっぽど強くしない限り折れないと思うから」

「人間で折れるくらいの力で抱き締めたのですか!?」

「うん、そうだよ。私、力加減とかお姉様達ほど出来ないから......」

「......そうですか。......今からでも遅くありません。外の騒ぎが落ち着いたら、力加減の仕方を練習しましょう」

「......うん! お姉様、ありがとう!」

「────ッ!?」

 

 そう言って、フランが私を強く抱き締めた。その瞬間、「ボキッ!」と何かが砕けるような鈍い音がした。そして、背中に鋭い痛みが広がった......。

 私は声にもならない悲痛な叫びを上げた。

 

「うっ、うぅ......ううぅー......」

「お、お姉様!? 大丈夫!?」

「あー......背骨をやっちゃったかもしれないわね。多分、下半身は動かなくなってるかもね。安静にさせときなさい。吸血鬼だから、すぐに治るはずよ。まぁ、複雑骨折なら、すぐには治らないかもしれないけど」

 

──骨は出てないから粉砕骨折のような気も......。

とは思ったが、それを声にして出すほど元気ではなかった。

 

「え!? ......お、お姉様、ごめんなさい......」

「うぅぅぅ......だ、だい、じょうぶ......です」

 

 フランが半分泣きながらそう言った。

 私はフランに心配されないように、笑いながら答えようとした。

 

「お姉様! 顔が笑えてないよ! 無理してるの分かっちゃうよ!? ......本当にごめんなさい。わ、私のせいで......」

「だ、だから、大丈夫です......って......フラン、何も心配することは......うぅぅぅ......」

「お姉様!」

「フラン、安静にさせなさい。レナももう喋らないようにしなさい。喋ると余計に、身体に負担がかかるみたいだから」

「う、うん......」

 

 私はコクリと頷いた。

 痛みは引いてきたし、もう治ってきたみたいで良かった。本当、吸血鬼の身体って凄いなぁ。

 それにしても、骨が折れるなんて......。今まで、爪がくい込んで血が出るくらいならあったけど、骨が折れるなんて初めてかも......。んー......もっと身体を鍛えた方がいいのかな? 吸血鬼って元々身体能力高いから、今まで何もやってなかったけど。

 

「それにしても、凄いわね。姉のレナよりも、妹のフランの方が力が強いのって」

「まぁ、歳は三歳しか変わらないからね。それに、フランは三姉妹の中でも一番力が強いし、何よりも、加減が出来ないから」

「うん......でも、少しくらいなら出来るよ。お姉様に貰ったぬいぐるみ、まだ壊してないし......」

「ぬいぐるみ? そんなの貰ってたの?」

 

 ぬいぐるみ......懐かしいなぁ。クリスマスの時に、フランにプレゼントしたやつだったっけ......。

 

「あ、パチュリー達は知らなかったね。まだお母様達が生きてた時に貰ったの。私の能力でも力でも壊れにくいぬいぐるみなの。今は私の部屋に置いてるよ」

「へぇー......凄いのを作ってたのねぇ」

「......能力? 貴方の能力ってどんな能力なの? あ、先に言うわ。私は『主に魔法を扱う程度の能力』よ」

「あ、私の能力は、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』だよ」

「へぇ、凄い能力なのね。それに、それを壊れにくくするレナの能力も凄いわね。吸血鬼って凄い能力を持っているものなのかしら?」

「んー......どうなんだろ? レミリアお姉様は自分は『運命を操る程度の能力』を持ってるって言ってるけど......正直、よく分からない能力だし」

 

 まぁ、確かにお姉様は分かりにくい能力だけど......本当に持ってるんだからね? フランはあんまり信じてないみたいだけど......。

 

「ふーん......そうなのね」

「......ふぅ、もう大丈夫みたいです。心配をかけましたね、フラン」

 

 そう言って、私は起き上がった。

 もう痛みはほとんどない。本当に凄いね、吸血鬼の身体って。背骨が折れても、すぐに戻っちゃうなんて。

 

