東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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2、「紅い館の門番」

 side Remilia Scarlet

 

 ──紅魔館(ホール)

 

「おねーちゃーん!」

「え、レナ? いや、ミア?」

 

 戦闘に向け、ホールに居ると、ミアが『抜け道』を作って入ってきた。

 

「ミアだよー! お姉ちゃん、もうすぐしたら、異変を解決しに人間が来るよ」

「え、えぇ、教えてくれてありがとうね。でも、上に来ちゃダメって言わなかったかしら?」

「それはレナとフランだけでしょ? 私はダメとは言われてないからねー」

 

 そう言えば、そうだったわ......。すっかりミアに言うのを忘れてた。

 

「はぁー、まぁいいわ。貴女って、いえ、貴方達って本当に......もういいわ。言ったら余計に頭が痛くなるから」

「......ごめんなさい」

 

 ......はぁー、そんな泣きそうな顔で言われると、私が悪い感じになっちゃうじゃない。

 

「いいわよ。謝る必要なんてないわ。それよりも、後何分くらいしたら着くとか分かるかしら?」

「異変解決には、二人の人間が動いていると思う。片方は魔法使いで、もう片方は多分巫女かな? 異変を解決するのって、巫女の仕事らしいし。それで、魔法使いの方は後数分したら着くと思うよ。巫女の方は魔法使いよりも数分遅れて着くと思う」

「そう......分かったわ。ありがとうね。それと、レナが大変みたいだけど、大丈夫なの?」

「私は身体能力とかは人間並に低いから、足でまといにしかならないからね。フランを力ずくで抑えるなら、魔法で出来るかもだけど......パチュリーのアドバイス通り、遊ぶならレナだけの方がいいと思うからねぇ〜」

 

 へぇー、アドバイスなんて貰ってたんだ。まぁ、レナだけでも大丈夫か。多少は怪我するかもだけど、あの娘達は大丈夫みたいだし。

 

「ただ、レナとの約束が守れそうにないのが少しね......」

「約束? 何の?」

「異変解決者を部屋に連れて来て欲しいから、手伝って。と言う約束だよ。今の状況で人間を送り込むとなると、その人間が死んじゃいそうだし。多分、レナと私みたいな能力を持ってる人じゃないとね。どんな能力を持っているか分からないから、送ろうにも送れないのよねぇ」

「ふーん......まぁ、今日じゃなくてもいいんじゃない? また後日、その二人のどちらかを連れてこればいいと思うわよ」

 

 連れて来ると言っても、無理矢理になるんだろうけどね。レナは常識がある方だけど、フランの為ってなったら、その常識も捨てるだろうし。フランはそもそも......これは私のせいかもね。フランを外に出さなかった私の......いや、今は置いておこう。これが終わったら......成功しても、失敗しても......。

 

「お姉ちゃん、大丈夫? 顔が暗いよ? フランのことでも悩んでた?」

「......分かってたなら聞かないでよ」

「あ、当たってたんだね。じゃ、私は行くね。もうすぐしたら、魔法使いの方が来るみたいだし、そっちに会いに行ってくる」

「そう、気を付けてね」

「大丈夫だよ。私は魔力の塊みたいなものだし、器が消えてもレナのところに戻るだけだから」

「いや、そういう問題じゃないんだけどね。まぁ、大丈夫ならいいわ」

 

 レナもレナなら、ミアもミアか。やっぱり、少し性格は違うくても、根は同じね。......フランも私もそうなのかしらね。

 

「んー? まぁ、いっか。じゃ、私は行ってくるね〜」

「えぇ、行ってらっしゃい」

 

 そう言って、ミアは部屋を出ていった────

 

 

 

 

 

 side Kirisame Marisa

 

 ──紅魔館周辺(上空)

 

「へぇー、いつの間にこんなのが出来てたんだ?」

 

 しばらく進むと、霧の湖付近に紅い建物があった。

 前にここら辺に来た時は見なかったが、いつの間にこんなのが作られてたんだ? まぁ、いつでもいいか。

 

