ただ、レミリアとフランが一緒に寝ようっていうだけのお話です()
sside Remilia Scarlet
──紅魔館(レミリアの部屋)
秋が終わり、天候の急変が告げる霧の中に冬のにおいが混じる今日この頃。
今日もいつも通り朝に起きて、いつも通り霊夢が居る神社に行こうとしていた。
「......レミリアお姉様、起きて」
「んー......フラン......?」
だが、今日はいつもと違っていた。いつもは見ない妹が、私の上に乗っていたのである。まるで、どこへも行かせないようにするために。
「......珍しいわね。フランがこんな時間に、それも一人で来るなんて。
というか降りてくれない? 少し重いわ」
「いや。レミリアお姉様......今日は一日中、一緒に居よ?」
まるで物をせがむ子供のように、愛くるしい目で見つめてくる。
よく妹達にこの目をされるが、どうしてか胸がドキッとする。やっぱり可愛い妹だからだろうか。
「あら、急にどうしたの?」
「だって、レミリアお姉様、最近はいっつも霊夢のところに行ってるでしょ? たまには私と遊んでくれてもいいよね?
ずっと相手にしてくれないのは寂しいよ......」
思えば、ここに来てからレナやフラン達とほとんど一緒に遊んでいない。
──姉として失格かもしれない。今日は、友人よりも妹の方を優先しようかしらね。
「フラン......。そうね、今日くらいそれもいいわね。......ごめんなさいね。一緒に遊んでやれなくて」
「ううん、今日だけでも一緒に居てくれたらそれでいいよ。じゃ、お姉様達が起きるまでまだ時間あるし、一緒に寝よっか......」
「え? 貴女、私を起こしに──って、寝転ぶの早いわね」
フランは私の横に行き毛布に包まる。そして、フランは私を絶対に離さないように力強く抱き締められる。
「......レミリアお姉様、あったかい。......大好き」
「......私も好きよ、貴女のこと。それじゃ、おやすみなさい。それと、あまり強くしないでよね?」
「大丈夫。お姉様相手に練習してるから」
「そ、そうなのね。それならいいわ」
レナに色々と大変なことを押し付けているのかもしれない。それも、フランとルナの両方を相手にしているのだから、かなりの労力が必要だろう。
──たまには変わってあげないとダメね。それに、甘えさせないとね。あの娘、色々と我慢すること多いし......。
「じゃ、おやすみなさい。多分、お姉様達が起こしに来てくれると思うから、それまで寝とこうね」
「今日は貴女と遊ぶことにするから、貴女の好きなようにしなさい。それじゃ、おやすみなさいね」
私はフランを抱き締め返し、もう一度瞼を閉じた────
side Renata Scarlet
──数時間後 紅魔館(レミリアの部屋)
朝、そろそろお姉様でも起こしに行こうかと目を覚ますとフランがいなかった。
心配になってしばらく探していたが、見つからなかったので先にお姉様のところに行ったのだろうと思い、お姉様の部屋へと向かった。
「んー......レミリアお姉様......」
そして、そこにはフランがお姉様の横で気持ち良さそうに寝ている姿があった。
それを見た瞬間、素直に羨ましい、という感情が湧き上がった。
──できるなら、私もその間に入って一緒に寝たい。
「オネー様、フランとレミリアオネー様が気持ち良さそうに寝てる。フランだけずるい」
私と一緒に来ていたルナが二人を、特にフランを妬ましくも羨ましそうに見ながらそう呟く。
「まぁまぁ。ルナも後で一緒に寝れるようにお姉様に言ってみますから、落ち着いて下さい」
「んー......あら、レナにルナ? 起こしに来てくれたのね、ありがとう。けど、今日はいいわよ。今日は一日中ここに居ることにしたわ」
珍しい。ここに来てからは毎日のように、霊夢のところに遊びに行ってたのに。