「あ、本当に良かった......。お姉様、ごめんなさい。もうしないから......許して......」

「許すも何も、最初から怒ってないから大丈夫ですよ。フランはわざとやったのではないのでしょう?」

「う、うん......そうだけど......。でも、お姉様を傷付けたのは本当のことだし......」

「......え? そうでしたっけ? もう治ったので、憶えていませんね」

「お姉様......お姉様!」

 

 そう言って、フランが私に抱きついてきた。さっきよりも弱い力で、だけど、力強く抱き締めてきた。

 

「......やれば出来るじゃないですか。まぁ、それでも、人間の骨は折れそうですけどね」

「お姉様......うっ、ううう......本当に、グスッ......大好き......」

 

 フランが泣きながら、さらに強い力で抱き締めてきた。

 ......さっきよりは弱いし、大丈夫だよね?

 

「フラン、私も大好きですよ。......まぁ、お姉様も大好きですし、この館の住人は全員好きなんですけどね」

「......グスッ、お姉様、一言余計だよ。まぁ、いいけど」

 

「本当、おかしな姉妹ね。さっき骨を折られたっていうのに、もう仲直りしちゃって。まぁ、喧嘩とかはしてないし、誤って折ったわけだから、当たり前なのかしら?」

「いや、当たり前ではないと思うけど......まぁ、いいわ。部外者の私が口を出すようなことじゃないしね」

「......それを言ったら、私も部外者なんだけど。......今はあの二人だけにしてあげましょう。確か、向こうの方に、まだ魔導書があったはずよ」

「分かったわ。じゃ、貴方達、また後でね」

 

 そう言って、パチュリーとアリスは魔導書を探しに、別の場所へと行ってしまった。

 

「はい......フラン、そろそろ離してくれませんか? 少し苦しいので」

「あ、ごめんなさい」

 

 そう言って、フランが離した。

 それにしても、どうしてどっかに行っちゃったんだろう? まぁ、何でもいっか。

 

「フラン、お姉様が来るまで、一緒に本でも読んどきます?」

「うん! あ、さっき言ってた本読もう!」

「......ふふ、そうですね」

「え?どうして笑ってるの?」

「フランが嬉しそうなので、私も嬉しくなっただけですよ」

「ふーん......まぁ、私もお姉様やレミリアお姉様が嬉しそうにしてる時は、私も嬉しいからねぇ。さ、読もっか」

「はい、そうですね」

 

 こうして、私とフランはお姉様が来るまで、本を読むことにした────

 

 

 

 

 

 side Remilia Scarlet

 

 ──紅魔館(門前)

 

「ふぁ......もう終わりかしら?」

 

 帰ってきてから夜明け近くの今までずっと、同族を殺している。気分が悪くなってきたけど、レナとフランのためと思えば、少しはマシになる。

 

「終わりでいいと思いますわよ? 貴方は充分頑張りましたから」

「......貴方、背後に現れるのやめてくれない? 心臓に悪いわ」

 

 そう言って、胡散臭い妖怪が後ろに現れた。

 

「あら、ごめんあそばせ。少しお話がありまして来ました」

「ようやくね。どんな話かしら? レナとフランは帰ってきたし、同族殺しとかはもうごめんだからね?」

「えぇ、もう充分ですわ。四十も倒してくれるなんて、想定外でした。それよりも、貴方にはまたお願いがあるのです」

 

 想定外......ね。本当にそうかしら? 私には、全てこいつの計算通りと思えるんだけど......。

 

「何かしら?」

「簡単なことですから、そう身構えなくてもいいですわよ?」

「貴方が言う簡単なことって、信用出来ないんだけど」

「あら、失礼だわ。今回は本当に簡単よ。ただ、この館から出ないで欲しいのよ。明日、貴方達以外の吸血鬼は死ぬでしょう。まぁ、地底とかに逃げるやつもいるかもしれないんだけど。幾つかの例外は置いといて、ほとんどは死ぬと思いますわ」