「それにしても、悪趣味な館だぜ。ん? あれは......門番か?」

 

 悪趣味な紅い館の門に一人、女性が立っている。

 まだこっちには気付いていないみたいだな。それなら──

 

「......よし。あいつは放っておくか。じゃ、またな」

 

 ──霊夢に追いつかれそうだし、あれは放っておくことにするか。競走をしてる訳じゃないが、霊夢よりも早く黒幕に会いたいしな。

 

「どうやって入ろうか......。正面から入ったら、流石にバレるよな? なら、窓から入るか。開いてるといいな〜」

 

 もしも閉まっているなら割るしかないが、それでも正面よりはマシなはず。割った音で来なかったらの話だが。

 

「さて、開いてるかな〜」

 

 なんてことを言いながら、窓に近付き、窓を開けようとした。

 

「あ、マジか......。まさか開いてるとは思わなかったぜ」

 

 ──まさか開くとは思ってなかったが、結果オーライというやつだろう。

 

そう思いながら、窓からこっそりと中に入る。

 

「お邪魔しまーす。まぁ、誰も居ないとは──」

「居るよー」

 

 そう言って入ると、横から声がした。横に居たのは、紅い髪をした十歳くらいの少女だった。

 魔力を感じるから、魔法使いと言うのは分かるが......それにしても強過ぎないか? こんなに強い魔力は今まで感じたことがないぜ。それに、中に入るまで感じなかった。何かあるのか?

 

「はぁー、なんだ、居るのか」

「そんな、ため息つかなくてもいいじゃん......」

「せっかくバレずに入れたと思ったのに、入った瞬間バレたらため息もつきたくなるぜ」

「それも分かるけど......そもそも、バレてたよ? 最初から」

 

 ──おいおい、マジかよ......せっかくの気分が台無しだぜ。せめて言わないで欲しかったな。

 

「一応、聞くが、どうしてバレてたんだ?」

「魔力で」

「あぁ、聞いた私が馬鹿だったぜ。そんな常人離れした魔力を持ってるんだ。魔力探知は凄い距離まで出来るんだろうな。で、いつ気付いたんだ? 私がマスタースパーク撃った時か?」

「うん、まぁ、その時かな」

 

目を合わせようとしない少女を見て悟った。

 

 ──あぁ、絶対その前からバレてたな。それにしても、規格外にも程があるだろ。私の何倍の魔力なんだ? こいつは。

 

「そう言えば、お前の名前は?」

「名前を聞く時は?」

「ボコればいいのか?」

「どんな教育受けてるの......私はミアよ。貴女は?」

「私は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いだぜ」

 

 と言っても、こいつと比べたら普通以下にしか見えないだろうけどな。

 

「へぇー、魔理沙ね。よろしくね。で、異変解決に来たんだよね?」

「あぁ、そうだぜ。スペルカードで勝負するか?」

 

 普通で戦っても勝ち目はないが、スペルカードなら勝ち目はあるはずだ。と言うか、あって欲しい。流石に鬼畜な弾幕は使わないだろうし......大丈夫だよな?

 

「ううん、今はやめとく。私、こう見えても魔法で出来た分身なのよね。で、私を作った人、と言うか本体? まぁ、その人が今大変だから、こっちで戦闘でもしたら、本体がやばいことになると思うから」

「おいおい、衝撃的な事実をさらっと言いやがるな。今度、その本体に会わしてくれないか? 色々と魔法について教えて欲しいからな。それにしても、お前から凄い魔力を感じるのに、本体じゃないってのは驚きだぜ」

「私と本体は記憶を共有してるから、私でも教えれるよ? それに、今、その本体は魔力がほとんど無いからね。私を召喚するのと、現在進行形で魔力供給しているせいでね」

 

魔法使い同士でしか分からないであろう話をまじまじと私は聞いた。

 

 ──ふーん、色々と制約的なのがあるんだな。だが、本体も同じくらいの魔力を持っているはずなのに、どうしてわざわざ召喚する必要があるんだ? 魔法使いなら、自分の身が危険に......もしかして、本体って妖怪なのか?