──もしや、フランが何か言ったのかな? となればグッジョブフラン。お姉様をここに引き止めてくれて。......本来なら、私がやるべき事なのに。
「レミリアオネー様、今日はここに居るの?」
「えぇ、そうよ。......レナ、ルナ。貴方達も寂しかった?」
「私は大丈夫ですよ。お姉様がしたいことをしているなら......それで満足です」
本当のことを言えば、少し寂しい。そして悲しい。霊夢が妬ましい。
でも、それでもお姉様が決めたことなら......と割り切れる。
「私は寂しい。でも、オネー様やフランがいるから大丈夫」
「......そう、二人とも寂しかったのね。ごめんなさい、一緒にいてあげれなくて」
「いえ、私は寂しくなんて......」
「オネー様もずっと寂しそうにしてた。オネー様、嘘ついちゃダメ」
どうやら、妹には何もかもバレているようだ。やっぱり私は分かりやすいのかもしれない。
「ルナ、それは言わないでください」
「そうなノ? ごめんなさい」
「えっ、あ、謝らなくていいですよ! これは、その、ほら! 冗談ですので!」
「レナ、必死になりすぎ。それで、レナ? 本当はどうなの? 寂しかったの?」
私の目だけを真っ直ぐ見据え、お姉様が優しい口調で語りかけてくる。
「うぅ......はい、寂しかったです......。ですが、本当に大丈夫です。フランとルナが居ますし、たまにパチュリーや美鈴、ミアがこの娘達の面倒を見るのを手伝ってくれますので」
本当に、私一人でこの二人の面倒を見るのは疲れる。けど楽しいし、可愛いから苦ではないけど。
──それでも、本当のことを言うとお姉様がいる方が嬉しい。
「そう、それなら良かったわ。......そう言えば、ミアは何処なの? 折角だし、今日は姉妹みんなで一緒にいたいんだけど......」
「今日は......多分、魔法の森だと思います。私が呼び戻して来ましょうか? 感覚共有も、連絡手段もないので探すのに多少の時間はかかるとは思いますけど......」
「うーん......レナ、任せてもいいかしら? 私はフランとルナの面倒を見ておくわ」
「はい、勿論いいですよ。多分、太陽を避ける為に日傘かフード付きの服を着ているので、すぐに見つけれるはずです。と言うことで、行ってきますね。お姉様、ルナ。フランが起きたらすぐに帰ると伝えて下さいね。フランは心配性で、寂しがり屋ですから......」
これからは、誰かの位置がすぐに分かるような魔法でも研究しよう。密かにそう心に決めると、抜け道を作るための詠唱を始める。
「えぇ、そうね。分かったわ。それじゃあ、気を付けてね」
「オネー様、バイバイ」
「はい。では、また後で」
それだけ言い残し、私は抜け道を作って魔法の森へと向かった────
side Remilia Scarlet
──紅魔館(レミリアの部屋)
「......さて、レナが探しているうちに、フランも起こしましょうか」
レナを見送ると、起きようと体を起こしながらそう呟いた。
「レミリアオネー様、それは後でいい。私も貴女の横で寝たい。いいよネ?」
「え? 今ここで一緒に寝たいってこと?」
「うん、そう言うこと。ねェ、いいでしょ?」
とか聞きながらも、ルナは既に私の横で寝ようとしている。
──いつもなら、それでもいいけど......今日は既に一度起こされている。それに、レナにまた起こされるのも......。
「......ルナ、今日の夜じゃダメ? 私、フランに一度起こされてるのよ。だから、寝たい気分じゃないの。......ごめんなさいね? 代わりに夜に一緒に寝てあげるから」
「むぅー......フランずるい。でも、夜に一緒に寝るならいい。でも、二人だけで寝ようネ?」
「でもね、ルナ。フランやレナが一緒に寝たいって言ったら、諦めてみんなで一緒に寝なさいよ? じゃないと、貴方達喧嘩になるからね?