「あら、そんなに簡単に殺せるとでも?」

「えぇ、思ってますわ。明日、昼と夜が逆転します。そしたら、日の光が弱点の吸血鬼はどうなると思いますか?」

 

 昼と夜が逆転する? 一体どういうこと? 私の能力でもそんなこと出来ないわよ? なんたって、そんなことが起きる確率なんて無いんだから......。

 

「......本当にそんなことが起きるなら、外にいる吸血鬼は全滅するでしょうね。それにしても、どうしてそんなことを私に教えるの? そんなことが出来るなら、言わない方が私達を殺せると思うけど?」

「いえいえ、貴方達には、今後とも協力してほしいのですわ。だから、生かしているのですよ」

「へぇ、言うじゃない。まぁ、今敵対しても意味無いから、何も言わないとしましょうか」

「その方が、こちらとしても助かりますわ。では、また明日来ますわ。それでは、ご機嫌よう」

 

 そう言って、胡散臭い妖怪は空間に裂け目を作り、何処かへと消えてしまった。

 

「えぇ、また明日......まぁ、出来れば、会いたくないんだけどね。さて、会いに行かないとね」

 

 そう思い、私は図書館へと向かった──

 

 

 

 ──紅魔館(図書館)

 

「レナー、フランー居るかしらー?」

「あ、レミリアお姉様! やっと来たー!」

「ふぁ、あ、お姉様......」

 

 図書館に来た時、レナとフランが一緒に本を読んでいた。フランはまだまだ元気そうだけど、レナはかなり眠そうだった。まぁもう日が昇るしねぇ。

 

「待たせてごめんなさいね。明日は客人が来ることになったけど、それまではずっと一緒に居れるわよ」

「やったー! お姉様、レミリアお姉様とずっと一緒に居れるよ!」

「あ、はい。良かったで、ふぁ〜......お姉様、フラン。もう眠たいので、部屋に行きましょう」

「あ、お姉様、大丈夫? ふらふらしてるけど......」

「よっぽど眠たいのね。さ、早くフランの部屋に行きましょう。......そう言えば、パチュリーとアリスって人は?」

「多分、まだ魔導書選んでると思うよ」

 

 まぁ、朝なら一人でも帰れるだろうから、別にいいか。

 

「そう、分かったわ。それじゃ、行きましょうか」

「うん!」

「ふぁ〜、はい......」

 

 こうして、私達はフランの部屋へと向かった──

 

 

 

 ──紅魔館(フランの部屋)

 

「着いたねー」

「......お姉様、フラン。すいませんが、眠たすぎるので......私をベッドに運んで......パタッ」

 

 部屋に着いた途端、レナがそう言って倒れた。

 いや、それほど眠たかったの!? 普通倒れるほど眠たくなんてならない思うんだけど! ......はぁ、仕方ないわね。

 

「フラン、レナを運ぶのを手伝って」

「うん、分かった」

 

 フランの協力もあって、無事、レナをベッドまで連れて来ることが出来た。

 ......そして、レナの背中に触れた時に、赤い何かが手についた。これは......血?

 

「じゃ、私達も寝ましょうか。......フラン、レナの服は黒いから分かりにくかったんだけど、この娘、背中に血が付いてるけど、何か知らない?」

「え、あ......もしかして、折れた時に骨が背中に当たって......あ、わ、私は何も知らないよ?」

「......怒らないから、正直に言いなさい」

「......私が、お姉様を抱き締めた時に、骨を折っちゃったの......」

 

 吸血鬼でも、抱き締めただけで骨って折れるんだ......。いや、それよりも、レナのことだし、もう許してるよね。......フランに嫌なことを思い出させたわね。

 

「......嫌なことを思い出させたかしら? ごめんなさいね」

「ううん。大丈夫だよ。お姉様も許してくれたし......」

「それなら、良かったわ。......さ、もう寝ましょうか」

「うん、おやすみなさい」

「えぇ、おやすみ」

 

 そう言って、私とフランはレナを抱き枕のように抱き締めて、目を瞑った────




次回は金曜日。最近、忙しくて、予定通りに投稿出来なくてすいません()
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