 

「ミア、一つ聞きたいんだが、お前の本体って妖怪なのか?」

「うん、そうだよ。吸血鬼って言う種族。ちなみに、姿は私と全く同じだよ。ただ、違うところは紅い翼があるってことだけ」

 

 吸血鬼......『吸血鬼異変』の奴か。余計やばいな。確か、吸血鬼って数日で幻想郷を後一歩のところまで壊滅状態にさせた妖怪だよな? その吸血鬼だとすれば、妖力もやばいはず......妖力も魔力も凄いってかなりせこい気がするぜ。

 

「そう言えば、お前はどうして戦わないのにここに来たんだ?」

「案内ですよ。お姉ちゃんのところまでの」

「お姉ちゃん? 異変を起こした奴のことか?」

「うん、正解。ちなみに、私達は三姉妹なの。今は一番上のお姉ちゃんが異変を起こしてて、私の本体である次女が末妹と一緒に地下で遊んでるって状況」

「なるほど、変な姉妹ってことは分かったぜ」

 

 異変を起こしている最中に、妹達は遊んでいるって、長女はきらわれているのか? まぁ、本人に会ったら聞くか。

 

「変とは失礼ね。ま、否定はしないけどねー」

「なんだ、しないのか。で、何処に居るんだ? それと、出来れば魔導書とかあったら貸して欲しいぜ」

 

 魔力が凄い奴だし、魔導書くらい持ってるよな? と言うか、持っていて欲しいぜ。死ぬまで借りたいし。

 

「死ぬまで借りないでね?」

「なんだ? 覚にでもなったか?」

「本当に死ぬまで借りるつもりだったんだ......まぁ、あるよ。案内してあげる」

「おう、優しい奴で良かったぜ」

「褒められてる気がしないのはなんでだろ? ま、いいや。じゃ、ついてきてー」

「分かったぜー」

 

 そう言って、私はミアについて行った────

 

 

 

 

 

 side Hakurei Reimu

 

 ──紅魔館周辺(上空)

 

「......あれね。勘だけど」

 

 しばらく妖精やらなんやらを倒しながら飛び続けていると、紅い館が見えた。

 おそらく、あれが──

 

「『華符「芳華絢爛」』ッ!」

 

 その声が聞こえた直後、声が聞こえた場所から、花が咲き誇るような弾幕が周囲に広がった。

 

「なっ!? せめて宣言する前に何か言いなさいよ!」

 

声のした方向に振り返ると、そこには緑っぽい色の華人服を身に纏い、何かの構えを取っていた女性が、こちらを鋭い瞳で見つめていた。

 

 ──間一髪、横に避けたが、相手が叫ばなかったら当たってた。

 ちゃんとした不意打ちじゃなくて助かったわね。

 

「ふーん、最初はびっくりしたけど、この弾幕、綺麗なのはいいけど、避けるのは簡単ね。同じ弾幕しか飛んでこないし。お返しにこれをあげるわ」

 

 そう言って、その妖怪に向かって弾幕を幾つか飛ばした。

 

「避けるの上手す、痛い! くそ、背水の陣だ!」

「あんた一人で『陣』なのか?」

 

 こうして、私は、そう言って逃げる妖怪を追いかけた──

 

 

 

 ──数分後 紅魔館 門前(上空)

 

「ついてくるなよ〜」

「道案内ありがと〜」

 

紅い霧の中、弾幕を飛ばしつつ逃げる妖怪を追いかけていくと、紅い館の近くへと出てきた。

 

「あら、私について来てもこっちには何もなくてよ?」

「何もないところに逃げないでしょ?」

「うーん、逃げる時は逃げると思うけどなぁ」

 

 ──まぁ、確かにそれもそうね。でも、すぐそこに紅い館が見えるんだけど。

 

「ちなみに、貴女、何者?」

「えー、普通の人よ」

 

 いやいや、そこは『普通の妖怪』でしょ。まぁ、それはどうでもいいわ。

 