まぁ、今フランが寝てるのは私の責任でもあるから、この娘達が一緒に寝ようって言うまでは、何も言わないつもりではあるけど......」
「んー......それでいいよ。でも、約束は守ってネ? 守らないと......どうしよ?」
「そこはちゃんと考えてから言いなさいよ......」
やっぱり......フランもルナも考えてる事はほとんど同じようだ。若干ルナはフランよりも世間知らずなところがあるが。
「考えるのは貴女が裏切ってからでいいや」
「何故か、その言い方だと傷つくわね......。さてフランを起こしましょうか」
「うん、分かった。......フラーン。起きてー」
そう言いながら、唐突にルナがフランの頬に平手打ちをし始めた。
「って、強く叩き過ぎてない? えっ? フランに何か恨みでもあるの!?」
「ん、大丈夫。そこまで痛く──」
「んー......って、痛っ!? え、な、ぶはっ! い、痛いって!」
「起きた? フラン、貴女だけずるい。私もレミリアオネー様と一緒に寝たかった! ......ずるい、ずるいよ。うー......」
ルナが怒っていたと思ったら、次は突然涙を流し始めた。普通、泣くとしたらフランの方なのだが。
──......本当にルナの中で何があったの?
「あー、うん。ごめんね。次からはちゃんと言ってから行くね。だから、泣き止んで、ね?」
「グスッ、うん.....。フラン大好き.......」
「えーっと......ねぇ、ルナ? 貴女もフランを叩いたりしたんだから、フランに謝りなさいよ? それと、誰かこの状況説明して欲しいわ」
「......フラン、ごめんなさい」
「うん、いいよ。私は大丈夫。それと、レミリアお姉様。ルナはたまに情緒不安定になったり、発狂する時があるけど......それは、ほら。私の中にいた時の名残なの。だから、ね? ルナを許してあげて」
なるほど。要するに、昔のフランが発狂した時と同じ状況なのか。
──そう言うことなら許しても......いいのかしら?
「ま、まぁ、許すも何も、私は怒ってないからいいわよ。フランが許すのならそれでいいわ。
でも......フラン。貴女もルナと同じようなことにならないの?」
「......うん。なるらしいよ。ただ、ルナよりも頻度は低いみたい。お姉様曰く、そう言うのはほとんどがルナの方に行っちゃったから、とからしいよ」
「そう......。それは仕方ないわよね......」
やっぱり、身体に染み付いたものは消せないようだ。けど、それでも問題は無い。フランもルナも、それをそこまで悪くは思ってないみたいだし、頻度もこれから減らしていけるだろう。
「......? レミリアオネー様、固まってるけど、どうしたの?」
「......何でもないわよ。さて、何をして遊びましょうか? レナが帰ってくるまで、図書館かフラン達の部屋で遊びましょう」
「あ、そう言えば、お姉様は何処に行ったの? 姿が見えないけど......」
「大丈夫よ。すぐに帰ってくるわ。ミアを連れてくる為に、少し出かけているだけだから。さ、それまでは三人で遊びましょう」
「......うん、分かった。それまで何して遊ぼっかなぁ。あ、ルナは何したい? あ、出来るだけ、普通の遊びで遊ぼうね?」
──逆に普通じゃない遊びってどんなのよ......。ほんと、レナの苦労が思いやられるわね。私も頑張らないと。
「んー......かくれんぼしたい。レミリアオネー様が鬼ね!」
「あ、ルナ! まずは私達の部屋に行ってから! ......あ、行っちゃった。レミリアお姉様、じゃ、私も隠れるから、三十秒数えてね!」
「え、ちょっと! ......あれ、もしかして、この館中探せって言ってるのかしら? ......ふふふ。それでもいいわ。上等じゃない、探してやるわよ。
でもまずは、三十秒数えないとね。いーち、にー、さーん......」
こうして元気を取り戻した妹達と一緒に、レナ達が帰るまで、かくれんぼを始めた────
次は金曜日に投稿予定。
この話の続きと、久しぶりにミアとレナが話すと言うお話の予定。
どうでも良い話だけど、新しい小説を書き始めた(なお、短い)
そして、結局はレミフラ、ガールズラブだった()
まぁ、そっちはこっちよりも仲悪い、というか、仲悪いのを仲良くさしていくっていうだけのお話(なお、短い(2回目))
ちなみに、こっちの投稿ペースは今までと変わりありません。逆にあっちは不定期だけどね!()