「さっき攻撃してきたでしょ?」

「それは普通に攻撃したのよ。貴女の方こそ、普通の人間じゃないでしょ?」

「私は巫女をしている普通の人よ」

「それはよかった。たしか......巫女は食べてもいい人類だって言い伝えが......」

「言い伝えるな!」

 

 全く、これだから妖怪は......。

 

「で、スペルカードは何枚にするの? さっき私が一枚使っちゃったし、そっちが一枚多くていいのよ?」

「なら、私が三枚、貴女が二枚ね。急いでいるから、すぐに通らせてもらうわよ」

「そう、分かったわ。じゃ、こっちから! 『虹符「彩虹の風鈴」』!」

 

 そう言って展開された弾幕は、まるで流れる虹のようで、美しいものだった。

 

「やっぱり、綺麗な弾幕ね、貴女のは。でも、綺麗な弾幕ってだけじゃ、勝てないわよ?」

 

 喋りながら、上下左右に弾幕を避けていく。

 

「でも、綺麗な方がいいでしょ?」

「まぁ、それもそうね。で、次のスペルカードは? 私はスペルカードを使わないし、見飽きたから、次のを使ってよね」

「あら、もしかして、馬鹿にされてる?」

「いいえ、違うわよ。ただ、綺麗な弾幕を潰すのは勿体ないでしょ? でも見飽きたから」

「それは馬鹿にしている気もするけど......いいわ! 喰らいなさい! 『彩符「極彩颱風」』!」

 

 次のスペルカードは、虹色の弾幕が敵を中心に、雨のようにばら撒かれるという物だった。

 さっきの方が綺麗ね。まぁ、いいけど。

 

「うーん、虹色なのはいいけど、少し微妙ね」

「う、うるさいわね!」

「まぁ、いいわ。はぁっ!」

 

 そう言って、左右に避けながら、幾つかの弾幕をその妖怪に向かって飛ばした。

 

「ちょ、痛い痛い! 攻撃しないんじゃなかったの!?」

「しないのはスペルカードだけよ。じゃ、もう一度。はぁっ!」

「痛いってば! と言うか、スペルカードはもう終わってるわよ!」

「あぁ、そう。なら、貴女の負けね。さぁて、道案内してもらいますよ」

「えぇ!? ......はぁー、すみません、お嬢様~」

 

 こうして、私は妖怪に案内をさせ、紅い館の中へと入っていった────

 

 

 

 

 

 side Kirisame Marisa

 

 ──紅魔館(図書館)

 

「ほら、ここだよ」

「わぁ、本がいっぱいだぁ。後でさっくり貰っていこ」

「持ってかないでー。って、レナ? いや、ミア? どうしてここに居るの?」

「持ってくぜ。それと、こいつは私の案内人だぜ」

 

 まぁ、間違ってはないよな、うん。

 

「えぇーと、目の前の黒いのからミアを取り返す方法は......」

 

 目の前の魔女はそう言って、本をペラペラとめくり始めた。

 それにしても、それは載っているのか?

 

「パチュリー、載ってないと思う」

「あら、そうなの? そう言えば、どうしてここに来たの?」

「本を借りにだぜ。それと、この異変を起こしているこいつの姉に会うためにだぜ」

「そう、分かったわ。なら、ここから先には通さなゴホッゴホッ!」

「え、大丈夫か?」

 

 会話中、いきなり魔女が激しい咳をし始めた。

 

「だ、大丈ゴホッゴホッ!」

「おいおい、無理しない方がいいぜ?」

「はぁ......本当に無理かもしれない......」

「......魔理沙、少し待ってもらえますか?」

 

 まぁ、少しくらいならいっか。

 

「まぁ、案内してもらうわけだしな。いいぜ」

「では、発作を一時的にですが、治しますね。まぁ、数分かかりますけど......」

「あぁ、分かったぜ。......なんか不利になるような気がするが、気にしないようにするぜ」

 

 こうして、少しの間、待つことにした────




今回、終わり方が中途半端となりましたが、しばらく忙しくなる為なので、お許しくださいませ。

水曜日には投稿するはず......用事が終わればだけど()
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